動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年04月09日

<くらし調査隊> 「ペット禁止」市営住宅で多頭飼育

中日新聞



名古屋市内の市営住宅に住む男性から、同じ住宅に「猫を数十匹飼っている部屋があり、臭いや鳴き声で迷惑している」との情報が寄せられた。同市の市営住宅では、猫を四十匹以上飼っていた姉妹が昨年六月に強制退去となった事案もあった。ペット飼育を禁止しているはずの市営住宅で、なぜ問題が相次ぐのか。

 男性の住む市営住宅を訪ねた。「ベランダ側の窓を開けると臭ってくる。夜は音が気になって眠れない」と、男性の家族は表情を曇らせた。猫は二カ月ほどの妊娠期間で出産し、一回に三〜六匹を産む。さらに、近親でも交配するため増えやすい。

 知識不足などから、短期間に増えて飼い主の手に負えなくなる「多頭飼育崩壊」は各地で起きている。強制退去となったケースでは、臭いや鳴き声で近隣に迷惑をかけたとして、市が明け渡しを求めて初の提訴に踏み切り、名古屋地裁が請求を認めた。

 担当の住宅管理課は、男性が暮らす市営住宅の件も把握していた。「三十匹ほどいるが、市民団体の協力を得て避妊・去勢手術をさせるなど、飼い主が減らす努力をしている」と舟橋正規主査は説明する。定期的に部屋を確認し、「悪化すれば法的措置を取る」と告げているという。ここまで深刻化したのは、他には強制退去の例だけという。

 同課によると、市営住宅は計六万戸あり、ペットに関する苦情は月十五〜二十件ほど。そのたびに現場を確認し、指導している。

 ただ、市営住宅を訪ねて気になったのは、敷地のあちらこちらに「ふん・尿をさせないで」との自治会の張り紙があること。男性も「犬を抱いたり、散歩させたりする住人を見かける」と話す。市営住宅では、飼育が禁止されているはずなのになぜだろうか。

 同課によると、市営住宅条例に明確に飼育の禁止をうたう規定はない。具体的な動物の名前を入れると、それ以外は飼ってよいことになってしまい、「明文化しない方が対応しやすい」ためという。そこで、騒音などの迷惑行為を禁じる条文に基づき、入居時に「飼育しません」との誓約書を提出してもらっている。強制退去となったケースも、迷惑行為としての措置だ。

 市は、対策として十匹以上を飼う場合の届け出義務付けを検討している。しかし、今回の件でも協力する動物愛護団体「花の木シェルター」の阪田泰志さん(34)は「十匹でも既に手に負えなくなっている可能性があるし、届け出ない飼い主もいるはず」と指摘する。

 「多頭飼育で崩壊する飼い主には、猫に依存していたり、一匹数万円の手術費用が出せなかったりする人が多い。低所得者向けに費用を安くする仕組みづくりや、医療のサポートが必要」と話す。

 (小中寿美)
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連れ去られた猫の「はと」見つかる 配ったチラシから目撃情報 三重

毎日新聞



三重県鈴鹿市の建物で3月16日、男に連れ去られた猫が、世話をしていた女性によって保護された。見つかったのは、窃盗容疑で逮捕された男の家の近く。女性がチラシを配って捜していたところ、周辺住民から目撃情報が寄せられ、保護につながった。


 連れ去られたのは生後8カ月ほどの雄の「はと」。元々は捨て猫で、鈴鹿市の建物で女性の世話を受けながら他の猫たちとともに暮らしていたが、3月16日にひもを首に巻いて連れ去られる姿が防犯カメラに映っていた。女性の届けを受けた県警鈴鹿署が4月1日、同県桑名市の無職の男を窃盗容疑で逮捕したが、はとは見つからなかった。

 女性は、男が調べに「懐かないので近くの川に捨てた」などと話していることを報道で知り、男の住所周辺を捜すことを決意。3日から、はとの写真を載せたチラシを配りながら歩いた。長い日は4時間も。その結果、川の堤防道路周辺でよく似た猫の目撃情報が複数あることが分かった。さらに、近くで猫の餌やりをしている男性から「最近、家に来る猫のようだ」と連絡があった。そして7日、餌を食べに来た猫の写真が送られてきて、猫がはとだと確認、迎えに行った。

 はとは最初、人の姿を見て逃げるほど警戒していたが、女性が猫の鳴きまねをすると物陰から返事をした。さらに好物の餌を見せると近寄ってきたため、かごに入れて自宅に連れ帰ったという。

 女性の家で生活することになったはと。現在は先住猫に遠慮して部屋の隅に隠れているが、時々出てきて鳴き声を上げている。餌をもらっていたおかげで、健康状態に問題は無いようだ。

 女性は「見つかった場所は通行量も多い。行き場所も無く、おびえていたのでは。男性のおかげで再会できた。感謝します」と話していた。【森田采花】
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春に増えやすい猫の病気やトラブルの原因は「春ストレス」だった

Yahoo! JAPAN



春は「気候の変化」や「環境の変化」が原因で、猫が大きなストレスを感じやすい季節です。この、いわゆる春ストレスを放置していると、猫は病気になったりトラブルを起こしやすくなったりしてしまいます。
今回は春ストレスが具体的にどのような病気やトラブルを引き起こすのかをご紹介いたします。

【関連記事】猫が雷を怖がるワケ 不安を取り除くために、飼い主さんができること

春に増えやすい猫の病気やトラブルの原因は「春ストレス」だった
イラスト/キムラみのる
春ストレスが誘発しやすい病気
猫は強いストレスがあると不安感から体や心の緊張状態が続きます。そうすると免疫力が落ちたり、内蔵の働きが悪くなったりと、病気につながることがあります。とくに多いのはオシッコのトラブルである突発性膀胱炎です。

春に増えやすい猫の病気やトラブルの原因は「春ストレス」だった
iStock、Getty Images Plus、ゲッティイメージズ
突発性膀胱炎
突発性膀胱炎とは原因が特定できない膀胱炎のことですが、あらゆるストレスが原因だと考えられています。症状は、頻繁にトイレに行くのにオシッコの量が極端に少ない、血尿が出る、粗相をするなど。

猫カゼ
おもに猫ウイルス性鼻気管炎と猫カリシウイルス感染症のこと。これらのウイルスに感染すると、体内にウイルスが潜伏。猫がストレスを感じて免疫力が低下すると再発することも。症状は鼻水やくしゃみなど、人の風邪と似ています。

胃腸障害
ストレスを感じると交感神経が活発に働き、猫の体は緊張した状態になります。その影響から胃腸の働きが悪くなり、食欲不振や嘔吐、下痢や便秘になる猫が。また、多くはありませんが、免疫系に異常が起きて胃腸炎が起きることも。

皮膚炎
猫に外部寄生虫が付き、悪化して皮膚炎になる猫も。春はとくにノミに刺されたときの刺激が原因となるノミ刺咬症や、体質によってはノミの唾液に反応してノミアレルギー性皮膚炎を起こす猫もいます。

心因性脱毛
慢性的なストレスを感じると、猫は気持ちを落ち着かせようと、体の一部をなめ続けることが。心因性脱毛症とは、なめ続けた結果、体の一部が脱毛する症状のこと。おもに脱毛が見られるのは、前足や後ろ足など口の届きやすい場所です。

春に増えやすい猫の病気やトラブルの原因は「春ストレス」だった
イラスト/キムラみのる
春ストレスが誘発しやすいトラブル
春は日照時間が長くなることでノラ猫の発情が誘発され、室内で暮らす猫も落ち着かない傾向に。また、環境に変化があると、強い不安から精神のバランスを崩しがち。このようなストレスが原因でトラブルにつながるケースも。


脱走
春は、猫によっては外に出られないことにストレスを感じたり、ソワソワと落ち着かなくなることも。そのため、春に脱走する可能性はほかの季節よりかなり高くなるので、飼い主さんは注意が必要です。ちなみに脱走してしまうと以下のようなことが起きる可能性があります。
家に帰れなくなり行方不明に車道に飛び出して交通事故にノラ猫とケンカしてケガノラ猫と接触して猫エイズなどに感染

尿マーキング
強いストレスを感じると、安心感を得るためにオシッコでニオイ付け(尿マーキング)をする猫がいます。体勢はおしりを上げてスプレーのようにする猫と、排尿時のように座ってする猫も。

春に増えやすい猫の病気やトラブルの原因は「春ストレス」だった
iStock、Getty Images Plus、ゲッティイメージズ
不安行動やうつ状態
慢性的な強いストレスがあると、猫も人でいうところの“不安症”や“うつ”のような状態になることが。その場合じっと部屋の隅にうずくまったり、いつもとは違う様子で鳴き続けたり、不眠になることも。

人への攻撃
ストレスで興奮しているときに、人が体に触れたりすると、猫は攻撃されたと勘違いして突発的に人を攻撃することがあります。また、身を隠しているとき日に人に引っ張り出されると共振とストレスから攻撃に転じてしまう猫も。

猫は変化することがとくに苦手な生き物。そのため、飼い主さんがあらかじめストレスの原因を理解して取り除いてあげることで、上記のような病気やトラブルはグッと避けやすくなります。愛猫の健康のためにも、早めの春ストレス対策ができるといいですね。

参考/「ねこのきもち」2018年3月号『春ストレスに気を付けて』(監修:獣医師、獣医行動診療科認定医。ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生)
文/浪坂 一
イラスト/キムラみのる
画像/iStock、Getty Images Plus、ゲッティイメージズ
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※この記事で使用している画像の一部は2018年3月号「春ストレスに気を付けて」に掲載されているものです。

ねこのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 03:04 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

こんな症状が出たら要注意!犬の認知症チェック10項目

ネタりか



認知症ってどんな病気?
床に寝そべる黒い老犬

ワンちゃんの認知症の定義ははっきり決まってはいませんが、加齢に関連した進行性の症候群であり、

✔物事の認識力の低下
✔学習記憶の欠如
✔様々な刺激への反応性の低下

などがその主症状です。

そして、内科的な病気や他の脳疾患(脳腫瘍、脳炎など)による脳への影響がないことが特徴の病態です。最近ではワンちゃんの認知症は、認知機能不全(症候群)などと呼ばれるようになりつつあります。

認知症の原因は何?何歳くらいから起こって、どんな犬種に多いの?
テーブルに手をかける柴犬

加齢に伴う酸化物質の影響で細胞に変性が起こり、脳細胞の機能が低下したり、神経伝達物質(ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンなど)が減少したりすることなどが原因と言われています。
ただし、その機能低下は個体差が大きく、脳細胞の変性の程度と発症した認知症の程度との関連性は曖昧で、まだ結論は出ていません。

発症率に関しては様々なデータがあり一概には言えませんが、一般的には11歳以上(早い症例では9歳から)で発症が増加し、13歳以上で急増、15歳以上でピークを迎えると報告しているデータもあります。また、日本犬系のワンちゃん、特に柴犬で多いとされています。

どんな症状なの?
散歩するイングリッシュコッカースパニエルの老犬

多岐にわたりますが、典型的によくみられる症状としては、

1. 異常な食欲の増加
2. 生活リズムの変化(1日中寝てばかりいる、昼夜が逆転する)
3. 方向転換(特にバック)ができない
4. 一定方向にくるくる回る
5. 粗相をする
6. 視力・聴力の低下
7. 頭とおしりが下がった姿勢でふらつく
8. 鳴き声が単調になり、ときにはヒステリックに大きな声を出す
9. 人や動物に対する反応が鈍くなる
10. 学習した行動や習慣的な行動をしなくなる

などが挙げられます。

お家のワンちゃんに当てはまる項目はありますか?

どうやって認知症って判断するの?
見つめ合う犬と獣医師

症状のところでお話した内容をスコア化した診断基準(内野式犬痴呆の診断基準100点法)がありますので、自宅ではそれを使用して評価するといいと思いますが、その評価による判断が必ずしも正しいとは限りませんので、決めつけずに必ずかかりつけの獣医師に相談してください。

動物病院では獣医師が症状だけで判断する場合もありますが、状態や経過によっては他の可能性を否定するために血液検査や尿検査、場合によってはMRI検査が必要な症例もあります。

どんな治療をするの?
様々な薬剤

残念ながら認知症は治るものではありません。しかし治療することにより、悪化しにくくなったり症状が緩和、改善したりすることがあります。以下にその代表的な対応法を3つ記載します。

行動療法
【目的】身体面でも精神面でも活動的に過ごせるような刺激を与える

✔規則正しく散歩する
✔マッサージやストレッチ
✔冷えないように温める
✔粗相をしても怒らない
✔生活環境の改善。足腰が弱ってきているため、歩きやすい環境を作る (フローリング → すべらないようにカーペットを敷くなど)
✔模様替えを控える
✔障害物を取り除く
✔トイレを失敗しないように頻繁にトイレに連れて行ってあげたり、外に出してあげたりする
✔おやつを用いた芸やしつけの復習をする
✔おやつを用いた知育玩具を有効に利用する

食事療法
【目的】脳細胞に対する酸化ストレスの軽減と適切な栄養補給

抗酸化作用や抗炎症作用のある栄養素が推奨されており、様々なサプリメントや食餌が開発されています。とりわけ、

✔ω3脂肪酸であるDHAEPA
✔ビタミンEC
✔L-カルニチン
✔α-リポ酸
✔果物や野菜に含まれるフラボノイドポリフェノール

などが推奨されています。

薬物療法
痴呆やそれに付随する様々な症状や問題に対して使用される薬物もありますが、その効果は必ずしも保証されておらず、効き目にも個体差があり、体に負担がかかったり、効果の発現までに時間がかかったり、高価であったりします。専門的な話になりますので、必ず獣医師に相談してください。

認知症になったらケアは大変?
ピンクのパンツを穿いた犬

認知症になったら足腰が不自由になり、徘徊も始まります。更に進行すると寝たきりにもなります。そのため、適度な運動やリハビリをし、ときおり日光にも当ててあげ、褥瘡などにも気をつける必要があります。

温度管理や湿度管理も大事です。場合によってはオムツを使用する必要もあるでしょうから、オムツかぶれが起きないようにケアしてあげる必要もあります。そして、定期的に動物病院で身体のチェックをしてもらうといいと思います。

まだ認知症になっていないワンちゃんの飼い主様へ
ハイタッチをする男性とラブラドールレトリバー

職業柄、たくさんの認知症のワンちゃん、そしてその飼い主様と接してきました。ただ、ほとんどの場合、症状がひどくなって切羽詰まってからの来院になります。そうなってからだと、日々の介護も大変ですし、治療に対する反応も悪くなります。

予防的にまだ発症していないうちに、あるいはグレーゾーンを含めて症状が軽いうちに、様々な対応を始めてあげれば、発症しなかったり、ひどくなるのが先延ばしにできたりする可能性があります。

大事なことは日頃からワンちゃんをよく観察し、認知症の症状に早く気づいてあげて、かかりつけの獣医師に相談することです。まだ大丈夫などとは思わずに、できることから確実に対応してあげてください。

認知症が始まっているワンちゃんの飼い主様へ
人の手の上に置かれた犬の手

認知症は治りません。認知症のワンちゃんは体が丈夫なことが多いので、年単位で長く付き合っていかなくてはならないことも多いです。

介護が長期にわたると飼い主様の心身にも影響が出ます。休めるときはしっかりと休んで、もし可能であれば、一人で抱え込まずに家族や友人に話を聞いてもらうだけでも心が軽くなります。

また、動物病院で獣医師や看護士にも相談し、飼い主様にとってもワンちゃんにとっても最良の過ごし方を選択してあげてほしいと思います。
posted by しっぽ@にゅうす at 02:01 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

外猫が「飼い猫」になるまでの、ちょっぴり笑える人間との攻防戦とは

TRILL



猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。編集ディレクターの野辺真葵さんもその一人。あとで捨てようと思って、一旦ベランダに置いた空箱。その箱の中で気持ちよさそうに眠る猫を見つけた時は、運命の出会いとは思いもしなかったそうですが…。

長芋の箱の中で眠る猫
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出典:https://sheage.jp/article/46829
「ヤーン…」。子猫のようにか細く、控えめな声で鳴くのは「ぐり」(メス・推定6歳)。鳴き声と同じく性格も控えめで、気が優しいと話すのは、ぐりの飼い主であり、書籍編集などを手掛ける野辺真葵さんです。ぐりとの出会いは5年前。野辺さんがお父様と暮らす実家のベランダでのことでした。

「頂き物の長芋が入っていた空箱をベランダに出しておいたんです。数日後、カーテンを開けると、箱の中に謎のかたまりが!よく見ると、空箱に敷き詰められたおがくずにまみれて丸まって眠る猫でした。

面白い光景だったので記念写真は撮ったものの、近所の野良猫がたまたま通りかかって昼寝でもしているのだろう思っていたら、それから毎日来るようになって。朝、カーテンを開けるたびに、長芋の箱の中で、もうすでにくつろいでいる。

しかも、日に日に滞在時間が長くなって、1週間もすると日中ずっといるようになって。でも、私もですけど、猫の方も、まったくといっていいほど積極的に関わってこようとはせず。窓の外から家の中を見つめることも、鳴くこともなしに、ただただ寝ているだけでした(笑)」

出会いから3週間後の急接近
photo
出典:https://sheage.jp/article/46829
「小学1年生の時、子猫を拾って帰ったら、弟が喘息だから、うちで動物は飼えないと言われて以来、猫に限らず動物全般を気に掛けることも、愛でることもなく大人になったので、毎日猫が通って来ても、飼うという発想は湧いてきませんでした」

一向に縮まる気配のなかった距離感に変化があったのは、出会った日から3週間ほど経った頃。

「仲良くなれるかな?と思って、汚れてもいい古い学生ジャージを履いてベランダへ出て、猫が眠る箱の横にあぐらをかいて座ってみたんです。すると、何の迷いもなしに、私の足の間にやってきて丸くなったからビックリ。でも、触り方がよくわからないから、微動だにできず、しばらくそのまま一緒に日向ぼっこしました」

野辺さんと暮らすお父様もその頃から、「このままじゃ漫画家の大島弓子さんみたいになっちゃうね」などと言いながらも「猫の箱にタオルを敷いてあげた方がいいんじゃないか」、「煮干をあげてみたら?」と気にかけるようになり、小分けの猫エサを買ってきたりしはじめたと言います。

出会いからここまで約1ヵ月。窓越しから膝上へと距離を縮めて気づいたのは、猫の呼吸の不自然さでした。野辺さんはすぐに猫を病院へ連れて行くことにします。この猫がぐりと名付けられ、野辺家の一員になるまであともう少しです。

出会いによって救われたもの
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出典:https://sheage.jp/article/46829
野辺さんが人生で初めて飼うことになった猫・ぐりから教わったのは、「出会うべくして出会う」ということ。

「ぐりと出会う少し前に祖父を亡くし、同時に、今までしていた介護をする必要もなくなって。時間にも心にもぽっかり穴が開いたところへぐりが来てくれました。出会いのタイミングがズレて、介護の真っ最中にあったら、猫に気を止める余裕は無かったと思います。

それに、動物にはまったく詳しくなかったけど、ぐりの呼吸の異変に気付いて、病院に連れて行くことができ、大事に至らずに済んだのは、弟が小さい頃に喘息を患っていたから、知らず知らず人の呼吸を気にかけるクセがついていたからもしれなくて。必然的なタイミングで、必要な者同士が、出会うべくして出会えたのかなって」

出会いによって心を救われた野辺さんと、命を救われたぐり。身近な人との出会いを振り返り、そこにささやかな意味を見出す行為や時間は、人を優しくします。さて、次回は、ぐりが、野良猫から正式に飼い猫になった日のお話です。お楽しみに!

writer / 宇佐見明日香 photo / 筒井聖子

取材協力
編集ディレクター・野辺真葵
https://www.instagram.com/nobeema/
posted by しっぽ@にゅうす at 01:03 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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