動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2018年10月17日

「猫の楽園」の悲惨な未来を防げ。猫200匹の離島「青島」で一斉不妊・去勢手術が実施される

ニコニコニュース



猫の楽園として知られる愛媛県大洲(おおず)市の瀬戸内海に浮かぶ離島・青島で10月2、3日、島の猫への一斉不妊・去勢手術が行われました。

【関連記事】猫200匹の島「青島」で一斉不妊手術を実施。住民高齢化で世話負えず、繁殖制限へ

猫の楽園の目を覆いたくなる現実
不妊・去勢手術は、公益財団法人どうぶつ基金(本部・兵庫県芦屋市)が、島民からの「住民の高齢化で世話が難しい」といった要望や、訪れた観光客からの島の現状を危ぶむ声を受けて実施しました。

同基金によると、猫の写真集やネット上の動画などで有名になった青島は「猫の楽園」として、世界中から観光客が殺到。

しかし、実際には競争に負けて人間が与えるエサにありつけない猫が多く、飢えた猫に食い殺されてバラバラになった子猫の死骸など、悲惨な現実に目を覆うばかりだったと言います。

これまでにも愛媛県獣医師会などがボランティアで不妊・去勢手術を施していましたが、未施術の猫の一部が繁殖を繰り返していたそうです。



島の猫172匹に不妊・去勢手術
青島では10月2日から、どうぶつ基金の職員やボランティアら約20人で猫の捕獲を開始。猫に不妊手術とワクチン投与、ノミダニの駆除を行いました。

当初3日間の予定だったプロジェクトは、台風の影響で一昼夜に短縮。3人の獣医師が限られた時間で172頭に手術を施しました。



今回、ほぼすべての猫に不妊・去勢手術を実施。同基金では、青島の猫の頭数はこれ以上は増えることはなく、将来的に減っていくと推測しています。

同基金では、増えすぎて殺処分される犬や猫を救おうと、全国から要請を受けて無料で不妊・去勢手術を行っています。活動を継続するため、公式サイトで善意を募っています。
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愛猫のタイプ・環境を考えて、防災対策をカスタムしませんか?

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予測不可能な大災害。日頃から「もしも」に備えることが大切です。しかし、何をすべきかは、飼い主さんと猫の環境や状況によって、さまざまです。
一般的な知識はあくまで防災の基本。飼い主さんや猫のライフスタイルによって、「わが家には何が必要か」と具体的に考え、より実用的な備えを“カスタム”できるといいでしょう。

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愛猫のタイプ・環境を考えて、防災対策をカスタムしませんか?
キャリーケースとケージ
はじめに… 室内の安全対策を見直して
室内で暮らす猫が被災する場所は、ほぼ間違いなく「家」です。
万が一家に愛猫しかいなくても、以下のような、愛猫が自分で身を守れる環境づくりをすることで、災害時の被害を抑え、猫の生存率を高めることができるでしょう。

キャリーケースとケージを家の避難場所として日頃から解放しておくと、いざというといも反射的に、猫が逃げ込んでくれる可能性があります。
また、愛猫が誰もいない家で数日過ごす可能性を考えて、水だけでも飲める環境づくりを。ふだんから複数箇所に水を置いて、どれかがこぼれても飲める状態にしておきましょう。

基本的な避難アイテムって?
避難時、猫のために持ち出せるものの量には限度があります。猫の避難アイテムの選抜メンバー〞を決めるときのポイントは、「代用できるかどうか」。ないと困るもの、逆にいろいろ使えて便利なものを中心に揃え、リュックなどにまとめて入れておいて。玄関先や、枕元など、すぐ持ち出せる場所に置いておくといいでしょう。

最低限準備しておきたい、1匹分の厳選アイテムが、コチラ。

愛猫のタイプ・環境を考えて、防災対策をカスタムしませんか?
洗濯ネット・キャリーケース
洗濯ネット・キャリーケース
洗濯ネットは、避難場所で猫に巡回診療を受けさせる際などにも便利。猫が見えるように、目の粗いネットが○。キャリーケースはタイプもいろいろあるので、状況を踏まえて選べるといいですね。

愛猫のタイプ・環境を考えて、防災対策をカスタムしませんか?
猫との写真
猫との写真
猫とはぐれてしまったときなどに、捜す手掛かりになります。また、飼い主さんと一緒に写っていることで、保護された猫を引き取る際に、その猫が自分の猫だと証明することもできます。

食事用品(ドライ・ウエットフード、軟水、器)
最低でも1週間分のフードと水、そして器を用意して。持ち運びやすさを考慮して、ウエットフードは缶よりパウチタイプ、器は割れない素材がおすすめです。


便利な道具(ペン、粘着テープ、カッター、袋)
アイテムを補強したり、持ち物に猫や自分の名前を書いたりなど、何かとあると便利なのがこの4点。これらがあれば、避難先でも意外と入手できる段ボールで、いろいろなアイテムの代替品を作れることも。

愛猫のタイプ・環境を考えて、防災対策をカスタムしませんか?
重量を含めた避難訓練
「複数飼い」ならこうカスタム
猫飼いさんの半数が複数飼いといわれている昨今。連れ出す猫の数も、必要な避難アイテムの量も増えるため、少しでも効率よく、時短〞で運び出せるような備えが大切になってきます。また、これからさらに猫を飼うことを検討している方は、今より匹数が増えても災害時に対応できるかなどを考えて迎えたいですね。
さらに複数飼いの場合はとくに、キャリーケースに重しを入れるなどして、重量を含めた避難訓練ができると○。より具体的な必要策が見えてくるでしょう。

キャリーケースがリュック型なら、手が空く&負担を分散できる
背負うタイプなら、両手が自由になります。手で持つより負担も分散されるので、より多くの荷物を持つことが可能になります。

台車があれば、猫も荷物も一気に持ち出せる
避難時、道路に問題がない場合、台車で猫も荷物もひとまとめにすれば、一人でも運びやすくなります。最近では女性にも扱いやすい、軽量タイプのものも。

「繊細な猫」がいるならこうカスタム
性格や体調に問題を抱えている猫は、そうでない猫以上に、些細なことでも心身に負担がかかりやすい傾向に。災害時は、その後の避難生活も含めて長期的な異常事態〞が続きます。

その負担をできるだけ軽減するためにも用意したい、カスタムアイテムがコチラ。

ハードタイプのキャリーケースがあれば、日頃から居場所として慣らせる
避難所での生活は、繊細な猫にはとくにストレスになります。しかし、しっかりした素材のキャリーケースなら、ふだんから居場所として使えるぶん、そういった慣れない場所での生活による不安も軽減できるでしょう。

タオルは、保温や防音など、用途がたくさん!
キャリーケースを包んで外の音をさえぎったり、猫ベッドにして保温ができたりするタオルは、繊細な猫がいる場合は必ず持っていたいアイテムです。

ペースト状のおやつなら、食欲不振でも食べてくれることも
猫が体調を崩して食が落ちても、嗜好性の高いおやつなら、口にすることも。ペースト状であれば、栄養と一緒に水分も補えます。

愛猫のタイプ・環境を考えて、防災対策をカスタムしませんか?
医療アイテム
医療アイテムを持っていれば、かかりつけでない獣医師にも、既往歴などを伝えられる
持病の有無にかかわらず、猫が繊細なら、検査の結果数値表を持ち出すといいでしょう。診察時、平常時の数値と比較できることで、異変を発見&対処しやすくなることが。持病がある猫なら、もちろん薬や療法食も忘れずに。万が一避難アイテムを持ち出せなかったときのためにも、検査結果のほか、薬のパッケージの写真を携帯電話で撮っておくとより安心ですね。


「避難場所」も状況に応じて選びましょう
災害時は、まずはとにかく危ない場所(家)から猫を連れ出し、安全な場所へ移動します(同行避難)。そして自宅の被害の度合いなどによっては、しばらく避難所で生活を送ることになります。

なりうる避難場所は、おもに次の3つ。しかし「猫と一緒」「猫とは別で」など、さまざまなケースが考えらえます。

自宅
倒壊具合や地盤などの状態が住むのに危険はないと判断できる場合は、自宅で猫と一緒に過ごすことも。ライフラインが断たれている場合は、物資を得る際に避難所などに通うことになります。

愛猫のタイプ・環境を考えて、防災対策をカスタムしませんか?
避難場所
車・テント
公園などの、安全で広い場所に拠点を置いて暮らす場合も。避難所よりプライバシーが守られる一方、車でもテントでも、狭いスペースで過ごすことになるので、猫にも人にも負担がかかりやすいです。

愛猫のタイプ・環境を考えて、防災対策をカスタムしませんか?
避難所
避難所
家の近くの公共施設が避難所になることが多いです。猫と一緒に避難できる場合でも、自分の生活場所で一緒に過ごせる、ペット専用の離れたスペースに猫を置かなければいけないなど、避難所によってさまざまです。

そのほかにも、動物病院や愛護団体、または親戚などに猫を預けるという手段が。また、自分は避難所で過ごし、猫は家で過ごさせるなどの掛け合わせもあり得ます。

ただし猫を連れての場合、必ずしも避難所に入れるとは限りません。今から自分の地域の体制を確認したり、避難所以外で暮らす場合のことも考えて備えておくことが大切です。

出典/「ねこのきもち」2018年9月号「愛猫を救うのはカスタム防災です」
文/Monika

ねこのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 09:22 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

子猫の健康な成長のために。とても大切な成長期での栄養管理

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人がライフステージに合わせて食べ物の形状や質を変えるのと同じように、猫も年齢や健康状態に合わせた食事をする必要があります。特に子猫として過ごす成長期の食事は、その後の健康な体作りを促進する上でとても重要です。

子猫の健康な成長のために。とても大切な成長期での栄養管理
スコティッシュフォールドのレーヴくん
体を作る大切な時期
猫の一生のうちで、骨や筋肉、臓器などのさまざまな部位が成長し機能していく、体を作る上でもっとも大切な時期のことを成長期と呼びます。また、成長期は「哺乳期」「離乳期」「離乳後の成長期」といったように、栄養の摂り方の状態から3つに分けることができ、それぞれに合った栄養管理が必要です。

子猫の健康な成長のために。とても大切な成長期での栄養管理
MIXのシロちゃんとマルちゃん
哺乳期
産まれて間もないこの時期は母乳を飲んで育つため、子猫自身ではなく母猫の栄養管理が重要です。母猫は、子猫が体内にいる「妊娠時」から、母乳によって育てる「授乳期」まで多くの栄養を必要としますが、特に授乳期においてはエネルギー要求量が増すため、食べ物については食べたいだけ与えても良いと言われています。この時期の栄養は、ひいては子猫のためのものとなるので、母猫には栄養価の高いフード(繁殖期用または子猫用)を与えるようにしましょう。

子猫の健康な成長のために。とても大切な成長期での栄養管理
エキゾチックショートヘアの寅之助くん
離乳期
少しずつ乳離れする時期で、生後3〜4週頃から母猫の食べ物にも興味をもつようになります。飼い主は母猫に代わって子猫の食事の世話をすることになるため、食の好みが限定されることのないよう、「子猫用」などの表示を目安に成長期用の総合栄養食を与えるようにしなければなりません。フードをお湯でふやかして、おかゆのようにしたものを離乳食とし、生後2ヶ月半ほど経つ頃には固形フードに切り替えられるようにします。

離乳前の子猫を保護したら
母猫のいない子猫の場合、「子猫用ミルク」を温めて哺乳瓶で与えましょう。消化不良を引き起こしたり、必要な栄養素が摂れなかったりするため、人の飲む牛乳や犬用のミルクでは代用できません。

子猫の健康な成長のために。とても大切な成長期での栄養管理
ラガマフィンのラーくん
離乳後の成長期
完全に乳離れした後は、子猫が健康に成長するよう飼い主がフードの調節をしていかなければなりません。子猫に必要なエネルギーは成長段階や体重によって変わるため、子猫用(成長期用)フードに記載の給与量を参考に、適切に増やして与えるようにしましょう。なお、離乳食では補給できていた水分がなくなるため、新鮮な水はいつでも飲めるようにしておく必要があります。

フードの量は性別や活発さなどによる個体差があるため、飼い主が愛猫に合った必要量をきちんと把握して調整しなければなりません。栄養管理のためにも、子猫の体重は毎日計測するようにしましょう。

参考/「ねこのきもち」2017年5月号『愛猫の栄養学事典』
文/菜々
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

ねこのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 09:21 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

もしも犬が喋れたら人に何を伝えるか?

ネタりか


犬が人に伝えたいこと@飼い主への愛情
トイプードルのアップ

犬は感情表現がとても豊かな動物です。特に家族や仲間に対する親愛の情を表現することの多い動物で、言葉をしゃべれなくてもさまざまな形で飼い主に対する愛情を伝えています。飼い主の行動を常に見ていて、自分に視線が向けられたらうれしそうに尻尾を振り、声をかけられたら何の躊躇もなく笑顔で駆け寄ってくる。飼い主が出かける時には「どこ行くの?いつ帰ってくる?」と足元にまとわりついてきて、帰ってきた時には飛びつかんばかりに再会を喜びます。人間であればそれほどまでに真摯でストレートな愛情表現をすることはできないと思いますが、犬は気持ちをまっすぐに伝えてくるのでそのような行動を取る犬が多いと思います。もしも犬がしゃべれたらさまざまな言葉を駆使して、その愛情を伝えてくれるでしょう。

犬が人に伝えたいことA要求
こちらを見上げる白黒の犬

犬と暮らしていると「遊んで!」「なでて!」「かまって!」「散歩に行こう!」「ご飯ちょうだい!」などなどたくさんの要求を感じることがあると思います。その表現方法がわかりやすく要求吠えという形であったり、飼い主に手をかけて合図してきたり、おもちゃやリード、フードボウルをくわえて飼い主の目の前まで持ってきたり。ありとあらゆる方法で自分のしたいことを飼い主に伝えてきますので、もしも言葉をしゃべることができれば人間の子供と同じようにストレートな表現、アピールをくり返すことでしょう。

犬が人に伝えたいことB不調や異変
床に伏せているパグ

体調や精神面で不安なことがある時、何となくいつもと違うと感じている時でも言葉を話すことができない犬は、うまく表現することができない場合があります。少しの痛みや違和感を表現する方法がわからない、また些細な変化であれば飼い主も気がついてあげることができないということは少なくなく、病気の発見が遅れてしまうのは言葉を話すことができないことのデメリットとも考えられるでしょう。

気持ちの面でも不安や心配、恐怖などを早い段階で気がついてあげることができれば、それらに起因する問題行動を防ぐことができる可能性もあります。言葉で理解し合えるということは心身のトラブルを最小限に抑えることにも繋がるのだと思います。

<まとめ>犬が伝えたい気持ちを読み取ろう
赤い首輪のジャックラッセル

ここでは「もしも犬が喋れたら人にどんなことを伝えるか」ということを解説してきました。実はこの@〜Bのことは単なる予測ではなく、多くの犬が飼い主に対して表情やボディランゲージなどを使って伝えようとしていることなのです。

しかし、犬の意思表示や感情表現は表情や体の使い方などを総合的に見て判断しなければ読み取ることができない場合もあり単純なものばかりではありません。そのため飼い主でもなかなかその気持ちを汲み取り、理解してあげられず犬と飼い主の信頼関係がうまく築くことができなかったり、犬が問題行動を起こすようになってしまったり…ということがあるのです。しかし、愛犬のことは一緒に過ごす時間が長い飼い主が最も理解できるはず。愛犬の気持ちが理解できず、問題行動などで困った時はドッグトレーナーのようなプロの意見や書籍などを参考にして愛犬をしっかりと観察し、全身で表現している“言葉”を読み取ることができるように努力していきましょう。

もちろん、ここで解説したこと以外にも犬が飼い主に伝えたいことがたくさんあるかもしれません。言葉をしゃべれないことが愛犬と飼い主の絆を深める一因にもなりますが、しゃべれないことに甘んじて大切な愛犬の気持ちを無視するようなことがないように日頃からしっかりと向き合うようにできるといいですね。
posted by しっぽ@にゅうす at 09:20 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

<ファシリティードッグ>子供の闘病支え9年 ベイリー引退

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病気の子供に寄り添う日本初の「ファシリティードッグ」として、神奈川県立こども医療センター(横浜市南区)に「常勤」してきた10歳の雄のゴールデンレトリバー「ベイリー」が16日、高齢のため引退した。手術室までの移動に付き添ったり、ベッドで添い寝したりと約9年にわたり、延べ約2万3000人の子供に関わってきたベイリー。闘病を支えられたという親子から、感謝の声がたくさん寄せられた。【宇多川はるか/統合デジタル取材センター】

 ◇「引退式」に50人以上が参加

 16日に同センターの体育館で開かれた「引退式」には、ベイリーと関わりがあった親子ら50人以上が参加。入院中の子供は、点滴をしながら車椅子で駆けつけた。

 子供たちを代表してスピーチした横浜市の安田結(ゆい)さん(10)は「私はベイリーと6年くらい一緒にいて、友達だった。つらいときにベッドで一緒に寝てくれた」などと話し「おつかれさま。ありがとう、ベイリー」と締めくくった。

 病院関係者からも「子供たちが安心して手術室に向かえるよう寄り添ってくれて、大きな支援になった」「子供たちは厳しい毎日を乗り越える力をもらえた」と感謝のスピーチが続いた。

 会場に設置されたボードには、親子からのベイリー宛ての手紙が掲げられた。「ありがとう」という言葉と共に成長を伝える手紙のほか、闘病の末に亡くなったことを報告する手紙もあった。

 ◇手術室への同行から「みとり」まで

 ファシリティードッグとは、「ハンドラー」と呼ばれる看護師ら臨床経験のある医療従事者とペアになり、医療チームの一員として働く犬。短時間の訪問が主の「セラピードッグ」とは異なり、病院に「常勤」して長期入院する子供らに寄り添う。

 ベイリーは平日、散歩して朝食を食べた後、午前9〜10時にハンドラーの看護師、森田優子さん(37)と一緒に「出勤」。10時から午後4時まで、病児の手術室までの移動や麻酔が効くまでの付き添いのほか、歩行リハビリテーションへの同行、最期のみとりの同席などの「業務」にあたってきた。1日に訪問する病児は平均10〜20人。休日はドッグランや水辺などに出かけ、「犬らしく」過ごしてきた。

 ◇病棟の廊下しか歩けない世界の中で…

 「約6年お世話になり、ベイリーには本当に、ありがとうと言いたい」。横浜市鶴見区の金村めぐみさん(39)は話す。

 長男駿汰(しゅんた)ちゃん(6)は0歳で脳腫瘍が見つかり、生後約6カ月の時から2年半にわたり同センターに入院した。3歳になる直前に退院したが、昨年末の検査で再発が判明。1月に再び入院し、退院時期はまだ決まっていない。

 血が出るまで吐いてしまうような副作用もある抗がん剤治療、複数回の手術−−。そんな入院生活の中で、ベイリーとの触れ合いが親子の楽しみの一つだった。視力が少しだけ残る左目で駿汰ちゃんはベイリーを追いかけ、手で触ると笑顔がこぼれた。

 「病棟の廊下しか歩けないような狭い世界の中で、ベイリーに会えると駿ちゃんも他の子供たちも付き添う親も、本当にうれしそう。病気の回復にもきっと影響があるんじゃないかと思います」。めぐみさんはそう語る。

 ◇課題は認知度と資金

 ベイリーは、ハワイで専門的なトレーニングを積んだ後、2010年から静岡県立こども病院(静岡市葵区)で2年半、神奈川県立こども医療センターで6年にわたって働いてきた。今後はハンドラーの森田さんと共に暮らしながら、体力的に無理ない範囲で「ボランティア」として病院内の図書館などで子供たちと触れ合う。

 後任は昨秋に来た2歳雌のゴールデンレトリバー「アニー」だ。ベイリーと共に1年間働きながら、「仕事」を身につけてきた。

 ベイリーらを導入してきたNPO「シャイン・オン・キッズ」(東京都中央区)によると、ファシリティードッグは欧米で00年ごろから試みが始まった。しかし、国内のファシリティードッグは、ベイリーを含めて2病院3頭にとどまる。普及が進まないのは、認知度の低さや資金面に課題があるためという。1頭あたりの初年度経費は年間約1200万円、継続運営費は年間800万〜900万円かかる。きめ細かい研修や感染対策など管理費が必要だからだ。こうした経費は同NPOに寄せられた寄付金のほか、一部は病院側の負担で賄ってきた。

 ベイリーのハンドラーをしてきた森田さんは「ベイリーが毎回処置に付き添ったり、亡くなる直前まで添い寝したりした子供の親御さんから、たくさんの感謝の声をもらっている。ベイリーの功績を次の世代に受け継いでいきたい」とファシリティードッグへの支援を呼びかけている。
posted by しっぽ@にゅうす at 09:19 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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