YOMIURIONLINE火葬「合同」「個別」「立会」
イヌやネコなどのペットは、大切な「家族の一員」だ。ペットがその命を終えた際、どう弔うかは、家族にとって大切な問題だ。適切な業者などを利用して、納得のいく葬儀をしたい。
自治体でも処理 9月に施行される改正動物愛護管理法では、ペットの飼い主の責務として、最後まで適切に飼育すること(終生飼養)が明記された。一方、ペットが死亡した後の亡きがらは、衛生面などを考慮して適切に処理される必要がある。公園や河川など公共の場や、他人の土地などに勝手に埋めたり、捨てたりすれば、不法投棄に該当する可能性もある。
飼い主が適切に処理できない場合、イヌやネコといった一般的なペットであれば、多くの自治体が、清掃事務所などを通じて有料で引き取り、合同で火葬、埋葬してくれる。例えば、東京都中央区の場合、体重25キロ・グラムの動物まで受け付け、手数料は1頭2600円だ。
最近は「ペットは家族の一員」という認識の高まりから、専門業者による手厚い葬儀を希望する飼い主も増えている。ペットを弔うと同時に、飼い主がその死を受け入れ、気持ちの区切りをつけることは、悲しみから立ち直るためにも重要とされる。
返骨の有無に違い ペット葬は、まず、「合同火葬」か「個別火葬」かで、大きな違いが出る。
一般的に、合同葬では、亡きがらを託された業者が他の動物と一緒に火葬、霊園の合同墓地に埋葬するため、返骨はない。自治体が行う処理とほぼ同じだ。一方、個別葬では返骨が可能で、遺灰を手元に置くこともできる。さらに、個別葬に飼い主も立ち会う「立会葬」なら、セレモニーホールなどでの最後のお別れや、「お骨上げ」をする機会なども用意される。
費用は、一般的に個別色が強まるほど高くなり、施設やペットの体重によっても異なる。ペット霊園などを紹介する「イオンのペット葬」を展開するイオンリテールによると、これらの利用比率はおおよそ、「合同5割、個別3割、立会2割」で、葬儀費用の平均は約2万5000円という。
このほか、火葬炉を積んだトラックを使い、自宅や、自宅近くで火葬する移動式のペット葬もある。
業者選び慎重に 業者選びは、どうすればいいだろうか。環境省によると、2010年11月時点で、電話帳に掲載されていたペットの葬儀業者は全国で970社あった。
一方、国民生活センターによると、「葬儀の仕方が電話説明と違った」「どこに埋葬したのか尋ねたら、さらにお金を要求された」といった苦情も報告されている。悪質業者が、火葬を依頼されたペットの死体を、埼玉県内の山林に大量に不法投棄していた事件(10年)も記憶に新しい。業者検索ができるインターネットサイトも多数あるが、独自の掲載基準を設けているところもある。
例えば、「イオンのペット葬」では、火葬から納骨、埋葬、供養まで、霊園内で安心してできるよう、固定式の火葬場設備や納骨堂などの供養施設を有することや、明確な料金体系など、「50項目の基準をクリアした業者・霊園と契約している」という。
また、ペット保険を手掛けるアニコムグループのアニコムパフェが展開する、「『評判のいい』ペット霊園検索サイト」も、掲載基準を8月1日付で新たに制定、明文化した。同社のサイトは、実際にペット葬を行った人の「口コミ評価」を、施設ごとに読めるのも特徴で、業者選びの参考になりそうだ。(石原毅人)
(2013年8月20日 読売新聞)
posted by しっぽ@にゅうす at 10:11
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