産経ニュース 「猫の尻尾」と言えば、ことわざでは不要なものの例えとして使われますが、実際には猫にとってはとても大事な役割を持っています。
まず、感情表現。猫は尻尾を使って猫語を話します。飼い主に向かって、ぴんと尻尾を立ててすり寄ってくるときは甘えたい気分。子猫のときの食事の後、母猫にお尻をなめて排泄(はいせつ)物を出してもらっていた頃の記憶が残っているのでしょう。遊んでほしいときには先を少し曲げ、興味があるものを見つけたときには尻尾の先をぴくぴくと動かします。
おもちゃ(獲物)を見つけ、飛びかかろうとするときには低い姿勢をとり、お尻をふりふり。敵と出合ったときや興奮しているとき、驚いたときには尻尾の毛が逆立ち、太くなります。少しでも自分を大きく見せて相手を威嚇しようとしているのです。しかし、恐怖が大き過ぎると尻尾は脚の間に入って丸くなります。
じっとくつろいでいるときに大きく振るように動かすことがあります。名前を呼ばれ、尻尾で返事をすることも。「聞こえているよ」というサインです。猫の気持ちを知る際には尻尾を見るといいでしょう。
また、別の役割としてはバランスをとること。高い所からのジャンプ、素早く走るときなどに尻尾でバランスをとり、体を支えているのです。
さまざまな働きをする猫の尻尾は決して不要なものではなく、また、大変敏感です。尻尾を触られるのが嫌な猫も少なくありませんので、いくらかわいい尻尾でもあまり触り過ぎないようにしましょう。(アニコム損保 獣医師 井上舞)
posted by しっぽ@にゅうす at 23:55
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