動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2017年08月13日

具体的な動物救助事例はもっとシェアされるべき

リスク対策.com


私の消防関係者ネットワークで知り得たことですが、実は日本でも日々、さまざまな動物救助が行われています。しかしアメリカではニュースとなるような事案であっても、日本ではできるだけ広報しない現状にあるようです。

Dramatic Images Show Dog Being Freed From Tire Around Neck (出典:YouTube)

その理由を消防関係者の方々に聞いてみると、命に危険のある動物を救出する行為を消防の装備を使って行ったことで「本来の業務なのか?」とか「動物を助けるために税金を払っているのではない」などの一部の市民からクレームが来る可能性があることと同時に、メディア対応にも慣れていないからだそうです。

自衛隊の今年のポスター「守りたい命がある」を見て下さい。命に対しての本気度を1枚の写真から感じます。


(出典:自衛隊ホームページ)


■下記のキーワードで検索するとたくさんの動物救助が見られます。
「firefighter poster rescue dog」「自衛隊 犬 ポスター」

また、Facebook上の世界の消防署が発信しているページでも、さまざまな消防による動物救助事例やシーンが映像や画像で紹介されています。こういうメディアの使い方こそ、本気の消防広報だと思います。

たとえば、インディアナポリス消防局の動物救助事例

■Indiana Police Fire Department のFBページ
https://www.facebook.com/indianapolisfiredepartment/posts/1010759928942534

なんと4万人以上の方々が、このインディアナポリス消防局の動物救助事例について賞賛しています。

記事の概要を説明します。インディアナポリス消防署第5分署に、ジェシカという女性が車のタイアのリムに頭が挟まった状態のメスのピットブルを連れてきました。その雌犬の名前は「ジマ」で、近所でよく見かける1歳半の野良犬でした。


タイヤリムに頭が挟まってしまったジマ(出典:インディアナポリス市消防局のFB)
犬を連れて駆け込んだジェシカは、普段からこの犬にえさを与えており、帰宅後にえさを与えようとジマを探したところ、タイアリムに頭が挟まった状態のジマを見つけ、獣医などのアドバイスを受け、日頃からレスキューを行っている消防署に連れて行ったそうです。

駆け込んだ消防署では、交通事故などで使う小型の油圧や空気圧の切断・開放などの救助器具を持っていなかったため、ほかの署に応援要請し、2隊合同で犬の救助を行いました。


消防士たちの懸命な救助活動が開始された(出典:インディアナポリス市消防局のFB)
まず、石けんやサラダオイルを犬の首に付けて滑らせながら引き抜こうとしましたが引き抜けなかったため、車のブレーキペダルを切断する工具を使用して、リムにいくつかの大きな切れ目をつけ、リムの切れ目をさらに開くためにスプレッダーという油圧器具を使用しました。救助には1時間以上掛かりましたが、無事に成功しています。


救出されたジマ(出典:インディアナポリス市消防局のFB)
また、ジェシカがジマの里親になり、ずっと一緒に暮らすことを消防士達に告げたところ、ジマを助けた消防士達が心から拍手でお祝いし、ジェシカとジマの幸せを祈りました。

この動物救助事例で消防士達が気をつけたことは以下でした。

・犬を励まし、がんばっていることを褒め続けた。

・恐怖による犬の心臓への負担を考え、連続的な救助は行わず、少しずつ、休憩しながら行った。

・音が出たり、振動の大きい救助器具を使わなかった。

・油圧器具も一箇所に力が掛かるとひずみにより、動物の首を絞めたり、簡単にはひずみを戻せないため、2つ以上の油圧器具をバランス良く使いながらタイアリムの解体を行った。

・石けん水やサラダオイルを犬の首の部分に付けて、滑りやすい状態にしてタイアリムから外そうとしたが抜けなかった。

・サラダオイルを使ったため、熱や火花を発生しない救助器具を選択した。

いかがでしたか?

日本でも、こういう貴重な動物救助事例の対応手順や使用資機材などを、関係者の許可を得て公表することで、さまざまな救助器具の応用的な活用事例としても、その内容は確実に生かされると思います。

また、現代は消防の救助事案が少ない現状にもあり、これがもし人間の子どもだったときにどうするのか?その救助事例の参考にもなると思います。

消防士の皆さん、どう思いますか?一般社会に公表するのが難しくても、救助学会などでさまざまな動物救助事案なども発表されるべきだと感じますが、いかがでしょうか?

動物救助事案として、それに特化した事例集を作ってもいいかもしれませんね。

みなさんのコメントをお待ちいたしております。

ペットライフセーバーズ

http://petsaver.jp
info@petsaver.jp
posted by しっぽ@にゅうす at 06:25 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の寿命を延ばす4つの方法

BIGLOBE


ご長寿ワンコを目指す鍵は、良い食事、適度な運動、健康な歯とスリムな身体の維持、そして定期的な健康診断にあります。

以下に”愛犬の寿命を延ばす”4つの方法をまとめています。極めて普通で「当たり前じゃん!」と言われそうな4項目ですが、これらの基本は確実に、愛犬の命を守ってくれます。

この記事にはこんなことが書いてあるよ!


1. 健康な歯を維持する

2. 適正体重を維持する

3. 運動とリラックスをバランスさせる

4. 定期的な検診とワクチン接種



1. 健康な歯を維持する

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image by Susan Schmitz / Shutterstock

獣医師の中には、口腔内を良好な状態に保つことにより、犬の寿命を複数年伸ばすことができるという人もいます。歯垢や歯石を綺麗にすることは、犬の健康を守ることに直結するからです。

口の中を良い状態に保つためには、定期的な歯磨き、噛み応えのある安全なおもちゃを与えること、定期的な歯科チェックが必須です。しっかりと歯磨きをして歯垢を掻き出し、細菌を定着させないことが大切です。歯磨きの主目的は、歯や息を爽やかにすることではなく、細菌を掻き出すこと。歯垢や歯石は食べカスや汚れではなく、ほとんどが有害な細菌ですから、これを定着させないようにしなければならないのです。細菌を放っておくと毒素が身体を巡り、心臓、腎臓、肝臓、さらには脳にも悪影響を与えます。

正しく上手に歯磨きをするために、一度は正しい方法を専門家から学ぶことを強くお勧めします。

2. 適正体重を維持する

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image by cynoclub / Shutterstock

体重の増加は確実に、愛犬の寿命を縮めます。体重と余命に負の相関があることは複数の研究者が指摘しており、体重が約2kg増加するごとに余命が1ヶ月失われると結論した研究もあるのです。肥満が健康を阻害するのは、人間も犬も変わりはありません。

適正体重を維持するためには、犬種・年齢・個体に合わせた健康的な食事と、適切な運動が大切です。年齢を重ねると代謝が悪くなる上に運動量が減ることから太りやすくなるのは人間とおんなじです。食事を変える、上手に運動をさせるなどして、スリムな身体を維持しましょう。とりわけ、生まれつき関節が弱いと言われる犬種のコは注意です。太ってしまうと、関節に大きな負担がかかり愛犬を苦しめることになります。

3. 運動とリラックスをバランスさせる

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image by Susan Schmitz / Shutterstock

ストレスフリーな生活は、愛犬の健康寿命を大きく伸ばします。人間に合わせた生活は、犬にとってはストレスが多いという一面もあります。毎日の運動を充実させることで、犬たちのストレスをぐっと低くしてあげましょう。運動、お散歩、トレーニング、そしてお仕事。日常的に頭と身体をしっかり動かし、毎日を楽しく過ごせるよう工夫してあげましょう。なるべく外気温の快適な時間に外に出て、太陽を浴びて新鮮な空気や様々な匂いに触れさせることが大切です。

また、リラックスできるような環境の整備も重要です。犬が逃げ込める静かで安心できる場所を作り、ときには静かな休息が取れるようにしておきましょう。愛犬がまだパピーで疲れ知らずの遊び好きである場合や、小さなお子さんがひっきりなしにチョッカイを出す環境ならば、ハウスなどに隔離をして強制的にでも休ませるようにしましょう。

4. 定期的な検診とワクチン接種

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image by Tashatuvango / Shutterstock

「1円の予防は100円の治療に相当する」

格言めいていますが、今適当に作りましたすみません。ただ、予防医療の重要性を語るのにはピッタリな言葉じゃないかと思います。愛犬の検診にかかるお金はかなりのものですが、病気になってからの治療費に比べれば安いもの。ましてや、我がコの命を救うお値段と考えれば安いものです。そして実際、予防にかかる費用は治療にかかるそれと比べて格段にお安いものというのは、皆さんご存知のとおり。

人間の病気と同じように、早期発見は治療の可能性を大きく高めます。身体の中で起こっていることは、外から見ていてもわからないものです。犬の平均寿命は平均13〜15歳。驚くべきスピードで身体は変わっているのです。去年の犬は今年の犬とは違います。成犬では少なくとも1年に1回、子犬なら2〜3回の診察を受けましょう。


愛犬の病気は飼い主の不注意で起こるものではありません。大切に育てていても、病魔に襲われることもあるのです。ただ、気をつけてお世話をすることで予防できる病気もあれば、早く発見することも不可能ではありません。

愛犬たちに素敵に歳を重ねてもらうため、是非是非4つの項目を守ってくださいね!

Featured image credit alexei_tm / Shutterstock


posted by しっぽ@にゅうす at 05:00 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

韓国大統領府が公開した「保護犬ファーストドッグ」の写真にネットから「動物虐待」の声、その理由とは?

Record China


2017年8月7日、韓国・国民日報によると、飼い主から虐待を受けて保護された後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に引き取られて韓国の「ファーストドッグ」になった犬「トリ」の近況を写した写真が公開された。しかし、その写真が「動物虐待ではないか」として、ネットユーザーの間で物議を醸している。

韓国大統領府のイム・ジョンソク秘書室長は5日、フェイスブックにトリの写真を2枚掲載した。写真の中のトリは木製の犬小屋の前で首を傾げてカメラを見つめている。穏やかに暮らしているように見える写真だが、韓国のネットユーザーはトリが「外にある小屋にリードのついた首輪でつながれている」点に注目し、「トリの過去をもう忘れたのか?」と批判の声を上げている。トリは以前、短いひもで縛られて虐待を受けていたことが分かっている。

これに対し、トリを保護した動物保護団体は「写真の中のトリが着用しているのはリードのついた首輪ではなく犬用ハーネスであり、文大統領が飼っている他の犬に慣れさせるため外を散歩させた時に撮られた写真」と説明し、「新たな環境に適応できるよう少しずつ時間をかけて段階を踏んでいる。これ以上の憶測は控えてほしい」と訴えた。

この報道を見た他のネットユーザーからは「虐待の意味を知らないの?」「いつからリードのついた首輪が虐待になった?」」「広い庭で過ごせる犬は幸せだ。室内に入れるなんてとんでもない」「小さいワンルームでシベリアンハスキーを飼うのは優待?」「同じテーブルで食事し、同じベッドで眠らなければならないの?」など大統領府を擁護するコメントが寄せられている。

また、「犬を心配するのもいいけど、猛暑の炎天下の中で汗を流して働いている人間の心配もしてほしい」と訴える声も。

一方で「大統領のひざの上で優雅に暮らすものと思っていた。トリがかわいそう」「虐待された犬は他の犬より気を遣ってあげなければならない。いくら大統領と言っても、それができないなら引き取るべきではない」との意見もみられた。(翻訳・編集/堂本)


posted by しっぽ@にゅうす at 05:00 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

絶品「1本1100円の牛乳」は牛の幸福度が違う 酪農業界の常識を破る「なかほら牧場」の挑戦

Infoseek


松屋銀座(東京・中央区)の地下で、売り場の一角を占める「なかほら牧場」の店舗。ソフトクリームやバター、ヨーグルトドリンクなどの乳製品がずらりと並ぶ中、ひときわ目を引くのが、大きな瓶に入った牛乳だ。

値段は、720mLで1100円(税別)。リッターあたりに換算すると1600円以上だから、200円程度の市販の牛乳と比べると、約8倍。決して買いやすい値段とはいえないが、一番の人気商品だ。「一度飲んだらやめられないと、定期的に買いに来られるお客様もいます」(店舗スタッフ)。いったい、この値づけにはどのような背景があるのだろうか。

■「牛乳パックの風景」は当たり前じゃない
岩手県下閉伊郡・岩泉町の標高700〜850mの北上山地に、この牛乳を生産する「なかほら牧場」はある。

まず目に飛び込んできたのは、山の稜線をのんびり歩く乳牛たち。市販の牛乳パッケージによく描かれる風景なので、多くの消費者は牛を飼う牧場ではこれが当たり前だと思っているかもしれない。だが、実際のところ日本ではほとんどが牛舎酪農であり、多くの牛は草地を自由に歩くことがない。ここは牧場長・中洞正氏が自らの理想である山地(やまち)酪農を実践する、日本では珍しい牧場なのだ。

中洞氏の酪農は、昨今急速に浸透してきた「エシカル(倫理的)消費」という考え方にもかなう。エシカル消費とは、環境や社会に配慮した製品やサービスを選んで消費すること。

その要素の1つに、人間のために犠牲になる動物の尊厳を重んじる、“アニマル・ウェルフェア(動物福祉あるいは家畜福祉)”という考え方がある。動物愛護の観点から、いっさい動物性食品は口にしないビーガン(VEGAN)も増えているが、世界中で人間に利用される動物の数は600億と言われ、その廃絶は困難だ。そこで、より現実的な考え方として打ち出されたのが、人間の動物の利用は可としながらも生き物としての尊厳に配慮するアニマル・ウェルフェアだ。なかほら牧場の酪農は、この考え方と本質的に一致している。

アニマル・ウェルフェアの重視が叫ばれるようになった背景にあるのは、畜産現場の劣悪な飼育環境だ。

日本では、生産効率を上げるための工場畜産が一般的で、畜舎での牛の囲い飼いやつなぎ飼い、豚のストール(食用豚繁殖のために母豚を拘束するおり)飼育、食用鶏の密飼い、採卵鶏のケージ飼い等、動物の行動する自由を著しく奪う畜産が行われている。乳牛の場合、牛舎内では危害を及ぼす可能性のある角が切り取られ、搾乳作業の邪魔になる尻尾も切られてしまっていることは多い。

さらに、エサとしてトウモロコシを中心とした穀物が与えられることにも問題がある。本来、牛は優れた消化吸収システムを使って繊維質の多い草の強固な細胞膜を分解することができる。だが、現在牛のエサとして一般的なのは、穀物だ。狭い牛舎のなかで高栄養・高カロリーの穀物飼料を毎日与えられることで、乳牛の消化障害が多発し、薬剤が多用されているという。

■牛乳の「濃さ」が付加価値になっている現状
こうした飼育方法が一般化した背景は2つある。1つは、日本の酪農は戦後のアメリカの穀物戦略に組み込まれ、米国産の余剰穀物を利用することが普及したからだ。穀物を与え、効率よく牛を飼育するのには牛舎が適している。

もう1つに、牛乳の「濃さ」が付加価値となっている現状がある。市販の牛乳パックに書かれた「3.8」「3.7」という数字は、牛乳に含まれる乳脂肪分を示す。乳製品の表示法を定めた「乳等省令」においては、乳脂肪分3%以上、カルシウムやミネラルなど脂肪以外の固形分8%以上を含むものを「牛乳」と定義しているが、現在、乳脂肪分3.5%以下の牛乳は見掛けないはずだ(成分無調整牛乳の場合)。乳業メーカーが1980年代ごろから、牛乳の濃度の高さを競うようになったことに加え、農協などでは、1987年に酪農家から買い取る生乳の脂肪比率を3.5%以上とし、基準未満だと価格を引き下げることを決めたからだ。この乳脂肪分の高い牛乳の生産を可能にするのが、輸入穀物主体の配合飼料と牛舎飼いなのだ。

「そもそも、人間が一義的に必要とする食糧は穀物である。畜産業はもともと、気候風土が穀物の生産に適さない地域に発達した食糧調達のための産業だった」と中洞氏は言う。しかし、今の酪農は人間が食べることができるトウモロコシなどの穀物を牛に与え、牛乳や乳製品を作り出している。発展途上国で飢える子どもがたくさんいるなかで、人間の食糧となる穀物で酪農をすることはおかしいとも言う。しかも、牛乳や乳製品を摂取して得られるカロリーは穀物の7分の1しかない。これは「食料の迂回生産」であり、非効率的で続かないと、中洞氏は主張する。

こうして、牛本来の能力が無視され、青空の下を歩くことも許されず、ひたすら牛乳を生産するマシンと化した牛から作られる牛乳は、中洞氏いわく本来の牛乳ではないという。

なかほら牧場の酪農は、こうした従来の考え方とは一線を画す。牧場内では、約100頭の牛が自由に闊歩し、気の向くままに自生する草を食べ、夜も外で寝る。自然交配して人間の手を借りずに出産し、母牛が子牛を自分のお乳で育てる。とにかく自然任せが特徴だ。

山地酪農は国土の3分の2が森林で平地の少ない日本に適した酪農と中洞氏は主張する。荒れた山に牛を放てば、牛が草を食べて下草刈りの代わりとなり、森林の保全も容易となる。山地の名のとおり、牧場には草地ばかりでなく、山林も含まれる。

糞は牧場の至る所でするので、牛舎飼いだと面倒な糞尿処理もなく、そのまま山の肥料になる。牛は傾斜のある牧場を上り下りするため、足腰が強くなり、健康的だ。牛が踏み固めた土地には野シバが生え始め、それは牛のエサになるとともに地面に強く根を張り、保水力が高く美しい草地になっていく。

搾乳は朝夕の2度。どうやって牛を集めるのかというと、時間になれば搾乳場へ自ら牛が集まってくるという。搾乳時にはご褒美のエサがあるので、牛はそれを目当てにやってくるのだ。

■乳脂肪分3.5%以下でも、ご当地牛乳グランプリ
穀物を与えず草だけで育てると、草の水分が増える夏になれば3.5%以上の脂肪分を維持するのは難しいが、健康な牛から搾る牛乳は、脂肪分が3%そこそこでも十分においしいという。白黒模様のホルスタイン種よりもコクのある牛乳を出すジャージー種であることもさらにおいしさにつながる。

さらに、殺菌方法にも工夫がある。日本の大手乳業メーカーでは120〜150度で1〜3秒という「超高温瞬間殺菌」が主流。この手法は効率的ではあるが、タンパク質を変性させやすく、焦げ臭が生じる。一方ここでは65度で30分間の「低温殺菌」にこだわっているため、牛乳本来のさわやかな風味が残る。こうした過程を経たなかほら牧場の牛乳は、2013年の「ご当地牛乳グランプリ」で見事「最高金賞」に選ばれた。

もっとも、効率的な生産方法とはほど遠い。配合飼料を与えた牛と比べ、1頭あたりの搾乳量は4分の1ほどだ。草を食べ尽くされないようにするため、放牧頭数にも限りがある。また、牛舎飼いの場合、子牛が母牛のお乳を飲むのは出産後5日間ほどの初乳だけ(生まれてすぐに引き離され、人間が与える)で、あとは代用乳(粉ミルク)を与えるが、なかほら牧場の場合、子牛は外で母牛と暮らし、その乳で育つ。ここでは「お乳は子牛のもの。人間はそのお裾分けをいただく」という考えなのだ。

当然、牛乳の値段は吊り上がる。前述のとおり、なかほら牧場の牛乳は720mLで1100円(税別)と、市販の牛乳の8倍もの値がついている。この高い牛乳を、いったいどうやって売っているのだろうか。

中洞氏は、農協等との関係を断ち切って、自ら販路を模索する道を選んだ。そうして2005年にある投資家と手を組んだところ、あえなく失敗。牧場経営から手を引くことを考えるほどの窮地に陥った。

■設備や販売で支援受け、百貨店やネットで人気に
そんなときに支援を名乗り出たのが、広告・インターネットなどの情報通信サービスを手掛ける株式会社リンクの岡田元治社長だ。中洞氏の経営理念に共鳴した岡田社長は、リンクの資金で牧場に牛乳殺菌・製品製造プラントを建設し、牛乳だけでなく、飲むヨーグルトやプリン、ソフトクリームなどの乳製品も開発した。牧場のホームページを作り、山地酪農の魅力を訴えた。販売はリンクが担い、東京や名古屋の百貨店に専門店を出すとともに、自社サイトやアマゾン、楽天などのインターネット販売にも力を入れた。

こうして、牛乳生産のプロであっても流通や販売のノウハウや手段を持たない中洞氏と、広告などで人や企業をブランディングしてきた岡田氏が手を結んだことで、この高額商品は売り上げを伸ばしてきたのだ。

農協の枠組みから抜け出ることによって、生産方針を自由に選択でき、また、価格決定権も維持できるが、その分コストはかさむ。現在は、牧場から遠い東京や名古屋の百貨店や、インターネットによる通信販売で高級品として販売し、なんとかコストを吸収している。そのため、生産方法はエシカルでも、流通・販売方法はそうとはいえないだろう。

そうした中、中洞氏が目指すのは、山地酪農を実践する若手の育成だ。現在、牧場に併設されている研修棟には年間300人の実習生が訪れ、数日から数カ月かけて、山地酪農を体験している。こうした教育は少しずつ実を結び、なかほら牧場の卒業生が運営している牧場は、熊本・島根・栃木・ 岩手・北海道と全国に広がり、2018年の春は神奈川でも開牧予定だ。

こうして山地酪農の輪が広がることで、各地域でより安く、安全でおいしいエシカルな乳製品が手に入る「地産地消」の時代が来ることを願ってやまない。

posted by しっぽ@にゅうす at 05:00 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

家の中でペット飼うのは危険?世界で年間5万人が狂犬病で死亡、キスや一緒寝はNG行為

Business Journal

今回はペットからのヒトへの病気伝染のお話です。
 まず“常識君”の解説です。
「ペットからうつる病気は動物由来感染症ともいわれます。人類の歴史で猛威を振るった例はペストで、ネズミからうつる病気です。14世紀の流行では、4億5000万の世界人口のうち、1億人が死亡したともいわれています。また、犬からうつる病気で発症すると死亡率が100%といわれているのが、狂犬病です。日本で発症した狂犬病は、幸いにもこの60年間でありません。この間、数人が海外で感染して帰国後に死亡しています。
 日本は島国で感染症流入をコントロールしやすく、また狂犬病ワクチンを飼い犬に打つことが励行されているので、日本の犬にはまず狂犬病ウイルスはいません。つまり咬まれてもほぼ問題はありません。しかし、世界ではいまだに5万人近くが狂犬病で死亡しているともいわれ、中国では2015年には2600人近くが狂犬病で死亡しています。統計上の話ですから、実はそれ以上の可能性もあります。
 狂犬病は潜伏期が数週間から数カ月ともいわれており、狂犬病ウイルスを持つ動物に咬まれても、発症前にワクチンを打てば発症を免れることができます。海外では、とくに発展途上国では気軽に犬に触ることはやめましょう。さて、ほかにもたくさん犬からうつる病気、猫からうつる病気、鳥からうつる病気などがあります。詳細については、日本医師会が出している動物由来感染症ハンドブックが、読みやすく情報量が豊富です」
 そこで“極論君”のコメントです。
「ペストや狂犬病は日本ではまず起こらないと思っています。しかし犬ではパスツレラ症、レプトスピラ症、瓜実条虫症、エキノコックス症、猫では回虫症、Q熱、ネコひっかき病、トキソプラズマ症、鳥では鳥インフルエンザ、オウム病、クリプトコッカス症などが有名です。つまりペットは病気を伝搬することがあるので、僕はペットを飼うことに反対しているのです。リスクのあるものは遠ざけるのが、一番簡単で確実なリスク回避です」
感染症を防ぐ方法


 一方で“非常識君”のコメントです。
「命にかかわるペストや狂犬病がない日本では、僕は安心してペットを飼ってよいと思います。むしろ、ペットによる治療が心の病の病院でも行われていたり、老人介護施設でペットが認知症の進行防止にも一役買っているなどという報道も目にします。僕はペットは動物由来感染症を引き起こすリスクよりも、ストレス社会の昨今、とても役に立っていると思っています。また、ペットを家族同様に扱っている家庭も少なくないように思えます」
 極論君が非常識君に質問します。
「非常識君の家では、ペットとはどうやって接しているのですか?」

非常識君の回答です。
「わが家は犬を飼っています。室内で家族同様に飼っていますよ。一緒の布団で寝るし、ときには軽く口にキスしたりします。お風呂も一緒に入ることがありますよ。同じ食事は食べませんが、食器などは一緒に洗うこともあります」
 常識君のコメントです。
「非常識君の家ではペットの犬はほとんど家族の一員なんですね。ところで動物由来感染症を防ぐ一般的な意見は以下のようなものです。
・定期的に動物病院で検診を受ける
・ペットとキスをしない
・ペットに食べ物を自分の箸で食べさせたり、口移ししない
・ペットと人の食器を一緒に洗わない
・ペットに触ったり、糞の処理をしたら石けんで手を洗う
・ペットと一緒に寝たり、一緒にお風呂に入らない
・ペットの体はいつも清潔に保つ
・糞の始末はこまめに行う
 非常識君の家庭では、この基準を逸脱しているようですね」
人間のストレスを軽減する効果


 非常識君のコメントです。
「僕は少々不潔なほうが、健康になるという持論を持っています。デンマークの報告などでは、家畜を同じ屋根の下で飼っている子供はあきらかにアトピーの発生率が少ないという調査データがあるようです。ですから、そんな意味合いも含めて犬と一緒にベッドで寝ているのです」
 常識君のコメントです。
「医療には“絶対に正解”というものはありません。ペストや狂犬病が日本でも日常的に発生していれば、極論君のようにペットを飼わない、ペットから距離を置く家庭が当然増加することでしょう。また、ストレスがあって、ペットによってそんなストレスを和らげる効果があると思える人は当然ペットを飼うでしょう。大切なことは、利点と欠点をしっかり理解して、自分の判断で選ぶことです。そして迷えば、医師や獣医師に相談しましょう。いくら家族の一員といっても、ペットと一緒に寝たり、キスをしたりするのは行きすぎという意見も少なからずありますよ。教科書的には『友だちとしての距離』という表現が気に入っています。普通の友だちとは同じ布団に寝たり、キスしたりしないですよね。それが建前だと理解して、ペットとそれぞれの立ち位置でお付き合いしてくださいね」
 極端な意見もありましたが、実りあるお話しでした。
(文=新見正則/医学博士、医師)
●新見正則(にいみ・まさのり)
1959年生まれ
1985年 慶應義塾大学医学部卒業
1985年〜 慶應義塾大学医学部外科
1993〜1998年 英国オックスフォード大学医学部博士課程
1998年〜 帝京大学医学部外科に勤務
幅広い知識を持つ臨床医で、移植免疫学のサイエンティスト、そしてセカンドオピニオンのパイオニアで、モダン・カンポウやメディカルヨガの啓蒙者、趣味はトライアスロン。著書多数。なお、診察希望者は帝京大学医学部付属病院または公益財団法人愛世会愛誠病院で受診してください。大学病院は紹介状が必要です。



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