動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2010年12月17日

犬猫を飼育する費用を覚悟

犬・猫「飼いたい!」その前に 費用や責任、しっかり覚悟 日本経済新聞

 現在、国内でペットとして飼育されている犬、猫の頭数は約2200万頭に上る。今や「ペット」ではなく「コンパニオンアニマル」とも呼ばれ、家族の一員として迎えて生活する人も増えている。これから犬や猫を飼おうという人は、どのような知識を持っておけばいいのだろうか。

 癒やしや安らぎを与えてくれる存在が欲しい、動物が好き、愛情を注ぐ存在が欲しいなど、犬や猫を飼う動機にはいろいろあるだろう。

 理由はどのようなものであれ、飼う以上は「犬や猫は人間に癒やしを与える“道具”ではなく、心も感情もある“命”だということを十分に認識してほしい」と獣医師の山口千津子さんは訴える。犬や猫が健康で安全に暮らせるように気を配り、生涯に責任を持つという心構えが必要だ。


「飼わないことも動物愛護!?」。日本動物愛護協会(東京都港区)は気になる言葉を掲げる。同協会に寄せられる電話の約3割は、何らかの事情で動物が飼えなくなって譲渡先を探したいなどの相談だという。「中には飼い主が少し努力すれば飼い続けることができるケースもある」と事務局長の吉野功さん。

 吉野さんによると今後、増加が懸念されるのは、収入減などにより飼育する余裕がなくなる、ペットを飼えない物件への引っ越しを余儀なくされる、などのケース。病気や介護などによって飼えなくなる高齢者世帯もある。

 犬や猫の寿命は延びていて、小型犬や猫であれば15年以上生きることも珍しくない。長期間、世話をするための時間や体力、経済力を維持できるのかというのは大きな問題のようだ。

アニコム損害保険(東京都新宿区)の調査によると、犬と猫にかける年間支出は毎年20%以上増加し、2010年は犬が30万3495円、猫が17万6944円になった。ペット保険の加入者を対象にした調査なので一般的な支出額よりは大きい金額の可能性もあるが、動物病院は自由診療なので、ペットがケガや病気をした場合の治療費は高額になる可能性がある。

 何らかの事情で自分が飼えなくなった場合を想定し、「万が一の時に代わりに飼ってくれる人を探しておくのも飼い主の責任」と獣医師の細井戸大成さんは強調する。

 犬や猫と快適に暮らすための注意点もいくつかある。

 山口さんは「犬や猫の本来の行動本能が出せるような環境をつくってあげたい」という。犬であれば歩き回るスペースが必要だし、猫は飛び乗ったり飛び降りたりして遊ぶキャットタワーなどを用意し上下運動できるようにするのが適している。犬なら1日2回程度の散歩が必要だ。

 実は動物の「不適切な飼養」で最も多いのは、必要な運動をさせないなどの「ネグレクト」だという。食事さえあげていればいいというわけではなく、適度なコミュニケーションをとり、運動させることは犬や猫を育てるうえで大事なことだ。

飼い猫や飼い犬の繁殖を望まないのであれば、不妊・去勢手術をすることを勧める専門家は多い。特に猫については室内だけでなく中と外で飼う人がいるが、手術をせず飼いきれない数の子猫が生まれたなどの理由で、自治体に引き取りを依頼する頭数が年間15万頭を超える。そしてその多くは殺処分されるという現状がある。

 猫の去勢・不妊手術に助成金を出す自治体などもあるため、自治体の制度などをチェックしてみよう。

 犬や猫を飼い始めてから悩んだり疑問に思うことがあったら、「信頼できる獣医師やトレーナーなど専門家を見つけて相談するのが一番」と細井戸さん。信頼できる獣医師がいれば健康相談にとどまらず、飼い方についてもアドバイスをもらうことができる。

 飼い主の責任は重いが、愛情を注げる小さな“命”と一緒に暮らす生活はきっと豊かなものになるだろう。

[日経プラスワン2010年12月11日付]
タグ:責任 殺処分
posted by しっぽ@にゅうす at 09:20 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする