動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2019年08月28日

八重山保健所 犬殺処分大幅減少

八重山毎日新聞



ボランティア譲渡増奏功 収容状況、SNSで拡散
 八重山保健所管内の犬殺処分件数が2017年度にゼロを達成、18年度も1件となり、13年度の52件から大幅に減少していることが23日までに分かった。同保健所は、野良犬が減ったことに加え、民間によるボランティア譲渡の増加や、ホームページ(HP)で更新している収容犬状況がSNSで拡散・周知されたことが奏功したとみている。

 同保健所によると、過去6年間の犬殺処分件数は▽13年度52件(収容139頭)▽14年度9件(同132頭)▽15年度1件(同99頭)▽16年度2件(同110頭)▽17年度0件(92頭)▽18年度1件(同69頭)−と推移。14年度から減少傾向が続いている。

 同所管内では14年度からボランティア譲渡が本格スタート。この取り組みは、譲渡登録をしている個人が保健所から、犬・猫問わず個体を引き取り、新たな飼い主を探す取り組み。現在10個人が登録している。

 譲渡件数は▽13年度49頭(内、ボランティア譲渡0頭・割合0%)▽14年度81頭(同60頭・同74%)▽15年度35頭(同24頭・同68%)▽16年度67頭(同38頭・同56%)▽17年度40頭(同19頭・同47%)▽18年度33頭(同18頭・54%)―。14年度以降、譲渡件数中のボランティア譲渡が4〜7割代を占めている。

 同保健所は、犬の殺処分が減少した理由について▽野良犬の減少▽ボランティア譲渡の取り組み▽SNSでの普及啓発―の3点を挙げる。

 担当者はSNSについて、「HPの内容をSNSでシェアしてもらい、一般の人に情報を見てもらえた」と殺処分減少の要因を分析。譲渡ボランティアについては、「新聞投稿やSNSで呼び掛けるなど、行政と同じぐらい頑張っている。活動に感謝したい」と話した。
posted by しっぽ@にゅうす at 08:35 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Tシャツで動物愛護 大阪府が基金への寄付呼び掛け

大阪日日新聞


大阪府は、府動物愛護管理基金への寄付を呼び掛けている。9月中に5千円以上寄付した人には、府出身の世界的デザイナー・黒田征太郎さんがデザインした基金PR用のTシャツをプレゼントする。


デザイナーの黒田さんがデザインしたTシャツを手に基金への寄付を呼び掛ける吉村知事=21日、府庁
 基金は、府動物愛護管理センター(羽曳野市)に収容された動物の譲渡を促進する事業や、所有者のいないネコ対策に取り組む地域の支援などに充てる。引っ越しなどでペットを飼えなくなった飼い主と、譲り受けたい人をマッチングする事業にも活用する。

 府によると、同基金への寄付金額は2017年度が710万円、18年度が350万円、19年度(7月末時点)は320万円と減少傾向となっている。

 黒田さんは大阪・ミナミのアメリカ村の壁画などを手掛け、環境問題などの社会問題にもアートを通じて取り組んでいる。Tシャツは5種類の図柄があり、ネコのイラストとメッセージが添えられている。

 また9月22日に同センターで、動物愛護イベント「アニマルハーモニー大阪のつどい」を開催する。

 吉村洋文知事は21日の会見で、「寄付を通じて動物愛護の思いや空気が、社会全体に広がると思う」と期待を寄せた。


posted by しっぽ@にゅうす at 08:33 | 行政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【9/1防災の日・9/20〜26動物愛護週間】<動物愛護法が改正>SBIいきいき少短、マイクロチップに関するアンケートを実施

時事ドットコム



[SBIいきいき少額短期保険株式会社]

犬猫飼育者のマイクロチップ認知率90.5%、装着率26.5% マイクロチップで実現してほしいもの第1位は「GPS」!

 2019年6月に改正動物愛護法が成立し、販売用の犬・猫へのマイクロチップ装着が義務化、一般の飼育者については努力義務となりました。SBIいきいき少額短期保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:千葉 竜介、以下「当社」)は、マイクロチップについて犬・猫を飼育している200名にアンケート調査を実施し、獣医師の佐々木伸雄先生に話を伺いました。


<アンケート TOPICS>
■犬・猫飼育者におけるマイクロチップの認知率は90.5%
■ペット販売業者へのマイクロチップ装着義務化の認知率は54.5%
 一般の飼育者への努力義務認知率は48.0%
■マイクロチップ装着義務化への賛成は69.5%
 賛成の理由で最も多いのは「迷子になったときの身元確認が容易」93.5%
 反対の理由で最も多いのは「かわいそう」50.8%
■現在マイクロチップを装着している飼育者は26.5%
■装着済みのうち、「飼ったときにマイクロチップが
 装着されていた」が43.8%
■今後マイクロチップの装着意思を明確に持っている飼育者は9.8%
■マイクロチップで実現したら良いと思うもの第1位は「GPS」で54.0%

マイクロチップとは?
 犬や猫に埋め込むマイクロチップは、直径2mm、長さ12mm程度の円筒形の電子標識器具です。飼い主の情報と照合できる15桁の番号が記録されており、全国の動物保護センターや保健所、動物病院にて、専用の読み取り機でデータを読み取ることができます。マイクロチップは、通常より少し太めの専用の注射器で、獣医師によって犬や猫の首の後ろの皮下に埋め込みます。費用は数千円〜1万円程度です。マイクロチップは全体を生体適合ガラスやポリマーで覆われているため、副作用はほとんどなく、一度装着をすれば半永久的に使用可能です。装着後はデータベースへの登録が必要です。

マイクロチップは災害時に役に立つ!
 マイクロチップを装着する最大のメリットは、迷子や事故、自然災害時など、離れ離れになったペットが保護された際にペットの身元がすぐに確認できることです。2016年の熊本地震の際、熊本県と熊本市で保護された、マイクロチップが装着されていた犬7頭のうち6頭は飼い主が判明しました*。迷子札や首輪ははずれてしまう可能性がありますが、マイクロチップは一度装着すればなくなることはありません。

*参照:環境省「熊本地震におけるペットの被災概況」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3003/01.pdf

犬・猫飼育者におけるマイクロチップの認知率は90.5%
マイクロチップの認知率は、「聞いたことはある」を含めると、全体の90.5%と大多数を占めることがわかりました。また、マイクロチップについて「ある程度知っている」、「よく知っている」は合計71.0%と、犬・猫飼育者の間ではマイクロチップについて広く知られていることがわかります。


<2019年6月に改正動物愛護法成立>
ペット販売業者へのマイクロチップ装着義務化の認知率は54.5%
一般の飼育者への努力義務認知率は48.0%
2019年6月に改正動物愛護法が成立しました。これにより、犬と猫の販売業者・繁殖業者に対してはマイクロチップ装着が義務化され、一般の飼育者については努力義務となりました。販売業者等に対する義務化について「知っている」と回答した方は54.5%、一般の飼育者に対する努力義務については48.0%の方が「知っている」と回答、それぞれの認知率は約半数という結果になりました。



マイクロチップ装着義務化への賛成は69.5%
販売業者に対するマイクロチップ装着義務化については、69.5%と半数以上の方が賛成と答えました。


賛成の理由で最も多いのは「迷子になったときの身元確認が容易」93.5%
賛成の理由として最も多かったのは「迷子になったときの身元確認が容易になる」93.5%(130名)でした。「その他」では「無責任な飼い主やブリーダーを減らせる」という意見もありました。


反対の理由で最も多いのは「かわいそう」50.8%
反対の理由として最も多かったのは「かわいそう」50.8%(31名)、次いで「装着後のペットの状態が心配」42.6%(26名)と、ペットの体の心配をする飼育者が多いことがわかりました。


現在ペットにマイクロチップを装着している飼育者は26.5%
マイクロチップを認知している飼育者に、現在飼育しているペットへのマイクロチップの装着状況を聞いたところ、26.5%が装着していました。犬・猫別に見てみると、犬35.2%、猫17.8%と、犬の装着率は猫よりも高いことがわかりました。



装着済みのうち「飼ったときにマイクロチップが装着されていた」が43.8%
マイクロチップをすでに装着している飼育者にきっかけを聞いたところ、最も多い回答は「迷子になったときの身元確認が容易になる」68.8%(33名)となりました。また、装着済みだったケースは43.8%(21名)あり、装着義務化以前よりマイクロチップが導入がされていることがわかりました。


今後マイクロチップの装着意思を明確に持っている飼育者は9.8%
マイクロチップを装着していない飼育者に今後の装着意思について聞いたところ、明確な意思を持った「装着したい」は9.8%という結果になりました。一方、「装着する予定はない」は57.1%で、半数以上を占める結果となりました。


マイクロチップで実現したら良いと思うもの第1位は「GPS」で54.0%
マイクロチップで実現したら良いと思うものとして、最も回答が多かったのは「GPSがつけられる」54.0%(108名)で、次いで「健康管理ができる」39.0%(78名)となりました。3位として「装着に際して補助金やペット保険の適用が受けられる」36.0%(72名)があげられ、費用の軽減によりマイクロチップ装着がより広まるのではないかと考えられます。また、「動物の感情がわかる」は20.0%(40名)と他項目と比較して少なく、マイクロチップではペットの居場所や健康管理を目的としたいという傾向がわかりました。


■獣医師・佐々木伸雄先生コメント

・9/1は防災の日 ペットと一緒に備えるために
 自然災害時には、可能であれば同行避難を行いましょう。あらかじめ自治体で同行避難の可否や注意事項などを確認しておくとよいでしょう。マイクロチップは、いわばペットの確実な身分証明書です。また、一度装着すればはずれてしまうことはないため、同行避難ができなかった場合、また飼い主からはぐれてしまった際に飼い主を探し出す有力な手段となります。

・ 9/20〜26は動物愛護週間 動物と人間の共存のためにできること
 現在は人と動物の共生社会です。マイクロチップの装着は、迷子や盗難にあった動物の保護時に身元確認で役立つほか、動物の野良化防止にも役立ちます。野良化した動物は病気も多く、一般に短命です。また、野生化した動物が周囲の人に及ぼす危害や迷惑などが地域社会で問題となることも多くなっています。これらの問題を減らすためには、野生化した動物にエサをあげないことや不妊手術等で望まない繁殖を防止することが重要だと思います。
 一方、ペット保険への加入によって、ペットにもしものことがあった際には治療選択の幅が広がります。しかし、日本におけるペット保険の加入率はまだ低いのが現状です。今後加入率が高くなれば、高額獣医療を対象とする保険など、様々なタイプの保険が誕生すると思われます。そうなると獣医師も安心して様々な治療法を勧めることができます。後悔のない、納得できる治療法の選択は、飼い主の満足感や安心につながるのではないでしょうか。

・マイクロチップの普及のカギは、ペットの健康管理?!
 獣医界では、20年以上前よりマイクロチップの装着や義務化について強く勧めてきました。今回の犬・猫販売業者へのマイクロチップの装着義務化がそのスタートラインです。今後はマイクロチップに入れるべき情報や内容について、学会・会議などで議論していくことになると思います。
 今回の動物愛護法改正では、一般の飼い主や、保護された犬や猫の譲渡の際の装着は努力義務となっています。今後マイクロチップが広く普及するためには、飼い主にとって何がメリットで、どのように役立つかがわかる必要があります。
 現在はペットの身元がわかるのみですが、今後は、信頼できるサーバー上でデータが一元管理されることを期待しています。その上で、ペットの身元だけでなく、過去の病歴や治療歴、ワクチン歴などの情報があれば、獣医師にとって診断や治療を進めるうえで大いに役立ちます。また、飼い主にとってはセカンドオピニオンを受ける際や日頃の健康管理に役立ちます。
 マイクロチップの技術も進化しています。そのデータ管理や運用法、ならびに管理に対する信頼性を確保することにより、今後は身元管理だけでなく、マイクロチップに含まれる情報が動物や飼い主にとってより有益なものとなれば、マイクロチップがさらに普及するであろうと期待しています。

■獣医師・佐々木 伸雄 先生 プロフィール


東京大学卒業後、同大学の獣医学科、動物医療センターで動物外科の教員として勤務。主な対象動物は犬、猫であるが、牛、馬なども診療。研究に関しては、動物の腫瘍関連の研究や骨の再生医療など。2012年3月、同大を定年退職。この間、日本獣医学会理事長、農林水産省獣医事審議会会長などを歴任。最近は、「高齢者にもっとペットを飼ってほしい」という趣旨で、NPO法人高齢者のペット飼育支援獣医師ネットワーク(VESENA)を組織し、活動中。


posted by しっぽ@にゅうす at 08:29 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

コツメカワウソとは? ペットで人気 ⇒ 絶滅危機で輸出入禁止へ

The Huffington Post Japan



WWFジャパンが警告「かわいい愛玩物として盛んにもてはやす、日本のメディアや市民の意識も変えていかねばなりません」
安藤健二

時事通信社
カワウソカフェ「コツメイト」で、客からおやつをもらうコツメカワウソ=2018年11月、東京都豊島区
可愛らしい姿から、日本でペットとして人気を集めていた東南アジア原産の「コツメカワウソ」が、輸出入が禁止される見通しとなった。絶滅の危機から救うのが目的だった。

 

■輸出入は原則禁止。国内流通も規制へ
環境保護団体「WWFジャパン」によると、ワシントン条約締約国会議がスイスのジュネーブで開かれ、小委員会で8月25日にビロードカワウソ、26日にコツメカワウソが、ワシントン条約の「附属書I」に掲載することが賛成多数で可決された。会議最終日の28日に全体会合で正式決定される。


これにより、両種は輸出入などの国際取引が原則禁止されることになる。日本でも「附属書I」に掲載された野生動植物を、「種の保存法」に基づき、国内での商業取引を原則として禁止しているために流通が規制される方向だ。

NHKニュースによると原田環境大臣は27日の記者会見で「最終日の全体会合の採択結果を踏まえ、今後、国内の流通も規制するべく種の保存法などで国際希少種に指定してきたい」と述べた。


WWFジャパンでは「コツメカワウソを『かわいい』愛玩物として盛んにもてはやす、日本のメディアや市民の意識も変えていかねばなりません」と指摘した上で、「日本での暮らしや、その中で生じるさまざまな需要が、野生生物を絶滅のふちに追いやっている」と警告している。



■コツメカワウソとは?
千葉県の市川市動植物園で、水を流した半円状のパイプの中をコツメカワウソが泳ぐ、「流しそうめん」ならぬ「流しカワウソ」が人気を集めている(2018年7月撮影)
時事通信社

日本大百科全書などによるとコツメカワウソはイタチ科のカワウソの一種。インドからスマトラ島、ジャワ島、ボルネオ島、中国南部など東南アジアを中心に広く生息している。

カワウソ類のなかでは小形の種類で、頭胴長約60センチ、尾長約30センチほど。四肢の爪が小さいことから「コツメカワウソ」の名前がついた。河口や海岸に小集団をつくって生活するものが多い。カニやザリガニなどの甲殻類や魚類などを捕食している。

生息地である水辺の開発や密猟などにより、絶滅のおそれが心配されている。WWFジャパンによると、過去30年間で野生のコツメカワウソの個体数は、およそ30%減少したと推定され、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「危急種(VU)」になっていた。一部の生息国では捕獲や取引が規制されているなど、保護の対象だ。

 

■『天才!志村どうぶつ園』がきっかけで大人気に
日本では、2012年ごろからコツメカワウソの愛らしい姿が大人気となった。日本各地に「カワウソカフェ」が出来たほか、ペットとして需要が高まった。それに伴って、カワウソ類が生息するタイやインドネシアから日本への密輸が急増していた。

WWFジャパンの野生生物取引監視部門「TRAFFIC」は2018年10月、日本のカワウソブームにともなう密輸急増を受け、その取引実態に関する報告書を発表した。

TRAFFICの報告書「Otter Alert:
TRAFFIC
TRAFFICの報告書「Otter Alert: 日本に向けたカワウソの違法取引と高まる需要の緊急評価」より
この報告書ではカワウソのペット人気を押し上げた要因として、日本テレビ系で放送された動物番組『天才!志村どうぶつ園』を挙げた。同番組では、ブーム以前の2007年から2014年にかけて、コツメカワウソを長期間にわたって取り上げていた。

番組内容について「カワウソが著名人と一緒に旅行したり、自宅で飼育したりといった擬人的な状況の中で 演出されており、カワウソが実際よりもより身近な生き物でペットにもなりうるというイメージを視聴者に植え付けた可能性が考えられる」と指摘した。

2000年から2017年にかけて起きた、日本が関係する東南アジアでの押収事例を調べたところ、少なくとも7件、合計52頭のカワウソが日本を密輸の目的地としており、そのうち17頭はコツメカワウソだった。

確認できただけで2011年以降に12人の販売者が少なくとも85頭のカワウソを販売していた。そのうちの約9割に当たる74頭はコツメカワウソだった。カワウソの1頭あたりの販売価格は80万円〜162万円で、過去5年間で約2倍になっていたという。
posted by しっぽ@にゅうす at 08:07 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

未曽有のアマゾン森林火災、豊かな動物たちへの影響は

National Geographic



地球上にいる生物種の10分の1が生息するアマゾンの熱帯雨林で、大規模な森林火災が発生している。ブラジルの森林で9000件もの火災が一斉に発生し、ボリビア、パラグアイ、ペルーにまで燃え広がった。

 原因の大半は、森林を手っ取り早く伐採するために人間が火を付けたことと見られ、加えて乾期のために火の勢いが増した。現在も膨大な件数の森林火災が続いており、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)によると、昨年の同期に比べその数は80%も増加しているという。これらの火災は宇宙からも見えるほどだ。(参考記事:「アマゾン森林火災、原因は「過剰な伐採」と専門家」)

火災に適応していないアマゾンの動物たち
 アマゾンには、膨大な種類の野生生物が生息する。森林火災がそれらに対して及ぼす影響は、短期的なものと長期的なものの2段階ある。

「アマゾンの生物は火事に適応していません」と、ブラジルのマナウス市にある国立アマゾン研究所(INPA)の研究者で生物多様性モニタリングを専門とするウィリアム・マグナスン氏は言う。

 米国の森林のように、山火事が、健全な生態系の維持に重要な役割を果たしている場合もある。そこに生息する動物は山火事に対処できるように適応しているだけでなく、繁栄のために山火事を必要としているものも多い。例えば、米国西部原産のセグロミユビゲラは、焼け跡の木にしか巣を作らず、焼けた木に群がる甲虫を餌にする。(参考記事:「山火事の跡地は放置する方がいい?」、「山火事後はそのままに、伐採は悪影響」)

 しかし、アマゾンは違う。

 アマゾンの熱帯雨林がこれほどの豊かさと多様性をもつのは、火災らしい火災がないからだとマグナスン氏は言う。自然に発火することもあるが、普通は小規模で終わり、地面の近くが焼けるだけだ。それに、雨ですぐに消えてしまう。

「基本的に、ここ数十万年から数百万年の間、アマゾンが焼けてしまったことはありませんでした」とマグナスン氏は説明する。時々火事が起こらなければ全体が枯れてしまうオーストラリアのユーカリの林などとは違い、アマゾンの熱帯雨林は火事が起こることを想定していないのだ。


現時点での動物への影響は?
 短期間に大量の野生生物の命が奪われている可能性があると、米オハイオ州立大学環境天然資源学部の准教授で、コロンビアのアマゾンでフィールドワークを行なっているメザイカ・サリバン氏は警告する。

 氏によれば、森林火災の真っただ中に動物ができることは非常に限られている。穴を掘って身を隠すか、水に潜るか、あるいはほかの場所へ逃げるかだ。このような状況では、多くの動物が炎や熱、煙によって命を落とすという。

「勝敗はすぐに決まります」とサリバン氏は言う。「火事に適応していない生態系では、適応した生態系よりはるかに多くの動物が敗者になります」


ブラジルの健全な森で撮影されたサンタレムマーモセット(学名Mico humeralifer)。最近発見されたサルの仲間には、現在火災の危険にさらされている非常に狭い地域にのみ生息する種もあり、個体数の減少が懸念される。(PHOTOGRAPH BY CLAUS MEYER, MINDEN PICTURES/NAT GEO IMAGE COLLECTION)
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生き残りに有利な動物はいる?
 森林火災のときに有利な特徴は、移動の速さだ。ジャガーやピューマなど、大型で速く動ける動物は逃げられるかもしれないとサリバン氏は言う。一部の鳥もそうだ。

 しかし、ナマケモノやアリクイのように動きの遅い動物や、カエルやトカゲのように小さな生き物は、火の手から逃れられずに死んでしまうだろう。「上に向かって逃げても、登った木が燃えてしまうかもしれません」とサリバン氏は続ける。その場合も死ぬことになるだろう。

すでに絶滅の恐れのある種が、さらに危機にさらされる?
 これは難しい質問だ。米国、欧州、オーストラリアでは種の分布について多くのことがわかっているが、アマゾンではまったく事情が異なるとマグナスン氏は言う。アマゾンの熱帯雨林にすむほとんどの動物については生息域の解明が進んでおらず、危機にひんしている種を特定するには不十分だという。

 しかしながら、特に懸念される種はある。

 2011年に発見されたミルトンズ・ティティモンキーというサルは、現在火災に襲われている、ブラジル南部のアマゾンでしか目撃されていない。最近発見された「ムラのセマダラタマリン」と呼ばれるサルも、ブラジル中部の狭い地域に生息しており、火災の広がりによって危険にさらされていると、ブラジル野生動物保護協会の会長カルロス・セザール・ドゥリガン氏は述べている。これらは特定の地域に固有の種である可能性があるという。「このような固有種の多くが失われているのではないかと心配しています」(参考記事:「ブラジルで新種のティティモンキー」)

水生動物はどうなる?
 大きな河川や湖などは、短期的にはほぼ安全だ。しかし、小さな川にすむ動物は窮地に陥る可能性がある。小さな川は生物多様性に非常に富んだ場所だが、「真上で火が燃える」のだとサリバン氏は説明する。水中に生息する両生類は、呼吸のために体の一部を水面から出しておく必要があり、危険にさらされることになる。火災によって短期間に水質が変化し、生物がすめなくなることもありうる。


火災のあとで生物が受ける影響は?
 これが2つめの大きな問題だ。「長期的な影響は、より壊滅的な結果を生じるでしょう」とサリバン氏は述べる。熱帯雨林が焼けた部分では、生態系がすっかり変わってしまう。アマゾンの熱帯雨林では、茂った植物が天蓋のように空を覆うため、日光の大部分は地面まで届かない。この天蓋が火災で消失すれば、光が差し込むことで、生態系全体のエネルギーの流れが根本的に変化する。その影響は食物連鎖全体に及ぶ可能性があるという。

 一変した生態系で生き延びるのは、多くの種にとって非常に困難だ。例えば両生類の多くは、背景に溶け込むように、樹皮や木の葉に似た質感や色の皮膚を持っている。「その背景が突然変わってしまったら、カエルは無防備なまま危険にさらされることになります」とサリバン氏は説明する。

 またアマゾンの多くの動物は、特定のニッチな生息環境で生きられるように進化し、適応してきた。例えばオオハシは、長いくちばしを割れ目に差し込んで、他の種では届かない場所にある果実を食べることができる。火災によって餌になる果実が失われれば、その地域のオオハシの個体数が危機的に減少する可能性がある。(参考記事:「森の新顔 サンショクキムネオオハシ」)

 クモザルは、競争の激しい場所を避けて、天蓋のように茂る木の上部で生活している。「この天蓋がなくなったらどうなるでしょう?」とサリバン氏は問いかける。「競争の激しいところに入って行かざるをえなくなります」(参考記事:「動物大図鑑 クモザル」)

 焼け落ちた森で「勝者」となるのは、猛禽類などの捕食者だけだろうとサリバン氏は話す。遮るものがなくなって、狩りが容易になるからだ。

野生生物への影響はほかにもある?
 マグナスン氏が最も懸念するのは、森林の消失による余波だ。

「アマゾンの熱帯雨林がなくなれば、99%の種が失われます」と危機感を示す。森林火災が1回限りのことならそれほど心配ないかもしれないが、問題は、ブラジル政府が森林伐採を奨励する方向に大きく政策を転換したことだ。マグナスン氏は、ブラジルのボルソナロ大統領がアマゾンを商用に開放するという公約を掲げていることについて、「基本的に法的な制限がなくなり、誰でも好きなように利用してよいという政治的なメッセージが送られています」と言う。

 環境保護を掲げ、事態を懸念する市民らはソーシャルメディアで訴えかけた。8月21日にはツイッターでハッシュタグ#PrayForAmazonas(アマゾンに祈りを)がトレンド入りし、多くの人がボルソナロ政権の方針を批判した。ほかにも、世界的な牛肉の需要増が、牧場用の開墾を加速させる原因になっていると懸念する声もある。環境問題の専門家も、「地球の肺」とも呼ばれるアマゾンを焼くことが気候変動に及ぼす影響を訴えている。8月22日には、勢いづいた#PrayForAmazonasからハッシュタグ#ActForAmazonas(アマゾン保護のために行動を)も派生した。

 ブラジルのパラ州、マットグロッソ州およびロンドニア州には、アマゾン熱帯雨林の南の境界に沿って「森林破壊の弧」と呼ばれる地帯があるとマグナスン氏は説明する。そこでは森林火災が熱帯雨林の境界を北に押し上げており、境界が永久に変わってしまう可能性もあるという。

 この地帯について「わかっていることはごくわずかです」とマグナスン氏は言う。「存在が知られないまま絶滅してしまう種があるかもしれません」

文=Natasha Daly/訳=山内百合子
posted by しっぽ@にゅうす at 07:57 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする