人と動物の共生社会を推進しようと、牛久市は「動物の愛護及び管理に関する条例」を制定する。所有者が分からない犬と猫は一時的に市が預かり、里親を探すことなどを規定する内容。同様の条例を県も定めているが、市町村独自で制定するのは県内初。1日開会した定例市議会に同条例案を提出している。
条例案は全14条で構成。動物が快適に生活できるよう飼い主の義務と責任を定めた「動物の福祉」を規定したのが大きな特徴。
飼い主には、適正飼養と終生飼養のほか、飼育を放棄する場合は新たな飼い主を見つけるよう務めることを定めた。また、屋内飼育や不妊去勢手術、名札や首輪の装着などの努力義務も定めた。罰則規定はない。
条例により、同市は所有者の判明しない犬と猫の一時預かりを行い、所有者の確認に努めるとともに、新たな飼い主を見つける施策を講じる。災害時の保護義務も定めた。
市は2011年度から犬猫の不妊去勢手術の助成制度を新たに実施するため、当初予算案に補助費175万円を計上している。助成制度は飼い主のいない犬猫も対象となる。
県動物指導センターが2009年度に殺処分した犬や猫は7391匹に上り、犬の殺処分数で本県は09年度まで5年連続全国ワーストを記録している。池辺勝幸市長は「ペットを飼っていた一人暮らしの高齢者が増え、ペットだけ後に残されるケースも出てくる。責任を持って命あるものを飼う、という原点に戻りたい」と話している。
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