動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2016年09月30日

【君(ペット)がいるから】徳田竜之介<9>高齢飼い主のフォローも

西日本新聞


長年通ってくれた飼い主で、高齢の女性がいました。その女性のことは今も忘れられません。

 女性は飼っているマルチーズに対し、愛情を注ぎながらも甘やかすばかりでなく、きちんとしつけをするなど厳しい面もありました。マルチーズが病気になるたびに病院に来てくれ、しっかりした信頼関係が築けていたのではないかと思います。

 やがてマルチーズが年を重ね、入退院を繰り返すようになりました。「最期は家でみとりたい」という女性の希望で、毎日歩いて病院まで通ってくるようになりました。ある日、「犬が息を引き取った」と連絡が入り、女性は病院に来なくなりました。女性は飼っていたマルチーズの飼育に一生懸命でしたから、気落ちしていないか心配したものの、こちらから連絡は取りませんでした。もし、このときに連絡していれば、その後に起こることを防げたかもしれません。

 数カ月後、女性はチワワの子犬を連れて病院にやって来ました。どうしているか気になっていたので、新しい子犬を迎えたことに安心したものです。予防接種などでこまめに足を運んでくれていたのですが、そのたびに飼い主の女性の足や手に傷がたくさんあったのが、気がかりでした。

 チワワは活発な犬種です。飼い主を引っ張ったり、かみついたりしている場合もあります。「(子犬と高齢女性の生活は)なかなか大変そうだ。きちんと指導した方がいいかもしれない」と思っていたところ、女性はぱったり姿を見せなくなってしまいました。

 それから約1カ月後、別の女性がそのチワワをかなり衰弱した状態で病院に連れて来ました。飼い主の女性が亡くなって、誰にも気付かれないまま数日たってしまい、チワワもすぐそばで衰弱していたそうです。連れてきた女性は近所の人で、チワワを受け継いだということでした。

 後日、亡くなった女性の家を訪ねる機会がありました。狭い部屋にちゃぶ台とたんす一つだけ。部屋は清潔に片付けられ、無駄を控えた暮らしぶりがうかがえました。チワワの治療代を出すのも、きっと大変だったはず。もっと何かしてあげられることがあったのではないかと、後悔もしました。

 身寄りもなく、飼い犬と病院に来ることが唯一の社会との接点だったようです。往診に行くなど、もう一歩踏み込んで、飼い主の生活環境を理解し、親身になっていれば結果は違ったかもしれないのです。飼い主へのフォローが足りず、寂しい結果となってしまいました。

 今後、超高齢社会で似たような問題は増えてくるでしょう。犬と飼い主を取り巻く環境や生活、彼らの性格まで把握して、うまく生活していけるようコーディネートするのも、獣医師の重要な仕事になるのではないかと考えています。

 (竜之介動物病院長、熊本市)


※この記事は2016/09/29付の西日本新聞朝刊(生活面)に掲載されました。


posted by しっぽ@にゅうす at 07:26 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【飼い主募集】熊本地震の被災「犬・猫」が家族を探しています

女性自身


「よかったら、1頭でも2頭でも、連れて帰ってあげられんですかね」。取材中、熊本県動物管理センターの石原貢一所長は何度も何度も、こう繰り返した−−。

 

今年4月に発生した熊本地震。被災し困難な避難生活を余儀なくされたのは人間だけではない。多くの犬や猫たちもまた、震災により生活が一変していた。

 

熊本県では最初の震度7を記録した4月14日以降、特別措置として、殺処分を見送り続けている。地震直後の混乱で飼い主と離ればなれになってしまった犬猫が数多く保護されたからだ。

 

発災以降、県が保護したのは、延べで犬が677頭、猫が974頭(9月16日現在)。犬猫計198頭が飼い主の元に帰っていった。そして県内の動物愛護団体と譲渡会を開くなどして、832頭を新しい飼い主へ譲渡した。しかし、まだまだ引取手は足りない。

 

本来の収容限度は、犬50頭、猫20頭程度という同センター。殺処分を中止していることもあり、9月16日現在、犬61頭、猫173頭とキャパを大きく上回る数を収容、保護している。県内10カ所の保健所が保護している数も合わせると、その数じつに342頭に上る。

 

「延べ500人以上のボランティアの方々が精いっぱい、動物たちの世話をしてくれています。それでも、5カ月以上もここにいる犬や猫たちは、ストレスもたまっているはずで、病気も心配なんです」(石原所長・以下同)

 

幸いにも新しい家族を見つけられた犬や猫がいる一方で、新たに引き取りを希望する人の数は、残念ながら頭打ちの状態だ。

 

「ふたたび殺処分機を動かすような事態は決して望みません。でも、いつまで現状の形のまま、続けられるかは正直わからないですから……」

 

ここまで言って石原所長はまた冒頭の言葉を繰り返した。

 

「1頭でも2頭でもいいので、助けてあげてくれんですかね」

 

譲渡希望者は「熊本県庁健康危機管理課」までご連絡を。熊本地震の被災犬猫が、新しい家族を探しています。

posted by しっぽ@にゅうす at 07:25 | 行政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

捨て猫の涙 殺処分 年8万匹の現実 不妊・去勢の普及を ボランティアに聞く

西日本新聞


路上で車にひかれた猫の死体を見掛けたことがある方は多いはず。福岡市では年間に約7千匹の死体が回収されており、大半は捨て猫が生んだ子猫という。哀れだからと餌をやるだけでは、ふん尿やごみあさりが住民の苦情を招き、引き取り手がなければ殺処分される無残な循環が繰り返されている。そんな哀れな命をどう守るかに取り組むボランティアの人々がいる。同市の家庭動物啓発センター(西区内浜1丁目)が毎月第3日曜日に開く「犬猫よろず相談」で現状を聞いた。

 2014年度に全国で殺処分された猫は約8万匹。同市でも08年度まで年2700匹を超える数が殺処分されていたが、飼い主にはペットが死ぬまで飼う責任があることを啓発する活動に力を注ぎ、受け入れはやむを得ない場合に限っている。このため、ここ数年は500匹を下回っているが、猫を捨てる行為がなかなか減らないのは、冒頭の死体の回収数が示す通りだ。

 「その死に方も、かわいそうな例が多いんです。親がいない子猫は交通事故に遭いやすいだけでなく、カラスにも襲われるんです」
 そう話すのは相談員を務めるボランティア団体「TNR博多ねこ」代表の木本美香さん(54)。TNRは「猫をわなで捕まえて不妊手術を施し元の場所に戻す」(トラップ・ニューター・リターン)という活動を表す英略語だ。

 木本さんは「息子が拾った猫を育てるうちに動物愛の心に火が付いて、殺処分される猫を減らそうと活動を始めました」。会社勤めの傍ら、飼い主探しや室内飼育の指導、そして野良猫を増やさないため獣医師と連携し不妊・去勢手術の普及に努めている。わなは猫を傷つけないよう餌を入れた籠を使う。

 「野良猫は食べ物が良くなったこともあって寿命が15〜20年に延び、その間に年2〜3回、一度に4〜5匹も出産するんです。その子猫たちの不幸を考えれば、地域で不妊と去勢に取り組むのが大事なんです」

 トリマーの山口みわ子さん(38)も野良猫問題に取り組む「ライフ・リレー・ネットワーク」の代表だ。同市中央区の大濠公園や西公園にすみ着く猫を、管理事務所など地元の人々と連携して「地域ねこ」として管理、保護している。これまでに100匹近く手術を受けさせたが「捕獲作業を始めて4年たった今も、問題はなかなか解決しなくて」と話す。

 猫の餌は量を管理しなければ余った分が腐って悪臭を放つし、よその猫やカラスを集めてしまう。外部の人のルールを守らない餌やりは取り組みを損ないかねない。「猫の問題は、結局は人と人との信頼の問題なんです」

 不妊・去勢事業の支援には、各地の自治体や県獣医師会も取り組んでいる。

 ●「共に生きよう」啓発イベント 福岡市で10月

 福岡県獣医師会は野良猫の繁殖を防ぎ、殺処分される猫を減らそうと2010年に「あすなろ猫事業」を始め、これまで約3100匹に不妊、去勢手術を行ってきた。だが、捨てられるなどして命を全うできない猫は後を絶たない。

 同会いのちをつなぐ委員会の中岡典子委員長は「猫ブームの今だからこそ、こうした現状を知ってもらいたい」と10月22、23日午前10時〜午後5時、福岡市・天神のパサージュ広場で啓発イベント「共に生きようプロジェクト」を開く。

 啓発パネル展示や保護猫の譲渡活動紹介、獣医師による飼育・健康相談、行政書士のペット信託紹介コーナーのほか、写真集「うちの猫ら」(オークラ出版)で知られる吉松文男さん=大分県別府市出身=の写真展、猫グッズの販売、音楽ステージなどもある。参加無料。同会=092(751)4749。


=2016/09/29付 西日本新聞朝刊=


posted by しっぽ@にゅうす at 07:06 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

旅行中に猫を留守番させる時の注意点

@niftyニュース


■連載/ペットゥモロー通信

【PETomorrow(ペットゥモロー)】

猫を飼っていても、旅行や出張などで何日も家を空けることはありますよね。猫ってお留守番できるの? 飼い主がいなくて寂しくないのかな? そんな猫のお留守番についてまとめてみました。

猫だけでお留守番できる限度はだいたい2日間だそうです。ただ、生後3か月未満の子猫は食事の回数も多く、家の中でも事故に遭う可能性もあるので長期のお留守番はおすすめできません。3日以上家を空ける場合は、ペットシッターやペットホテルなどを利用するなどの対策を立てましょう。

2日までのお留守番の場合は、出かける前に餌や水をはじめ、猫が普段通りに生活できる環境を整えておくことが重要です。

ご飯
猫のご飯は自動給餌器を利用するのがおすすめ。一泊程度ならば、ドライフードを多めにおいて出かけるだけでも大丈夫といわれています。ただ、缶詰などの腐りやすい食事はNG。ドライフードだけにしましょう。

飲み水
水はいつも以上に数を増やすことがポイントだそう。1か所だけだと、何かの拍子に水がこぼれて飲めなくなってしまうこともあるので、何か所か多めにおいておくことが大切です。

トイレ
いつもよりもトイレの数を1〜2個増やします。トイレの場所が一つだけだと、何かの拍子にその部屋に入れなくなってしまったときにトイレが使えなくなる可能性も。また、トイレが汚いと使わない神経質な猫もいるので、清潔なトイレを増やしておくことが大切です。いつもの場所だけでなく、猫が良くいる部屋や場所にも設置しておきましょう。

室温
お留守番中は窓やドアを締めきっていくことになるので、室温には注意しましょう。暑い、もしくは寒い場合はエアコンを入れておくことも必要です。夏場なら、だいたい28度くらいが適温です。

お留守番の間、猫は何をしているかというと、だいたい寝ています。昼間は日向ぼっこをしながらグルーミングをしたり遊んだり。夕方になるとちょっとずつお腹が空いてきて、ご飯を食べたらまた寝るという毎日を過ごしています。

だからといって、猫は飼い主の不在を全く寂しく感じていないわけではありません。普段から、半日〜1日のお留守番に慣れている場合はよいのですが、急に飼い主の帰りが遅くなったり長期間戻れなかったりすると、粗相をするなどの問題行動が起こる場合もあります。

帰宅したときは、会えなかった期間を取り戻すかのように猫とのスキンシップを大切にしましょう。中にはすねて寄ってこない猫もいるかもしれませんが、こちらから声をかけてあげましょうね。そして、何か変化がないかしっかりチェックすることを忘れずに。

文/佐藤玲美(ペットゥモロー編集部)




posted by しっぽ@にゅうす at 07:05 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬を買うのではなく引き取るという選択肢

@niftyニュース


■連載/ペットゥモロー通信

シェルターから引き取るという選択
犬を飼おうと思ったら、ほとんどの方はペットショップへ行くか、欲しい犬種が決まっている人であれば、直接ブリーダーのところへ向かうのではないでしょうか?しかし、それ以外にも保護施設(シェルター)から受け入れるという選択肢もあります。

保護施設とは、保健所などに連れてこられ殺処分になりそうな犬や猫を引き取り、新しい飼い主を探すなどの活動をしている団体が運営する施設です。

新たな飼い主を見つけるため保護施設では、様々な取り組みが行われていますが、中には、保護施設にきた犬の性格や病気の有無などを事細かに調べて、里親の下へ行った後も困らないようにサポートしてくれるところもあります。

犬を飼うかどうか迷っている人でもぜひ施設を訪ねてみてください。可愛い子犬を小さい頃から育てていくという選択肢がある一方、保護施設から納得した上で引き取って育てるという選択肢もあります。

今後、犬を飼おうと思っている方は、保護施設からの受け入れも考えてみてはいかがでしょうか。

文/大原絵理香(ペットゥモロー編集部)

 

posted by しっぽ@にゅうす at 07:04 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月29日

<猫ブームの陰で>(上) 飼い主の意識

中日新聞


昨年秋ごろから、全国的に広がった猫ブーム。「猫カフェ」が流行し、テレビや雑誌などでかわいらしい猫を見る機会も増えた。しかし、東濃西部の多治見、土岐、瑞浪市では捨て猫の保護や野良猫の処分を依頼する「引き取り数」がここ数年、県内トップレベル。ブームの陰にあるこの地域での実情に光を当ててみたい。

 「五年前、三匹の子猫がポリ袋に入れられて、勝手口のドアノブにかかっていたんです」。猫の絵がプリントされたTシャツを着た主婦鈴木多美子さん(55)=土岐市妻木平成町=が切り出した。

 自宅で十六匹の猫を飼っている。購入したのは一匹のラグドールだけで、十五匹は、すべて保護した元野良猫だ。

 もともと猫は苦手だったという。ところが、三十年前に親戚からチンチラをもらって飼い始めたのがきっかけに、両親と夫(56)の家族四人で、魅力に取りつかれた。近所で傷ついた猫を見つけると、ためらいなく連れ帰り、ピーク時は、二十一匹を数えた。

 「猫が年に三回も妊娠するなんて最初は知らなかった」と振り返る。当初は次々と増える猫の繁殖力に困惑した。飼い始めて、避妊、去勢手術、ワクチン接種の必要性を学んだ。近所トラブルを避けるため、室内での飼育を徹底した。

 飼育にかかる費用は、毎月二十万円以上。えさ代やトイレ用具、定期のワクチン接種が主な出費だ。だが「子どもがいないから、代わりみたいな存在。家族です」と温かいまなざしを愛猫に向ける。

 ペットフード協会(東京)は今年一月、昨年の猫の飼育頭数が九百八十七万四千頭と発表した。五年前から約二十五万頭の伸びを示した。逆に、犬の頭数は減少傾向で、九百九十一万七千頭。今後は猫が犬を逆転しそうだ。

 鈴木さんは最近のブームで疑問に思うことがある。「テレビを見ていると、簡単に猫を飼えると思えてしまう。でも、そんな易しいことじゃない。雑誌やインターネットでも十分勉強できるのだから、知識と責任を持って飼ってほしい」

 保健所が引き取ったネコや犬の飼い主探しに取り組むペットシッターの好田典子さん(57)=多治見市根本町=も、猫ブームを危ぶむ一人。東濃地域で、ペットの散歩や餌やりなどを請け負いながら、毎日、県東濃保健所(多治見市)に電話を入れ、引き取り状況を確認している。最近、保健所からではなく、直接、野良猫や捨て猫を拾って飼う人からの連絡や相談が多くなった、と感じている。

 「責任感のある人はいいけれど、安易に飼う人は、簡単に手放すんですよ。ブームが終わった後に、アクセサリーのように捨てられてしまうのが非常に怖い。飼い主はペットを選べるけれど、ペットは、飼い主を選べません。家族として、最後まで飼う覚悟を」と呼び掛ける。

 (篠塚辰徳)


posted by しっぽ@にゅうす at 07:58 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ボルゾイ6匹が逃げ出す…5匹は捕獲 福岡・朝倉

毎日新聞社


27日午前6時半ごろ、福岡県朝倉市の住民から「大型犬が3匹ウロウロしている」と110番があった。県警朝倉署によると、市内の80代女性が飼育していた体長約150センチの「ボルゾイ」6匹が逃げ出しており、署員らが同日夕までに5匹を捕獲し、残る1匹を捜索している。けが人はいないが、市内で飼い犬1匹がかまれ死んでいるのが見つかった。

 市内の学校の一部は安全のため集団下校した。同署は「犬を発見したら絶対近寄らないように」と注意を呼びかけている。


 同署によると、女性は朝倉市大庭のプレハブ小屋でボルゾイ15匹を飼育していたが27日朝、6匹が逃げているのが分かった。ペットとして飼われているという。捕獲されたのは遠いところで飼育場所から約2キロ付近だった。

 ボルゾイは「ロシアン・ウルフハウンド」とも呼ばれ、元はオオカミの狩猟犬だったのが品種改良された。走るのが非常に速いなどの特徴がある。【小原擁】

posted by しっぽ@にゅうす at 07:54 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。