宮城県石巻市は東日本大震災の災害公営住宅で、家族向けに居住空間を工夫したり、ペットとの暮らしに配慮したりした住宅約55戸を渡波地区の市有地3カ所に整備する。特徴的な住宅を用意することで、入居希望者の少なかった渡波地区の定住人口を増やす狙いで、民間企業から建設計画を募る。
浜松町(約25戸)に1人暮らしを含むペット対応型、黄金浜南(約15戸)に家族とペットの共生型、栄田(約15戸)に家族向けの住宅を整備する。ペット用は騒音や臭いを防ぐ設備を整え、家族向けは庭付きやメゾネットタイプなど通常の集合住宅タイプとは異なる仕様を想定している。
市は6月14日〜7月31日、3カ所一括で具体的な提案を民間企業から募集。市の選定委員会の審査を経て、11月には企業を正式に決める。建物は完成後、入居直前に市が買い取る。2014年3月に着工し、15年2月に入居開始の予定。
市は災害公営住宅約4000戸を整備する。2月に公表した被災者の意向調査では、入居希望が内陸部の蛇田地区に偏り、渡波地区は極端に少なかった。市復興住宅課は「特色のある街づくりを進めることで、渡波に人を呼び込みたい」と説明している。
民間が建設した住宅と土地を買い取ったり、民間の住宅を20年間借り上げたりする災害公営住宅も、12年度までの募集で計画戸数に満たなかったことから、市は約330戸の応募を新たに受け付ける。
市は17、22日午前9時半〜正午に市役所で企業対象の説明会を開く。連絡先は市復興住宅課0225(95)1111内線5553、5554。