宇都宮市は、保健所で収容した犬と猫の殺処分を減らすため、今月から保健所と新たな飼い主を仲介する団体や個人の募集を始めた。同市では平成24年度、犬と猫計508匹が殺処分されており、市生活衛生課は「処分数を減らすため新たな飼い主を探し出す手段を広げたい」としている。
同課によると、募集の対象は、同市内で動物の飼育に適した環境を整えた施設を持つ団体や個人。営利目的でないことが条件で、申請書と誓約書を保健所に提出し、職員が施設を確認した上で登録される。登録後は、市のホームページやメール配信サービスなどで収容されている動物の情報を集めて希望する動物を受け取る。
預かった犬と猫の新たな飼い主を探して見つかった場合は、1カ月以内に保健所に飼い主の詳細を記した報告書を提出しなくてはならない。
同市以外の県内の犬・猫の引き取りや譲渡を担当する県動物愛護指導センターでは昨年1月から同じ制度を開始。同センターによると、団体など9件の登録があり、24年度で年間101匹を譲渡したという。
宇都宮市は24年度、飼い主の死亡などで犬52匹、猫480匹の計532匹を引き取った。引き取り数は減少傾向にあるものの、同年度で犬47匹、猫461匹の計508匹が殺処分されている。21年度からは希望者に保健所が直接譲渡する制度が始まり、24年度は計81匹が新たな飼い主のもとに渡ったが、より多くの飼い主を探すために仲介する団体などを募集することになった。
同課は「あくまでも動物の命を助けるための制度。飼い主は制度をあてにせず、最後まで世話をしてほしい」と呼びかける。
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