YOMIURIONLINE傷、汚れに強い床材 消臭効果の壁紙
壁面収納の下段は、左からくつろぎスペース、水飲み場、トイレ。背板の一部はマグネットで着脱でき、コード類を隠くせる(埼玉県富士見市で)
ペットを飼う人が増え、世話のしやすさやペットの暮らしやすさに配慮した住宅リフォームへの関心が高まっている。
建材メーカーもペット仕様をうたった製品を相次いで販売するなど力を入れる。
埼玉県富士見市で、夫と愛犬2匹と暮らす主婦、村田和美さん(46)は昨年、戸建て住宅の1階居間に、犬の居場所とテレビ台を兼ねたオリジナルの壁面収納を設置した。
以前は同じ場所に犬のケージとテレビボードを並べていたが、ケージの隙間から犬のおしっこが漏れたり、犬がテレビのコンセントを引っかきまわしたりしたことも。「掃除が煩わしく、見た目もにおいも気になっていた」
リフォーム会社と相談して作った壁面収納は、最下部を犬の居場所にし、トイレや水飲み場にもなるよう工夫した。部材には水に強く、拭き掃除が容易なメラミン化粧板を使った。テレビなどの配線も着脱式の背板の後ろに隠した。
費用は約30万円。村田さんは「雑然
としていた部屋の一角が見違えたようになった。犬も叱られる回数が少なくなって、ストレスが減ったようです」と話す。
リクシル(東京)の昨春の調査によると、犬を飼う58〜72歳の727人のうち、「犬のためにリフォームをした・したい」と答えた人は約4割。犬の足腰の負担を軽減する床の改修やにおい対策、敷地外への飛び出しを防ぐ柵の設置に関心が高かった。
犬と人が共生する住まい作りを提案するコンサルティング会社ワンオンワン(東京)社長の中嶋宏一さんは「ペットは家族の一員として扱われるようになった。一緒に快適に暮らすための改修を考える人は今後も増える」とみる。
「ペット仕様」をうたった建材も増えている。クッション性があったり傷や汚れに強かったりする床材、消臭効果のある壁紙や塗料、そしてペット用出入り口が付いた室内ドアなど、多種多様だ。リクシルや大建工業(大阪市)は、ペット飼育者向けのホームページを設けて、商品やリフォーム事例を紹介している。
日常の洗顔に加え、ペットも手軽に洗えるように開発された洗面台
散歩後などに愛犬の体を手軽に洗いたいと、横浜市の男性(71)は昨夏、洗面台を一新。愛犬家向けに開発されたシャワー付きのものを取り入れた。ボウルの深さは小型犬がすっぽり入る22センチ。水はね防止用のパネル、足で操作できる水栓付き。「風呂場でかがんで衣服がぬれないように気をつけながら洗っていた時のことを考えれば、比較にならないぐらいに楽になった」と喜ぶ。
男性宅の改修を手がけた小川工務店(横浜市)社長の小川伸司さんは「ペットと飼い主双方のストレスが減るように考えるといい」と話す。
〈1〉汚れやすい床や壁は拭き掃除などの手入れがしやすい建材を使う〈2〉触れさせたくないものに近寄れない収納を作る〈3〉無駄ぼえなどの問題行動を減らすために、安心できる居場所や逃げ道を設ける――などを留意点として挙げる。
東京ガスリモデリング(東京)で、ペット関連の改修を手がける1級建築士の城所きどころ志保理さんは、「ペットの性格や暮らし方は千差万別で、問題解決の方法も様々。業者に依頼する際は、ペットの日頃の行動パターンや悩みをできるだけ具体的に伝えてください」と話している。
(2014年2月17日 読売新聞)
posted by しっぽ@にゅうす at 22:04
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