朝のウオーキングの途中、焦った様子で自転車をこぐ初老の男性に声をかけられた。庭につないだ愛犬がいなくなったという。よほど慌てたのか、パジャマ姿だった▼見かけたら連絡すると告げると男性は頭を下げ立ち去った。大事に飼われているんだなと、気持ちが温かくなった。最近、入院や施設入所でペットと離ればなれになる高齢者が増えている。泣く泣く保健所に引き取ってもらうと聞くと胸が痛む▼一方で、無責任な飼い主もいた。10年前、出雲保健所で茶色い犬を連れた男性に会った。子犬の頃はかわいかったが成長するにつれて家族全員が世話をしなくなり、狂犬病の注射はおろか散歩も行かないと平然と話した。犬舎から聞こえるクオーンクオーンという犬の鳴き声が今も耳に残る▼保健所に引き取られた犬や猫は、一定期間内に引き取り手が現れなければ殺処分される。島根県内の処分数は2003年度は8千匹を超え、人口比で全国上位が続いていた▼12年の改正動物愛護法で、相応の理由がないと自治体が引き取りを拒否できるようになり、譲渡活動に励む動物愛護ボランティアの奮闘もあって処分数は大幅に減った。それでも16年度は487匹に上る▼譲渡までの世話や餌代、病院代が、ボランティアや寄付でまかなわれているのには頭が下がる。全国では活動費を助成する自治体は多く、島根でも制度ができるといい。犬や猫を飼う人に見てもらいたいのは保健所のホームページ。そこには譲渡の情報が載っている。(衣)
2017年07月31日
殺処分ゼロの島根に
山陰中央新報社
朝のウオーキングの途中、焦った様子で自転車をこぐ初老の男性に声をかけられた。庭につないだ愛犬がいなくなったという。よほど慌てたのか、パジャマ姿だった▼見かけたら連絡すると告げると男性は頭を下げ立ち去った。大事に飼われているんだなと、気持ちが温かくなった。最近、入院や施設入所でペットと離ればなれになる高齢者が増えている。泣く泣く保健所に引き取ってもらうと聞くと胸が痛む▼一方で、無責任な飼い主もいた。10年前、出雲保健所で茶色い犬を連れた男性に会った。子犬の頃はかわいかったが成長するにつれて家族全員が世話をしなくなり、狂犬病の注射はおろか散歩も行かないと平然と話した。犬舎から聞こえるクオーンクオーンという犬の鳴き声が今も耳に残る▼保健所に引き取られた犬や猫は、一定期間内に引き取り手が現れなければ殺処分される。島根県内の処分数は2003年度は8千匹を超え、人口比で全国上位が続いていた▼12年の改正動物愛護法で、相応の理由がないと自治体が引き取りを拒否できるようになり、譲渡活動に励む動物愛護ボランティアの奮闘もあって処分数は大幅に減った。それでも16年度は487匹に上る▼譲渡までの世話や餌代、病院代が、ボランティアや寄付でまかなわれているのには頭が下がる。全国では活動費を助成する自治体は多く、島根でも制度ができるといい。犬や猫を飼う人に見てもらいたいのは保健所のホームページ。そこには譲渡の情報が載っている。(衣)
朝のウオーキングの途中、焦った様子で自転車をこぐ初老の男性に声をかけられた。庭につないだ愛犬がいなくなったという。よほど慌てたのか、パジャマ姿だった▼見かけたら連絡すると告げると男性は頭を下げ立ち去った。大事に飼われているんだなと、気持ちが温かくなった。最近、入院や施設入所でペットと離ればなれになる高齢者が増えている。泣く泣く保健所に引き取ってもらうと聞くと胸が痛む▼一方で、無責任な飼い主もいた。10年前、出雲保健所で茶色い犬を連れた男性に会った。子犬の頃はかわいかったが成長するにつれて家族全員が世話をしなくなり、狂犬病の注射はおろか散歩も行かないと平然と話した。犬舎から聞こえるクオーンクオーンという犬の鳴き声が今も耳に残る▼保健所に引き取られた犬や猫は、一定期間内に引き取り手が現れなければ殺処分される。島根県内の処分数は2003年度は8千匹を超え、人口比で全国上位が続いていた▼12年の改正動物愛護法で、相応の理由がないと自治体が引き取りを拒否できるようになり、譲渡活動に励む動物愛護ボランティアの奮闘もあって処分数は大幅に減った。それでも16年度は487匹に上る▼譲渡までの世話や餌代、病院代が、ボランティアや寄付でまかなわれているのには頭が下がる。全国では活動費を助成する自治体は多く、島根でも制度ができるといい。犬や猫を飼う人に見てもらいたいのは保健所のホームページ。そこには譲渡の情報が載っている。(衣)
犬を飼っていない人と犬の飼い主の意識に温度差
保険市場TIMES
犬を飼っていない人の3分の2は飼い主に不満!
アイペット損害保険は、7月26日、「犬飼い主のマナーに関する調査」の結果を発表した。この調査は、犬を飼っている人563名と、これまで犬を飼ったことがない人563名を対象に、2017年7月3日から4日までの間、インターネットを通じて行ったもの。
調査の中で、犬を飼ったことのない人に対し、犬の飼い主に対して不満を感じたことがあるかどうかを尋ねたところ、65.2%が「ある」と回答。
具体的に不満を感じていることを複数回答で調査したところ、74.1%がトイレの後始末をしていないこと、65.3%が吠える犬を放置していることなど、マナーに関することが1位、2位となった。
その後、散歩中に他の人に近寄る犬を制御しないことや、リードをしていないことなど、犬が苦手な人への配慮不足が続いた。
その一方で、犬を飼っている人の86.9%は、犬が苦手な人に対して配慮ができていると答え、飼い主と非飼い主の間で意識に温度差があることがわかった。
犬を飼っていない人の半分近くが犬嫌い
同時に、犬を飼っていない人のうち、44.6%は犬が苦手であることもわかった。また、苦手と答えた人に理由を尋ねたところ、過去に犬に追いかけられたり噛まれたりした経験をもつ人が、44.6%(飼っていない人全体の19.9%)にのぼることがわかった。
また、犬を飼っている人でも、犬を怖いと思ったことがある人が64.3%いることもわかった。
同社は、犬を飼っている人がマナーを守らないことや犬が苦手な人に配慮を欠いていることが、犬が嫌いな人にとっての、不満の原因であると分析。マナーを守り、犬が苦手な人への気配りをすることが、犬や猫の共生環境を整えることにつながるのではないかと述べている。
(画像はアイペット損保ホームページより)
▼外部リンク
アイペット損保 プレスリリース
https://www.atpress.ne.jp/news/133903
●この記事に関連したニュースカテゴリ:アイペット
(記事提供:スーパー・アカデミー)
犬を飼っていない人の3分の2は飼い主に不満!
アイペット損害保険は、7月26日、「犬飼い主のマナーに関する調査」の結果を発表した。この調査は、犬を飼っている人563名と、これまで犬を飼ったことがない人563名を対象に、2017年7月3日から4日までの間、インターネットを通じて行ったもの。
調査の中で、犬を飼ったことのない人に対し、犬の飼い主に対して不満を感じたことがあるかどうかを尋ねたところ、65.2%が「ある」と回答。
具体的に不満を感じていることを複数回答で調査したところ、74.1%がトイレの後始末をしていないこと、65.3%が吠える犬を放置していることなど、マナーに関することが1位、2位となった。
その後、散歩中に他の人に近寄る犬を制御しないことや、リードをしていないことなど、犬が苦手な人への配慮不足が続いた。
その一方で、犬を飼っている人の86.9%は、犬が苦手な人に対して配慮ができていると答え、飼い主と非飼い主の間で意識に温度差があることがわかった。
犬を飼っていない人の半分近くが犬嫌い
同時に、犬を飼っていない人のうち、44.6%は犬が苦手であることもわかった。また、苦手と答えた人に理由を尋ねたところ、過去に犬に追いかけられたり噛まれたりした経験をもつ人が、44.6%(飼っていない人全体の19.9%)にのぼることがわかった。
また、犬を飼っている人でも、犬を怖いと思ったことがある人が64.3%いることもわかった。
同社は、犬を飼っている人がマナーを守らないことや犬が苦手な人に配慮を欠いていることが、犬が嫌いな人にとっての、不満の原因であると分析。マナーを守り、犬が苦手な人への気配りをすることが、犬や猫の共生環境を整えることにつながるのではないかと述べている。
(画像はアイペット損保ホームページより)
▼外部リンク
アイペット損保 プレスリリース
https://www.atpress.ne.jp/news/133903
●この記事に関連したニュースカテゴリ:アイペット
(記事提供:スーパー・アカデミー)
犬も老眼になるって本当?老化に伴う目の変化
ネタりか
老化と視力の低下について
ウインクしているチワワ
犬は老眼にはならない
犬には、老化によって近くのものが見えにくくなる人間のような老眼現象はありません。
犬の視力は元来あまり良くなく、元々近視の傾向にあります。
サイトハウンティングの犬種でない限り、遠くのものを見ることは苦手で視力は0.2〜0.3程度といわれています。さらにピントを合わせる能力があまり発達しておらず、ぼんやりとした像を見ているといわれています。
老化とともに心配なのが白内障
人間のような老眼現象はありませんが、老化とともに心配なのが白内障です。白内障は老化とともに少しずつ進行していき、視力にも影響を与えます。
白内障の症状や予防・治療方法は?
目薬をさす犬
10才以上の犬は注意深くみてあげてください。目に違和感はありませんか?
白内障の初期症状を見逃さないで
愛犬の目を見て違和感があったら注意深く日頃の様子も見てあげてください。
以下のような症状があったら白内障の初期症状かもしれません。
✔目が白っぽく見える
✔物にぶつかったりつまずくことが増えた
✔壁沿いに歩くことが増えた
✔目の瞳孔がいつも開いているように見える
白内障は少しずつ進行していきます。
眼球が白っぽく見えて、通常は光の調節をするために縮小する瞳孔が光を感知しにくい状態となっているため常に開いた状態になることがあります。
白内障の原因は?
白内障の原因は、先天性のものと後天性のもので異なってきます。
先天性の白内障の場合は、生まれつき水晶体が濁っていたり、若年性白内障といって遺伝的な要因で老年期になる前の若い頃に発症してしまう場合があります。
後天性のものでは、怪我や糖尿病などの代謝疾患のため水晶体に影響が出てしまう場合が考えられます。
白内障の治療法は?
白内障の進行は現在の動物医療では止めることは出来ませんが、進行するスピードを緩和するような治療が一般的です。
重度の白内障の場合は外科手術が行われることがありますが、まだ視力が残っている状態だと点眼薬などを利用した治療となるでしょう。
白内障の予防は困難
白内障は予防法がまだはっきりと確率されていません。
出来るだけ早く発見をして、進行を遅らせる治療をしてあげることが重要です。
犬の視力が落ちたら何をしてあげる?
犬の目
犬は視力が落ちても大丈夫
犬は視力が落ちてきても、それを補う優れた聴覚と嗅覚を持っています。
愛犬が白内障などの目の病気などで視力が落ちてしまってもあまり悲観しないでください。
目があまり見えなくなってしまっても、犬はまだまだ元気で生活が出来ます。
視力が落ちた犬のためにしたいこと
目が見えにくくなった愛犬のために、少しでも愛犬が快適に生活が出来るよう気を付けたいことがあります。
ぶつかったりつまづかないように
目が不自由になると、どうしてもものにぶつかることが多くなったり、つまづくことが多くなります。
犬が歩く床面は、ぶつかったりつまづいたりしないようにしておいてあげましょう。
家具の角などは当たっても痛くないようにカバーをするなどしておいてあげましょう。
家具の配置は変えないで
愛犬は家の中の家具の配置を感覚で覚えています。
目が見えなくなっても、この感覚を頼りに室内で生活をしますので、あまり大きな模様替えなどはしないようにしましょう。
大きな音を急に立てない
目が不自由になり、聴覚や嗅覚が敏感になっている犬の近くで急に大きな声をあげたり音を立てたりしないようにしましょう。驚いてしまいます。
同じように、急になでるのも驚いてしまうかもしれません。なでる前に一声かけてあげてからの方が犬は安心できるでしょう。
散歩はゆっくりと、飼い主が愛犬の目の役割を
散歩中は飼い主が愛犬の目の代わりを行います。足元の安全確認や、愛犬を安心させるための声かけなど、目が不自由で歩きずらい愛犬を優しくサポートしてあげましょう。
まとめ
寄り添ってる犬とヒト
愛犬が年老いて行く姿は少し悲しいですが、安心して過ごしてもらえるよう万全のサポートをしてあげたいですね。
我が家の犬は、白内障で目が見えなくなってから5年生きました。トイレにもベッドから出て行けてましたし、一番大好きな母親のところへも迷わず行けました。室内ではあまり不自由はなかったように思えますが、やはり不安や心細さはあったのだと思います。年老いてからは、就寝時にひとりだけ1階に置いていかれることを非常に嫌がりました。
愛犬の目の健康は老犬になってもできるだけ長く維持したいもの。目のためのサプリメント商品をよく目にしますので、お悩みの方や気にしている方が多いのかもしれません。若いうちから、サプリなどで気を付けてあげるのもいいかもしれませんね。
老化と視力の低下について
ウインクしているチワワ
犬は老眼にはならない
犬には、老化によって近くのものが見えにくくなる人間のような老眼現象はありません。
犬の視力は元来あまり良くなく、元々近視の傾向にあります。
サイトハウンティングの犬種でない限り、遠くのものを見ることは苦手で視力は0.2〜0.3程度といわれています。さらにピントを合わせる能力があまり発達しておらず、ぼんやりとした像を見ているといわれています。
老化とともに心配なのが白内障
人間のような老眼現象はありませんが、老化とともに心配なのが白内障です。白内障は老化とともに少しずつ進行していき、視力にも影響を与えます。
白内障の症状や予防・治療方法は?
目薬をさす犬
10才以上の犬は注意深くみてあげてください。目に違和感はありませんか?
白内障の初期症状を見逃さないで
愛犬の目を見て違和感があったら注意深く日頃の様子も見てあげてください。
以下のような症状があったら白内障の初期症状かもしれません。
✔目が白っぽく見える
✔物にぶつかったりつまずくことが増えた
✔壁沿いに歩くことが増えた
✔目の瞳孔がいつも開いているように見える
白内障は少しずつ進行していきます。
眼球が白っぽく見えて、通常は光の調節をするために縮小する瞳孔が光を感知しにくい状態となっているため常に開いた状態になることがあります。
白内障の原因は?
白内障の原因は、先天性のものと後天性のもので異なってきます。
先天性の白内障の場合は、生まれつき水晶体が濁っていたり、若年性白内障といって遺伝的な要因で老年期になる前の若い頃に発症してしまう場合があります。
後天性のものでは、怪我や糖尿病などの代謝疾患のため水晶体に影響が出てしまう場合が考えられます。
白内障の治療法は?
白内障の進行は現在の動物医療では止めることは出来ませんが、進行するスピードを緩和するような治療が一般的です。
重度の白内障の場合は外科手術が行われることがありますが、まだ視力が残っている状態だと点眼薬などを利用した治療となるでしょう。
白内障の予防は困難
白内障は予防法がまだはっきりと確率されていません。
出来るだけ早く発見をして、進行を遅らせる治療をしてあげることが重要です。
犬の視力が落ちたら何をしてあげる?
犬の目
犬は視力が落ちても大丈夫
犬は視力が落ちてきても、それを補う優れた聴覚と嗅覚を持っています。
愛犬が白内障などの目の病気などで視力が落ちてしまってもあまり悲観しないでください。
目があまり見えなくなってしまっても、犬はまだまだ元気で生活が出来ます。
視力が落ちた犬のためにしたいこと
目が見えにくくなった愛犬のために、少しでも愛犬が快適に生活が出来るよう気を付けたいことがあります。
ぶつかったりつまづかないように
目が不自由になると、どうしてもものにぶつかることが多くなったり、つまづくことが多くなります。
犬が歩く床面は、ぶつかったりつまづいたりしないようにしておいてあげましょう。
家具の角などは当たっても痛くないようにカバーをするなどしておいてあげましょう。
家具の配置は変えないで
愛犬は家の中の家具の配置を感覚で覚えています。
目が見えなくなっても、この感覚を頼りに室内で生活をしますので、あまり大きな模様替えなどはしないようにしましょう。
大きな音を急に立てない
目が不自由になり、聴覚や嗅覚が敏感になっている犬の近くで急に大きな声をあげたり音を立てたりしないようにしましょう。驚いてしまいます。
同じように、急になでるのも驚いてしまうかもしれません。なでる前に一声かけてあげてからの方が犬は安心できるでしょう。
散歩はゆっくりと、飼い主が愛犬の目の役割を
散歩中は飼い主が愛犬の目の代わりを行います。足元の安全確認や、愛犬を安心させるための声かけなど、目が不自由で歩きずらい愛犬を優しくサポートしてあげましょう。
まとめ
寄り添ってる犬とヒト
愛犬が年老いて行く姿は少し悲しいですが、安心して過ごしてもらえるよう万全のサポートをしてあげたいですね。
我が家の犬は、白内障で目が見えなくなってから5年生きました。トイレにもベッドから出て行けてましたし、一番大好きな母親のところへも迷わず行けました。室内ではあまり不自由はなかったように思えますが、やはり不安や心細さはあったのだと思います。年老いてからは、就寝時にひとりだけ1階に置いていかれることを非常に嫌がりました。
愛犬の目の健康は老犬になってもできるだけ長く維持したいもの。目のためのサプリメント商品をよく目にしますので、お悩みの方や気にしている方が多いのかもしれません。若いうちから、サプリなどで気を付けてあげるのもいいかもしれませんね。
犬猫の予防ワクチンセミナー「飼い主が正しい知識を」「状態に合わせた接種」訴え 北九州
毎日新聞
犬や猫の感染症予防ワクチンの接種について知ってもらおうというセミナーが23日、北九州市小倉南区で開かれた。講師はワクチン接種の問題に詳しい獣医師、本村伸子さん(53)=東京=で、飼い主らは熱心に聴き入った。
本村さんは、1998年に5歳という若さでがんを発症した愛犬フレンドを亡くした際に、市販のペットフードや過剰なワクチン接種の副作用が発がんの原因ではないかとの見解を知った。以来、渡米するなどして調査研究を重ね、著書を発表したり各地でセミナーを開いたりしている。
犬と猫に必ず接種すべきコアワクチンは、犬パルボウイルス2型や猫カリシウイルスなど各3種類。成犬、成猫への追加接種は、日本では年に1度が常識だが、米国では3年に1度であることを紹介。世界小動物獣医師会が示した指針は、副作用のリスク軽減のため、追加接種は「原則として3年に1度よりも短い間隔ですべきではない」としているという。毎年の接種の代わりに、抗体検査をして免疫力が低下したものだけを接種するなど、犬や猫の状態に合わせた接種が重要と訴えた。
本村さんは「コアワクチンは少なくとも7年間は免疫が持続されることも証明されている。獣医師に勧められたからというだけでなく、飼い主が正しい知識を持って接種するかを決めてほしい」と話した。【末永麻裕】
〔福岡都市圏版〕
犬や猫の感染症予防ワクチンの接種について知ってもらおうというセミナーが23日、北九州市小倉南区で開かれた。講師はワクチン接種の問題に詳しい獣医師、本村伸子さん(53)=東京=で、飼い主らは熱心に聴き入った。
本村さんは、1998年に5歳という若さでがんを発症した愛犬フレンドを亡くした際に、市販のペットフードや過剰なワクチン接種の副作用が発がんの原因ではないかとの見解を知った。以来、渡米するなどして調査研究を重ね、著書を発表したり各地でセミナーを開いたりしている。
犬と猫に必ず接種すべきコアワクチンは、犬パルボウイルス2型や猫カリシウイルスなど各3種類。成犬、成猫への追加接種は、日本では年に1度が常識だが、米国では3年に1度であることを紹介。世界小動物獣医師会が示した指針は、副作用のリスク軽減のため、追加接種は「原則として3年に1度よりも短い間隔ですべきではない」としているという。毎年の接種の代わりに、抗体検査をして免疫力が低下したものだけを接種するなど、犬や猫の状態に合わせた接種が重要と訴えた。
本村さんは「コアワクチンは少なくとも7年間は免疫が持続されることも証明されている。獣医師に勧められたからというだけでなく、飼い主が正しい知識を持って接種するかを決めてほしい」と話した。【末永麻裕】
〔福岡都市圏版〕
人?ネコ?ペット化実現はどちらがきっかけだったかーイエネコ起源の謎(下)
ヒトが先かネコが先か?
[イメージ]愛媛県青島のネコ。あちらこちらでネコが町おこしに一役買うなど空前の人気だ(写真:ロイター/アフロ)
さて吾輩の先祖達は具体的にどのようにして、ヒトとの共存をはたしたのだろうか?人間の住処である村落や家屋に居候を決めこむ直接のきっかけとは、はたしてどのようなものだったのだろうか?
吾輩の感じるところ、まず2つの異なるシナリオが思い当たる。まず「ヒトがうまいことネコを説き伏せて、ネコを手なずけた」 ── いわゆるヒト主体のシナリオ。一方、特定のネコの個体(及び個体群)が、偶然ヒトと共存しやすい性質や行動様式、習性などを手に入れた可能性もあるだろう。(同じようなペット化における異なる二つの仮説は、イエイヌの起源の記事においても紹介した。)
-https://thepage.jp/detail/20170419-00000009-wordleaf
ヒトを主体とする仮説は今のところよりポピュラーな印象を受ける。ネズミを取り除くため、愛玩用として等の理由があげられるだろう。しかしこの仮説を検証する時、イエネコの起源における一番興味深い時代(約5000年から1万年前)のデータは、残念ながら非常に限られている。前回紹介した最古のイエネコの骨(約9500年前キプロス島産:Vigne等2004 )も、人に確実にペットとして飼われていたかどうか、確実な証拠はないように吾輩には映る。偶然、人家の周囲に死体が埋められた、又は食用として用いられていた可能性も邪推したくなる。
約1万年前頃、人類はどのようにしてネコと交流(のようなもの)をはかったのだろか? 言葉(呼びかけ)や身振り手振り(特定の行動様式)、餌付けなど方法がとられたのかもしれない。最近とくに動物心理学や行動学の研究者に、犬や猫が具体的にどのような人間の動き──例えばアイコンタクトや呼びかけ──に反応するのか、詳細な研究がされている。まだネコペット化起源の「カギ」となりそうなはっきりとした答えは聞いたことがない。近い将来のさらなる興味深い研究に期待したい。
ネコ主体説 ── ネコがヒトに自分から近づいてきて、ペット化が進行したシナリオも、論理的に筋はとおっているように響く。しかし具体的にどのような性質が、ネコを人のもとへと導いたのだろうか? イエネコの愛くるしい姿は、子猫の性格を成長してからも残しているのかもしれない。(トラやライオンでも子供の間は人にある程度なついている。)全てはある特定の、おそらく成長や行動に関する、遺伝子における突然変異によって始まったと思われる。しかし具体的な「猫ペット化覇道王道摩訶不思議遺伝子」のようなものの存在の発見は、今のところ聞いたことがない。
Ottoni等(2017)の研究はイエネコに独特とされる「斑点の混じったまだら模様(いわゆるブチ柄)」の出現が、中世において初めて現れたと、mDNAのデータをもとに推定している。このまだら模様は、トラ柄のものとは遺伝子上はっきり異なるそうだ。他のネコの種において格子模様の体毛はトラだけでなく他の種においても、程度の差こそあれ広く見られる。このまだら模様の出現は、イエネコの進化上一度きり起きたと考えられている。そのため全てのイエネコの個体が、単一の個体(及び個体間)から進化して今日に至る、いわゆる「イエネコ単一起源説」を支持する証拠の一つとされる。
人類のペット化への情熱
この深遠なる生物進化史上に燦然(さんぜん)と輝くであろう一大ミステリーについて、吾輩はぽかぽかと日のあたるお気に入りの縁側の座布団に、いつものように丸くなりながら考察・熟考を重ねていた(昼寝とは違う)。するとすぐそばの大きなTVの画面から、白と黒のまだら模様の巨大な動物が水面から突然現れ、ボートに乗る人間たちと仲良く戯れているシーンに目が釘付けとなった。
2011年に制作されたカナダのドキュメンタリー映画「The Whale」をご覧になった方はいるだろうか。アメリカ西海岸のワシントン州沿岸に現れた一頭の海生哺乳類シャチ(Orcinus orca)と地元の住民との奇妙で斬新な交流を映像でまとめたものだ。シャチは基本的に大きな群れで生活することが知られている。かなりの大所帯もあるそうだが、たいてい家族全てのメンバーが、一つの群れの中に生涯とどまる。複雑な社会性にもとづく習性をその進化上、手に入れて今日に至る。逆に言うと群れなしでは生き延びることが難しい。他の群れに自由に出入りすることはご法度のようで、よそ者のシャチが攻撃を受けるケースが多数知られている。
この映画に登場する「Luna(ルナ)」と名づけられたシャチの子供は、どういうわけか元の群れから迷子になってはぐれてしまう。そして海岸線の入り組んだ小さな湾岸へとたどりつく。まだ遊びざかりで陽気な人懐こい性格から、すぐに人間と仲よくなる術を手に入れたのだろうか。地元の小さな町では一躍人気者のシャチとなる。何せルナは人になでてもらうのが大好きで、堤防のそばでいつも人影が現れるのを待っていたり、ボートなどと追いかけっこをしたりする光景が毎日のように見られた。シャチは基本的に非常に獰猛な捕食者で、人を襲うケースもかなり報告されている。どうしてこのルナは、これほど人に近づくことが、すんなりと出来たのだろうか?
筆者注:この映画は私のチェックした限り、日本では公開されなかったようだ。DVDなども国内では販売されたことがないようだ。興味のある方は英語版で有料だがYouTube等を通して観ることができる(「The Whale+Luna」で検索)。このシャチのストーリーは、当時かなり大きく地元のニュースなどでとりあげられていた。今でもルナを偲(しの)んだ活動が継続されている。アメリカのスミソニアン自然史博物館が、このルナに関する情報を写真やビデオと共に紹介している。
http://www.smithsonianmag.com/science-nature/luna-a-whale-to-watch-12434931/
まだ映画を見たことのない方、これから見る方のため、スリーリーを細かくここで紹介することはマナー違反だろう。(しかしこのストーリーの結末はかなり大きな議論を呼んだことが推察される。)ただ吾輩はこの映画の中には、人類と多数の野生動植物との交流の原点、そしてペット化の起源を考える時にカギとなりそうな重要なメッセージが幾つか垣間見えている気がしてならない。
例えばどうも人類という種は、他の種にかなり旺盛な、時に限度や節度を超えた興味を持つ傾向があるようだ。「他の種と交流を図りたい」「是非手元において置きたい」。こうした感情や欲求はその是非はともかく我々人類のかなり根元の部分、もしかしたら本能的なものとしてDNAの中に深く刻まれているのではないだろうか?
しかし野生の個体や種は人間と共に生活を共にしていいのだろうか、それとも自然はそのまままに残しておくべきなのか。我々はどのような姿勢やフィロソフィー(哲学)でその判断を下せばいいのだろうか? もちろん力ずくで自由を奪い、檻に閉じ込める方法はペットとしては論外だ。しかしこのルナのように、野生の動物が偶然人間の住処へ迷い込み、又は人と一緒にいることを自分から強く欲している場合、我々はどのように対処すればいいのだろうか?
この映画のメインテーマの一つは、原住民・動物保護団体・行政側が三つ巴となり、「ルナに近づくべきか、無視するべきか、遠方の彼方に暮らしていた元の群れへリスクを承知で連れ戻すべきか?」 ── こうした一連の白熱した議論を映像にまとめたことにつきる。その問いかけはいまだに我々の手元に残されていて、答えは出されていない。
そしてこの命題(テーマ)はイエネコのペット化の起源にもあてはまるはずだ。はたして人類は野生のネコを人家に連れて来て飼うことが正解だったのだろうか?
歴史上、古代エジプト人は手に入る限りほとんどの種のペット化及び家畜化に挑んだとする記録が残されているそうだ。そのうちのいくつか(猫や犬などを含む)はペットとして手元に置くことに大成功をおさめた。その隠された秘訣や奥義とはどのようなものだったのだろうか?
もしかすると太古の人類は自然とより密接したライフスタイルだったので、半野生化したイエネコの祖先のような動物と接することは、我々現代人(文明人)の想像も及ばないほど、シンプルにすんなりと行っていたのかもしれない。その当時、ほとんどの人がムツゴロウさん(注:畑正憲氏の愛称)のようなスキルや特質を備えていたと想像すると、何とも微笑ましくなる。そして我々現代人は自然と接する術を失いつつあるのかもしれない。
こうした点をふまえつつ、先述したイエネコペット化の起源に関してもう少し触れてみたい。ヒト主体vsネコ主体仮説の中間をとったシナリオも、論理的に可能だったのかもしれない。ヒトとネコ両方の側でそれぞれ進化上の準備ができて、はじめてお互いに歩み寄ることが実現したわけだ。このペット化のような進化上の異なる種における「共生関係」において、中間仮説は吾輩の知る限りほとんど研究者に取り上げられることはない。おそらく今のところしっかりと仮説を裏付けるための証拠やデータに乏しいのだろう。もしかするとほとんど今まで、注目を浴びることがなかっただけなのかもしれない。
さてイエネコと人類の契約はどのようにして交わされたのだろか? その答えは日常の生活で見かけられる目の前の猫たちに尋ねてみてはいかがだろうか。もしかすると猫達はその答えを我々に語り続けているのかもしれない。まず間違いなく人間の利益を押し付けただけの「片利共生」ではなく、両者が利益を受けることの出来た「相利共生」が、その進化上、イエネコとヒトの絆をより強固なものにしたと考えるほうが、つじつまがあっているようだ。この相利共生における仮説をサポートする何か「科学的な証拠でもないだろうか?」と問いかけたら、吾輩と称するネコはこそこそと押入れの中にもぐっていびきをかきはじめた。
生物進化とは、例えばガラパゴス諸島の奇妙なイグアナやフィンチ、又は目を見はるような恐竜骨格化石だけでなく、実は日常よくみかける身近な動植物達からも、実に多くのことを学べるものだ。チャールズ・ダーウィンはその種著「種の起源」の中で、家畜やペットなどの品種における人為淘汰の件からそのセオリーを語りはじめた。ダーウィンの目のつけどころは、「やはりさすがだ」と感心させられてしまう。なかなか眼識に富んでいたといえる。まるで漱石の小説に登場する「吾輩」と称する猫のごとく。
最後に私事を一つ。実家の猫「BuBu」が先月18年目にして大往生を遂げたとの報を耳にした。なかなかふてぶてしい性格で私の帰省中、座布団の載った椅子を取り合っていたことが懐かしく思い出される。いつも少し離れた距離から私のことを見つめていた。その去り際もなかなかクールに(良い意味で)猫らしく自分勝手に旅立だっていったようだ。こうした事情も手伝い、自称犬派で猫を直接飼ったことのない私だが、今回はどっぷりとイエネコの進化に踏み入ってみた。それではお手元の猫が元気なうちに是非たっぷりとかわいがってあげて下さい。
池尻武仁
古生物学者
ミシガン大学卒(2010年博士号取得)。現在北米のアラバマ自然史博物館の客員研究員及びアラバマ大学地質科学部の講師。中生代の恐竜や海生爬虫類を皮切りにさまざまな化石の研究を幅広く行う。アラバマ大学上のホームページ http://tikejiri.people.ua.edu/
[イメージ]愛媛県青島のネコ。あちらこちらでネコが町おこしに一役買うなど空前の人気だ(写真:ロイター/アフロ)
さて吾輩の先祖達は具体的にどのようにして、ヒトとの共存をはたしたのだろうか?人間の住処である村落や家屋に居候を決めこむ直接のきっかけとは、はたしてどのようなものだったのだろうか?
吾輩の感じるところ、まず2つの異なるシナリオが思い当たる。まず「ヒトがうまいことネコを説き伏せて、ネコを手なずけた」 ── いわゆるヒト主体のシナリオ。一方、特定のネコの個体(及び個体群)が、偶然ヒトと共存しやすい性質や行動様式、習性などを手に入れた可能性もあるだろう。(同じようなペット化における異なる二つの仮説は、イエイヌの起源の記事においても紹介した。)
-https://thepage.jp/detail/20170419-00000009-wordleaf
ヒトを主体とする仮説は今のところよりポピュラーな印象を受ける。ネズミを取り除くため、愛玩用として等の理由があげられるだろう。しかしこの仮説を検証する時、イエネコの起源における一番興味深い時代(約5000年から1万年前)のデータは、残念ながら非常に限られている。前回紹介した最古のイエネコの骨(約9500年前キプロス島産:Vigne等2004 )も、人に確実にペットとして飼われていたかどうか、確実な証拠はないように吾輩には映る。偶然、人家の周囲に死体が埋められた、又は食用として用いられていた可能性も邪推したくなる。
約1万年前頃、人類はどのようにしてネコと交流(のようなもの)をはかったのだろか? 言葉(呼びかけ)や身振り手振り(特定の行動様式)、餌付けなど方法がとられたのかもしれない。最近とくに動物心理学や行動学の研究者に、犬や猫が具体的にどのような人間の動き──例えばアイコンタクトや呼びかけ──に反応するのか、詳細な研究がされている。まだネコペット化起源の「カギ」となりそうなはっきりとした答えは聞いたことがない。近い将来のさらなる興味深い研究に期待したい。
ネコ主体説 ── ネコがヒトに自分から近づいてきて、ペット化が進行したシナリオも、論理的に筋はとおっているように響く。しかし具体的にどのような性質が、ネコを人のもとへと導いたのだろうか? イエネコの愛くるしい姿は、子猫の性格を成長してからも残しているのかもしれない。(トラやライオンでも子供の間は人にある程度なついている。)全てはある特定の、おそらく成長や行動に関する、遺伝子における突然変異によって始まったと思われる。しかし具体的な「猫ペット化覇道王道摩訶不思議遺伝子」のようなものの存在の発見は、今のところ聞いたことがない。
Ottoni等(2017)の研究はイエネコに独特とされる「斑点の混じったまだら模様(いわゆるブチ柄)」の出現が、中世において初めて現れたと、mDNAのデータをもとに推定している。このまだら模様は、トラ柄のものとは遺伝子上はっきり異なるそうだ。他のネコの種において格子模様の体毛はトラだけでなく他の種においても、程度の差こそあれ広く見られる。このまだら模様の出現は、イエネコの進化上一度きり起きたと考えられている。そのため全てのイエネコの個体が、単一の個体(及び個体間)から進化して今日に至る、いわゆる「イエネコ単一起源説」を支持する証拠の一つとされる。
人類のペット化への情熱
この深遠なる生物進化史上に燦然(さんぜん)と輝くであろう一大ミステリーについて、吾輩はぽかぽかと日のあたるお気に入りの縁側の座布団に、いつものように丸くなりながら考察・熟考を重ねていた(昼寝とは違う)。するとすぐそばの大きなTVの画面から、白と黒のまだら模様の巨大な動物が水面から突然現れ、ボートに乗る人間たちと仲良く戯れているシーンに目が釘付けとなった。
2011年に制作されたカナダのドキュメンタリー映画「The Whale」をご覧になった方はいるだろうか。アメリカ西海岸のワシントン州沿岸に現れた一頭の海生哺乳類シャチ(Orcinus orca)と地元の住民との奇妙で斬新な交流を映像でまとめたものだ。シャチは基本的に大きな群れで生活することが知られている。かなりの大所帯もあるそうだが、たいてい家族全てのメンバーが、一つの群れの中に生涯とどまる。複雑な社会性にもとづく習性をその進化上、手に入れて今日に至る。逆に言うと群れなしでは生き延びることが難しい。他の群れに自由に出入りすることはご法度のようで、よそ者のシャチが攻撃を受けるケースが多数知られている。
この映画に登場する「Luna(ルナ)」と名づけられたシャチの子供は、どういうわけか元の群れから迷子になってはぐれてしまう。そして海岸線の入り組んだ小さな湾岸へとたどりつく。まだ遊びざかりで陽気な人懐こい性格から、すぐに人間と仲よくなる術を手に入れたのだろうか。地元の小さな町では一躍人気者のシャチとなる。何せルナは人になでてもらうのが大好きで、堤防のそばでいつも人影が現れるのを待っていたり、ボートなどと追いかけっこをしたりする光景が毎日のように見られた。シャチは基本的に非常に獰猛な捕食者で、人を襲うケースもかなり報告されている。どうしてこのルナは、これほど人に近づくことが、すんなりと出来たのだろうか?
筆者注:この映画は私のチェックした限り、日本では公開されなかったようだ。DVDなども国内では販売されたことがないようだ。興味のある方は英語版で有料だがYouTube等を通して観ることができる(「The Whale+Luna」で検索)。このシャチのストーリーは、当時かなり大きく地元のニュースなどでとりあげられていた。今でもルナを偲(しの)んだ活動が継続されている。アメリカのスミソニアン自然史博物館が、このルナに関する情報を写真やビデオと共に紹介している。
http://www.smithsonianmag.com/science-nature/luna-a-whale-to-watch-12434931/
まだ映画を見たことのない方、これから見る方のため、スリーリーを細かくここで紹介することはマナー違反だろう。(しかしこのストーリーの結末はかなり大きな議論を呼んだことが推察される。)ただ吾輩はこの映画の中には、人類と多数の野生動植物との交流の原点、そしてペット化の起源を考える時にカギとなりそうな重要なメッセージが幾つか垣間見えている気がしてならない。
例えばどうも人類という種は、他の種にかなり旺盛な、時に限度や節度を超えた興味を持つ傾向があるようだ。「他の種と交流を図りたい」「是非手元において置きたい」。こうした感情や欲求はその是非はともかく我々人類のかなり根元の部分、もしかしたら本能的なものとしてDNAの中に深く刻まれているのではないだろうか?
しかし野生の個体や種は人間と共に生活を共にしていいのだろうか、それとも自然はそのまままに残しておくべきなのか。我々はどのような姿勢やフィロソフィー(哲学)でその判断を下せばいいのだろうか? もちろん力ずくで自由を奪い、檻に閉じ込める方法はペットとしては論外だ。しかしこのルナのように、野生の動物が偶然人間の住処へ迷い込み、又は人と一緒にいることを自分から強く欲している場合、我々はどのように対処すればいいのだろうか?
この映画のメインテーマの一つは、原住民・動物保護団体・行政側が三つ巴となり、「ルナに近づくべきか、無視するべきか、遠方の彼方に暮らしていた元の群れへリスクを承知で連れ戻すべきか?」 ── こうした一連の白熱した議論を映像にまとめたことにつきる。その問いかけはいまだに我々の手元に残されていて、答えは出されていない。
そしてこの命題(テーマ)はイエネコのペット化の起源にもあてはまるはずだ。はたして人類は野生のネコを人家に連れて来て飼うことが正解だったのだろうか?
歴史上、古代エジプト人は手に入る限りほとんどの種のペット化及び家畜化に挑んだとする記録が残されているそうだ。そのうちのいくつか(猫や犬などを含む)はペットとして手元に置くことに大成功をおさめた。その隠された秘訣や奥義とはどのようなものだったのだろうか?
もしかすると太古の人類は自然とより密接したライフスタイルだったので、半野生化したイエネコの祖先のような動物と接することは、我々現代人(文明人)の想像も及ばないほど、シンプルにすんなりと行っていたのかもしれない。その当時、ほとんどの人がムツゴロウさん(注:畑正憲氏の愛称)のようなスキルや特質を備えていたと想像すると、何とも微笑ましくなる。そして我々現代人は自然と接する術を失いつつあるのかもしれない。
こうした点をふまえつつ、先述したイエネコペット化の起源に関してもう少し触れてみたい。ヒト主体vsネコ主体仮説の中間をとったシナリオも、論理的に可能だったのかもしれない。ヒトとネコ両方の側でそれぞれ進化上の準備ができて、はじめてお互いに歩み寄ることが実現したわけだ。このペット化のような進化上の異なる種における「共生関係」において、中間仮説は吾輩の知る限りほとんど研究者に取り上げられることはない。おそらく今のところしっかりと仮説を裏付けるための証拠やデータに乏しいのだろう。もしかするとほとんど今まで、注目を浴びることがなかっただけなのかもしれない。
さてイエネコと人類の契約はどのようにして交わされたのだろか? その答えは日常の生活で見かけられる目の前の猫たちに尋ねてみてはいかがだろうか。もしかすると猫達はその答えを我々に語り続けているのかもしれない。まず間違いなく人間の利益を押し付けただけの「片利共生」ではなく、両者が利益を受けることの出来た「相利共生」が、その進化上、イエネコとヒトの絆をより強固なものにしたと考えるほうが、つじつまがあっているようだ。この相利共生における仮説をサポートする何か「科学的な証拠でもないだろうか?」と問いかけたら、吾輩と称するネコはこそこそと押入れの中にもぐっていびきをかきはじめた。
生物進化とは、例えばガラパゴス諸島の奇妙なイグアナやフィンチ、又は目を見はるような恐竜骨格化石だけでなく、実は日常よくみかける身近な動植物達からも、実に多くのことを学べるものだ。チャールズ・ダーウィンはその種著「種の起源」の中で、家畜やペットなどの品種における人為淘汰の件からそのセオリーを語りはじめた。ダーウィンの目のつけどころは、「やはりさすがだ」と感心させられてしまう。なかなか眼識に富んでいたといえる。まるで漱石の小説に登場する「吾輩」と称する猫のごとく。
最後に私事を一つ。実家の猫「BuBu」が先月18年目にして大往生を遂げたとの報を耳にした。なかなかふてぶてしい性格で私の帰省中、座布団の載った椅子を取り合っていたことが懐かしく思い出される。いつも少し離れた距離から私のことを見つめていた。その去り際もなかなかクールに(良い意味で)猫らしく自分勝手に旅立だっていったようだ。こうした事情も手伝い、自称犬派で猫を直接飼ったことのない私だが、今回はどっぷりとイエネコの進化に踏み入ってみた。それではお手元の猫が元気なうちに是非たっぷりとかわいがってあげて下さい。
池尻武仁
古生物学者
ミシガン大学卒(2010年博士号取得)。現在北米のアラバマ自然史博物館の客員研究員及びアラバマ大学地質科学部の講師。中生代の恐竜や海生爬虫類を皮切りにさまざまな化石の研究を幅広く行う。アラバマ大学上のホームページ http://tikejiri.people.ua.edu/
2017年07月30日
犬の排せつ行動 本能利用しトイレ訓練
北海道新聞
犬は猫と違ってトイレトレーニングが不可欠です。室内で飼う予定だったのに外飼いに変更されてしまう一番の原因が、トイレトレーニングの失敗だとの報告もあります。犬は自分自身や寝場所、食事場所はきれいに保とうとする本能を持っていますので、これを利用して子犬のトイレトレーニングを行います。
でも、劣悪な環境で育った子犬だと、尿や便の上で平気で寝る習慣がすでについている場合があります。時々、尿や便がついているペットシーツ(犬用トイレ)の上で寝ている子犬が展示されているペットショップがありますよね? トイレトレーニングを困難にさせる大きな要因です。
さて、トレーニングです。ペットシーツは1枚にこだわらず、複数枚用意して、子犬の近くにトイレがある状況を作ります。子犬はペットシーツを足の裏の触感で覚えますから、ペットシーツと似たようなものを床に置かないことも大切です。子犬が床のにおいを嗅いだり、クルクル回ったりしたら、すぐにトイレに連れて行きます。食事の後、寝起き、思いっきり遊んだあとにもトイレに誘導し、トイレで排せつできたら大げさに褒めます。
見張ることができない時間帯は、トイレの失敗を避けるためにケージに入れておきますが、子犬が排せつを我慢できる時間は月齢+1時間。例えば、8週齢(2カ月)なら2〜3時間ごとに排せつの機会を与える必要があります。排尿回数は子犬では1日10回を超えますが、成犬になると3〜4回程度まで留め置くことが可能になります。排便も同じように回数が減り、1〜2回程度になります。
成犬になると、猫と同じようにマーキング目的の排尿が見られるようになります。足を上げるなどして少量の尿を高い位置に排せつする行動で、個体情報の誇示が目的です。ただ、同じ尿マーキングでも猫と犬では大きな違いがあります。
猫は自分の尿のにおいが薄れてきた時に尿を上塗りするのに対し、犬は他の個体の尿の上に上塗りするのです。散歩中にマーキングをさせると、その上に他の犬が尿をかぶせるという行動が果てしなく続くことになります。犬がトイレと決めた電柱や木、時には家の門や塀など、たまったものではありませんね。
ペット同伴可のホテルなどで他の犬の残り香があると、マーキングをせずにはいられない犬がでてきます。「失敗をしたら、飼い主さんの責任できれいに掃除した後、宿の者にお知らせください」と書かれているのは、しっかりと消臭処置をしなくてはならないからなのです。
過去に私が飼った大型犬たちと小型犬は、雄も雌もマーキングの心配をしたことがありませんでした。しかし、現在飼っている中型犬と一緒にどこかに泊まる時には、最悪の状況を考えておむつをはかせています。尿臭を感じたら絶対にマーキングの機会をうかがうに違いない犬だからです。これまでのところおむつがぬれていたことはありませんが、せっかくの旅行、ずうっと犬を監視するなんてまっぴらごめんですから。(南佳子=みなみ動物病院副院長)
犬は猫と違ってトイレトレーニングが不可欠です。室内で飼う予定だったのに外飼いに変更されてしまう一番の原因が、トイレトレーニングの失敗だとの報告もあります。犬は自分自身や寝場所、食事場所はきれいに保とうとする本能を持っていますので、これを利用して子犬のトイレトレーニングを行います。
でも、劣悪な環境で育った子犬だと、尿や便の上で平気で寝る習慣がすでについている場合があります。時々、尿や便がついているペットシーツ(犬用トイレ)の上で寝ている子犬が展示されているペットショップがありますよね? トイレトレーニングを困難にさせる大きな要因です。
さて、トレーニングです。ペットシーツは1枚にこだわらず、複数枚用意して、子犬の近くにトイレがある状況を作ります。子犬はペットシーツを足の裏の触感で覚えますから、ペットシーツと似たようなものを床に置かないことも大切です。子犬が床のにおいを嗅いだり、クルクル回ったりしたら、すぐにトイレに連れて行きます。食事の後、寝起き、思いっきり遊んだあとにもトイレに誘導し、トイレで排せつできたら大げさに褒めます。
見張ることができない時間帯は、トイレの失敗を避けるためにケージに入れておきますが、子犬が排せつを我慢できる時間は月齢+1時間。例えば、8週齢(2カ月)なら2〜3時間ごとに排せつの機会を与える必要があります。排尿回数は子犬では1日10回を超えますが、成犬になると3〜4回程度まで留め置くことが可能になります。排便も同じように回数が減り、1〜2回程度になります。
成犬になると、猫と同じようにマーキング目的の排尿が見られるようになります。足を上げるなどして少量の尿を高い位置に排せつする行動で、個体情報の誇示が目的です。ただ、同じ尿マーキングでも猫と犬では大きな違いがあります。
猫は自分の尿のにおいが薄れてきた時に尿を上塗りするのに対し、犬は他の個体の尿の上に上塗りするのです。散歩中にマーキングをさせると、その上に他の犬が尿をかぶせるという行動が果てしなく続くことになります。犬がトイレと決めた電柱や木、時には家の門や塀など、たまったものではありませんね。
ペット同伴可のホテルなどで他の犬の残り香があると、マーキングをせずにはいられない犬がでてきます。「失敗をしたら、飼い主さんの責任できれいに掃除した後、宿の者にお知らせください」と書かれているのは、しっかりと消臭処置をしなくてはならないからなのです。
過去に私が飼った大型犬たちと小型犬は、雄も雌もマーキングの心配をしたことがありませんでした。しかし、現在飼っている中型犬と一緒にどこかに泊まる時には、最悪の状況を考えておむつをはかせています。尿臭を感じたら絶対にマーキングの機会をうかがうに違いない犬だからです。これまでのところおむつがぬれていたことはありませんが、せっかくの旅行、ずうっと犬を監視するなんてまっぴらごめんですから。(南佳子=みなみ動物病院副院長)
命の尊さ理解しよう 県センターで教室 児童ら飼育、殺処分学ぶ /福岡
毎日新聞
犬と猫の適正飼育や殺処分についてクイズなどで学ぶ小学生と保護者が対象の「夏休み動物愛護教室」が26日、県動物愛護センター(古賀市小竹)で開かれた。
夏休みの子供たちに犬や猫の接し方、命の尊さを理解してもらい、終生飼育を呼び掛けようと企画。センターの役割や犬と猫の寿命、しつけの方法などをクイズ形式で学び、聴診器で犬の心臓の音を聴く体験などがあった。また、ドッグランや犬舎などを回るセンター見学会も開かれた。参加した大和夢果さん(11)は「犬や猫の知らなかったことが知れて楽しかった」と笑顔だった。教室は、8月16日午前10時からも開かれる。参加無料。申し込みは同センター092・944・1281。【末永麻裕】
〔福岡都市圏版〕
犬と猫の適正飼育や殺処分についてクイズなどで学ぶ小学生と保護者が対象の「夏休み動物愛護教室」が26日、県動物愛護センター(古賀市小竹)で開かれた。
夏休みの子供たちに犬や猫の接し方、命の尊さを理解してもらい、終生飼育を呼び掛けようと企画。センターの役割や犬と猫の寿命、しつけの方法などをクイズ形式で学び、聴診器で犬の心臓の音を聴く体験などがあった。また、ドッグランや犬舎などを回るセンター見学会も開かれた。参加した大和夢果さん(11)は「犬や猫の知らなかったことが知れて楽しかった」と笑顔だった。教室は、8月16日午前10時からも開かれる。参加無料。申し込みは同センター092・944・1281。【末永麻裕】
〔福岡都市圏版〕