動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2018年04月01日

なぜ? 北海道で増える ネコ“多頭飼育崩壊“ 救出現場から見えた背景

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北海道の猫の収容数と殺処分数(札幌市、旭川市、小樽市を除く)は、10年以上どちらもその数は減り続けています。

 しかしここ数年、北海道で増えているのが猫の大量繁殖で飼い主の飼育が不可能となる猫の「多頭飼育崩壊」です。その壮絶な現場にカメラが迫りました。果たしてその実態とは?

なぜ? 北海道で増える ネコ“多頭飼育崩壊“ 救出現場から見えた背景 【スマホニュースUHB】
ツキネコ北海道 (吉井美穂子代表)には、取材当時、約120匹のネコが保護されていた。
「保護ネコは120匹くらい」
 札幌市中央区。保護猫と触れ合える「カフェ・ツキネコ」です。

 ここにいるのは、野良猫や飼い主の飼育困難など、様々な理由で保護された猫たち。里親希望者には譲渡も行っています。

 北海道で初めて、猫に関する相談窓口を開設するなど、猫の保護活動を15年以上続けているNPO法人ツキネコ北海道・代表の吉井美穂子さんです。

 ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「(Q.今、保護猫はどれぐらい?)数えたことないですけど120匹ぐらい」

 諸橋佳恵ディレクター:「Q.この子たちの名前ですか? 」

 吉井代表:「そうですね、でも待っている猫もいるので(Q.待っているとは?)多頭飼育の場合だと全部を引き出せないので、少しずつ引き出して、うちがキャパオーバーにならないようにやっている」

 猫の大量繁殖で、飼い主が飼育困難になる多頭飼育崩壊。吉井さんによると、北海道でもここ数年、その数が増えてきているといいます。

 ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「独居老人だったり、社会生活から踏み外してしまった人たちの問題がなかなか解決できない」

 諸橋ディレクター:「Q.そういうところにいる猫たち? 」

 吉井代表:「(猫が)そこで処分ってことになったり、猫も、人も行き場が無くて困っているというのを沢山見ていますね」

なぜ? 北海道で増える ネコ“多頭飼育崩壊“ 救出現場から見えた背景 【スマホニュースUHB】
京極町の高齢女性宅で多頭崩壊飼育の相談が寄せられ、スタッフが現場に向かう。
ネコ多頭飼育崩壊の“救出“現場へ
 3月上旬。後志地方の北海道保健環境部から、京極町の高齢女性の家で、猫の多頭飼育崩壊の相談が寄せられ、ボランティア団体のアニボック北海道とツキネコ北海道が、猫の救出に向かいました。

 猫の保護は、猫の健康状態も確認しながら行うため、獣医師も立ち会います。

 役場の職員なども含め、総勢15人。全ての猫を救出し、これ以上増えることの無いよう、避妊・去勢手術も行います。

「嗅いだことのない臭いが」
 古い木造の一軒家。猫の糞尿の臭いが、家の外まで漏れていました。

 アニボック北海道代表 明念大雄代表:「大丈夫そうですか? 」

 京極町社会福祉協議会 保村貴志さん:「(昨日から)猫はご飯があたっていないから集まって来ている、ストーブの周りにすごいいるんで」

 アニボック北海道代表 明念大雄代表:「まずは、きのう捕まえたやつを入れ替えで。猫がおそらく40匹弱ぐらい。きのうから仕掛けをしてあるので、入っていると思うので、今からそれを確認して」

 まずは、猫のトイレと化している納屋と風呂場へ。息が出来ないほどの強烈な悪臭、そして木材やごみが散乱し、荒れ果てた床には、1匹の猫。

 諸橋ディレクター:「(Q.嗅いだことの無い臭いですね)」

 アニボック北海道 明念大雄代表:「鼻にくるというかツンとくるというか。適正飼育とは絶対に言えない」

 家の中は、さらに強い悪臭が立ち込め、足の踏み場も無い床に、70代の高齢女性が一人。その周りを、沢山の猫が囲んでいました。

 ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「この子たちけっこう人懐っこいですね。なので里親さん見つかりやすいかなと」

 吉井さんによると、多頭飼育崩壊の9割は高齢者で、猫への虐待などはなく、経済的困窮や、避妊手術などへの知識がないために、状況が悪化するといいます。

 この家に一人で暮らすAさんも、そんな一人です。

なぜ? 北海道で増える ネコ“多頭飼育崩壊“ 救出現場から見えた背景 【スマホニュースUHB】
Aさんは、崩壊のきっかけは、一匹の妊娠した迷い猫が自宅にやってきたことだったと打ち明ける。
きっかけは一匹の「迷い猫」
 諸橋ディレクター:「Q.どれぐらい前から増えちゃったんですか?」

 Aさん:「10数年前だね。だって誰かが投げてったシャムネコのお腹が大きかったの。それで増えちゃったの。それでなければ、いないはずなのに」

 犬や猫が大好きで、10年前から猫を2匹飼っていたというAさん。そこへ、1匹の迷い猫が住みついたことが始まりでした。

 諸橋ディレクター:「Q.いっぱいいるとお世話大変でした? 」

 Aさん:「そうだね〜、自分より猫をかまっている方が多いもん、こんだけいたら」

 諸橋ディレクター:「(Q.何匹か残すんですか、まだお婆ちゃんのところに? 」

 ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「随時(猫を)引き上げて保護するというかたちです。とりあえず(これ以上)増やさないように避妊手術を終わらせたい」

 猫が大好きだというAさん。手術を終えた猫と再び暮らせる日はくるのでしょうか?

 北海道後志総合振興局 半沢元洋さん:「こういう多頭飼育崩壊も含めて、猫の相談はかなり来ています。減ってはいないです。我々は今後飼い方の指導とか、役場や民間団体(ボランティア)との連携とかそういうことで役割を果たして、こういう問題を解決したいと思っています」

獣医師「飼ったら不妊手術を」
 この日、Aさんの家から保護された7匹は、役場の職員の自宅に作られた簡易的な手術室で、健康チェックを受け、そのほとんどが、避妊・去勢手術を受けます。

 2017年、北海道で初めて野良猫や保護猫などの不妊手術専門クリニックを開業し、地方へ出張手術も行う大門獣医師は、猫の飼育には、不妊手術が大切だといいます。

 モービルペットクリニック 大門みゆき獣医師:「飼った以上は、責任を持って不妊手術をすることが一番大事だと思います。2、3匹だからいいやと思っていても猫は本当にあっという間に増えちゃうので、飼った時点で不妊手術を」

 北海道によると、北海道の猫の殺処分は減少している一方で、ここ数年の猫ブームで猫を飼う人が増え、飼い主への適切な指導が行われていないケースも多いといいます。

 北海道環境生活部 北村浩樹担当課長:「飼い主のいない猫、野良猫の引き取りが多いということもありまして、不妊、避妊を行っていないような状態の家庭で生まれた猫につきましても、引き取りが多くなっているのが現状です」

なぜ? 北海道で増える ネコ“多頭飼育崩壊“ 救出現場から見えた背景 【スマホニュースUHB】
ツキネコ北海道 吉井美穂子代表は、「ネコ多頭飼育崩壊について、一般の方も向き合うところにきている」と訴える。
「表面化はごく一部。死ぬほどある」
 地域の中で埋もれやすい猫の多頭飼育崩壊。問題が表面化するのは、ごく一部だと吉井さんはいいます。

 ツキネコ北海道 吉井美穂子代表:「問題はすごく根深いと思います。まだまだ眠っている問題もあって、(多頭飼育崩壊は)ほんとに掘り起こしたら死ぬほどあると思うので、一般の方も含めて向き合うところにきているのかなと」

 今回取材した京極町のAさんの家からは、現在12匹の猫が救出され、ほとんどが避妊手術を終えていますが、それでもまだ20匹あまりが救出を待っている状態です(3月21日現在)。

 猫や犬を飼い始める前に今一度、適正な飼育方法を学び少しでも不幸な命を減らすことが大切ではないでしょうか。

UHB 北海道文化放送


posted by しっぽ@にゅうす at 06:00 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛ネコの最期を看取るときーー現役獣医が教える安楽死、ペットロスとの向き合い方

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 家族の一員として、長年楽しい時間をともにしてきたネコとも、いずれお別れする日がかならずやってきます。病気の治療など、できる限りのことをした後にやってくる終末期を迎えて、やせ細った愛ネコが衰弱していく姿を見るのはつらいものです。

【この記事のすべての写真を見る】

『ネコの老いじたく』(SBクリエイティブ)の著者であり、獣医師である壱岐田鶴子さんは、「最期を看取ることは精神的に大きな負担をともないますが、ネコは長年住み慣れた自宅のお気に入りの寝床で、愛する家族や仲間に看取られることを望んでいる」といいます。では実際に最期を迎えるとき・迎えたあとの、飼い主自身の向き合い方を壱岐さんに聞きました。

最期を迎えるネコとの向き合い方
 昔から「ネコは死期が近づくと姿を消して、ひっそりとした場所で死んでいく」と言い伝えられてきました。具合が悪くなって外敵から身を守るために、静かな場所でじっとうずくまって体力の回復を待っているうちに、人知れず息絶えてしまうネコが多いからだと思います。

 そのほかに、「ネコには死の概念がなく、体調が悪く苦しい状態を『敵の威嚇』とみなして、その危険から身を隠している」「人に死ぬところを見せたくない」「飼いネコも最期には、クッションの上ではなく冷たい面の上での死を望む」など、その理由もいろいろと推測されています。

 いずれにしても、室内のみで暮らすネコが増えている今日、長年一緒に暮らした飼いネコの最期を看取ることができるのは、飼い主にとってもネコにとっても幸せなことといえます。

 回復の見込みがまったくなく、苦痛を除去・緩和することも限界に達して、ただ「最期のときを待つのみ」という場合には安楽死という選択もあります。

 たとえば、悪性腫瘍や腎不全の末期で、呼吸困難やけいれん発作を繰り返し起こしているような状態であれば、獣医師から安楽死の話があるかもしれません。「1日でも1秒でも長く一緒にいたい」という思いと「苦痛から早く解放してあげたい」という思いの葛藤にさいなまれるかもしれません。すぐに決める必要はありません。

安楽死に対しての見解は、国や宗教はもちろん、個人の倫理的な観点によっても異なってきます。その国の人への医療制度も反映されるでしょう。たとえば、人の安楽死が合法化されている国もあるヨーロッパでは、ペットの安楽死を「非人道的」とはとらえず、痛みや苦しみにさらされながら体がゆっくりと活動を停止していく過程を、少しだけ早く送り出してあげる「穏やかな死」としてとらえ、日本に比べて安楽死が選択されるケースが多いと思います。

 安楽死を実際にさせる・させないにかかわらず、後悔しないためにも、安楽死について正しく理解しておくことが大切です。安楽死の手段は動物病院によっても多少の違いがあるので、その手順や自宅への往診は可能かなど、不安に思うことがあればきちんと説明を受けておきましょう。

安楽死をするか否かは、ネコの「意思」を尊重して飼い主が判断する
 通常は獣医師が鎮静効果のある麻酔薬を注射して、ネコは飼い主の腕の中で眠りにつきます。ネコが眠りについたところで、2度目の注射(致死量の麻酔薬を静脈注射)が打たれ、ネコの呼吸が止まり、心臓が停止します。

 2度目の注射をするときにはネコは眠っているので、注射されたことにも気づかず、苦痛をともなうことなく、静かに永遠の眠りにつきます。

 このときだけは、飼い主が望むなら(可能であれば)、かかりつけの獣医師に自宅に往診してくれるように頼んでもよいでしょう。住み慣れた家で、家族全員で見送ることができます。

 安楽死は「世話をすることができない」とか「病気になったネコの痛々しい姿を見たくない」など、決して人側の都合ではなく、ネコの生活の質が保たれているかを基準に判断しなければなりません。ネコがそのネコらしく生きられなくなったときが「安楽死に値する状態」と考えてもよいかもしれません。

 しかし頭ではわかっていても、「そのとき」を決めるのは簡単なことではありません。いちばん大切なのは「ネコの心の声」に耳を傾けることだと思います。ネコと心が通じ合った飼い主には、ネコの生きようとする「目の輝き」が失われた瞬間が感じとれるはずです。

 最終的にはネコの「意思」を尊重し、家族全員で話し合った上で、ネコのことをいちばんわかっている飼い主のする選択が、ネコにとってもいちばんよい選択なのです。「自然な死」を迎えさせてあげても、安楽死を選んでも、最後までネコに寄り添ってあげることが大切だと思います。そして、「よく頑張った」とネコをほめてあげましょう。

ペットロスの悲しみの乗り越え方
 大切な家族の一員であるネコを看取ったり、そうでなくても、なんらかの事情で手放さなければならなくなったとき、喪失感に襲われて、しばらくの間はなにもする気が起きない日が続くかもしれません。

 ネコがいなくなってから、小さなネコがどれほど大きな存在であったのかに気づかされます。ネコに対する思いは一人ひとり異なり、そのネコと飼い主との関係は世界に1つしか存在しません。

 最愛のペットの喪失(ペットロス)による悲しみの感じ方も一人ひとり違いますが、ネコとの心のきずなが強ければ強いほど、深い悲しみからなかなか立ち直れないこともあります。悲しくてなにも手につかなくなったり、眠れなくなったりすることもあるでしょう。誰かに怒りをぶつけたり、「あのとき、ああしていれば……」などと後悔の念に駆られて、自分のことを責めたりすることもあるでしょう。

 しかし、命が尽きるのは誰のせいでもなく、命が尽きる日は(ネコにかぎらず)誰にでもかならずやってきます。

 大切な家族の一員がいなくなれば悲しいのは当然です。泣きたいときは思いっきり泣いて、ネコの死を受け入れて、自分なりにネコとしっかりお別れすることが大切だと思います。

 見るのがつらければ、しばらくの間は写真や思い出の品をしまっておいてもよいでしょう。あなたがネコと一緒に過ごした楽しい幸せな思い出は、あなたの心の中にしっかりと刻み込まれています。

 理解を示してくれない人がいても気にすることはありません。ネコとの思い出を共有する家族や友達と思い出を語り合うのもよいでしょう。あるいは、インターネットのペットロス掲示板で、愛するペットへの想いをつづったり、ペットを亡くした人々の間でいつしか語られるようになった「虹の橋」という詩を読んでみたりすることで、少しは気持ちが楽になるかもしれません。

 日を追うごとに悲しい気持ちや後悔の念は薄れ、心にぽっかり空いた穴は、愛ネコとのたくさんの楽しかった思い出が埋めてくれるはずです。たくさんの写真の中からいちばんお気に入りの写真を選んで、愛ネコの写真に向かって「今までありがとう」と言う、やさしくて穏やかな気持ちになれる日がかならずやってきます。そのときは、あなたの最高の笑顔を見せてあげてください。ネコもそれを望んでいるはずです。

(文/壱岐田鶴子)

<プロフィール>
壱岐田鶴子(いき・たづこ)
獣医師。神戸大学農学部卒業後、航空会社勤務などを経て渡独。2003年、ミュンヘン大学獣医学部卒業。2005年、同大学獣医学部にて博士号取得。その後、同大学獣医学部動物行動学科に研究員として勤務。動物の行動治療学の研修をしながら、おもにネコのストレスホルモンと行動について研究する。2011年から、小動物の問題行動治療を専門分野とする獣医師として開業。http://www.vetbehavior.de/jp/

文/壱岐田鶴子(獣医師)

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落ちた糞なぜ食べる?イエイヌ謎の食習性は先祖オオカミの名残、新論文報告

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人類の良き友人イエイヌですが、中には飼い主を悩ませる習性をもつものもいるようです。例えば、路上などに落ちたほかのイヌの糞を食べてしまうという行為。この理解しがたい食習性の謎について、イエイヌ進化研究による新たな論文が発表されました。古生物学者の池尻武仁博士(米国アラバマ自然史博物館客員研究員・アラバマ大地質科学部講師)が報告します。

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落ちた糞なぜ食べる?イエイヌ謎の食習性は先祖オオカミの名残、新論文報告
非常に身近なイエイヌ達。しかし我々現代人とこうして共存するまでには、かなり複雑な進化の道のりをたどってきた。その詳細なプロセスには解き明かされていない様々な謎がたくさん潜んでいる。写真提供:筆者(本文の内容とは関連なし)
オオカミとイヌの微妙な関係
 今回は戌(いぬ)年シリーズ第2弾(第1弾はこちら)。先日非常に興味深いタイトルのイヌの行動と進化に関する論文を見かけた(Hart等2018)。
 ―Hart, B. L., L. A. Hart, et al. (2018) "The paradox of canine conspecific coprophagy." Veterinary Medicine and Science:

 この内容に踏み入る前にあえて但し書きを一つ。お食事中の方、今回は少し気をつけてください。少し臭(にお)いのするストーリーです。それほど強烈なものではありません。ただもし必要なら食後に是非またこのページに戻ってきてください(念のために)。

 ワンワン達の中には、時々、他のイヌの残していった「落とし物」(=朝食後、裏庭や公園の芝生などにおいてよく見られる例の固形物質)を、堂々と人目をはばかることなく食す輩(やから)がいる。長年イヌを何匹か飼った経験のある方なら、「ああなるほど」「あるある」と思い当たることがあるのではないだろうか。

 「どうしてまたそんなものを?」。ついさっき、とっておきのドッグフードに豚汁の残りを混ぜた特製の朝食をあげたばかりなのに。そんな飼い主の嘆きにも似た声が聞こえてきそうだ。

 この論文は、「どうしてイヌ達がそんな食習性または行動パターンを行うのか?」このナチュラル・サイエンス史に燦然と輝く一大ミステリーに迫っている(大げさだ)。

 正直に開き直って打ち明ける。こうしたタイトルやテーマの論文を見かけると、私の好奇心の虫が、またむくむくと性懲りもなく顔を見せはじめる。少なくとも生物進化の複雑さを少し変わった角度から眺めることができるかもしれない。

 さてこのイヌの食習性の研究と特にその結論(=この行動の原因)に踏み入る前に、どのような説明がこれまでに一般に出されているのか、まず大まかに並べてみたい。

 Googleでこの奇妙な食習性について検索してみた(「Why dog eats poop?」でサーチ)。するとなんと130万件以上の記事がヒットした。もしかすると私が想像するよりはるかに多くのイヌのオーナーがこの問題に直面しているのかもしれない。

 その中からこの奇妙な行動の原因(=仮説)とされるものを、いくつかかいつまんで挙げてみる。「空腹」「特定の栄養分の摂取」「ストレス」「住みかの清掃(特に母親イヌ)」「消化の手助け(注:すでに一度体内を通過している)」「暇つぶし」「飼い主の注意をひきつける」などが広く考えられているようだ。(こちらのpetMDという英語のサイト参照。)
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 しかし私の知る限り、こうした仮説のほとんどは今のところ科学的なデータによってしっかり検証されているわけではないようだ。何の証拠にも基づかない単なる推測や思い付きのようなアイデアさえ混じっているかもしれない。そしてこの行動の原因が、一つではなく複数の要因がからみあっている可能性もあるだろう。

 もしかすると、なかなか一筋縄で解決とはいかないものなのかもしれない。

食すべきか食さぬべきか
 「空腹」にさいなまれて仕方なく(糞食という)一見奇妙に映る食習性をはじめたという説明は、それなりに筋が通っているかもしれない。

 例えば冒険家・植村直己が記した「北極圏1万2000キロ」という本の中の一シーンに、そりを引くイヌ達が、今か今かと他のイヌの落とし物を競い合うようにして待ち構えているシーンがある。北極点へと向かうイヌたちは連日の過酷な重労働の中、必要最低限の食糧しか基本的に与えられない。

 臨時のおやつなら「何でも大歓迎」という環境におかれたイヌ達にとっては、他に選択の余地などないかもしれない。

 しかし空腹でなくても、どういうわけかこっそり(または堂々と)食してしまうイヌもかなり多いのではないだろうか?

 個人的な例を一つ紹介してみたい。現在、私は大中小と異なる犬種を三匹飼っている。その中の一匹は「その気」を多分にもっている。(人権もとい犬権侵害の恐れがあるので、三匹中、どれなのかはトップ・シークレットとしておく。)

 私は以前から個人的に興味があったので、気のむくままに調べてみたことがある。「どれくらいの数」のイヌが、同じような習性をもっているのだろうか? はっきりしたデータは見つからなかったが、上のGoogle検索の結果に見られるように、かなりの数にのぼると思われる。

 「特定の犬種」がこの傾向を強く示すのだろうか? このような研究結果やデータ、噂レベルにおいても、私は聞いたことがない。私の三匹を持ち出すまでもなく、かなり幅広い犬種に見られる可能性が高いようだ。どうも個体レベルでランダムに、落とし物を「もぐもぐ」する癖のあるものが出現するようだ。

 どうして落とし物をイヌ達は食べるのだろうか? イヌの鼻は非常によく利く。もしかすると落とし物の中に、何かカギとなる匂いでもあるのかもしれない。

 そういえば極端に安いドッグフードには、イヌの好む強い匂いを染み込ませてあるという風説を、以前にどこかで聞いた。(極論を言わせていただく。こうでもしないとイヌ達ががつがつと食べてくれないのだろうか。または大量販売を図るための手段なのかもしれない。)

 こうしたドッグフードがイヌの体内を通過し、翌朝、固形化状態で現れたとする。こうした落とし物も、イヌを誘惑する同じこの匂いをかなり残していそうだ。イヌのよく利く鼻はこのドッグフードの匂いを逃さないはずだ。そして(おそらく勘違いして)もぐもぐする習慣がはじまるというわけだ。本当だろうか?

 私のイヌ(名前を便宜上「X」としておく)のもぐもぐ癖を改めようと、以前に知恵を絞っていろいろな方法をためしてみたことがある。

 例えば、まず「だめ(No!)」というコマンドを徹底して使ってみた。このコマンドをいろいろな状況下で使いこんで、あらかじめ教えておく必要がある。そして、つまみ食いを行うその直前に、はっきり大きな声で「食べるな」というコマンドをあたえる。(注:このトレーニングはタイミングが肝心で、くわえた後では遅すぎる。)

 結果を先に述べると、一定の期間限定ではあるが、このもぐもぐ行動をかなり防げた。しかしうっかりこの瞬間を見逃すと、私が気づかないことをいいことに再びもぐもぐ行動をやりだした。四六時中絶えず監視を行っているのも物理的に難しい。これではイヌのトレーニングとしてあまり効果的ではない。

 誘惑的で強い匂いのするチーズやソーセージの塊などを、ルアーとして使う手段も試してみた。Xが落とし物をくわえようとするその瞬間に、匂いをかがせてやる。チーズに興味をより示せば成功だ。もぐもぐ行動をやめたご褒美として与えてあげる。(落とし物よりかなりおいしく栄養価も高いはずだ。)

 このメソッドはXにとって結構効果があるようだった。しばらくの間、落とし物に興味を示さなくなった。しかし一定期間たつとXはまた落とし物に興味を持ちはじめるようになった(やれやれ)。四六時中、チーズの塊をポケットに忍ばせておくのにも物理的に無理がある。

 私がXとのこうした一連のやりとりを通して得た教訓は一つ。この行動の要因は何であれ、なかなか「根深いな」というものだ。

オオカミとイヌの先祖に共有する行動?
 落とし物を口にするイエイヌの個体(全てではない)。この原因はかなり複雑で根深い可能性がある。私は何年もこうしたイメージを胸の中に抱いていた中で、冒頭に紹介した研究論文(Hart等2018)を見かけた。この研究は、こうした食習性ミステリーに関する興味深い仮説を提案している。もしかするとこのもぐもぐ行動は、イエイヌの遠い祖先から、進化上、受け継がれてきた可能性がある。

 カリフォルニア大学デーヴィス校の研究チームは、Webサイトを通した大がかりなアンケート調査をもとにデータを採取した。1475件の回答のうち、じつに16パーセントのイヌが、落とし物を食す行動を(頻度の差こそあれ)行っていた。(かなりの数のイヌがやはり例のモノを食すようだ。)

 研究チームのデータは、まず「イヌの年齢」そして「食習慣」(普段の餌の種類や食事の頻度など)による可能性は見られないことを示している。ただこの習性をもつイヌ達の多くが、基本的に「がつがつ食事をする」傾向があったという点も指摘している。(ちなみに私のイヌ「X」は普段の食事はかなりのスローペースで行う。やはり例外はあるのだろう。)

 市販のもぐもぐ行動をやめさせる商品の効果だが、この1475件のデータにおいて、最終的にゼロパーセントだったという事実も述べられている。具体的にどのメーカーの商品だったかは述べられていないので、もしかするとどこかに実用的なものがあるのかもしれない。

 私の経験を持ち出すまでもなく、この食習性の源は「かなり根深い」とこの研究チームも述べている。

 そしてもう一つの非常に興味深いデータは、落とし物の「鮮度」だ。2日以上たったモノは、イヌ達が「口にしなくなる」はっきりした傾向があるという。

 一連のデータをもとに、研究チームはイヌ達の直接の祖先にあたる野生ハイイロオオカミの群れに見られる行動パターンの中から、その答えを導き出した。

 オオカミの群れは、住みかを清潔に保つ習性があり、糞の始末も小まめに行うそうだ。その際、落とし物の中に潜んでいる「寄生虫が鍵となる」と提案している。こうした寄生虫の卵は2、3日以上たたないと孵(かえ)らないそうだ。そのためオオカミ達は新鮮なものだけしか基本的に口にしない術を、自然選択のプロセスにおいて身に付けた可能性が高い。

 そして今回のイヌにおけるデータが示すように、この習性が現代まで残っている可能性がある。ペット化の王道を進むべくマンションのソファーでごろりとカウチポテトの生活を満喫しているワンちゃんでも、遠い祖先・オオカミ時代からつづく野生の習性がいまだに残っているというわけだ。

 イエイヌとハイイロオオカミの近縁性は、これまでに様々なデータによって検証されている。今日、このアイデアは仮説というより「ほぼ事実」と言っていいかもしれない。両者は3万6000年(考古学的証拠による)から4万年(遺伝子データによる)くらい前に共通の祖先から進化上枝分かれして今日に至ると考えられている(以前に記した記事参照)。

―「犬はいつ人と暮らし始めた?50年ぶり発見、風変わり犬から探るイエイヌ起源」
―「ネアンデルタール人はイヌの価値気づかず絶滅?イヌ家畜化はいつ始まったか」

 もちろん、今日のイヌとオオカミには、その習性や行動などにおいてたくさんの違いが見られる。野生の道を今でもひたすら貫くオオカミたち。一方、イエイヌたちは人類と共に進む道を選んだ。4万年近くかけた別々の進化の道のりが、こうした違いを生み出したといえる。

 しかし、時々、現代の犬の中に、オオカミ時代の名残のような、まだペットへの道を進む前の「野生時代の趣」がふと顔をみせるのかもしれない。

 満月の夜に空に向かって遠吠えをおこなうのは、オオカミの群れとオオカミ男だけでなく、お宅のワンちゃんも含まれるかもしれない。


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ペット保険は掛け持ちできる? メリットと注意点をFPが解説

北海道新聞


大切なペットが病気やけがをしたときに備えるためのペット保険。保険金が医療費用の70%や50%となる保険が多いため、治療費の全額を保険で賄おうと、ふたつ以上の保険へ同時加入を検討する飼い主もいるだろう。だが、ペット保険への複数加入は本当にメリットがあるのだろうか。また、注意すべき点はあるのか。ファイナンシャルプランナーで節約アドバイザーとしても活躍する丸山晴美さんに聞いた。

<あわせて読みたい>ペットもかかる花粉症、飼い主の半分が知らない

■複数加入で100%補償が可能に

 ペット保険に複数加入していた場合、保険料はどのように支払われるのだろうか。「ペットの治療費のうち何%が保険金として支払われるかは、契約によって定められている『補償割合』で決まります。補償割合は商品によって異なりますが、『50%』『70%』『100%』のいずれかに設定されているものがほとんどです。たとえば、補償割合50%の保険に加入している場合、治療に10万円がかかれば、半額の5万円が保険金として支払われる計算です。これに対して、補償割合50%の保険へ同時にふたつ加入していれば、補償割合は合わせて100%。治療費10万円が全額補償されることになります」(丸山晴美さん、以下略)。

 では、70%と50%の保険に同時加入したら、120%の保険金が給付されるのだろうか。「保険金の支払いは、あくまでも実費を100%とする範囲内なので、治療費を超えて給付を受け取ることはできません」。100%を超える分の保険料は、無駄になってしまうので注意が必要だ。

■複数加入するときは必ず保険会社に通知を

 また、ペット保険に複数加入する場合には、必ず「告知義務」が発生するという。「もしふたつ目のペット保険に加入したら、その保険会社のほかに、もともと契約している保険会社に対しても複数加入した旨をきちんと伝えなければいけません。この告知を怠ると『告知義務違反』となり、保険金が支払われなかったり、契約が解除される場合もあるので気をつけましょう」。

 人間と違い、健康保険制度がないペットたち。治療費も明確な料金設定があるわけではないため高額になりがちだが、複数のペット保険に加入した場合、毎月支払う保険料は高くなる。ペットの治療費を用意できるか不安な人は、複数加入して補償割合を高めるのもいいけれど、はじめから補償割合が高いペット保険を選びたい。また、補償割合だけでなく、対象となる治療の範囲や特約なども商品ごとに異なる。ペット保険への加入を検討するときは、いろいろな商品を見比べて、ペットにとってはもちろんのこと、自分の家計にもあったプランを吟味しよう。

(文/藤あまね)


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4歳児の首に突然ガブリ 大型犬、飼い主の見えぬところで(米)

ネタりか


日本では、リードから放たれた大型犬に腕や背中、尻などを噛まれ、体の11か所に傷痕が残った女性について、大阪地裁が飼い主に慰謝料80万円と治療費を含む約200万円を支払うよう命じて話題になっている。こうした事件は番犬として犬を飼うことも多いアメリカではあとを絶たず、コミュニティ内の問題にもなりがちだ。また「飼い主には絶対に服従」などと思われていても、いったん怒りのスイッチが入ったらその保障はないと肝に銘じて頂きたいものである。このたびの事故は米テキサス州で起きた。

テキサス州のメディア『KSAT.com』が伝えたところによれば、悲劇的な事故が起きたのはサンアントニオ市郊外となるベア郡(Bexar County)ツインクリークファームの民家で25日午後のこと。ベア郡保安官事務所のハヴィエール・サラザール氏は、「大型の飼い犬が男児の首に噛みついたまま決して離さず、その体を揺さぶる様子を目の当たりにした家族は激しいショックを受けています」とし、郡のアニマルコントロールが犬を安楽死させたことを添えている。

死亡したのは4歳のノア・トレヴィーノ君で犬は雑種の大型犬。現場は自宅の裏庭で大人たちはその時室内にいた。窓から外を見た親類がノア君に起きている異変に気づき、数名が助けに入って911番通報する傍らで心肺蘇生法を試みたが、すでに意識を失っていたノア君は搬送先の病院で死亡が確認された。

サラザール氏によれば当時その犬は首輪でつながれていたといい、ひとりで裏庭にいたノア君が犬に近づき過ぎて攻撃を受けた可能性が高いという。決して悪意はないものの、犬は幼い子供に対して“何をしてくるかわからない”という警戒感を抱いているもの。「幼い子を犬と一緒に放置することは厳禁。普段どんなに大人しい犬であってもです」とサラザール氏は強調している。

画像は『KSAT.com 2018年3月26日付「4-year-old boy fatally attacked by family dog identified」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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