犬や猫の殺処分を減らすことを目的に、昨年9月にオープンした鳥取県倉吉市下福田の動物保護施設「人と動物の未来センター アミティエ」の保護活動が4月から本格的に始まる。県が引き取った犬や猫を殺処分の前にアミティエに移し、病気を治療した上で新たな飼い主を見つける。県は、新年度当初予算案に2260万円を計上し、アミティエの運営費の半額を支援する予定。
アミティエは、公益財団法人「動物臨床医学研究所」(倉吉市、山根義久理事長)が運営。引き取った犬や猫は、健康状態などに問題がなければ、個体を識別するマイクロチップを埋め込んだ上で、希望者に引き渡す。施設では犬が最大約40匹、猫が最大約30匹の収容が可能。昨年12月には、県から犬3匹を先行して受け入れた。
県は昨年度、犬と猫計1559匹を保護した。引き取りの理由は、飼い主の引っ越しや、犬猫の病気、高齢化など。飼い主不明の犬や猫も収容している。
県は現在、動物愛護管理推進計画を見直している。昨年度は1360匹を殺処分したが、10年後の2023年度には、犬60匹以下、猫500匹以下に半減させる計画だ。目標達成に向け、県は医療体制も整っているアミティエが犬や猫の保護、譲渡の機能を果たすことを期待している。
アミティエは会員や支援者の寄付で運営している。同研究所の高島一昭所長は「1匹でも多く、飼い主を見つけられるかが今後の課題となる」と話している。【高嶋将之】