世界でもっとも猫を飼っている割合が高い国をご存じでしょうか?
その国とはニュージーランドです。
約48パーセントの家庭で、一匹以上の猫を飼っているそうです。
現在猫を巡って、ちょっとした議論が巻き起こっています。
環境保護を訴える人物が、同国から猫を追放する運動を始めました。
この動きに愛猫家は猛反発。一体なぜ、猫を締め出そうとしているのでしょうか?
猫追放を主張しているのは、経済学者で自然環境保護を訴えるガレス・モーガン氏です。
彼がいうには、猫は国に現存する小型動物(特に鳥類)を、絶滅に追いやろうとしているとのこと。
なかでもキーウィやカカポ(フクロウオウム)など、飛行できない鳥は、
あっさりと猫の餌食になってしまうと言います。
一方猫は、同国に140万匹生息すると言われており、
さらに彼らを脅かす自然の捕食者を持ちません。
猫は年々増える一方で、個体数の把握もままならない現状にあります。
そこでモーガン氏は、猫を減らすための運動をウェブ上で展開し始めたのです。
彼は今すぐに飼い猫を殺せと言っているわけではありません。
猫を飼っている人に以下のような行動をとって欲しいと訴えています。
・モーガン氏の主張
1.飼い猫に鈴をつけてください
2.去勢していない場合には、速やかに去勢手術を行ってください
3.飼い猫は室内にとどめてください
4.猫は環境への脅威であり、あなたの猫もそれに代わりありません
5.野良猫の処分と飼い猫登録の活動をすすめるために、地方自治体に働きかけてください
しかしこの訴えは、愛猫家から猛反発を受けており、
「お前(モーガン氏)がニュージーランドから出て行けばいい!」という人さえいます。
また別の視点から、彼の主張に異論を唱える人もいます。
自然環境に詳しいデビッド・ウィンター氏は
「仮に猫を排除しても、絶滅危惧種の保護に何も貢献しない」と指摘しています。
デビッド氏は「ひとつの捕食者(猫)を取り除くと、別の種の抑制がきかなくなる。
たとえばネズミやオポッサムが激増する事態にもなりかねない」とのこと。
なお、モーガン氏の猫追放を訴えるサイトには、次のような質問が掲載されています。
「あなたが現在飼っている猫が亡くなったら、新しく猫を飼わずにいますか?」。
これに対して75パーセントの人が「いいえ」と答え、
飼い猫が亡くなった後も新たに猫を飼うとしています。
モーガン氏の主張は、愛猫家の多いニュージーランドの人々に強い抵抗を生んでいるようです。
Photo:Rocketnews24
参照元:Cat To Go,THE WEEK(英語)