千歳保健所に持ち込まれた猫の引き取り数が2012年度、統計開始の08年度以降で最多を記録した。生後3カ月未満の子猫に限っては、一昨年度比のほぼ2倍と大幅増。気候が暖かくなる5月以降、本格的に猫の繁殖期を迎えるため、同保健所では「動物飼育に対するモラルを個人単位でもう一度、徹底してほしい」と注意喚起している。
同保健所に引き取られる猫は、例年100〜150匹で推移。昨年度は、統計開始以降初の200匹を超えた。09年度以降、これまで低く推移していた子猫の引き取り数が成猫を上回り、昨年度は計237匹中、200匹が子猫だった。
子猫急増の要因として挙げられるのが、野良化した成猫への「餌やり」。野良猫に餌を提供することで、繁殖機会が増加。成猫が子猫を産み、成長後また子猫を産むといったサイクルが生まれてしまっているという。昨年度は7、8月の2カ月間で77匹の子猫が持ち込まれた。
増加が著しい地域としては、市中心部と東部方面が挙げられる。「公園や民家の庭などで定期的に餌を与えている報告も多い」と担当職員。
近年の動物愛護運動の活発化から、保健所から第三者への犬・猫の譲渡数も増加。殺処分数は年々減少傾向にあるものの「野良猫が増えることで、周辺環境への影響や地域トラブルを招く要因になりかねない」とし、「同情からの野良猫への『餌やり』はやめていただきたい」と呼び掛ける。