盲導犬などの補助犬の入店拒否事例が後を絶たないことなどから、
NPO法人「県補助犬支援センター」は、
パンフレット「一目でわかるほじょ犬豆辞典」を発行し啓発活動を続けている。
昨年末には災害時の避難所での視覚障害者への気配りも加えた改訂版を作り、
活用を呼びかけている。
県障害福祉課によると、11年度に補助犬について105件の相談が寄せられ、
そのうち25件が店を利用しようとして補助犬の入店を拒否されたとの内容だった。
相談件数は09年度の115件より減少したが、10年度の80件より増加。
レストランやデパートなど不特定多数の人が利用する施設で、
補助犬を拒むことは法律で禁じられているが、
なかなか認知が広まらない。同課は「カラオケ店やフィットネスクラブが拒否したケースもあった。
補助犬使用者の行動範囲が広がっていることも拒否が相次ぐ一因」と背景を分析する。
同センターでは障害者の社会参加に欠かせない補助犬の役割を知ってもらおうと、
赤い羽根共同募金の助成を受け、10年にイラストを交えたA3判六つ折りの「豆辞典」を作成。
「さわらないで」「話しかけないで」などの注意のほか、新たに5000部印刷した改訂版では
「避難所では視覚障害者に声をかけて」など、災害時の盲導犬使用者への心遣いも記載した。
川口綾理事長(38)は「入店を拒否する人に豆辞典を渡すだけでなく、
障がいのある人がどんなサポートをしてほしいか、多くの人に読んで知ってほしい」と話す。
問い合わせは同センター(054・221・5544)。
厚生労働省によると、県内には1日現在で盲導犬49頭▽介助犬3頭▽聴導犬2頭−−と
54頭の補助犬がいる。【吉富裕倫】
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