犬は大切な家族
白い犬を抱きしめる女性の後ろ姿
人は裏切ることがあります。人は嫌ったり、嫌われたりすることもあります。しかし、4つ足の家族は、私たち人間を裏切ることはありません。どんなに酷い飼い主であろうとも、彼らは飼い主のことを嫌いになったりはしないのです。
彼らにあるのは、”永遠の愛”。それだけです。彼らが与えてくれるのは、”無償の愛”なのです。
犬の寿命と人の寿命
老夫婦と散歩するダックスフンド
例えば、犬の平均寿命は犬種や体の大きさからも異なりますが、大体12〜15年と言われています。大抵の場合、愛犬の死の方が、飼い主さんのそれより早く訪れます。また、そうでなければいけません。犬の寿命を考えて、その犬と暮らし始めなければなりません。これは生きものと一緒に暮らす上での、基本中の基本です。飼い主さんが老齢のため先に亡くなって、愛犬が取り残されるというのは、避けなければなりません。
犬の寿命を考えると、人間が70歳を過ぎると、もう子犬から一緒に暮らし始めるという考えは生まれないはずです。いや、60歳でも、もう子犬からは一緒に暮らすのは避けたいですね。後継者がいないのであれば、自分より長生きしそうな犬と、一緒に暮らし始めるのはどうかと思います。
安楽死という辛い選択
お昼寝している白いチワワ
そうはいっても、犬も病気になります。寿命よりもはるかに短くして、この世を去る子も当然いるでしょう。
もしも、あなたの愛犬が、もう手の施しようもないほどの重篤な病に陥って、その痛みで毎日苦しんで、食べることも寝ることもできなくなったとしたら、あなたはどうしますか?
この場合、獣医さんは『安楽死』を勧めてくるかもしれません。それは、本当に辛い選択です。
殺処分の現状
こちらにアピールする犬たち
まだ生きられるのに、予算や収容場所の関係から、強制的に殺してしまわなければならない保健所の『安楽死』と呼ばれているものはこの場合、違います。保健所での殺処分は、”安楽死”とは程遠いものです。
地区によって、その方法が違う場合も多少ありますが、殆どの地区で行われている日本の保健所(動物愛護管理センターとも呼ばれています)は窒息死です。15分以上も、もがき苦しむガス室での殺処分が行われています。
最期まで、愛犬の傍にいてほしい
病院で治療を受ける犬と撫でる飼い主
犬にも、人と同じ”感情”というものがちゃんと存在します。死ぬ最期の瞬間まで、犬も様々なことを考えています。
愛犬が最も求めるものは、何だと思いますか?
それは飼い主さんの姿です。愛する飼い主さんには、できるだけ一緒に傍にいてほしいと、犬は常に思っています。ましてや、いつも痛いことをする動物病院などでは、特にそうでしょう。
知らない場所、怖い場所、嫌な場所、そういう所では、愛する飼い主さんが傍にいてくれるだけで、かなり落ち着きます。
本当の意味での苦渋の選択とは
病院のベッドの上で治療を待つ犬の足
もう手の施しようがなく、苦しみから愛犬(猫)を解放してやるために、人々は時に”安楽死”を選択するときがあります。その決断を下さなければならないというのは、苦渋の選択となります。でも、本当はその選択を下した後の決断が、最も大切なことをあなたはご存じですか?
獣医さんの悩み
病院で犬の治療をする獣医師たち
「もう助からないのであれば、これ以上苦痛を与えたくはない、安らかに眠らせてほしい」と安楽死をやっとの思いで決断したとします。その後、あなたはどうしますか?愛犬が薬剤を投与されて、息を引き取るまでちゃんと立ち会えますか?
「とてもそんな勇気はない…」
「そんな姿を見たらトラウマになる…」
「怖すぎる…」
と大抵の場合、飼い主さんは、”安楽死をしてください”と獣医に意向を伝えると、立ち去ってしまうそうです。それが獣医さんの悩みでもあることをご存じですか?
病院で点滴を受けながらこちらを見つめる犬
安楽死を望む飼い主さんの約90%が、最期の瞬間には立ち会わないそうです。これは海外のある獣医さんの言葉です。(※安楽死の方法は病院によって違うかもしれません)
「安楽死の場合、点滴で薬剤を注入していくわけなので、最期の瞬間が来るまで時間があります。その間、犬は、飼い主がどこかにいないか部屋中を目で探し回ります。でも、どこにも愛する飼い主は見当たらない。ただでさえ不安なのに、ずっとそばにいてほしいのに、最期の瞬間が来るというのに、愛する飼い主さんはどこにもいないのです。」
最後に
病院で治療中の犬を励ます飼い主
それをずっとなだめているのは動物看護士さんだそうです。頭をなでたり体をさすったり…。本来そうするのは、愛する飼い主さんの役目ではないでしょうか?
参考資料:https://www.shared.com/vet-pets-final-moments/
筆者は安楽死を推奨しているのではありません。でも、もしも安楽死を苦渋の決断で選ばざるをえなくなったとしたら…どうか最期の瞬間が訪れるまで、ずっと傍にいてあげてください…。