◇鶴見 譲渡施設併設「遊びつつ愛護考えて」
大阪市鶴見区の花博記念公園鶴見緑地内にオープンしたドッグラン施設が人気だ。飼い主がいない保護犬の譲渡施設も併設されていることから、飼い犬を遊ばせる利用者や保護犬を見に多くの人が訪れており、運営する一般社団法人・パートナードッグタウン協会は「目指すは動物の殺処分ゼロ。犬と遊びながら動物愛護を考える場にしたい」としている。(斎藤七月)
施設名は「鶴見緑地パートナードッグタウン」。約790平方メートルの敷地内に大型、中型、小型の犬用に分けられた芝生のドッグランが設けられている。
施設づくりを発案したのは同法人の理事長、柳原英次さん(54)。守口市でペット用品店を経営するなか、飼い主のいない犬の多くが殺処分される現状に心を痛め、「ペットの命を大切にし、人と犬が共生できる社会にしたい」と同協会を設立した。2013年に同公園を管理する市に事業者として応募したところ、「ペットを飼う人が増える昨今の市民ニーズに応える提案」として採用された。
昨年12月にオープンした同施設は、募金などで運営されている。会員登録すれば無料で利用できることから利用者は増えており、会員数は1700人を超えた。飼い始めたばかりのシバ犬を連れて来た大学生高松真也さん(21)は「広い場所を自由に走り回ることができて楽しそう。飼い方に関する不安は、他の利用者に相談できるし心強い」と話す。
譲渡施設では、捨てられた犬や、ブリーダーから引き取られた犬を日替わりで紹介。希望者は犬と遊びながら選ぶことができ、これまで16匹に飼い主が決まった。近くに住む主婦難波奈津子さん(34)は、ブリーダーが手放し、保護されていた成犬のチワワを飼い始めた。「ペットとして飼われたことがない犬なので、人が苦手だが徐々に慣れてくれている。繁殖のため過酷な生活をしてきたと思うので、穏やかな生活にしてあげたい」
柳原さんは「ペットの命を最期まで育む大切さや、ペットを飼う上でのマナーを学ぶ場として活用してもらいたい」と話している。
開場時間は午前11時〜午後4時。火曜、金曜は休み。問い合わせは同施設(070・5430・1156)へ。
2015年04月30日 Copyright
