動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2013年01月29日

ペットか食肉かはモラルの問題

スーザン・フォーゲル・ミシュカ, swissinfo.ch
2013-01-28 11:00


スイスでは法律上、犬や猫の肉を食べてもよいことになっている。
ペット好きの人にはショックな事実だが、犬・猫を食用に殺すことを禁じたり、
ガイドラインを設けたりすることについて、スイス国内で本格的に議論されることはあまりない。

 この問題は長年くすぶっており、メディアで大きく取りざたされることも度々ある。
最近ではチューリヒ州の日刊紙ターゲス・アンツァイガー(Tages Anzeiger)が、
犬・猫の肉を時折食べているという人たちの証言を匿名で掲載した。

 「特別なことはない。肉は肉だ」と、ザンクト・ガレン州東部出身の農家。
その隣のアッペンツェル出身の農家は、銃や鈍器を使った犬の殺し方を説明。
同僚にさばいてもらった肉をアッペンツェル地方特産の薫製(くんせい)「モシュトブレックリ
(Mostbröckli)」にした話も披露した。
「人に食べさせても、それが犬の肉だと気付く人はいない」

 一方、同紙のインタビューに答えた他の人からは、
時代は変わったので犬を食べるのはもはやタブーとの意見も聞かれた。

 犬や猫を食べるスイス人の数を統計的に把握するのは困難だ。
だが、このテーマが会話にのぼると、誰かしらはそれにまつわる話ができる。
例えば、暖炉で犬肉の薫製を作った農家の話。
小さな町の情報紙に猫肉のシチューのレシピが載っていた話。
飼い犬が死んだ際、それを家族みんなで食べた話など、さまざまだ。

 「スイス東部でそうした事があるとは聞いたことがあるが、私が知っている限り、
ごくまれなケースだ。99.5%のスイス人は犬や猫を食べることに反対するだろう」と、
民俗学者であり動物心理学者のデニス・ターナーさんは言う。
「この慣習は広まってはいないので、犬や猫の肉の消費を禁止する法律を制定する必要はないだろう」

スイスの動物保護
スイス連邦議会は2005年、動物の威厳と福祉の保護を目的とした動物福祉法を承認。
同法には以下の規制が含まれる。
−動物を6時間以上わたって輸送することの禁止
−子豚を麻酔なしで去勢することの禁止
−気絶させる前に動物を屠殺(とさつ)することの禁止
−儀式としての屠殺は違法。
 しかし、イスラム教およびユダヤ教の教義に基づいて屠殺された肉の輸入は可能
−犬・猫の毛皮およびその製品の輸入禁止
−研究者は動物実験の必要性を明らかにしなければならない
−動物を虐待および飼育放棄した場合、禁固刑または罰金刑が科される

食べられるのを恐れ逃亡? 
それに対し、動物の権利の擁護団体「人・動物・スピリット・ヘルヴェティア
(Mensch-Tier-Spirits-Helvetia)」のマルティナ・カール会長は、
スイスで犬・猫を食べる人の割合は全体で3%と見積もる。
「犬と猫はペット。食用に殺されてはならない。食用を目的とした繁殖や捕獲は
犯罪として法律で罰せられるべきだ」

 同団体はこの慣習を禁止するための署名を集めており、現在1900人分が集まっている。
1993年には他の動物保護団体が同じ目的で6000人分の署名を集めたが、
スイス連邦議会は人々の食習慣を制限する必要はないとはねつけた。

 一方、犬肉および猫肉の販売はスイスで禁止されており、
例えば肉屋やレストランで販売することは罰則の対象となる。

 カール会長は、猫が行方不明になることに気をもんでいる。
スイス迷子動物データバンク(STMZ)によると、毎年1万〜2万匹のペットが行方不明となっており、
そのうち8割が猫という。

 しかし、スイス最大の動物保護団体「スイス動物保護協会(STS/PSA)」は、
行方不明の猫がどこかのなべ料理の材料になっているケースは少ないと考える。
「スイスで犬・猫を時々食べる人の数は100〜200人だろう。
3%の人が食べるというのは高く見積もり過ぎだ」と、同協会のハンスウエリ・フーバーさんは話す。
実際に犬・猫が食べられることは少ないため、全面禁止する必要はないという。

 一方でこう付け加える。「非常に不満なのは、屠殺(とさつ)の規制がないことだ。
せめて、犬・猫の適切な処分方法を法律で定めるべきだ。また、どんなに少量であっても
犬や猫の肉を食べることには疑問を持たざるを得ない。スイスには他の肉がたくさんある。
犬や猫までも食べる必要はない」

 動物保護団体のカール会長はペットと家畜を分けて考える。
「ペットは一緒にソファーやベッドでくつろぐ家族の一員。牛とは違う」。
ベジタリアンのカール会長はまた、肉を食べる人は自分たちが食べる肉について
もっと批判的になるべきだと言う。
肉となった動物は生前どんな環境で暮らしていたのか、
またどんなふうに屠殺されたのかをよく考えるべきだと話す。

スイスのペット
スイスで飼われているペット数を把握した正確な統計はまだない。

しかし、見積もりによれば猫は135万匹、犬は50万匹、
魚は450万匹飼われているという。

スイスの動物保護施設が2011年に引き取った動物の数は2万3400匹。
その中には猫1万3000匹、犬4000匹が含まれる。
同年、新しい飼い主に引き取られた動物の数は1万6000匹だった。

ペットなのか、食用肉なのか 
民俗学者のターナーさんはスイスや中国を含む12カ国および5大宗教の地域を対象に、
動物に対する考え方の違いを調査した。
「すべての調査国において、大多数の大人は犬や猫を食べることに否定的なことが分かった。
主な理由は、犬や猫と密接な関係を築いているためだろう。
密接な関係があると、人はその動物の肉を食べようとは思わないものだ」

 ペットを飼育する人が増えている中国では、動物に対する人々の考え方に変化が見られるという。
その一方で、イタリアでは昨年、猫の調理法を楽しげに紹介するテレビ料理番組が放送され、
司会者や視聴者にショックを与えた。

 ヨーロッパではウサギや子牛が食べられるが、
世界にはそれをよく思わない地域があるとターナーさんは指摘する。
馬の肉をめぐっても文化の違いがある。スイスでは馬の肉はステーキとしてよく食べられる。
一方イギリスでは先日、市販の牛肉のハンバーグに馬の肉が入っていることが発覚し、
それを販売した食料品チェーン店テスコ(Tesco)が非難の的になった。

 ターナーさんは、犬や猫を食べることはモラルに関係する問題とみる。
「コンパニオンアニマル(伴侶としての動物)として犬や猫を飼う人が多い地域で
犬や猫を食べることは道徳的に間違っていると思う。
だからといって、韓国や中国などほかの文化を持つ人たちを批判する権利は我々にはないだろう。
他の文化圏では、動物に対して我々とは違った基準や考え方があるのだろうから」

 しかし、この数十年で人と動物の関係は改善してきたという。
「たとえ食べるとしても、動物に対する人々の敬意は高まりつつある。
苦痛を緩和した屠殺方法も現れ、それを法制化する国も増えている。
スイスでは動物保護において改善の余地も多いが、世界で最も動物保護に手厚い国の一つだ」

スーザン・フォーゲル・ミシュカ, swissinfo.ch
(英語からの翻訳・編集 鹿島田芙美)



タグ:食用
posted by しっぽ@にゅうす at 10:57 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

国内損保初!自動車保険のペット補償特約を発売

petwellニュース
共栄火災海上保険株式会社(本社:東京都港区新橋1-18-6、社長:杉山健二)は、
個人向け自動車保険「KAPくるまる(総合自動車保険)」の特約として、
自動車搭乗中のペットのケガや、被保険者入院時のペット預託費用を補償する
特約「くるまるペットくん」を開発し、
2013年4月1日始期契約より販売を開始する。
ペットの死傷を補償する自動車保険の特約はこれまで外資系損保では販売されていたが、
国内損保では初めての提供となる。

「くるまるペットくん」は「人身傷害保険のペット搭乗中補償特約」と
「入院時ペット諸費用補償特約」をセットにした特約の愛称で、
被保険自動車同乗中のペットが、自動車事故により被保険者と同時に死傷し、
被保険者が人身傷害保険金の支払い対象となる場合に、ペットの治療費用(実費5万円限度)、
葬祭費用(実費10万円限度)が支払われる(人身傷害保険のペット搭乗中補償特約)。
また、被保険者が人身傷害保険金の支払対象となる事故により受傷し、入院した場合に、
ペット取扱業者にペットの世話を委託することにより負担する費用(実費10万円限度)が
支払われる(入院時ペット諸費用補償特約)。年間保険料は800円で、対象は犬・猫のみ。

「くるまるペットくん」は、ペットが飼い主と自動車で行動をともにするケースが
増加していくものと想定される中、簡便かつ低廉な保険料で加入できる補償を求める契約者ニーズに
応えるための特約として創設された。また、同特約では、葬祭費用保険金が支払われる場合は、
これに追加して、墓石代、墓地代等のための臨時費用保険金3万円が支払われることになっている。
これには、ペットの葬祭を執り行うことは心を整理する上での区切りとなるため、
葬祭費用補償を通じ、「ペットロス症候群」が少しでも軽減できればという思いが込められている。

共栄火災海上保険株式会社 ニュースリリース
http://www.kyoeikasai.co.jp/about/news/2012/nr2013012301.html



posted by しっぽ@にゅうす at 10:37 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【ペットを飼う人に必ず知ってほしい10のこと】犬・猫は全国で年間20万頭も殺処分されている

RocketNews24

一般的にペットとして飼われている犬や猫。
毎日の疲れをかわいい姿で癒してくれる、人間の良い相棒とも言える存在だ。
しかし長いあいだワンちゃんやネコちゃんを飼っている人たちも多い裏で、
まだ日本では年間に20万頭以上の動物たちが保健所で殺処分されていることはご存知だろうか。
(※環境省ホームページより)

なぜそのような自体が起きているのか? 
それにはペットにかかわる人間たちの無責任な行動が、多くの原因になっているのである。
今回はこれから動物を飼いたいという人や、
なぜそのようなことが起きているのかを知りたい人にぜひ読んでほしい10のことをお伝えしよう。

■なぜ年間20万頭の犬や猫が殺処分されているのか?

1.飼育放棄による保健所への持ち込み
信じられないことに、「仕事が無くなった」や「離婚するから」などの理由で
保健所へいままで飼っていた動物を保健所へ持ち込むといったケースがまだまだ多いという。
また、ひどいものでは「トイレを覚えない」、「子供が飽きたから」というだけで
殺処分しようとするとんでもない飼い主もいるようだ。

2.悪質な繁殖業者(ブリーダー)による乱繁殖
人気のある犬種などを飼育する能力が無いにもかかわらず無理に繁殖させ、
病気や大きくなりすぎてしまった個体は飼い殺す悪質なブリーダーもいる。
こういった業者は母犬は子供を産めなくなるまで産ませ続け、
子犬は生まれてすぐに母犬から引き離すために健康や性格に何らかの問題を抱えてしまう場合が多い。
また、倒産により繁殖していた動物が保健所へ持ち込まれることも少なくない。
この悲惨な様子は動物保護団体『ALIVE』がYoutubeに投稿した動画でも確認できる。

3.野良猫・犬の問題
犬はあまり見かけないが、捨てられたり飼い主がもともとおらず野良化してしまった猫は
良く見かけると思う。こういった猫たちは動物愛護団体や地域住民の努力により
去勢や避妊をされ『地域猫』として飼われていることもあるが、
糞や鳴き声の騒音で害獣と見なされてしまったり、
動物虐待の被害にあうなどして弱り殺処分されることもある。

■どうすれば殺されてしまう動物を減らせるのか

4.安易な気持ちでペットを飼わない
犬・猫だけでなく動物を飼うということは、楽しいばかりでなくいろいろな負担が生じてくる。
金銭面に不安があったり、
一生面倒を見られないおそれのある場合はペットを飼うのをやめたほうが良い。

5.動物の年齢にこだわりすぎない
子犬や子猫はしつけが大変で初めてペットを飼う人はとまどう場合が多いので、
ある程度大きくなってしつけが済んだ犬や猫を選ぶほうが良い場合もある。
かわいい子犬・猫はすぐに大きくなってしまうのだから。

6.品種にもこだわらない
貴方がドッグスポーツや品評会に出るぐらいのブリーダーであれば話しは変わってくるが、
例として「かわいいからチワワを飼いたい」などの理由でペットを購入することが
悪質な繁殖業者の資金につながっている可能性もある。

7.ペットを飼う前に周りの動物を飼っている人などに相談する
本当に自分が動物を飼える状況なのか、
親類や友人にペットを飼っている人がいたら相談してみるのも良い。
あとで自身では気づかなかったことが原因でペットを飼えなくなるという状況が
起きることを回避できるだろう。

8.できれば愛護団体や里親募集から動物を引き取り、里親になる
現在はインターネットで、各地域の飼い主を募集する『里親募集掲示板』を簡単に見ることが可能だ。
引き取り手が無く困っている人たちの助けにもなるし、
このままでは殺処分されてしまう野良猫や犬を救うことにも繋がる。
また、動物愛護団体は実際に里親となったあとも飼い方をフォローしてくれる場合が多く、
いろいろな面で助けてくれる。

9.信頼できるペットショップで購入する
ペットを購入する場合はインターネットだけで生体を販売しており、
事前に動物を見られなかったり、異常に値段の安い業者はしっかりした管理が出来ておらず、
あとで問題が起きる場合も多い。店内が清潔で動物も元気なペットショップを選ぼう。
だが、可能であればやはり里親になる方が動物を助けるといった点では、望ましいことだと思う。

10.本当に生涯を共にすることができるか再確認する
個体によって差はあるが、特に猫は長生きな場合20年は生きる。
そのあいだずっと面倒を見ることができるのか、しっかりと自分に問いかけてみよう。

まだまだ不幸な終わりを迎えてしまう動物たちは多いが、
年々保健所で殺処分されているペットの数は減ってきている。
今以上に多くの人たちが動物に対して責任を持ち接することで、
この数がゼロになる日が来ることだろう。

もちろん大変なことも山ほどあるが、犬でも猫でも動物と暮らすことはたいへん楽しく、
生活が明るくなること間違いなしだ。


参照元:環境省,Youtube alivedouga





posted by しっぽ@にゅうす at 01:19 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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