動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年07月16日

家族になろう!保健所から犬を迎える方法

ネタりか



保健所ってどんなところ?
首をかしげて何かを見つめる犬

犬を迎える際に利用する施設として、ペットショップやブリーダーなどをイメージする方が多いと思います。しかし近年では、保健所から犬を引き取るという選択をする方も増えてきました。
ここでは、保健所とは一体どんなところなのかご紹介していきます。

保健所は多岐にわたる業務を行う施設
保健所と聞くと犬や猫などの動物を保護するところだとイメージする方が多いと思います。しかし、実際に身寄りのない動物を引き取るという業務はほんの一部でしかありません。

保健所は主に「食品衛生」「獣医衛生」「健康管理」「感染症の予防」などの分野に分かれて仕事を行っています。どの分野も私たちには欠かせないとても身近なものであり、市民が健康に、また安全に生活を送れるよう日々業務に取り組んでくれています。動物を保護し、その情報開示や里親募集までの業務を行うことはあっても、譲渡会や動物のケアや訓練などは行っていないところがほとんどです。

ただし、近年では動物保護の業務を別の機関「動物愛護センター」へ委託している保健所も増えてきました。動物愛護センターとは、厚生労働省の管轄で、各都道府県に設置されている施設のことをいい、主な事業は施設名の通り「動物の保護」「動物愛護の普及活動」「動物の取扱対策」「感染症予防」などが挙げられます。さらに、保健所から移送されてきた動物の譲渡会の実施、里親が見つからなかった動物の処分なども行っています。

保健所から犬を迎えたいときはどうすれば良い?
同じ方向を見つめる二匹の犬

保健所から保護犬を迎えたいといった場合は、どのような方法があるのでしょうか。

保健所のホームページをチェックする
各自治体の保健所にはそれぞれホームページが存在し、そこに現在保護している犬の情報が掲載されています。大きい自治体の場合は区が分かれており、なかなか見たいページが見つからない場合があります。その際は、「〇〇保健所 犬 里親」などで検索すると、比較的すぐに見たいページが検索結果に表示されるので参考にしてみてください。

保護犬の情報を確認して、実際に見てみたいという場合は電話よりも直接保健所へ出向いた方が良いです。理由としては、電話をしてもなかなか繋がりにくく、待っている間にその犬が殺処分されてしまうというケースも考えられます。思い立ったら即行動で、気になった場合は直接保健所へ行って確認してみましょう。

譲渡会を利用する
近年でも増えてきた譲渡会を利用するのも一つの方法です。環境省のホームページでは、各都道府県の譲渡会について掲載されています。
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/shuyo/info.html

譲渡会は基本的に参加無料のところがほとんどです。愛護センターなどで行われる場合や、他のイベントと併用して行われる場合、ショッピングモールなどの施設の一角で行われる場合があります。

実際に引き取りたいと思う犬がいた場合でも、当日引き取ることはできません。引き取りたいことを主催者に伝え、後日飼育環境の確認、再度の引取りの意思などを確認が行われ、一定期間のお試し期間を設け、里親として今後も飼育できるか犬との相性が良いかなどを見極めていきます。
犬を迎え入れた際には、登録料やワクチン接種料などの手数料を請求されることがあります。各主催者によってどこまで手続がされているか、実際にいくらぐらいかかるか等は異なってきますので、あらかじめ確認しておきましょう。

実際に譲渡会へ行ってみた感想
私の住む地域でも先日譲渡会が行われていたため、足を運んでみました。その譲渡会では犬と猫両方が対象となっており、子犬・子猫から成犬・成猫まで見ることができ、中でも子犬・子猫のブースが人気でした。
やはり人気の理由としては、子供たちが小さい犬や猫に興味を持つこと、子犬・子猫の場合は比較的人間に慣れているところもあり、触られても嫌がらないことが挙げられると思います。一方で、多くの人に囲まれて委縮してしまっている犬もいて、過去に辛い経験をしたんだなと痛感しました。

まだ引き取ると決めた訳ではないという方でも、譲渡会へ出向いてみることでその雰囲気や、どのような犬がいるのかなどイメージを掴めるはずです。もし、少しでも保護犬を引き取る気持ちがあれば、一度足を運んでみてください。

保護犬を引き取る際の注意点
つぶらな瞳で見つめる犬の顔アップ

大前提として、引き取った犬の生涯の面倒を見るという覚悟が必要です。保護犬は、過去に様々な辛い経験をしてきた犬ばかりです。人間の愛情を知らない犬も多いということをしっかりと理解して、すぐに慣れてくれない、しつけがうまくいかない、病気になったから飼えないなどといったことがないようにしましょう。万が一、引き取られた先でも途中で飼育放棄されてしまった犬の気持ちは想像を絶するはずです。

犬を引き取った後の、「生活環境が適切なものか」「費用など十分な準備金はあるか」「周囲の環境は犬を飼育しても大丈夫か」などあらかじめ確認をしておき、余裕を持って引き取ることができるようにしてください。

まとめ
芝生で犬を可愛がる笑顔の夫婦

いかがでしたでしょうか。
今回は、保健所で引き取る際の方法や注意点をご紹介してきました。実際に保護されている犬の中には、野良犬だけでなく前の飼い主から飼育放棄されていたり、悪質なブリーダーによる大量繁殖だったりで引き取られている犬も多くいます。
また、子犬よりも成犬の方が圧倒的に多いので、また人間と暮らすことに対してすぐ順応できない場合もあります。そういったことも踏まえて、保護犬を引き取るかどうか考えたいものです。
posted by しっぽ@にゅうす at 09:18 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

外には危険がいっぱい! 猫の脱走はもうさせない

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「ねこのきもち」がおこなったアンケートによると、「室内飼いの猫が脱走をしたことがある?」という問いに、約54%の飼い主さんが「YES」と回答。半分以上の飼い主さんは、猫に脱走された経験があるようです。しかし、外は猫にとって危険なことがたくさん!脱走しない対策を今一度確認しましょう!

【画像を見る】日々の飼い主さんと猫との暮らしぶりを見てみる

外には危険がいっぱい! 猫の脱走はもうさせない
外を眺めるペルシャ猫のドルチェ
外は危険がいっぱい! 危険!交通事故
外に出たことがない猫は、車の危険性が分からずに事故に遭うことが多いようです。事故によって骨折することや、打ちどころによっては脳挫傷、横隔膜ヘルニア、気胸などのおそれがあり、最悪の場合は命の危険も。

危ない!猫同士でのケンカ
ノラ猫とケンカになり、噛み傷やひっかき傷を負ってしまうことも。また、その傷から猫エイズや猫白血病ウイルスに感染するおそれもあります。

大変!家に戻ることができなくなる
ノラ猫から追いかけられるなど、何らかの事情で家から遠く離れてしまうと、方向が分からなくなり、家に戻ることができずに行方不明になる猫も少なくないようです。

外には危険がいっぱい! 猫の脱走はもうさせない
外の鳥が気になるラグドールのレビ
なぜ外に出たがるの?
・刺激を求めて
鳥や虫など、室内にはない刺激があるため、猫が外に出たがるのは自然なことなのです。
特に、外で暮らした経験がある猫は外での暮らしを覚えているため、その傾向が強いといわれています。

・縄張り意識から
一度でも外に出てしまうとそこも縄張りとなり、習性からパトロールをしたくてたまらず脱走を繰り返すことも。

・外の猫が気になる
去勢・避妊手術を受けていないと、オスもメスも繁殖のため相手を求めて外へ出たがります。
また、近くに発情した猫がいたり、猫同士で集会などをしていたりすると、家の中にいる猫も外に興味を持つ傾向にあるようです。

外には危険がいっぱい! 猫の脱走はもうさせない
窓の外を眺めるロシアンブルーのスピカ
脱走されやすい場所と対策
今回は玄関・窓・ベランダと、脱走が多い場所3つに絞ってご紹介します。

●玄関の場合
猫の脱走場所で一番多いのが玄関です。人の出入りの際に脱走されることが多く、宅配便の受け取り時などにも注意が必要です。

<対策>
・出入りの際は猫の位置を確認し、バッグなどでガードしながらドアを開ける
・ペット用フェンスをドア前に設置する
・玄関を2枚扉にする

●窓の場合
窓からの脱走は、猫が自分で網戸を開けてしまったり、網戸によじ登り爪で破れたところから脱走したりといったケースが多いようです。

<対策>
・猫が網戸に触れないようにワイヤーネットでガードする
・勝手に開けないように突っ張り棒などで網戸を固定する
・強度の高いペット用の網戸に張り替える

●ベランダの場合
ベランダの場合は、柵をすり抜けて脱走したり、飼い主さんが洗濯物を取り込む際に外に出てしまったりすることがあります。また、柵に上っていたときに足を滑らせ落下、そのまま脱走という驚くべきパターンも。

<対策>
・すだれや日よけシェードなどで柵のすき間をふさいでおく
・猫を別の部屋などに入れ、扉を閉めてからベランダの窓を開ける
・木材を固定するなど、柵に上れない工夫をする(落下防止にも効果的)ちょっとしたすき間だから大丈夫と思っても、猫は顔の横幅が入れば通り抜けることができます。

外には刺激的なものがあるのでしょうが、それ以上にたくさんの危険が待ち受けているのです。脱走してケガをしたり病気になったり、万が一ということも。そうならないために対策をすることも、猫にとって大切なお世話になるのではないでしょうか。

参考/「ねこのきもち」2013年6月号『窓をよく開ける季節は要注意 玄関・窓・ベランダの対策でもう脱走させません!』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/gyo
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

ねこのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 09:09 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

元繁殖犬フレンチブルドッグのコマちゃんを迎え入れてわかったこと 

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フレンチブルドッグのコマちゃん(7歳)は、もともと“繁殖犬”でした。3度出産し、立派に子育てをしてきたそうです。そんなコマちゃんを“家庭犬”として迎えたのは、東大阪市に住む豊田さんご一家。一番先にコマちゃんを見初めたのは、奥様の時子さんでした。出会いは2年前の夏−−。

【写真】2本足で立つコマちゃん

「フレブル専門のブリーダーさんがやっているショップの前を、たまたま主人と通りがかったんです。入ってみると、赤ちゃんばっかりの中に、1匹だけ成犬の入ったケージがあって。お店の人に聞くと、繁殖犬を引退して、里子に出す予定だということでした」(時子さん)

 コマちゃんの腕には点滴や注射の、お腹には手術の痕が痛々しく残っていたそうです。飼っていたフレンチブルドッグを13歳で亡くして2年半。時子さんは新しい犬を迎えるつもりはありませんでしたが、家に帰ってからも、コマちゃんのことが頭から離れません。そして、考えに考えた末、ご主人に相談しました。

「もし、あの子の誕生日が身近な誰かの誕生日や命日と同じだったら、引き取ってもいい?」

 ご主人の了解を得て、そろってお店を再訪。コマちゃんの誕生日を尋ねると、なんと、次男の誕生日と同じでした。その瞬間、時子さんではなくご主人が、「連れて帰ります!」と申し出たそうです。

 諸手続きが必要だっただめ、数日後に改めて迎えに行き、受け取った血統書を見てみると、コマちゃんの父犬の誕生日が、ご主人と一緒であることが分かりました。「コマはウチに来る運命だったんです」。時子さんの言葉もうなずけます。

 家に来て1週間はごはんを食べず、みんなを心配させたコマちゃんですが、基本的にはおとなしくていい子でした。ただ、子供を産むこと以外に必要とされなかったのか、何も教えられていませんでした。

「恐らく首輪もリードも付けたことがなかったと思います。お店の裏にドッグランのような広いスペースがあって、そこで走ってはいたようですけど、お散歩はしたことなかったでしょうね」(時子さん)

 もちろん、「オスワリ」や「マテ」も知りません。トイレトレーニングもイチからです。成犬になると、新しいことを教えるのは難しいと言われます。しかも、コマちゃんはすでに4歳10カ月。前途多難かと思われましたが、驚くべきスピードで吸収していったと言います。

 実は当時、時子さんはドッグトレーナーの養成学校に通っていました。その学校には、愛犬に決められたトレーニングをし、その動画を撮影して提出するという課題があったのですが、卒業まで1カ月余りの時期に飼い始めたにもかかわらず、あっという間にクリアして、無事にトレーナーの認定資格を取得できたそうです。

「何も知らなかったから、かえって真っ白なところにどんどん入っていったのかもしれません。コマは私をトレーナーにするために、ウチに来てくれたんだと思います」(時子さん)

「オスワリ」「フセ」「マテ」などの基本トレーニングを終えると、時子さんは楽しい「トリック」を次々と教えていきました。そのトリックも、あっという間に覚えたコマちゃん。「ウチの子、天才でしょ」。そう言って笑う時子さんを、コマちゃんが少し自慢げな表情で見上げていました。

「5歳からでもしつけはできます。飼い主次第で犬は変わる。それをコマが教えてくれました。ブリーダーさんに会いに行ったとき、『顔が変わった。やさしい顔になった』と言ってもらったんです。うれしかったですね。家族みんながコマに癒されていますし、ウチの子になってくれて幸せです」(時子さん)

(まいどなニュース特約・岡部 充代)
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動物愛護の大切さを楽しく伝えたい。大阪で開かれた“命”のイベント

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人と動物がともに幸せに暮らすためのよりよい環境を目指し、ハード面もソフト面も刷新した「大阪府動物愛護管理センター」の取り組みを紹介します。

※保護犬、飼い主さんの情報は2018年8月31日現在の情報です

1回目の記事はコチラから>>

「ともに学び、歩み、つなぐ」開所後1周年記念イベント
動物愛護の大切さを楽しく伝えたい。大阪で開かれた“命”のイベント
「動物との楽しい過ごし方」と題した獣医師によるセミナー
「動物との楽しい過ごし方」と題した獣医師によるセミナー
2017年8月、羽曳野(はびきの)市に開所された「大阪府動物愛護管理センター」。開所後初のイベント「アニマル ハーモニー大阪のつどい」は、快晴のなか260人が訪れ、大盛況となりました。

このイベントは誰でも気軽にセンターへ立ち寄ってほしいという思いから、大人から子どもまで楽しめる企画を職員自ら考案。開業獣医師によるセミナー、卒業犬と譲渡募集中の犬猫たちのパネル展、動物についてのクイズ大会、そしてモデル犬とふれあいながらトレーニングを体験できるコーナーなど、盛りだくさんの内容を用意しました。

「生き物は飼っていませんが、中学2年生の娘が将来、動物関係の道へ進みたいと言っているので来てみました」と話す横木さん家族。モデル犬に「フセ」の指示を出してごほうびのおやつをあげたり、記念撮影をしたり、大好きな犬とふれあえてとてもうれしそうな様子でした。

動物愛護の大切さを楽しく伝えたい。大阪で開かれた“命”のイベント
大人から子供まで楽しめるイベントに
大人から子供まで楽しめるイベントに
モデル犬ししまるにオスワリをさせる職員。このあと子どもたちも体験し、最後に記念撮影を行いました。

多くの家族連れでにぎわった1周年記念イベント
昨年の12月、ポメラニアンのツバサくん(オス・推定5才)をセンターから迎えた加藤里佳子さんは、家族全員で訪れました。「半年前に飼っていた犬を亡くし、寂しくてまた飼いたいと思ったのですが、親の年齢を考えると成犬がいいのかなと。そんななかインターネットでセンターの存在を知り、ツバサくんを見つけました。穏やかでいいコです」とツバサくんにメロメロのご様子。

この日の来場者のなかには、センターの犬を迎えたいと申し出る方が数名いらっしゃったとのこと。イベントの成功でセンターの存在と目的が認知され始めたようです。

動物愛護の大切さを楽しく伝えたい。大阪で開かれた“命”のイベント
先住犬とよく似ているというツバサくん
先住犬とよく似ているというツバサくん
背中にうっすら翼が生えたような白い模様があるのが名前の由来だそう

開所後すぐにセンターから引き取ったハナちゃん
開所後すぐにセンターから引き取った)ハナちゃん(推定8才/ミックス)を連れてイベントを訪れた池端さん親子

動物愛護の大切さを楽しく伝えたい。大阪で開かれた“命”のイベント
今はお留守番を練習中だそう
今はお留守番を練習中だそう
センターからビーくん(推定3才/ミックス)を引き取った藤川さんご夫妻。現在お留守番を練習中だそう

動物愛護の大切さを楽しく伝えたい。大阪で開かれた“命”のイベント
モニュメントに花やオヤツを
モニュメントに花やオヤツを
イベントの当日、モニュメントの前にはフードやおやつ、そして花が手向けられた

登録ボランティアもセンターとともに殺処分ゼロを目指す
センターには現在10組のボランティア団体が登録しています。そのひとつである「NPO法人はぴねすDOG」は、現在一時預かりボランティア12名とともに、センターから犬を引き出し新しい飼い主さんを探しています。代表の間柴泰子さんは、2010年から保護活動を開始。きっかけはあるプロレス団体の、動物虐待のニュースでした。

「動物虐待って心も力も弱い人間がするものだと思っていたのに、心身ともに強い人たちがしたという記事を知り驚きました。力のない自分でも何かしないと、と思ってボランティアを始めたんです」と間柴さん。

動物愛護の大切さを楽しく伝えたい。大阪で開かれた“命”のイベント
飼い主さんの気持ちに向き合いたい
飼い主さんの気持ちに向き合いたい
「はぴねすDOG」代表の間柴泰子さんと愛犬。左から、おかーちゃん、ルラちゃん、ウルピコ太郎くん「気になる犬がいたら、まずはその犬に会いに一時預かりボランティア宅に足を運んでもらっています。いちばん遠くて鹿児島の方がいらっしゃいました。届けるときに必ずお宅訪問をするので、私たちも鹿児島まで連れていきましたよ。飼い主さんの熱い思いに、私たちもきちんと向き合いたいので」と話す間柴さんの表情には、保護活動への覚悟が感じられます。

出典/『いぬのきもち』2018年12月号「犬のために何ができるのだろうか」
取材・撮影・文/尾アたまき

いぬのきもちWeb編集室
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エキゾチックペット取引が絶滅危惧種を増やしている


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ペットを自然に放してはいけない、その理由
 6月10日、米マサチューセッツ州環境警察(同州で環境やレクリエーションを管轄)は変わった通報を受けた。「自宅の裏庭に約1メートルのトカゲがいるというのです」と、同警察のタラ・カーロー警部補は振り返った。

ギャラリー:ちょっと変わった「エキゾチック・ペット」の写真10選

 マサチューセッツ州チコピーにある現場に到着した警察官が目にしたのは、不機嫌そうな顔をしたこの家の住人と、大型のトカゲ、アルゼンチンテグーだった。南米各地の熱帯雨林や平原が原産のトカゲで、体長1.2メートルを超えることもある。

 だが、それがチコピーに現れても、カーロー氏は驚かなかった。「この手の通報は、年に1回はあります」

 マサチューセッツ州ではアルゼンチンテグーは広く売られており、一般の人が所有するのに許可はいらない。テグーは脱走の名人だとカーロー氏は言い、逃げ出したテグーが見つかるのも決して初めてではない、と続けた。

理解しないまま購入する人々
 どういう事態が起こるか理解しないままエキゾチックペット(風変わりな野生動物のペット)を購入する人が少なくないと、カーロー氏は指摘する。テグーのほかニシキヘビやオウム、フクロモモンガなど、多くの動物がエキゾチックペットとして売られているが、中には20年以上生きるものもいる。長命のエキゾチックペットを世話するには費用がかかるうえ、危険な場合もある。飼われることに慣れていない動物は、予想外の行動に出ることがあるからだ。非営利団体「ボーン・フリーUSA」によると、1990年以来、米国で少なくとも300人がエキゾチックペットに襲われている。

 エキゾチックペットが脱走したり、飼い主が野生に放したりするのはそういう理由だ、とカーロー氏は話した。

 だが、ペットが野に放たれると、大きな問題を引き起こしかねない。自由になった動物が繁殖し、「侵略的外来種」と化す可能性があるからだ。侵略的外来種とは、外来生物のなかでも、その土地の自然で繁殖することで、本来の生態系を脅かしてしまう生物を指す。

 今やエキゾチックペットの取引は、侵略的外来種が拡大している大きな原因の1つに数えられるとする論文が、学術誌「Frontiers in Ecology and the Environment」に6月3日付けで掲載された。論文によると、エキゾチックペットの取引は数百の侵略的外来種の定着につながっているのに加え、今後さらに多くの種の定着を招くだろうという。

「エキゾチックペットの取引がどれほど大規模になっているか、多くの人が十分に把握していないと思います」と、論文の筆頭著者で、米ラトガース大学生態・進化・自然資源学部のジュリー・ロックウッド氏は話す。「世界規模で取引される脊椎動物の量は衝撃的です。この問題を比較的長く研究してきた生物学者から見てもそうです」

 侵略的外来種は、世界中で生物多様性が失われている2番目に大きな要因とされている。これによって米国が被っている損失は年間1200億ドルと推定され、米国で絶滅危惧と指定されている種のうち40%以上は、侵略的外来種が原因だ。侵略的外来種は、生息地を様変わりさせ、食物連鎖を壊し、餌となる生物たちを食べ尽くし、捕食者の数を減らす。


ペットが野生に放たれ脅威に
 エキゾチックペット取引は数十億ドル規模の産業であり、爬虫類、両生類、魚類、鳥類、哺乳類など膨大な数が売買されている。ウェブサイトやソーシャルメディアなど、従来とは異なる市場が台頭してきたことなどもあり、過去20〜30年で特に大きく成長した。だがエキゾチックペットの取引に関するこれまでの研究は病気の広がりやペット捕獲による影響に焦点を当てたものがほとんどで、侵略的外来種としての影響にはあまり触れられてこなかったと、論文の著者らは述べている。

「この問題に対処するには、エキゾチックペット市場を後押ししている社会的・経済的な力をもっと理解すること」だと著者らは述べており、人々がエキゾチックペットを野生に放す理由の解明も必要だと指摘している。

 エキゾチックペットが野生化する理由がきちんと解明されていないと、マーク・ホドル氏は言う。同氏は米カリフォルニア大学リバーサイド校侵入種研究センターの代表で、ロックウッド氏らの論文には関わっていない。

「ペットが飼育場所から逃げ出すこともあれば、飼い主が面倒を見きれなくなって放すこともあります」とホドル氏。宗教上の理由や、周囲の環境を「もっと面白く」するために、外来生物を故意に放す人もいるという。

蔓延を止めるには
「何であれ、ペット取引を介して持ち込まれた動物の拡大に対処する最善の方法は、啓発、早期の発見、すばやい対応です」と話すのは、米フロリダ大学野生生物生態学・保全学部で外来種を研究する生物学者、クリスティーナ・ロマゴサ氏だ。今回の論文で共著者に名を連ねている。

 フロリダ州では残念ながらテグーがすでに定着し、在来の動物たちの巣をたびたび襲っている。その1つで、絶滅の恐れがあるアナホリゴファーガメは、他の数百種の生物に巣穴を提供する、生態系のなかの重要な種だ。

 侵略的外来種のなかで、テグーはほんの新顔でしかない。悪名高いビルマニシキヘビは、2000年ごろフロリダ州に完全に定着し、州の哺乳類の多様性が低下した原因に挙げられている。同様に、猛毒を持つ観賞魚のハナミノカサゴは1980年代後半にフロリダの海に持ち込まれ、サンゴ礁にすむ海洋生物の豊かさと多様性が大きく損なわれた。

「ハナミノカサゴがいるところは明らかに魚が減っています」と、同州で長年漁師をしてきたジャラッド・トマソン氏は、以前ナショナル ジオグラフィックに対して語っている。

 ロマゴサ氏は啓発が特に重要だと強調する。エキゾチックペットを買う際、その生物をきちんと理解している消費者は、のちに手放す可能性が低いことを彼女は明らかにしている。同じくらい重要なのがさらなる研究だ、と同氏は言う。

「ある動物がなぜペット市場に持ち込まれるのか、なぜ脱走したり手放されたりするのか、情報が乏しいのです」とロックウッド氏は話す。「人々がエキゾチックペットを飼うことができつつ、新たな侵略的外来種が生まれないようにするには、こうした情報が必須です」

 マサチューセッツ州のテグーがなぜ、どのように外に出たのかは、まだわからない。逃げ出したテグーは今、爬虫類保護施設で暮らしており、警察が飼い主を探している。

文=ANNIE ROTH/訳=高野夏美


posted by しっぽ@にゅうす at 09:03 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする