犬は外飼いから室内飼いへ…
目を閉じて伸びをする犬
一昔前まで犬を飼うといえば、庭先や軒先につないで番犬として飼っていました。しかし近年は、犬も家族の一員という考えが浸透してきて、室内で飼うのが主流になっています。今やペット飼育が可能なマンションが増えたこともあって、小型犬のみならず大型犬も室内で生活するのは珍しいことではありません。
最近の犬の飼育本やインターネットの情報などを見ても、犬は室内で飼うように勧められていますが、その理由は犬に対する考え方が変わったからだけではありません。ほかにも、犬を室内で飼うべき理由があるのです。それでは、その理由を一緒に見ていきましょう。
犬を室内で飼うべき理由
笑顔で並んで座る赤柴と黒柴
理由@体調の変化に気づきやすい
室内飼いの場合、自然と犬と飼い主さんが一緒に過ごす時間が多くなるため、コミュニケーションやスキンシップが取りやすく、犬の体調の変化にも早く気づくことができます。
外飼いは、室内飼いに比べて一緒に過ごす時間が少ない分、コミュニケーション不足になりがちで、体調の変化になかなか気づけずに対応が遅れることがあります。
理由A気候や天候に関係なく快適に過ごせる
外飼いの場合、強い直射日光や雨風、寒暖差など気候や天候の影響を受けやすく、犬が体調を崩してしまうこともあります。特に夏場は熱中症、冬場は低体温症が心配されます。また、雨で濡れた犬をそのままにしておくと不衛生な状態になり、皮膚病を招くことも。
室内飼いなら、エアコンなどで湿度や温度を調整できるので、気候や天候に関係なく常に快適に過ごすことができます。
理由B寂しさを軽減できる
犬は元々群れで生活する、社会性のある動物です。そのため、基本的にひとりぼっちが苦手とされています。外飼いだとひとりぼっちの寂しさがストレスにつながり、庭のあちこちに穴を掘ってしまったり、無駄吠えをしてしまったりすることがあります。
室内飼いであれば、飼い主さんや家族と一緒にいられる時間が多いので、あまり寂しさを感じずに済むでしょう。室内飼いであっても、長時間の留守番が毎日続く生活は、犬のストレスの原因になるので注意が必要です。
理由C他者とのトラブルを避けることができる
犬を外で飼っていると、飼い主さんの知らないうちに他者に食べ物を与えられてしまったり、イタズラをされたりする危険性があります。もし犬にとって中毒性のある食べ物を与えられた場合は命に関わることもありますし、悪質なイタズラによってケガを負わされるかもしれません。室内で飼い主さんと一緒に生活していれば、こうしたトラブルを避けることができます。
理由D虫との接触機会を減らせる
室内飼いであっても、犬が虫に刺されたり寄生されたりする可能性はあります。しかし、外飼いに比べると室内飼いの方が虫と接触する機会が少ないです。
蚊に刺されて感染するフィラリア症や、ノミやマダニの寄生は予防薬を投薬することによって防ぐことができますが、ほかにも犬にとって危険な虫はいます。ハチ、ドクガ、ムカデなどは毒を持っており、犬が刺されたり触れたり咬まれたりするとかゆみや腫れ、ショック症状などを引き起こすので、外飼いの犬は要注意です。
外飼いをするならリスクを理解してから
犬小屋でくつろぐシェパード
ご紹介した犬を室内で飼うべき理由を見ると分かりますが、外飼いには、
✔体調の変化への対応が遅れるリスク
✔熱中症や低体温症になる可能性が高まるリスク
✔他者から食べ物を与えられてしまうリスク
✔他者からイタズラをされるリスク
✔虫に刺されたり寄生されたりする可能性が高まるリスク
など、様々なリスクが潜んでいます。犬を外飼いする場合は、こうしたリスクがあることをよく理解した上で、犬が安心・安全に過ごせる環境づくりをする必要があります。
まとめ
笑顔の家族とくつろぐゴールデン・レトリーバー
犬をどこで飼うかを決めるとき、室内飼いと外飼いの2つの選択肢がありますが、こうして犬を室内で飼うべき理由や外飼いに潜むリスクを見てみると、室内で飼った方が犬も飼い主さんも安心して過ごせるように思えます。愛犬にはどのような環境が適しているのかをよく考えて、飼う場所を選択してあげたいですね。
犬を室内で飼っていれば100%安全なのかと言うと、そうではありません。室内にも、犬にとって危険なものや場所は存在します。室内飼いであっても外飼いであっても、愛犬が安心・安全に過ごせるように、飼い主さんがしっかり環境を整えてあげましょう。