ペット宿泊可の施設は増えているが、慣れない場所での宿泊や
外出はペットにとってストレスになることも(本文とは関係ありません)
(村島有紀撮影)

◆慣れない環境
登山や避暑地で知られる八ケ岳(やつがたけ)や清里高原。地域を担当する山梨県中北保健所峡北支所(韮崎、南アルプス、北杜(ほくと)の3市)は3月29日から先月29日までに、57匹の「ペットの犬や猫が行方不明になった」との届けを受けた。このうち、半数はまだ発見されていない。
同支所管内で保護されている「迷い犬・猫」は先月30日現在、3匹。いずれも首輪を付け、オスの柴犬は散歩用の青いリードを付けたままで、雑種とみられる猫はがりがりにやせていた。保護後、飼い主が見つからない場合は同県動物愛護センターなどが譲渡先を探し、それでも見つからない場合は殺処分される。
同県福祉保健部衛生薬務課は「富士山周辺や避暑地、別荘地では、普段都会で暮らし、山に慣れていない旅行客の犬や猫が野生動物に驚き、逃げてしまうことがある。迷子札やマイクロチップ登録をしてほしい」と話す。
◆宿泊可の宿増加
「ペットは家族」との意識から、ペットとの同伴旅行が増えているようだ。インターネット旅行予約サイト「楽天トラベル」によると、同サイトに登録している宿2万8千軒のうち、約2千軒(約7%)がペット宿泊可(主に犬)。平成20年以降、毎年約100軒ずつ増加している。
一方で、トラブルも絶えない。10年間ほど、ペット(犬)同伴の宿泊を受け入れていた栃木県内のペンション経営者は3年前、受け入れをやめた。飼い主が「おとなしい」という犬がほえているので、慰めようとしたところ、手をかまれたためだ。「もし、お客さまがかまれていたら、とぞっとする。トイレを失敗したのに黙って帰る、ベッドに一緒に寝るなどのルール違反も目立った」と経営者は話す。
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