県内で年間6000匹以上の犬や猫が、飼い主が飼育放棄したことなどにより
殺処分されている現状を知ってもらおうと、
殺処分前の犬猫の写真や統計などをパネルで紹介する写真展が
水戸市見和2の市立見和図書館で開かれている。13日まで。
写真展は県動物愛護推進員の有志が主催。
代表を務める飯塚みどりさん(56)は「県内に収容場所が1カ所しかないことが問題」と指摘する。
路上で保護されたり、飼育放棄された犬や猫は全て笠間市の県動物指導センターに収容される。
センターではホームページで写真や特徴を公開し飼い主を捜すが、
1週間以内に見つからない場合は殺処分となる。
県などによると、2011年度に県内の公的施設で保護された犬が、
殺処分されずに飼い主の元に戻った「返還率」は全国ワースト2位の6・4%。
10年度までは6年連続で最下位だった。
全国平均は30・8%で、トップの東京(90%)とは大きな差がある。
11年度にセンターに収容された猫2986頭の約9割が子猫。
飼い主がペットを捨てる理由は「数が多すぎる」ことが最多となっている。
飯塚さんは「ペットに避妊や去勢をさせることで、命が奪われることは防げる」と強調する。
会場ではセンターで処分された犬や猫の生前の写真20枚が掲示された。
飼育委員を務める見川小6年、飛田風香さん(12)は
「生きるために生まれてきた命なのに……。飼い主は責任を持って育ててほしい」とうつむいた。
飯塚さんは「この写真を見て『可哀そう』と思うのではなく、
どうすれば命が奪われずに済むか考えてほしい」と話した。
【松本尚也】