熱中症になる条件とは?
車の中で留守番している犬
近年の研究・報告では、ワンちゃんのいる空間の気温が22℃以上、湿度が60%以上になると熱中症になる危険性があると言われています。ですので、真夏はもちろんのこと、気温・湿度ともに上昇してくる4〜5月ごろから「犬の暑さ対策に気を配る」ことを忘れないようにしましょう。
もちろん犬種によって暑さへの耐性が異なりますが、「犬は人間よりも暑さに弱いもの」と考え、犬目線で空調の設定やお散歩の環境を考えたいですね。決して暑い車の中でお留守番をさせたり、太陽がカンカン照りのときにお散歩に行ったりしないようすることは避けましょう。
犬の熱中症の初期症状1:体温、心拍数の上昇
聴診器を当てられるダックスフント
犬の平熱(直腸で測った場合)は37.9℃〜39.9℃と言われています。ですので、体温がおおよそ40℃以上あれば、熱中症になっている可能性が高いです。
また、体温の上昇(40℃以上)と同時に、呼吸数と心拍数も増加します。
犬の呼吸数の正常値はおおよそ「10〜35回/分」で、心拍数の正常値はおおよそ「60〜140拍/分」と言われています。この値を大きく超える場合は、異常であり、熱中症の疑いも高まります。
犬の熱中症の初期症状2:パンティング(口呼吸)をする
ヨダレを垂らす犬の口アップ
初期症状1でも述べたように、呼吸数と心拍数の増加にはパンティング(ハアハアと口呼吸をすること)を伴いますので、涼しいところにいるのに犬のパンティングがなかなか収まらない場合は、熱中症の可能性あります。また、多くのヨダレを伴うことも熱中症の症状です。
犬の熱中症の初期症状3:ぼーっとしている
虚ろな表情で寝るビーグル
熱中するによる症状で体が思うように動かず、いつもであれば反応できていることに対しての反応が鈍くなります。例えば、
✔名前を呼んでも反応しない
✔横たわってぐったりしている
✔大好きなおやつやごはんに反応しない
✔暑そうにしているのに水を飲みに行かない
などが挙げられます。愛犬が動かずにぐったりしている場合は、水を飲ませる、水のシャワーを浴びせる、などの体温を下げるなどの応急処置を飼い主さんが積極的にしてあげましょう。
犬の熱中症の初期症状4:舌が赤〜紫色になる
紫のクッションに乗るチワワ
体温の上昇が続くと、脱水症状になり、体の末端まで上手く酸素が供給されなくなります。そうすると、通常ピンク色である舌が、酸素不足のサインである「赤〜紫色」に変化します。熱中症であればパンティング(ハアハアと口呼吸)して舌が見えやすいので、よく観察してみましょう。
まとめ
温度計を咥えた黒いフレンチブルドッグ
いかがでしたでしょうか?以上のような初期症状を見逃してしまうと熱中症が重篤化して、
✔下痢や嘔吐
✔痙攣
✔意識がなくなる
✔死亡
といった状態に進行してしまう恐れがあります。これらの場合は迷わずに即、動物病院へ連れていきましょう。
飼い主さんは、熱中症の初期症状をよく覚えておいて、暑い日に愛犬にそのような症状が見られたら適切な対応を取り、注意して観察してあげられるようになりたいですね!
(獣医師監修:平松育子)