苫小牧保健所は3日夜、市内沼ノ端のウトナイ団地で発見された迷い犬を保護した。犬は、スプレー塗料を上半身にかけられ、常時人間を警戒している状態。人間不信が明らかな保護犬は、譲渡も困難であるため、殺処分に至るケースが少なくないという。
犬は3日、市環境生活課職員が同団地付近で発見。見つかった時点ですでに、塗料でいたずらされてから時間がたっていたという。人間が近づくと、走って逃げてしまうなど警戒意識が強く、追加の職員も応援に駆け付け、4人がかりで1時間半を要して保護した。スプレーなどでいたずらされた動物が見つかるのは非常に珍しく、保健所職員も「初めてに近い事例」と驚いている。
保護後も、保健所職員を常時警戒しており、人前で餌を口にすることはなく、散歩もできない状態。暴行、いたずらは精神的な衝撃も大きいため、回復には時間がかかるという。保健所での保護期間も限られるため、その間に譲渡先が決まらなければ、殺処分となる。
犬への暴行、いたずらは動物愛護法などや器物損壊罪で処罰の対象ともなる。同保健所では「最悪の事態を防ぐためにも、見つけたら速やかに通報いただきたい」と呼び掛ける。
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