【函館】高齢者施設や病院を訪れ、利用者や患者と触れ合って心を和ませるセラピー犬に江差町と七飯町の2匹が認定された。道南でセラピー犬が活動したのは2006年9月が最後。飼い主の大沼由二さん(48)は「道南に7年ぶりに誕生したセラピー犬を多くの人に知ってもらいたい」と話す。
セラピー犬とは施設や病院、学校などを訪問し、知らない人に触られてもおとなしくするよう訓練された犬。道内でセラピー犬育成に取り組むNPO法人北海道ボランティアドッグの会(札幌・高瀬忠則理事長)は年2回、適性検査を実施し、現在136匹が登録している。
訪問を希望する施設は法人会員になることが条件(年会費3万円)。会員になると、セラピー犬が月1回以上訪問する。札幌近郊を中心に36施設が会員になり、年々需要は高まっているが、セラピー犬が増えないため訪問待ちの施設もあるという。
江差町に住む警察犬訓練士の大沼さんと5歳のダックスフント「純一郎」がセラピー犬認定に挑戦したのは1年前。見事合格したが、1匹で大勢の利用者がいる施設を訪問するのは犬への負担が大きいため活動は見送った。
今年は知り合いの獣医師で七飯町在住の九島純一さんが飼う10歳のシーズー「麻(あさ)」と一緒に受検、3月に認定された。
認定後、大沼さんは各施設にPRしているが今のところ訪問の依頼はない。高瀬理事長は「犬不足で施設からの要望に応えられない地域もあるのにもったいない」と話す。大沼さんは「道南にもセラピー犬の存在を広めたい。頑張った純一郎の晴れの舞台にもなる」と活躍の場を探している。(袖山香織)
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