動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2018年10月14日

【飼い主の決断は?】どうする…愛犬の避妊・去勢手術

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犬を迎えて間もなく直面する問題が、避妊と去勢の手術。愛犬の体にメスを入れるだけに、思い悩むことも多い問題です。
避妊と去勢の手術は飼い主が一度は悩む永遠のテーマ。メリットや手術について、術後のケアなど、受けるにしろ受けないにしろ、知っておきたい避妊と去勢について解説します。

【飼い主の決断は?】どうする…愛犬の避妊・去勢手術
そもそも、避妊・去勢手術ってなに?
そもそも、避妊・去勢手術ってなに?
避妊・去勢手術とは、生殖器官を取ることで繁殖をできなくすること。
オスは精巣を取る「去勢」、メスは卵巣もしくは卵巣と子宮を取り除く「避妊」手術と呼ばれています。

避妊・去勢手術は自然に反するという意見もありますが、取り除くことで生殖能力がなくなるため望まない妊娠が防げるほか、発情に伴うストレスや興奮を予防できます。
オスならば精巣腫瘍や前立腺肥大など、メスならば卵巣腫瘍や乳腺腫瘍などオス・メス特有の病気の予防にもなります。

【飼い主の決断は?】どうする…愛犬の避妊・去勢手術
手術を受けないという選択もある
手術を受けないという選択もある
「これまでの愛犬も手術は受けなかった」
「オス・メス特有の病気のリスクが高まるけど、必ずなるわけでもない」
「手術で何かあったら怖い」
など、『いぬのきもち』読者の中には少なくても今は手術を受けさせないと決断した飼い主さんもいます。
避妊・去勢の手術は必須ではありません。人と犬が一緒に暮らす社会のなかで、お互いが安心・安全に暮らすにはどうすればいいか、また、将来どんなリスクを避けたいかを考えて決めることが大切です。

【飼い主の決断は?】どうする…愛犬の避妊・去勢手術
手術の費用はどれくらい?
手術の費用はどれくらい?
オスの去勢手術に比べ、メスの避妊手術のほうが体を切る範囲が広いので、麻酔の時間も縫合に使う糸も長めです。そのため避妊手術のほうが費用はかさみがち。
あくまでも目安ですが、去勢手術は約3.8万円〜、避妊手術は約4.6万円〜ほど。
※東京動物医療センターの一例です

入院日数は預けた日に手術をして、翌日には退院というケースが多いよう。
これも傷口の回復状況などで変わります。
※手術料金や入院日数は、動物病院や犬の体重などによって異なります

【飼い主の決断は?】どうする…愛犬の避妊・去勢手術
手術を受けると太る!?
手術を受けると太る!?
避妊や去勢の手術をすると、発情に伴う行動がなくなることで活動量が鈍ったり、ホルモンバランスが変化して基礎代謝が下がったりで、以前と同じ生活をしていても太ってしまう犬がいます。
散歩や遊びの量を増やすなど、太らないように心がけるといいでしょう。


手術の前後で気にしてあげたいことって?
避妊・去勢手術のあとは、患部をなめないようにするために、首まわりにエリザベスカラーの着用を指示されることが。
傷口をなめて汚してしまうと、傷口から菌が入って化膿してしまったり、犬が糸を引っ張ってお腹が開いてしまう危険も。エリザベスカラーが家具などに引っかかって、愛犬が生活しにくくなることもあります。室内の整理も大切です。

悩んでいるならまわりに相談しよう。
避妊・去勢手術への考え方は十人十色。
もし悩んでいるのなら、ほかの飼い主さんの体験談を聞いたり、かかりつけの動物病院で獣医師に相談をしたり、まわりの意見を参考にするのもひとつの手です。
愛犬との暮らしを考えて決めたいですね。

参考/「いぬのきもち」2017年4月号『受ける? 受けない?  決断の理由教えて! 避妊・去勢手術みんなの体験談』(監修:東京動物医療センター副院長 南 直秀先生)
イラスト/島内美和子
文/\(m.h)/

いぬのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 22:11 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「虐待許さぬ社会に」 動物愛護シンポ 杉本彩さんら訴え ひたちなか


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「犬猫が殺処分されない優しい茨城県政へ」をテーマに、動物愛護について考えるシンポジウムが6日、ひたちなか市青葉町の市文化会館大ホールで開かれた。女優で動物愛護団体「動物環境・福祉協会Eva」理事長の杉本彩さん、大井川和彦知事、NPO法人「いばらきの犬と猫」の倉持千恵子代表が登壇し、動物虐待の実態や行政の取り組みなどについて話した。

杉本さんは、動物虐待行為や病気になっても放置したり十分な食事を与えなかったりする「ネグレクト」(飼育放棄)、ペット業者など、動物を取り巻く不適切な事例を挙げながら「みんなで動物虐待を許さない社会にしよう」などと呼び掛けた。

県動物指導センター(笠間市)に収容され殺処分前の犬や猫を引き取り、新たな里親を見つけるための譲渡会などを開いている倉持代表は「多くのかわいそうな犬や猫を見てきた。こうした命の数を減らすために活動を続けている」と話し、県や各市町村の協力や支援が必要と訴えた。

大井川知事は「殺処分される犬や猫を生み出さなためには、まず飼い主の意識改革が必要」と述べ、行政としても殺処分ゼロを目指して「適正飼育の啓発など、引き続き減少に努めたい」と改善に意欲を示した。

杉本さんは虐待が顕在化する中、「違反者にはさらなる厳罰を科すなど、厳格な法律に変えていく必要性がある。条例の制定など、知事の権限で変えられる」と述べ、大井川知事の取り組みに期待を寄せた。

同シンポジウムは、犬猫殺処分数が多い本県で動物愛護を啓発するのが狙い。本県の犬殺処分頭数は2005年から12年まで8年連続全国ワーストだったが、16年に「県犬猫殺処分ゼロを目指す条例」が制定され、16年度は全国ワースト3位だった。

シンポジウムは、地元選出県議の県政報告会の中で開催された。(鈴木英治)

茨城新聞社
posted by しっぽ@にゅうす at 08:55 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬にとっての『不幸な環境』4つ

ネタりか



知らないうちに愛犬に不幸な環境を与えていませんか?
寂しそうに窓の外を見つめる犬

犬にとって、日々暮らす環境というのは重要なものです。環境によって、幸せにも不幸にもなります。飼い主さんとしては、愛犬に幸せな環境を提供したいですよね。しかし、そう思いながらも知識不足などから、知らず知らずのうちに不幸な環境を愛犬に与えてしまっていることもあります。

不幸な環境下で暮らすことで、愛犬がストレスを抱えたり病気になってしまったり、場合によっては愛犬を手放すことになってしまうかもしれません。そのような状況になるのは、飼い主さんにとってもつらいはずです。ですからこの機会に、どのような環境が愛犬にとって不幸であるのか理解を深めておきましょう。以下から、犬にとっての『不幸な環境』をご紹介していきます。

犬にとっての『不幸な環境』@ペット飼育不可の住居に住んでいる
ペット禁止マーク

犬が安心して幸せに暮らすためには、まずペットの飼育が許されている住居に住んでいなくてはいけません。しかし、ペットの飼育が禁止されている住居なのに、こっそり犬を飼ってしまう人もいます。そのような環境下では、犬はのびのびと過ごすことができず、ストレスを抱えながら生活することになる可能性が高いです。

また、飼っていることが見つかれば、住居を退去するか愛犬を手放すかの選択に迫られるでしょう。ペット飼育不可の住居で犬を飼っても、犬を幸せにすることはできないのです。

犬にとっての『不幸な環境』A適度なスペースがない
家のテントからはみ出して眠る犬

ペットを飼育できる住居に住んでいても、部屋が狭くて窮屈だと、犬はストレスを感じてしまいます。また、散歩だけではエネルギーを十分に発散できなかったり、天気が悪くて散歩に行けなかったりすることもあるので、ある程度犬が自由に動き回れるスペースが必要です。

犬の体格に合わせた適度なスペースを確保し、のびのび過ごせる環境を与えてあげることが、犬の幸せな暮らしにつながります。

犬にとっての『不幸な環境』B掃除の頻度が低い
散らかった部屋

掃除の頻度が低く、清潔でない環境で過ごすことは、本来きれい好きな動物である犬にとってストレスになり、皮膚病なども起こしやすくなります。また、散らかった部屋は犬が異物を誤飲するリスクを高めます。

掃除が苦手な人や忙しくて掃除する時間がない人も犬を飼ったら、犬のストレスや病気、誤飲事故の予防をするために、部屋はもちろん、犬のハウスやトイレなどもしっかり掃除をして、日々清潔な環境を保つ必要があります。

犬にとっての『不幸な環境』C刺激が少ない
退屈そうな犬

現在いる犬種のほとんどは、猟のサポートをしたり、家畜をまとめたり、農作物を荒らす害獣を駆除したりと、人間の仕事のパートナーとして活躍してきました。しかし現在は、どの犬種も家庭犬として室内で飼育されることが多くなっています。

元々は人間のパートナーとして仕事をしていた犬たちが、あまり刺激のない室内でぼんやりと1日を過ごすのは退屈で、ストレスを感じることも少なくありません。有り余るエネルギーを発散させるために、無駄吠えなどの問題行動を起こすこともあります。

刺激の少ない環境が犬の老化を早めたり、認知症を誘発したりする原因になるとも言われています。毎日散歩をすることはもちろん、室内でも嗅覚を使う遊びをしたり、何かトレーニングをしたり、知育玩具で遊ばせたりするなどして、犬に刺激を与える工夫をしましょう。

まとめ
屋根を持った幸せそうな家族と犬

いかがでしたか?今の愛犬の環境に当てはまるものはありませんでしたか?もし当てはまるものがあった場合は、ぜひ愛犬の幸せのために環境を改善してあげてくださいね。

犬は、人を癒すためだけの存在ではありません。人と同じように命があり、感情もあります。ですから愛犬のために、食事、散歩、排泄物の処理、被毛や歯のお手入れ、健康管理など毎日の世話をしっかり行うことは言うまでもなく、不幸な環境は避けて、幸せな環境を与えるように努めていきましょう。
posted by しっぽ@にゅうす at 08:53 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「もらわれにくい子の里親になろう!」という素敵なキャンペーン週間

ネタりか



「もらい手が見つかりにくいペット」たち
人の手に顔を乗せた老犬

アメリカにはペットファインダーという、全国の動物保護団体や、レスキューグループが登録されている超大規模な里親募集サイトがあります。

保護犬や保護猫をペットに迎えたいと考える人は、このサイトで地元のレスキューの検索をしてから、実際に動物に会いに行くというパターンが多数派です。

そのペットファインダーが、登録している団体やグループを対象に行ったアンケート調査によると、95%の団体が「現在、もらい手が見つかりにくい動物を抱えている」と回答したそうです。ほとんど全ての団体やグループが、1年以上もらい手が現れない犬や猫を預かっているとのことです。

そのうちの27%は、2年以上もらい手を待っている動物がいると答えたそうです。

もらい手が見つかりにくい動物というのは、持病や身体上のハンディキャップがある、高齢などがその理由です。

一般的には新しい家族が見つかるまでサイトに掲載される時間は12週間というのがもっと多いのですが、もらわれにくい子たちは、その約4倍の時間がかかります。

そこで、ペットファインダーは、2009年にAdopt a Less Adoptable Pet Week(もらい手が見つかりにくいペットの里親になろう週間)を設定すると発表し、それから毎年9月の第3週にそのテーマでイベントを開催しています。

持病やハンディキャップのある動物
芝生の上に立つ右前足を失った犬

ペットファインダーのアンケートに回答した団体のうち12%が、「一番もらい手が見つかりにくい」と答えたのは、持病があったり身体的なハンディキャップがあったりする動物でした。

FIV陽性の猫、フィラリア陽性の犬、耳が聞こえない、目が見えない、足を一部失っているなどの動物は、「どんなふうに世話したらいいかわからない」「自信がない」などの理由で、なかなかもらい手が見つかりません。

団体によっては、持病の治療は団体専属の診療所で低価格で治療を受けられたりする場合もあり、様々な工夫がなされています。

身体的なハンディキャップについては、犬を保護している人たちは口を揃えて「犬の場合、こちらが少しコツを掴むだけで、ハンデとは言えないくらい、普通に過ごせる子が多いのです」と言います。

確かに持病やハンディキャップのある子は、どんな飼い主さんでもいいという訳にはいかないのですが、それは元気過ぎる子犬でも、とても多くの運動量が必要な若犬でも、同じことです。

このようなキャンペーン週間を設けることで、もらわれにくい子たちにも目を向けて考えてみる人が増えればと考えられています。

年をとった動物
女性と散歩する老犬ビーグル

アンケート調査で最も多くの団体が、「もらい手を見つけるのが一番難しい」と答えたのは老犬、老猫でした。

子犬や子猫は先を争ってもらわれていくのと反対に、シニアの動物たちは新しい家族が見つからないままに、殺処分になってしまったり、シェルターで生涯を終えたりすることも多く、保護に携わる人たちの胸を締め付ける問題です。

多くの場合、7歳以上の犬や猫は基本的なしつけもできており、ハイパーなエネルギーが影を潜めて穏やかになっています。

もらい手の方の年齢や、ライフスタイルによっては理想的なパートナーになってくれることを多くの方に知ってもらいたいと思います。

まとめ
ポメラニアンを抱くカップル

アメリカで毎年9月3週目に実施される「もらい手が見つかりにくいペットの里親になろう週間」のキャンペーンをご紹介しました。

持病やハンディキャップがあったり、高齢だったりして、家族に迎えようという人がなかなか現れない犬や猫にも、目を向けてくださいという意図もあるのですが、同時にそんな子たちの命も祝福し称えましょうという気持ちを込めてのキャンペーンなのだそうです。

本当なら、そんな子たちの新しい家族を募集しなくてはならない状態がなくなることが一番なのですが、全てのペットが温かい家庭で生涯を過ごせるよう心から願います。

《参考》
https://dogtime.com/dog-health/general/18403-adopt-a-less-adoptable-pet-week
posted by しっぽ@にゅうす at 08:52 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

岩手県盛岡市の保護猫問題改善を牽引する猫カフェ「もりねこ」の想い

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岩手県盛岡市には動物愛護センターがありません。そんな盛岡で、飼い主がいない猫たちを1匹でも多く救いたいと、ある1人の女性が市全体の保護猫問題改善に向けてリードしています。彼女が立ち上げた「もりねこ」についてご紹介します。

※この記事の情報は、2017年6月10日段階のものです。

岩手県盛岡市の保護猫問題改善を牽引する猫カフェ「もりねこ」の想い
撮影/後藤さくら
お話をうかがったのは…
「もりねこ」の代表である工藤幸枝さん(写真右)。この「もりねこ」には、現在、写真左の武田紗耶さんを含む4名のスタッフ、3名のアルバイト、そして20名ほどのボランティアが在籍しています。

愛護団体での経験を経て自ら保護団体を設立
JR盛岡駅から徒歩約10分という立地にある猫カフェ「もりねこ」は、近年全国的にも広がりを見せる里親募集型猫カフェです。同名のNPO法人が運営するこの猫カフェには、市内近郊で保護された猫が暮らし、新しい飼い主さんとの出会いを待っています。
この団体及び猫カフェの運営者である工藤幸枝さんは、北海道から盛岡市へ引っ越したのを機に、2013年、28歳の若さで猫カフェを設立。

「自分で猫を飼い始めてから、『猫のために自分ができることは何か』と考えるようになり、北海道札幌市の里親募集型猫カフェで働きながら、猫や猫の問題について勉強していました。そんな矢先、引っ越した盛岡市には動物愛護センター(以下、センター)がなく、保護猫について市民が知れる場所がないとも感じ、猫カフェを開業。2016年1月にはNPO法人化もできました」(工藤さん)

2017年1月には事業を拡大し、猫カフェがあるビル内にシェルターを開設。猫エイズのキャリア猫やハンディキャップのある猫のケアを行っています。

岩手県盛岡市の保護猫問題改善を牽引する猫カフェ「もりねこ」の想い
猫カフェのプレイスペース。ロビーから入ると、猫と遊べるこのスペースが広がっています 撮影/後藤さくら
立地や広さ、機能… こだわりの猫カフェ&シェルター
猫カフェとシェルターを始めるにあたり、「こだわったのは立地と広さ」と言う工藤さん。
 
「市内で保護された猫はできるだけ受け入れたいと思いました。そして、より多くの猫が早くここを“卒業”できるよう、みなさんに足を運んでもらいやすい場所という条件も譲れませんでした」(工藤さん)

まず、ビルの2階にある猫カフェには、ロビーを抜けると、手作り感あふれる、広々としたプレイスペースがあります。

「壁の塗装から床の張り替え、遊具の製作まで、内装はすべてボランティアのみんなで手がけました。個人で始めたため資金に余裕もなかったので、できることはすべて自分たちでやりました。また、ケージやフードなどの細かい猫グッズに関しては、多くの方から寄付をいただき、自己資金は100万円もかからずに開業することができました」(工藤さん)

クラウドファンディングを利用して開設されたシェルター
このシェルターは、インターネットで賛同者から資金を募るクラウドファンディングで集めたお金によって開設されたもの。設定した目標金額は150万円だったにもかかわらず、最終的には倍以上の寄付があったそうです。

「おかげさまでスムーズに開設することができ、残った資金は猫たちの医療費に充てることができました。シェルターの名前『タイコウクロノーブ』は、一番高額な出資を申し出てくださった方に付けていただいた名前です」(工藤さん)

2フロアを丸ごと借りていることもあり、現在計約50匹もの猫を保護している「もりねこ」。猫を一時的にかくまうだけの場所にならないよう、工藤さんたちは、日々猫の幸せを考えながら活動しています。
同ビル5階のシェルター「タイコウクロノーブキャットシェルター」は、メインスペースのほかに、いくつかの小部屋が設けられています。

「シェルターはいろいろな事情を抱えた猫たちが集まるので、猫の状態によって隔離できるような間取りにしました」(工藤さん)

センター設立に向けて市へ働きかけも
「もりねこ」は、単独での活動だけでなく、保健所などの行政と繋がることで、市民への働きかけも行っています。
たとえば、定期的に啓発イベントを開催。市内の商業施設などの協力を得て、保護猫についてのパネル展示を行っています。また、工藤さんは市内の学校で講演会をしたり、中学生の職場体験を受け入れたりして、市民が保護猫問題を知る機会を増やすことにも力を注いでいるのだそう。その理由を聞くと、

「毎日、猫の相談が舞い込んできます。私たちを頼りにしてくださるのはありがたいのですが、すべてをカバーしきれないのが現状。どうしたらこの問題を解決できるのかと考えたときに、そもそもこれらの問題の根本は、“知らない”ことにあるのではと思いました。動物愛護や適正飼育に対する知識と理解が得られるよう、意識の底上げ、つまり啓発こそ、私たちがすべき活動ではないかと思ったのです」

と工藤さんは言います。

行政へも届けられた、工藤さんたちの猫を想う声
工藤さんたちの猫を想う声は、行政へも届けられます。2015年10月、「もりねこ」は、3カ月の活動を経て集まった約3万名分の署名を添えて、センター設立に関する請願を盛岡市議会に提出。また、2016年10月には盛岡市長らとの意見交換を行いました。

「2016年度、私たちが保護した命は105匹。たった105匹しか助けられませんでした。シェルターをつくったことで保護の効率は上がりましたが、問題のある猫をお世話するには専門的な知識も必要。勉強会を行うなどして努力はしていますが、一般人の私たちでは、救える命に限界を感じています。そのこともあり、行政に属するセンターがあれば、もっと多くの猫が救われるのではないかと思ったのです」(工藤さん)

工藤さんたちの請願書は採択され、現在、市はセンター建設に向けて検討中だそうです。

岩手県盛岡市の保護猫問題改善を牽引する猫カフェ「もりねこ」の想い
猫スペースにあるキャットウォークでくつろぐ猫たち。内装費節約のため、ボランティアの協力で手作りしたのだそう 撮影/後藤さくら
実際に行動を起こすのは大変かもしれないけれど、活動を通して伝えたいこと
猫のために何かしたいと思う人は多いでしょう。しかし、実際に行動に出るには、とてもエネルギーが要ります。にもかかわらず、若くして猫カフェを開業し、保護猫活動の道を一から切り開いてきた工藤さんの姿は、私たちにもできることが必ずあるということ、また、できることから始めることの大切さを教えてくれています。

【問い合わせ先】
NPO法人もりねこ
TEL:019-613-7773
「もりねこ」の活動内容などについては、ウェブサイトにも記載されています。

出典/「ねこのきもち」2017年8月号「猫のために何ができるのだろうか」
文/「ねこのきもち」編集室
カメラマン/後藤さくら

ねこのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 08:51 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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