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2019年06月09日

東毛地域の住宅で多頭飼育崩壊を確認 ネコ105匹に去勢・避妊手術 群馬の動物愛護NPO法人

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群馬県の動物愛護団体NPO法人、群馬わんにゃんネットワーク(高崎市、飯田有紀子理事長)は28、29両日、東毛地域で多数のネコを飼う民家から59匹を運び出し、去勢・避妊手術をした。既に施術した46匹と合わせると計105匹。同団体が把握した県内最大規模の多頭飼育という。飼い主一家は餌や水を与え、ネコへの愛情もあるが、数が増えすぎて飼育環境は“崩壊”していた。

◎悪意なしも責任感じず 「アニマルホーダー」可能性も
 室内を無数のネコが縦横無尽に駆け回る。住人の生活空間でありながら、毛が散乱して独特の臭気が立ちこめている。爪を研いだ障子の木枠はぼろぼろだ。

東毛地域の住宅で多頭飼育崩壊を確認 ネコ105匹に去勢・避妊手術 群馬の動物愛護NPO法人
亀田さんの去勢手術を受けるネコ
 会員は1匹ずつ抱えてケージに入れた。近くの福祉施設の一室を借りて運び込み、ふー動物病院群馬分院(藤岡市)の亀田博之さんが施術して翌日に返した。

 飯田理事長によると、飼い主は「雌雄で部屋を分けている」と説明するが、実際にはネコは近親交配を重ねて数を増やし、異常な状態で生まれたり、生後すぐに死んだりすることもあった。

 端緒となる情報は今年1月、地元のボランティアから寄せられた。県央地域のペット禁止の公営住宅に住んでいた一家は、拾ったネコを増やして悪臭などで退去させられ、ネコと共に転居してきたとみられる。

 1匹1匹にはかわいらしい名前が付けてあった。飼い主は当初、手術することも、手術済みか区別するための耳の切り込みも「かわいそう」と拒んだ。ネコが好きで悪意はないが、生き物を飼う責任は感じていない様子だったという。

 世話できる数を超えても動物を飼わずにいられないといった特徴から、米国精神医学会が精神疾患とみなし全国で類似例がある「アニマルホーダー」に当てはまると飯田理事長は推測する。その上で、「自覚しにくく、周りが気付くしかないが見つかりにくい。ネコのせいではなく人間の問題だ。防ぐには福祉や医療、行政、地域住民も関心を高める必要がある」と指摘している。
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ペット介護 つらいけど 寿命延び「老老」に サービスは高額

西日本新聞


医療の進歩や餌の品質向上により寿命が延びる中、高齢になったペットをどう介護するか、飼い主が頭を悩ませている。介護サービスは増えているものの費用がネックになるなど、気軽に利用するにはまだまだハードルが高い。飼い主側も高齢の「老老介護」では、状況はさらに厳しくなる。家族の一員であるペットの最期に寄り添うのは、簡単ではないようだ。

 苦しむ姿見ると

 ある女性(57)はフルタイムの仕事をしながら、夫(58)と飼い犬を自宅で介護する。愛犬は13歳。腎臓の病気などで2カ月前、完全に寝たきりになった。

 体に針を刺し、点滴を打つ。毎日必要だが、動物病院では1日4千円かかるという。自宅なら500円で済ませることができ、2人で方法を学んだ。

 床擦れ防止のため、夜中でも数時間おきに寝返りを打たせる。体重は15キロ。シャワーや通院など、力仕事は多い。日中に世話する人はおらず、床に敷いたシーツに排せつさせている。

 自宅で飼えなくなった犬を預かる「老犬ホーム」は、環境の変化でストレスがたまるのが心配で、入れたくないと思う。ただ、夜中に発作で苦しむのを見ると、やりきれない。動物病院に安楽死を頼むことも頭をよぎる。「せめて、安らかに逝かせてあげたい」

 病気や認知症で

 一般社団法人「ペットフード協会」(東京)が昨年、飼い主などに行った調査では、平均寿命が犬は14・29歳、猫は15・32歳でともに人間なら70代半ば。人と同じで病気や認知症、寝たきりが目立つようになった。

 調査では、飼い主が年を取った際のニーズとして「飼えなくなったときの受け入れ施設の提供」「老化したペットの世話」が上位に挙がった。これに沿うように、ペット向けの介護サービスは増えている。

 環境省によると、全国の老犬ホーム数は2013年の20施設が、昨年4月は138施設に増加。日帰りで預かる「デイケア」、飼い主の自宅を訪れてケアをする「訪問介護」も増えている。困った飼い主と、介護サービス事業所を仲介するインターネットサイトもある。年を取った人がペットと一緒に入居できる高齢者施設も建設されている。

 福岡県春日市の「動物医療センター春日」は10年ほど前、自力で動けないペットのためのリハビリセンターを開設した。デイケアのサービスもあり、1年間ほぼ毎日通う犬もいる。佐藤良治院長(69)は「病院の外来と入院も老齢のペットが3分の1に上る」とニーズの高まりを感じている。

 資金面の備えを

 ただ、介護サービスの費用負担は重い。地域や犬のサイズで異なるが、老犬ホームは年間60万〜70万円、デイケアは1日3千〜5千円ほどとされる。こうしたサービスを利用できない場合、高齢のペットは引き取り手を探すのも難しく、保健所に持ち込まれて殺処分される例が珍しくない。

 13年度施行の改正動物愛護管理法は、ペットが亡くなるまで適切に飼うことを飼い主の責務としたが、福岡市東区にある東部動物愛護管理センターの吉柳善弘所長(49)は「夜鳴きの世話や医療費負担が苦になり、疲れ切って持ち込む人は多い」と明かす。

 病気や介護、そしてみとり。つらい局面が訪れるのは人だけでなく、ペットも同じだ。福岡県新宮町の「いぬのケアハウス シェリーFukuoka」を訪ねた。年齢を問わず通えるデイケアがあり、高齢犬の入居も受け付けている。夜鳴きがひどくなり、飼い主が眠れず追い込まれて預けた犬がいた。ここに来る前の床擦れなのか、皮膚がむけてしまった犬もいた。目が見えないのか壁にぶつかり、ふらつきながら歩く犬も…。こうした高齢犬の姿にいたたまれなくなり、つい目を背けてしまった。共に過ごした家族の老後を、飼い主はどう支えればいいのか、考えさせられた。

 一般社団法人「老犬ホーム協会」(熊本県菊池市)の緒方心代表理事(42)は、治療や介護に費用がかかることを理解し、資金面などの備えをしておくよう呼び掛ける。「飼い主は動物病院や介護サービス事業所など、相談できる場所を日頃から見つけておいてほしい。飼い主同士が資金を出し合う互助会組織や民間保険など、飼えなくなったときに対応する仕組みも必要だ」と訴える。
posted by しっぽ@にゅうす at 04:00 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

どんな行為が動物虐待になるの?見かけたらどうすればいい?

ネタりか



「動物の愛護及び管理に関する法律」とは
フセをする犬の横顔(モノクロ)

動物虐待とは暴力を振るうことだけを指すわけではありません。犬をはじめとした生き物、哺乳類や鳥類、爬虫類などの動物への虐待を防止するための「動物の愛護及び管理に関する法律」という法律が制定されており、その中では暴力以外の様々な行動が虐待に当たると定めらています。

この法律は昭和48年に「動物の保護及び管理に関する法律」という名称で制定されたもので、動物愛護の考えが根付いていない時代に、動物の生命を尊重すると同時に、動物を適正な取り扱いをすることによって人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することが目的だったようです。

その後、動物をペットとして飼育する家庭が徐々に増えるとともに、何度か法改正を行い平成11年には現在の「動物の愛護及び管理に関する法律」に法律名が改められました。

この法律の基本原本には「動物には命があり、みだりに苦しめることのないようにするだけでなく、人と動物の共存に配慮し、習性を考慮して適性に取り扱うこと」という内容が記されています。動物が好きな人が見ると当たり前のことのように感じるのですが、ペットを飼われる世帯が増える一方で動物虐待がなくならないのも現状です。

動物虐待とは?
バットを持つ男性と犬

動物虐待とは動物に不必要な苦痛を与える行為。殴る、蹴るなどの暴力だけでなく、精神的な苦痛を与えることも虐待行為になり、意図的虐待(積極的な行為)とネグレクト(やらなければならない行為をやらない)のふたつに分かれています。

意図的虐待(積極的な行為)
殴る蹴るなどの暴力を加える、また熱湯をかけるなど身体に外傷が生じてしまうような行為。また恐怖心を与えて心理的に抑圧する行為も含まれます。

ネグレクト(やらなければならない行為をやらない)
基本的にはペットのお世話をしないこと。健康管理をしない、病気なのに病院で診てもらうなどの処置をしない。生活環境は劣悪で食事や水も与えないことなどを指します。

どんな行為が動物虐待になるの?
痩せた犬

よそのお家で飼われている犬や猫などの動物や、ペットショップのケージに並んでいる動物が虐待されているかどうか確認するのは難しいですよね。具体的にどんな行為が動物虐待になるのかご紹介していきますので、このような行為が見られた時は通報も考えましょう。

一般家庭
✔食事が不十分で骨が浮き上がるほど痩せている
✔餌が腐敗している、固まって食べることが出来ない状態になっている
✔餌や水のみ用の器が汚れたまま
✔被毛の手入れがされず長毛種の犬や猫が毛玉だらけになっている
✔爪が異常に伸びている
✔排泄物の処理がされず飼育環境が不衛生で悪臭がする
✔ケージに閉じ込めたままでお散歩に行っている様子がない
✔首輪がきつすぎる
✔リードが短すぎて身体に負担がかかっている
✔怪我や病気を放置されている
✔暴力を振るわれ傷が耐えない

動物取扱業者など
✔ケージが狭く餌と排泄物が放置されている
✔つねに水が飲める状態になっていない
✔餌を適切な回数を与えていない
✔ケージ内の清掃を怠っていると共に悪臭がする
✔動物自体の身体が汚れすぎている
✔病気や怪我の治療を受けさせていない
✔狭いケージ内で動物を過密に飼育している
✔多頭飼育で飼育環境が不衛生になり悪臭がする
✔店内が騒がしく、照明も明るすぎて動物が休めない
✔体調不良な動物をふれあい体験などに使用している
✔出産後、母体が回復するのを待たすに繁殖を繰り返している

これらは環境省から飼育改善指導が必要な例、また虐待に該当する可能性があるとして発表されているものです。なかには確認するのが難しいものもありますが、少しでも心当たりがある方は通報も考えてみてよいと思います。

見かけたらどうすればいい?
電話の子機を咥える犬

動物への虐待行為を見つけた時は、やはり通報するのが1番です。一本の通報で救える命があるはずです。

虐待している家や人が確認できている場合
近隣のお宅やお出かけ先で虐待している家を見つけた時は、その家の管轄内の警察か保健所に通報しましょう。警察や保健所は通報を受けたのち、動物を虐待している家に行き飼育環境を確認する義務があります。

飼育環境が好ましくないと判断された場合、飼い主に状況の改善の勧告や命令が行われます。改善が見られない時は罰金の支払い命令、または動物を引き離す処置がとられます。

虐待している家や人が確認できていない場合
インターネット上やSNSのちょっとした動画などでも動物虐待を見つけた時は通報することが出来ます。 この場合はサイバー警察に通報することになります。サイバー警察とはインターネットなどを使用したハイテク犯罪を取り締まる警察です。各都道府県別に連絡先が異なるので、お住まいの地域の連絡先に通報しましょう。

まとめ
色々な動物

通報する際に必要になってくるのが通報者の氏名や住所、連絡先。また虐待している家の住所や虐待内容、動物の種類になります。通報しても警察や保健所は誰から通報があったのかは、相手に伝える事は絶対にありませんのでそこは安心してください。

ごく普通のご家庭で幸せに飼われている動物でも、自由気ままに食べることやお散歩に行くことが許されないのがペットですよね。人間の手助けがないと生きていくことすら出来ない犬や動物達に虐待するなんてあまりにむごすぎます。少しでも多くの動物達が幸せな環境で過ごしていけるよう協力したいですね。
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獣医師としておすすめする猫の避妊・去勢手術 喧嘩ばかりしていた小鉄君の場合は…

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幼い猫を飼い始めて動物病院へ連れて行くと、生後半年くらいまではおよそ決まったプログラムで診療が進められます。最初は、からだ全体の異常の有無をチェックし、先天性の心臓疾患や口蓋裂(鼻の孔の奥と口の間を仕切る板に割れ目があること)がないかのチェックもします。それから、飼い方指導、ごはんのお話のほか、ワクチンを複数回投与します。生後4〜5カ月齢を迎えると、乳歯から永久歯への生え変わりが問題なく終わるのを確認してから、避妊・去勢手術をおすすめる…という流れです。

【写真】喧嘩をして顔をけがしている小鉄君。アメフト選手のように包帯を巻いています

 その後は、ワクチン接種などを除き、健康であれば動物病院へは用事がありません。犬は、病気でなくとも毎年春には、フィラリア予防薬の処方や狂犬病注射を打ちに、動物病院へ行く用事があるのですが…。

 避妊や去勢手術には賛否両論があるようですが、動物病院の獣医師としては、200%!しておくことをおすすめいたします。『元気な子にメスを入れるなんて…』とおっしゃる方がおられますが、元気なうちに行っておくことで、高齢になるとかかるかもしれない厄介な病気を予防できます。『自然なからだで生かしてあげたい…』とおっしゃる方もおられますが、そもそも人間社会の中で一緒に生活を送ること自体が、自然ではないと思います。人間同様に、お年ごろになれば異性に興味を持ちます。その時に、彼女(彼氏)が見つけられるでしょうか?難しいと思いますし、その様な気持ちは抑えてあげなければストレスとなります。

 猫の場合は、避妊・去勢手術をしていないと、春に発情して家の外に飛び出し交通事故に遭ったり、雄猫は彼女の取り合いで喧嘩をして、ケガをしたりします。雌猫が外に出ると、望まない妊娠をしてしまうこともかなりの確率であります。そうなっては困るので、獣医師の説得に応じて避妊手術をされる方が多いのですが、雄の去勢手術は、希望されない方が多い気がします。特に…男性の飼い主さんが頑なに去勢手術を拒むことが多い印象ですが、なぜでしょうか?

 私は動物病院に10年以上勤務してきて、犬や猫で『小さい頃に避妊・去勢さえしておけば、こんな辛い思いをせずに済んだのになぁ…』と思うことがしばしばあります。

 『小鉄君』は2009年生まれで、今年10歳になる白黒柄の雄猫です。当初は去勢されておらず、田舎で飼われていたので、外にも出かけることが許されていた猫でした。そのため、しょっちゅう喧嘩をして、前肢や顔や背中を咬まれて膿んでしまい、そのたびに病院へ連れてこられていました。飼い主さんも慣れたもので、当初は喧嘩して腫れるたびに病院へ連れていらっしゃいましたが、そのうち動物病院での治療方法を習得され、軽傷の場合には自宅で手当てをなさることもありました。

 ある時は顎に大きな膿瘍(膿が溜まったふくらみ)が出来ていたため、切開して傷の洗浄に何日か通っていただき、傷がきれいになったところで、医療用ステープラーで縫合して帰られました。それなのに小鉄君は、その翌日には再び大喧嘩してステープラーを全部外し、傷口が開いたままで自宅に帰ってきました。小鉄君はそんな、喧嘩っ早い猫ですが、首輪にはなぜか可愛らしい赤いイチゴの形の鈴がついていました。そして、我々が傷の手当てをする時には、じっと痛みに耐えておとなしくしていて、『先生、すまんこってす…』とでも言ってるようでした。

 私はそんな小鉄君の膿瘍の治療をするたびに、『去勢をすれば今ほど喧嘩しなくなるので、小鉄君の健康のためにもなります。手術にはちょっとお金はかかりますけど、結果的に喧嘩によるケガの治療代より安くつきますよ。』とお話していました。そして、2年前に…ついに、小鉄君の去勢手術をすることになりました!いつものように、小鉄君が喧嘩して左耳を咬まれ、膿が出て顔がドロドロになって来院した時、傷の洗浄をするために全身麻酔をかけなくてはならなくなりました。あわせて同時に去勢しては…という提案に、ついに飼い主さんが同意されたのです。

 手術は問題なく終わり…そしてその後、小鉄君は急速に喧嘩に興味がなくなっていきました。外にほとんど出なくなり、体重は4・4キロから5・3キロに増え、いつも険しい顔つきだったのが温和な穏やかな顔になりました。もう、喧嘩をして膿瘍を作って動物病院へ来ることもなく、お昼寝ばかりの、平和な日々を送っています。でも…小鉄君にとっては、いったいどちらの生活が良かったのでしょうか?私はもちろん、猫の飼い主さんには『去勢して室内で飼ってあげてください。』と申し上げておりますが…。小鉄君は何も語りません。私は動物病院でしか小鉄君に会えないので、ちょっと寂しいです。

(獣医師・小宮みぎわ)

◆滋賀県近江八幡市で動物病院「キャットクリニック〜犬も診ます〜」を開く獣医師の小宮みぎわさん。診察で出会ってきた動物たちとの思い出を紹介します。
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11才の愛犬が「がん」に。飼い主さんが、放射線治療を選んだ理由

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この特集では、難病や障がいをもった愛犬と暮らしている飼い主さんの、闘病や暮らしの様子をレポートします。今回ご紹介するのは、11才のときに、鼻のがんと診断されたラッキーくん。飼い主さんがリスクの高い放射線治療に踏み切った経緯や、治療中、治療後の経緯をご紹介します。

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11才の愛犬が「がん」に。飼い主さんが、放射線治療を選んだ理由
Dさん・Tさん夫妻と暮らすラッキーくん。11才のときに、鼻のがんと診断されました。
愛犬の白いベッドに、点々と鼻血が……
ラッキーくん(オス・12才/ウェルシュ・コーギー・ペンブローク)は2016年12月、11才のときに鼻のがんと診断されました。目が充血し、顔の右側が腫れて熱をもち、元気がなく、触ろうとすると嫌がります。かかりつけの獣医師に診てもらうと「鼻のがんの可能性が高い」と言われ、すぐに全身麻酔で検査。「鼻のがんはやっかいだから……、鼻は……」という先生の言葉から、飼い主のTさんは「ラッキーの命はもう長くないのかもしれない」と思ったそうです。


思い返せば2016年に入ってから、クシャミと鼻水が増えたというラッキーくん。夏には右目だけ充血し、抗生物質の投与でよくなったものの、冬にはクシャミと同時に鼻血が出て、白いベッドに血が飛び散った跡が。Tさんは胸騒ぎがして、かかりつけの先生のところに駆けこみました。

検査の結果は、「鼻腺がん」という鼻のがんでした。ラッキーくんの場合、放射線治療しか方法がなかったため、数日後には住んでいる地域で数少ない、放射線治療を行う紹介先の大学の動物病院を受診。担当の獣医師から説明された放射線治療のリスクは、「右目が失明する可能性が高いこと」と、「がん細胞が増殖する可能性があること」、「副作用とラッキーくんの体力によっては、治療を途中で中止せざるをえない場合もある」ということでした。

すでにかかりつけ医から説明は受けていたものの、改めて大きなリスクを突きつけられて動揺するDさん・Tさん夫妻。とはいえ、すでにがんが進行しているため、猶予もない――。「ラッキーと1日でも長くいっしょにいたい」、夫妻はリスクよりも延命を希望し、放射線治療を受ける決断をしました。

そのころラッキーくんの住む地域は雪深い季節。自宅から大学の動物病院まで、毎週往復400q車を走らせて治療に通うのは難しく、入院をお願いしました。

治療をしても生存率は50%……飼い主さんの選択は
ラッキーくんを襲った「鼻腺がん」とは、鼻の粘膜などにある、鼻水をつくる腺細胞のがんです。初期症状はクシャミで、しだいに鼻血が出ます。早期発見が難しく、診断時にある程度進行しており、完全治癒は困難。進行すると鼻の骨を溶かして顔面が変形したり、鼻と脳を隔てる骨を壊して脳に浸潤します。鼻の構造の複雑さと、脳に近いため完全に切除する難しさ、治療成績などから外科手術よりも放射線治療が優先されることが多いです。ただ、放射線治療を行っても1年生存率は約50%と言われています。

11才の愛犬が「がん」に。飼い主さんが、放射線治療を選んだ理由
失明してからは積極的に散歩に出る機会は減ったものの、体調がいいときは散歩に出ることも。左目で光を感じながら、比較的まっすぐに歩きます。
放射線治療は成功したものの、食い止められるのは約1年との予測
Dさん・Tさん夫妻がリスクの高い放射線治療に踏み切ったのは、理由がありました。それは、2011年3月に起きた東日本大震災です。津波で家を失い、今までの暮らしが一変。すべてが落ち着くまで長い道のりを歩んできました。そして、ご主人のDさんに新しい仕事が決まり、これから新しい生活が始められるというタイミングで、ラッキーくんのがんが発覚。

「やっとスタートを切れると思った矢先だったので、ラッキーがいない生活は考えられなかったのです。たとえ失明しても、一日でも長く私たちといっしょに生きてほしい。ただ普通に暮らしたい。そのためにはやるしかないんだなって」(Tさん)

放射線治療は週1回、全身麻酔をかけて行われました。初回の照射後に腫れ、がん細胞の増殖が心配されたものの、腫れが引いてひと安心。また、先生からは「放射線を当てた部分は毛が抜けて顔が変わるから、徐々に変わっていく姿を飼い主さんは見たほうがいいと思う」と言われ、夫妻はたびたび面会に訪れました。

予定していた4回の照射を終え、約1カ月半後に退院。ただ、先生からは「がん組織が小さくなっても細胞レベルでは残ってしまうのと、残ったがんを抑えこむことが年齢的に難しいケースも多いので、食い止められるのは1年くらい」と言われたといいます。

11才の愛犬が「がん」に。飼い主さんが、放射線治療を選んだ理由
現在、右目が見えないラッキーくん。しかし「ミテ」と言うと、飼い主さんがいるほうを向きます。子犬のころしつけをがんばったおかげで、失明してもコミュニケーションがとれるのです。
退院後、3カ月で鼻に異変が……
退院後は、何事もなく過ごしていたラッキーくん。ところが3カ月ほどたった6月頃、鼻水が出始めました。このときはただの鼻水と思い、深刻にはとらえていませんでした。しばらく元気でしたが、秋ごろには徐々に眼圧が高くなり、臭い鼻水が。10月中旬には、頭をなでようとすると嫌がり、威嚇するようになってしまいました。

「放射線治療を終えたという油断と日々の忙しさに追われつつも、生きてほしいと必死になり強い薬を飲ませた結果、副作用で元気も食欲もなくなり……。もっと寄り添ってあげればよかった」(Tさん)

辛い放射線治療を乗り越えたにもかかわらず、再び不調におちいってしまったラッキーくん。「再発」という2文字が、飼い主さんの脳裏をよぎったのは、想像に難くありません。次回は、その後のラッキーくんの現在の状態と暮らしぶりについて紹介します。

出典/「いぬのきもち」2019年1月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
写真/佐藤正之
いぬのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 01:00 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする