動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年06月18日

100匹殺しても器物損壊…猫50匹以上殺害の容疑者 罰則はないのか?小川泰平氏が解説

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飼い猫を盗んだ窃盗容疑で逮捕された富山市の無職・新村健治容疑者(52)が、目撃情報を元に訪ねてきた動物保護グループらに対して「50匹から100匹の猫を殺した」と告白した動画が報じられて衝撃が走った。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は17日、デイリースポーツの取材に対し、今月12日の参院本会議で動物愛護法の改正が可決、成立したことを受け、「動物虐待には罰則が強化されたが、まだまだ納得のいくものではないとの声も多い」と解説した。

【写真】里親に「わたしも飼って」と視線のビーム

 富山県警によると、新村容疑者は5月19日に富山・射水市内の路上で飼い猫1匹を盗んだ疑い。逮捕前、自宅でスタッフらの問いに対し、1年以上前から猫を連れ去って自宅に監禁し、殺害の手口として「お湯をかけた」と明かした。「苦労して捕まえたので、すぐ死んだら面白くない。(苦しんで)ニャーニャー鳴いとるのを聞いて楽しんどった」と語り、動機を問われて「ストレス発散」と返答。スマホには「猫を殴る」「猫蹴る」といった検索履歴があった。

 小川氏は「警察はこの容疑者から数回にわたり任意で事情を聴いていた。発表で容疑者の名前を出したのは、手袋をし、遠方まで出かけていた計画性など、また事情聴取の結果、心神喪失状態ではないと判断したからでしょう」と解説した。

 今後、容疑者はどのような罪で起訴されるのだろうか。小川氏は「猫の転売が目的なら窃盗で起訴されると思いますが、目的(殺傷)が違うので、動物愛護法違反または器物損壊罪になる可能性が高い」と解説。猫などペットは飼い主にとってかけがえのない“家族”だが、法律上は“物”とみなされる。飼い主にとっては“拉致”であっても窃盗罪であり、殺傷されても器物損壊罪(3年以下の懲役または30万円以下の罰金)なのである。

 小川氏は「日本の場合、人間を2人以上殺すと極刑(死刑)が待っていると言われますが、動物の場合、50匹だろうが100匹だろうが、法律の限度の上はいかず、初犯なら執行猶予の可能性が高い」と説明。同氏は「動物愛護法には『殺傷』という項目があります。これまで動物を殺傷した場合は『2年以下の懲役または200万円以下の罰金』でしたが、今回の改正で『5年以下の懲役または500万円以下の罰金』に引き上げられた。現状で一番重い。飼い主さんからすれば、それでも足りないと思いますが…」と同法の1日も早い施行を願った。

 同法改正について、小川氏は「原則、動物虐待に関しては公布から1年以内に施行するが、マイクロチップの義務化は3年以内、『56日』規制(生後56日以下の犬猫の販売禁止)は2年以内の施行となる」と補足した。

 SNSでは「『物』ではなく『命ある家族』。罰金や執行猶予で片付ける話じゃない」など、法律に違和感を示す意見も。米カリフォルニア州では2015年に21匹の猫を虐待死させた男に懲役16年の実刑判決が下された。国や地域によって、大きな違いがある。

 小川氏は「子猫や子犬といった“弱者”を狙う者は、動物からエスカレートして人間の子供に危害を加えることもありうる」と、さらなる“被害”の可能性にも注意を促した。
posted by しっぽ@にゅうす at 09:25 | 法律 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

確保が困難な「ペットの献血」最新事情、謝礼はある?

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6月14日は「世界献血者デー」。事故や病気の手術、貧血の原因となっている病気の治療などで、猫や犬も輸血を必要とする時がある。ところが人間に比べ、ペットの血液の確保は難しいよう。

 愛猫・愛犬がいつお世話になるかわからない輸血のための“ペットの献血”。その現状をレポートします。

 人間の場合、全国各地に日本赤十字社の血液センターがあり、緊急時も安定して血液が確保できるよう、献血システムが確立している。

 しかし、動物医療向けとして、今の日本にそういったシステムはない。そのため、輸血に必要な血液は、病院ごとで用意せざるを得ないと、日本動物高度医療センターの獣医師・石川武史さんは言う。

「輸血医療は、ペット同士の献血協力により成り立っています。ところが近年、充分な血液を確保するのが困難な状況が続いています。当院でも、随時献血に協力してくれる犬や猫を募集しています」(石川さん・以下同)

 かといって、どんなペットからも献血できるわけではない。病院ごとに献血可能な採血基準があるという。日本動物高度医療センターで献血してもらう猫の場合は、年齢1〜7才、体重4kg以上、混合ワクチン接種を毎年受けている、輸血を受けたことがない、妊娠・出産の経験がない、猫免疫不全ウイルスなど血液媒介性の感染症にかかったことがない、などの条件がある。

 猫の場合、1回の採血量は体重1kg当たり10mlなので、30〜50mlぐらいは採血することになる。

「衛生かつ安全な血液の確保のため、まず採取する首筋付近の被毛を剃り、消毒します。採血中はじっとしてもらうのが理想ですが、猫の場合は難しいので、鎮静薬を投与することが多いです」

 採血時間は15〜30分程度。献血で得た血液は、犬に比べて長期間の保管が難しく、また慢性的な血液不足のため、すぐに“患者”へ輸血されることが多いという。

手術などで輸血が必要になった場合、飼い主の知り合いの猫や、動物病院のスタッフが飼っている猫に協力をお願いすることも。また、輸血するための「供血猫」を飼っている病院もある。

また、動物にも“血液型”はある。

「猫はA型・B型・AB型の3種類に分類でき、特に多いのがA型です。アメリカの統計によると、短毛の雑種猫の96〜99%がA型で、アメリカンショートヘアに至っては100%がA型です」

 輸血に品種は関係ないが、B型の猫にA型の血液を輸血すると致死的な溶血反応を起こす可能性があるという。万が一に備え、事前に動物病院で、愛猫の血液型は調べておいた方が安心だ。

 基本的に献血はボランティアとなる。謝礼はないが、献血時に身体検査や血液検査も実施されるので、ペットの健康状態がわかる。さらに病院によっては、ワクチン接種や寄生虫予防などのサービスを受けられる場合もあるという。

「当院では、身体検査や血液検査のほか、必要に応じて爪切りなどのケアを行っています。献血して帰宅された後に体調が変化していないか確認の連絡をするなど、献血に協力してくれた猫たちのアフターケアも怠りません」

 今後、ペットの高齢化はますます進むと予測されている。そうなると、輸血が必要となるケースも増えるだろう。命をつなぐため、献血への協力は積極的に行った方がいいかもしれない。気になる飼い主は、かかりつけの動物病院に申し出てみよう。

なお、日本動物高度医療センターでは、献血ドナー登録をすると、年2回の定期採血が行われる。猫の献血可能体重は4kg以上だが、犬は1回で少なくとも150〜200ml程度の採血が必要なため、体重15kg以上の大型犬が対象となる。

※女性セブン2019年6月27日号
posted by しっぽ@にゅうす at 09:24 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

元野良猫だった17歳のシニア猫、若い雄猫と暮らしはじめて食欲が復活

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神奈川県に住む志村さん夫妻は、結婚前から奥さんが2匹の保護猫を飼っていたこともあり、猫が大好き。縁あって野良猫の茶々丸くんを飼い始め、14年後、オークション会場でレーンに乗れなかったバーミーズというブランド猫を迎えた。

【写真】眠気には勝てないのニャ

 茶々丸くんは、もともとは野良猫だった。東京都の、ある病院の敷地内に野良猫が集まるところがあって、茶々丸くんはそこにいたのだ。2004年の春、保護主さんは、当時2歳くらいだった茶々丸くんが人懐っこく、近づいても逃げようとしなかったので、抱っこして保護した。

 ところが、保護主さんが飼っていた先住猫と茶々丸くんの相性が悪く、喧嘩をするので、一緒に飼うことができなくなってしまった。困った保護主さんは、知り合いに相談して茶々丸くんを預かってもらったのだが、人の縁がつながって志村さん夫妻に茶々丸くんを飼ってくれないかと相談があった。

 志村さんは、その時、結婚前から奥さんが飼っていた2匹の猫と暮らしていた。1匹はチンチラ猫だったが、奥さんがペットショップでアルバイトをしていた時に、お客さんが買った猫だった。ところが1年後、そのお客さんが「やっぱりいらない」と猫を持ってきたため、やむにやまれず奥さんが引き取ったのだ。

 2匹の先住猫と茶々丸くんがうまくいくかどうか、最初は心配だったというが、茶々丸くんは、先住猫に喧嘩を売ることもなく、すぐになれた。最初からごはんももりもり食べて、どちらかというと図太ささえ感じたという。

 志村さんは、2匹の先住猫を亡くして、茶々丸くんだけを飼っていたが、もう1匹猫を飼いたいと思い、譲渡サイトを見ていた。ご主人は、2018年10月、調布にある保護犬猫情報発信センターラフスペース(以下、ラフスペース)が運営する保護猫カフェのサイトでジルくんをみつけた。ラフスペースでは、実験動物として使われていた犬猫や何らかの理由により市場のレーンから外された犬猫、繁殖場からの保護などを手がけているが、ジルくんは、詳しい理由は分からないが、ブリーダーが「売り物にならないから」と放棄した猫だった。

 当時、志村さんは黒猫を飼ってみたいと思っていた。

 「黒猫は不吉だと言う人がいますが、そんなことはまったく感じなかったんです。黒猫、もしくは黒猫のような猫を探していたら、ジルがラフスペースさんのサイトに出ていたんです。黒がベースだけど、グラデーションが入っていて、美しい猫だと思いました」

 2018年10月、志村さん夫妻は、ジルくんに会うためにラフスペースの猫カフェに行ってみた。1歳半のジルくんは、初対面だったが膝に乗ってきたり、猫じゃらしで遊んだり、とても人懐っこい子だった。2時間くらい猫カフェにいて、他にも可愛い猫はいっぱいいたが、ジルくんが印象的で、目移りすることはなかったそうだ。

 「その時、ラフスペースの人に、私がジルを引き取ったら1匹分のスペースが空くので、もう1匹猫を保護することができると言われて感動しました」

 後日、ジルくんは、一週間のトライアルを経て志村家の家族になった。茶々丸くんとジルくんは、15歳もの年齢差があったので相性が心配されたが、茶々丸くんは怒ることもなく、ジルくんを迎えてくれた。2匹で遊ぶことはないが、ほどよい距離感を保って、うまくやっているという。

 ジルくんはツンデレで、人についてまわることもあるが、呼んでも来ないこともある。

 「ジルが食欲旺盛なので、それにつられるようにして茶々丸もよく食べるようになって、嬉しく思っています」

(まいどなニュース特約・渡辺陽)

posted by しっぽ@にゅうす at 09:23 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬より低い目線に座っちゃダメって本当? しつけのプロに聞いてみました!

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犬にまつわるウワサ、何がホントなの……?
「犬はウソつきには従わない」「うれションはオトナになればそのうち治る」など、犬のしつけにまつわる話は世にあふれています。情報があまりに多すぎて、どれが正しくてどれが間違っているのか判断に迷うこともあるのではないでしょうか? 
そこで、今回はしつけのプロに、よく聞く「しつけのウワサ」のウソ・ホントをジャッジしてもらいました! ぜひ参考にしてみてくださいね♪

【関連記事】行き過ぎた愛情かも? 犬を人と同じように扱うリスク

犬より低い目線に座っちゃダメって本当? しつけのプロに聞いてみました!
教えてくれたのは……
教えてくれたのは……
今回、しつけのウワサをジャッジしてくれるのは荒井隆嘉先生です。
東京都台東区にある犬のしつけ教室DOGLY代表。日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター。愛犬はDOGLYの看板犬しじみちゃん(メス・7才/3.2kg/チワワ/甘え上手)。

ウワサ@お世話は毎日決まった時間に行うとイイコになる!?
愛犬のお世話はしっかりしてあげたいもの。ゴハンは7時と18時、お散歩は17時など、決まった時間にきっちり行うほうが、イイコになるというウワサがあります。確かに生活のリズムが整いやすそうですが、急な病気やケガなど、毎日同じ時間を守るのも難しそうな気もします。いったい本当はどうなのでしょうか? 

犬より低い目線に座っちゃダメって本当? しつけのプロに聞いてみました!
お世話は毎日決まった時間に行うとイイコになる!?
答えは……ウソです
荒井先生:
「大丈夫!決まった時間にお世話を行っても、それで愛犬がイイコになるとは限りません。むしろ、おねだり吠えなど困りごとを招きやすくなるので、ランダムで行うほうがよいでしょう」

お世話の時間は一定にしないほうが、おねだり吠えなどの困りごと予防にもなるのでよいとのことでした! しっかり者でまじめすぎる飼い主さんほど、もしかしたら「時間を守らなきゃ」とがんばりすぎてしまうのかもしれませんね。

ウワサA犬より低い目線に座るとダメ?
「犬より低い高さに座ると、犬に下に見られるので絶対しないほうがいい」というウワサを耳にしました。昔からよく聞くしつけ方法から考えると、犬と飼い主さんとの主従関係は大事にしないといけないようにも思えますが、これはどうなのでしょうか……? 

犬より低い目線に座っちゃダメって本当? しつけのプロに聞いてみました!
犬より低い目線に座るとダメ?
答えは……ウソです
荒井先生:
「それはウソだと思います。目線の高さだけで犬と飼い主さんとの関係性が決まることはありません。ただし、高さがある場所に犬を座らせると、上り下りで犬の体に負担がかかったり、犬が落ちてケガする危険もあるので、そういった意味では避けたほうがよいでしょう」

愛犬より低い目線に座ると下に見られる!ということはないようですが、愛犬の体のためには避けたほうがよいととのことでした。とくに小型犬だと、ソファなどの上り下りは足腰に大きな負担がかかりますので、気を付けたほうがよさそうですね。


ウワサBトイレを失敗しても怒ってはいけない?
「犬がトイレを失敗しても怒ってはいけない」というウワサを耳にしました。排泄してよい場所を決めるのは人間側の勝手なルールですから、言い分はわかりますが、それでも何度も何度もそそうされると、ついイライラしてしまう飼い主さんの気持ちもわかります……。これはどうなのでしょうか? 

犬より低い目線に座っちゃダメって本当? しつけのプロに聞いてみました!
トイレを失敗しても怒ってはいけない?
答えは……ホントです
荒井先生:
「トイレの失敗を怒ると、むしろ逆効果なんです。怒られるのを嫌がって、隠れた場所に犬がオシッコするようになるケースも。それに、ビクビクしながら隠れてオシッコさせるのもかわいそうですよね」

失敗を怒ると、逆に困りごとにつながってしまうケースもあるということなのですね。犬にもストレスを与えてしまいかねないので、怒ってはいけないのはわかりました。ではどうしたらよいのでしょうか? 

荒井先生「トイレシーツなどを使ってトイレスペースをできるだけ広げると、成功しやすくなりますよ!」

トイレからはみ出してしまうなら、逆転の発想でトイレを広げてしまうのも有効とのことです。排泄は生きていく上では欠かせないことなので、飼い主さんも愛犬もストレスなくのびのびと済ませられるように、工夫して解決できればよいですね!

犬より低い目線に座っちゃダメって本当? しつけのプロに聞いてみました!
正しい情報を知って、愛犬との暮らしをもっと豊かに
正しい情報を知って、愛犬との暮らしをもっと豊かに♪
いかがでしたか? うわさのなかには正しい情報も間違った情報も紛れ込んでいますが、不安に思ったら、しつけのプロなど信頼できる人に聞いてみてもよいでしょう。

参考/『いぬのきもち』2019年4月号「気になるあの″しつけのうわさ”ウソ? ホント? を判定!」(監修:犬のしつけ教室DOGLY代表 日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター 荒井隆嘉先生)
イラスト/Yu Tokumaru
文/影山エマ

いぬのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 09:21 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

韓国最大の「犬肉」処理場、閉鎖していた 消えゆく犬食文化

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犬肉の本場、韓国で上映された「反・犬肉映画」 最大の犬肉処理場は閉鎖
2019年6月16日 5時58分 デイリー新潮
韓国の犬肉食堂で“ストック”される食用犬(映画『アジア犬肉紀行』http://www.adg-theater.com/asiandogs/ より)
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 1988年のソウル五輪開催時、イメージダウンを嫌った時の韓国政府は、犬肉食を取り締まった。かの国が犬肉の“本場”と認識されているわけは、このエピソードが記憶に残っているからもしれない。翻って、最新の“犬肉”事情は……。

 ***

 とはいえ実際のところ、犬肉食は韓国に限らずアジア諸国に根付いている(または根付いていた)食文化である。我が国にとっても他人事ではない。北田直俊監督の『アジア犬肉紀行』は、中国、韓国、そして日本の犬肉文化に迫り、その“現実”を写した異色のドキュメンタリーだ。

 今年1月には、参議院会館でも上映会が行われ、その模様はデイリー新潮でも報じた(「韓国・中国だけでなく日本でも…議員会館で『反・犬食映画』上映会が開催」)。なんともトガったこちらの作品は、このたび韓国でも上映されたという。


韓国の犬肉食堂で“ストック”される食用犬(映画『アジア犬肉紀行』http://www.adg-theater.com/asiandogs/ より)
 北田監督がいう。

「この6月から、作品をネットで無料公開することにしました。それに先駆け、1日にソウルで、ひと晩だけの上映会を行いました。各国の国際映画祭のコンペに出品するつもりだったので、これまで公開は限られた場にしていたのですが、毎年、中国で開催されてきている祭『玉林犬肉祭』が、やはり今年も20日頃から行われる。これに抗議の意味を込めて、英語、日本語、中国語、韓国語で公開することにしたのです」

 映画の内容については、実際に観ていただいたほうが早いはず。作中では、この「玉林犬肉祭」を取材する過程で、現地の公安警察に目を付けられる一幕もあった。「逮捕も覚悟しました。まあ、それで犬肉のことが日本でも話題になるならいいかと……」と監督は振り返るが、いったいなぜ、犬肉をテーマに作品を? 御年51歳の北田監督、実は本格的にメガホンを取ったのは、ここ数年のことなのだという。


保護された韓国の元食用犬(撮影・北田監督)
「最初に撮ったのは、福島原発事故で警戒区域に取り残された動物たちのドキュメンタリー『ZONE 存在しなかった命』で、2013年に公開されました。次に撮ったのが飯館村に残された動物たちを撮った『みえない汚染・飯舘村の動物たち』で、こちらは15年に完成。2つの作品(※こちらもネットで無料配信中)を撮りつつ、頭の片隅にあったのは、以前、Facebookで見た『生きたまま皮を剥がされ、釜茹でにされる犬』の画像でした。アジアのどこかの国の光景なのですが、詳しいことはわかりません。とにかくその犬のことが頭から離れず、3作目は犬肉をテーマにしたんです」


愛護団体に救助される食用犬(提供:CARE)
 撮影を開始したのは2017年。予算は800万円で、借金は今も半分ほどしか返せていない。当初は、犬肉食を阻止するべく奮闘する人々の姿にフォーカスした作品となるはずだった。が、「一部の中国のボランティアさんが、待ち合わせなどの約束をぜんぜん守ってくれなくて」(北田監督)早々にその方向は断念。北田監督が回すカメラを通して、3国の犬肉文化を描く作品となった。

 そして今回、韓国で上映となったわけだが、まったくの手さぐりで挑んだ、というわけではない。17年1月、韓国EBSの番組が福島の警戒区域に取り残された動物を特集した際、北田監督も取材を受け、この放送回が歴代1位の視聴率をとったのだという。原発事故というセンセーショナルな要素はあったにせよ、動物に対する韓国の意識の高さがうかがえるエピソードだ。


国会前に陣取る保護団体(撮影・北田監督)
「上映会にあたっても、外国人である私が主観を交えて韓国の犬肉事情を撮ったわけですから、多少なりともクレームはあるものかと身構えていました。でも、驚くほどありませんでした。現地の愛護団体『CARE』の協力で開催され、もともと関心が高い方が観に来てくれたこともあるでしょう。犬肉食堂を取材したシーンで、食用の犬を確保していながら、ペットとして犬を飼っているご主人が登場するんです。“これは韓国の犬肉あるあるだ”なんて感想もありました」

韓国最大の食肉処理場が閉鎖
 あわせて、最新食肉事情も取材してきた。

「大きな動きとしては、ソウル市の隣のソンナム市にあった、韓国最大の犬の食肉処理場『テピョンドン屠殺場』が、数カ月前に閉鎖になったとのことです。私の上映会に協力してくれた『CARE』によれば、このとき彼らは犬肉業者たちと衝突し、警察を呼ぶ騒ぎになったと言っていました。今後は公園になるらしいです。愛護団体だけでなく、以前から近隣住民から臭いなどの苦情も寄せられていたらしく、私が話を聞いた住民も『閉鎖してくれてよかった』と。雇い主は韓国人だけれど、働いていたのは中国人がほとんどだったとも言っていました。このあたりも、意外な話かもしれません。場所を変えて屠殺は続くのかもしれませんが、最大の屠殺場が行政の手によって閉鎖に追い込まれたのはとても大きいと思います。犬肉市場として知られるモラン市場 やキョンドン市場も、以前、撮影で訪れたときに比べて、かなり犬肉屋が減っていましたね。私が見た限りでは、それぞれ3軒ほど。それでもやはり年配の方は犬肉を買っていきましたけれど」

 本場でも、犬肉の売買は減っているようだ。なにせ国のトップでもある文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、愛護団体に保護された元・食用犬を飼っているそう。さらに韓国の国会議事堂の前では、こんな光景も。

「ある動物団体が食犬飼育場から犬たちを保護して、そのまま国会前の公園に陣取っていました。その犬たちを見せて『もう我々保護団体は疲弊しているので、これからは政府が動け!』というスローガンを掲げているんです。何人かの国会議員が保護団体側に賛同しているようで、大学生や主婦が24間体制で公園に座わり込んでいました。私が行ったときは20頭ほどいたでしょうか。食用犬といっても、近づけばフレンドリーで、普通の犬と何ら変わりありません。もっとも、犬肉産業側も『職業を差別するな。我々の生活を保障しろ』と幟(のぼり)を掲げていましたけどね」

 反発されながら消えゆく、犬肉文化。『アジア犬肉紀行』を観て、その是非を考えてみては――。(日本語サイト:http://www.adg-theater.com/asiandogs/

週刊新潮WEB取材班

2019年6月16日 掲載
posted by しっぽ@にゅうす at 09:17 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする