動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年04月28日

人類と狂犬病の果てしない戦い|なぜ今、狂犬病予防なのか


Yahoo! JAPAN



取材・文/柿川鮎子 写真/木村圭司


犬の飼い主さんのお宅には、狂犬病予防接種のお知らせの葉書が届く頃でしょう。「今年の分はすでにすませた」という声も聞こえます。法律で定められた飼い主の義務とはいえ、面倒に感じる人は多いでしょう。日本にはもう無くなってしまった病気なので、予防接種の必要性を感じられない人もいるはずです。約4000年前から人間を苦しめてきた狂犬病を知ることで、予防接種に対する重要性を新たに認識していただけたらと思います。

■ハムラビ法典にも定められた狂犬病対策
狂犬病についての最も古い記録は、紀元前2000年頃まで遡ります。狂犬病の歴史は人類の歴史とともにありました。紀元前1930年頃に発令された、エシュヌンナ法典では狂犬病の犬の飼い主に対して、管理と罰金を定めています。飼育している犬が狂犬になったら、飼い主は罰金を支払うこと。さらに、その狂犬が人を襲って咬み、それが元で死に至った場合、飼い主が遺族に銀貨で罰金を支払うよう命じています。

古代バビロニアのハムラビ王 (在位紀元前1729〜1686年)が定めた有名なハムラビ法典にも、狂犬病について定められていました。ハムラビ法典では狂犬に襲われて死に至った被害者や、犬の飼い主の加害者の身分によって、罰金や刑罰に違いを付けています。身分の低い奴隷は安く、貴族は高く定められていました。

人類と狂犬病の果てしない戦い|なぜ今、狂犬病予防なのか
ハンムラビ法典は196・197条の「目には目を、歯には歯を」が有名
紀元前300年代のギリシアでは、アリストテレス(紀元前384〜322年)が狂犬病について述べた記録が残っています。アリストテレスはプラトンの弟子で、ソクラテス、プラトンとともに有名な哲学者の一人ですが、自然研究分野でも大活躍していました。「万学の祖」とも呼ばれていたアリストテレスは、狂犬病が動物からの咬み傷によって起きる病気であると書き残して、人々に注意を促しました。

狂犬病を「恐水病」と名付けたのはローマの医学者ケルスス(25〜50年頃)でした。水を飲もうとすると、強い痙攣が起こって飲めなくなり、水を飲むことを恐れるため、ケルススは「恐水病」と名付けました。後年、音や風、光が感覚器官に刺激を与え、麻痺などを引き起こすので、「恐風病」と呼ばれていた時代もありました。ケルススは「医学論」の中で、咬傷部を焼く治療方法を提唱しています。

■猟犬を狂犬に変えた女神にちなんだ名前
狂犬病が今から4000年以上前から知られていたのにも関わらず、原因となるウイルスが初めて分離されたのはわずか100年前の19世紀の終わりでした。人類の歴史から見るとつい最近の出来事です。

細菌学者のロベルト・コッホ(1843〜1910年)により、狂犬病が目に見えない病原微生物により引き起こされることが明らかになりました。1885年、ルイ・パスツール(1822〜1895年)はジョセフ・マイスター(メイステル)少年に狂犬病ワクチンを接種して、発症を抑えることに成功。以後、狂犬病以外のワクチンの開発も、積極的に行いました。

コッホが明らかにした狂犬病のウイルスの名前が劇的です。ラブドウイルス科リッサウイルス属のレィビィスウイルスと、舌を噛みそうですが、この名前にも実に狂犬病らしい由来があります。ラブドウイルス科のラブドはギリシャ語の棒で、ウイルスの形状からつけられました。

リッサウイルス属のリッサは猟犬を狂犬にさせた女神の名前です。処女神アルテミスは水浴びしている姿を猟師アクタイオンに見られてしまいます。そこでアルテミスは猟師をシカに変えてしまい、さらにリッサに頼んで猟犬を狂わせてシカになったアクタイオンを襲い、殺して食べさせてしまうのです。リッサは実に狂犬病にふさわしい女神様でした。

レィビィスウイルスのレィビィスはサンスクリット語の「凶暴」という意味で、狂犬病を発症した肉食動物が狂暴化する様子を表していて、これもまた、狂犬病にピッタリです。

人類と狂犬病の果てしない戦い|なぜ今、狂犬病予防なのか
森の中で泉を見つけた猟師アクタイオン(右)は、そこが女神の水浴び場だとは知らなかった
長い間、人々の命を奪い、ようやく手に入れた対処方法がワクチン接種による予防です。発症したら治療は難しく、致死率は100%。現在も新薬を開発中ですが、今世紀中には難しく、もしかすると私達人類は、未来永劫、狂犬病と付き合っていかなければならないかもしれません。

農林水産省の資料によると、現在でも狂犬病による死亡者数は毎年約55000人。清浄国は日本、英国、豪州、ニュージーランド、スカンジナビア半島の国々などごく一部です。そして、人への感染の99%が、犬の咬傷によるものでした。

日本は幸い、数少ない狂犬病・清浄国ですが、いつ広まるとも限りません。海を渡ってくるネズミやコウモリ、寄港した船から捨てられる野犬・猫などから、狂犬病が広まる恐れもあります。それを阻止してくれているのが、毎年、予防接種に協力している犬の飼い主さん達でした。飼い主さん一人一人の地味な努力が、日本を狂犬病から守ってくれています。

文/柿川鮎子
明治大学政経学部卒、新聞社を経てフリー。東京都動物愛護推進委員、東京都動物園ボランティア、愛玩動物飼養管理士1級。著書に『動物病院119番』(文春新書)、『犬の名医さん100人』(小学館ムック)、『極楽お不妊物語』(河出書房新社)ほか。

写真/木村圭司
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犬猫マイクロチップ義務化へ 飼育放棄防止へ、ブリーダーらに義務付け

毎日新聞



捨て犬や捨て猫を防ぐため、自民党のどうぶつ愛護議員連盟(会長・鴨下一郎元環境相)は、個体識別用のマイクロチップの装着を犬や猫の販売業者などに義務付けることを柱とする動物愛護管理法改正案の骨子案をまとめた。野党を含む超党派の議員連盟と協議し、今国会での議員立法に向けて調整に入る方針だ。

 骨子案によると、マイクロチップの装着を義務付ける対象は、販売目的で犬猫を繁殖する「ブリーダー」などを想定。一般の飼い主から譲り受けたり、既に飼育していたりする場合は努力義務とした。
posted by しっぽ@にゅうす at 09:00 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【私のイチオシ】川崎市獣医師会・竹原秀行会長 動物の命 初めての悲しさ、将来決める

Yahoo! JAPAN



飼っていた動物が死んでも、それまで「悲しい」という感情を抱くことはほとんどありませんでした。もともと家が動物病院で、動物の死には小さな頃からたびたび直面していたからかもしれません。ただ、それが高校2年のとき、飼っていた犬が死に、突然ものすごく悲しい気持ちに襲われたのです。その犬だけに強い思い入れがあったというわけではなく、理由はよく分かりません。

 自分自身が成長して、物事を深く考えるようになっていたからかもしれません。ただ、その出来事が獣医師を目指す直接的なきっかけとなりました。「こんなに悲しいことなんだ」「多くの動物を救ってあげたい」と強く思うようになったのです。いま、社会が高齢化するなかでペットの役割が見直されています。

 一方で、飼い主が施設に入るなどして飼えなくなるという事例も増えています。動物愛護センターは「飼えなくなった」という単純な理由では引き取れません。次に飼ってくれる人を探す、動物の命をつなぐという行政の考えに、獣医師会も同調しています。社会における動物の地位向上が、結果的に人間社会も豊かにすると考えています。

 【メモ】昭和26年生まれの67歳。東京都出身、4歳から川崎市川崎区で過ごす。日大農獣医学部卒。渡米などを経て、53年に父の竹原獣医科を継ぐ。平成23年から川崎市獣医師会会長。「ペットとともに避難する取り組みに力を入れている。東日本大震災ではペットを探すために命を落とした事例があり、後から探しに行くのも大変な労力だ。ペットと一緒に逃げることが人のためにもなる」
posted by しっぽ@にゅうす at 08:59 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

無断で所長の認め印を使用、家庭用品など購入…自宅に持ち帰る さいたま市動物愛護センターで職員が不正

埼玉新聞



さいたま市は25日、同市桜区神田の市動物愛護ふれあいセンターで、職員が不正に所長の認め印を使って消耗品を購入していたことが分かり、現在、購入品や金額などを調査していると明らかにした。

 同センターなどによると、今年1月、昨年4月から12月までの消耗品購入の記録を精査したところ、同センター所長が決裁した記憶のない「支出負担行為兼支出命令書」が約30枚あることが発覚した。

 同書類は市内小売店で後払いで品物を購入し、店からの請求書と納品書と共に、所長の認め印を押して決裁するための書類。職員の1人が所長不在時、無施錠だった所長の机の引き出しから無断で認め印を取り出して押印し、不正に書類を作成して公費を支出させていた。

 購入したのは家庭用品、事務用品、日用雑貨などで、業務に必要とは考えにくいものだという。

 不正に書類を作成した職員が1人、購入した品物を自宅に持ち帰るなどした職員も別に1人いることが判明しており、この2人は管理職ではない正規職員だという。同センターは現在、警察と相談し、購入品の詳細や金額、他にも不正に購入した品がないかを調べている。

 同センターの太田伸所長は「市民の皆さまの信用を失うことが起こってしまい、大変申し訳なく、責任を感じている」と謝罪した。

posted by しっぽ@にゅうす at 08:58 | 行政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

殺処分直前に引き取り手が!全米が心配した人気者の野良犬

Yahoo! JAPAN


【もぎたて海外仰天ニュース】

 ネット上で“人気者”の野良犬が、殺処分される直前に引き取られることが決まり、安どが広がっている。

 米FOXニュース(4月24日付電子版)などによると、米テネシー州で3月26日、メンフィス動物保護施設(MAS)に「オリバー」という野良犬が保護された。

 オリバーはどういうわけか、いつもエサを入れる容器をくわえていた。人に馴れていて、非常に賢いことから、人に飼われていたと推測された。

 MASは3月27日、引き取り手を求めてフェイスブックに、オリの中で容器をくわえたオリバーの写真を投稿したところ、ネット上で「かわいい!」と話題に。

 しかし引き取り手は現れず、オリバーは4月10日に殺処分されることに決まった。

 それを知った「ウィルソン・ロージー&ピックル・ピート」というハンドルネームのフェイスブック・ユーザーが4月9日、やはりフェイスブックにオリバーの写真を投稿し、オリバーが翌日、安楽死処分されるので、「誰か引き取ってほしい」と訴えた。

 この訴えが功を奏し。処分直前に引き取り手が現れたのだ。

「ウィルソン・ロージー&ピックル・ピート」さんは、「みんな、やったよ! 本当に最後の瞬間に引き取り手が現れたそうです! MSAから投稿をアップデートしてほしいとの連絡がありました! 間違いありません!」と最初の投稿を更新した。

 さらにMASは4月18日、次のような記事を投稿した。

「オリバーの記事を投稿したり、シェアしてくれた皆さん、ありがとう。世界中の人々がこの子のことを好きになりました。この2人が今日、オリバーを引き取りに来てくれました。もちろん容器も一緒です!」

 写真は投稿に添えられた引き取り手とオリバーだ。

 このハッピーエンドに、喜びと安堵のコメントが、両方のフェイスブックに殺到している。

 本当に良かった……。
posted by しっぽ@にゅうす at 01:03 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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