動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2020年01月25日

長寿化するいぬねこ 「飼育困難」の相談が年間200件以上 老犬老猫ホームの実態とは


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人間とねこ、近年それぞれが長寿化しており、入院や老人ホームの入居などで、やむを得ず最後まで面倒を看られなくなってしまうというケースが増えているようです。そのようなときに、愛する「家族」を預かってくれる老犬老猫ホーム。「東日本大震災」をきっかけにオープンしたという「東京ペットホーム」でその実態を聞きました。ねことの暮らしのアイデアが詰まった「猫ねこ部」がお届けします。

【写真】老犬老猫ホーム「東京ペットホーム」 暮らしているねこの実際の様子

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長寿化するいぬねこ 「飼育困難」の相談が年間200件以上 老犬老猫ホームの実態とは
壁には、飼育するねこ達の写真が数多く飾られている【写真:猫ねこ部】
理由は飼い主の「老人ホーム入居」がダントツ
 老犬老猫ホームは、飼えなくなったペットのための新しいおうち。人間の老人ホームと同じように、有料で飼い主さんに代わって終生お世話をしてくれる施設です。大田区にある東京ペットホームのオーナー渡部帝さんによると、毎年200件以上の「飼育困難」の相談がくるといいます。

 飼えなくなる理由はさまざま。その中でもダントツで多いのが、高齢者の老人ホームへの入居なのだそうです。その他にも、高齢になってお世話ができなくなったり、若い世代の飼い主さんの場合は転勤や転居、突然の病なども……。

 ペットの寿命が伸びているぶん、誰にでも起こりうる想定外の「飼育困難」。そんな状況を救ってくれるのが、老犬老猫ホームです。

 ところで、見学に来られる方が一番気にされているのは、やはり費用です。

 東京ペットホームでは、「一生預かり」の場合、飼養費として1日約1300円(猫の場合)必要になります。つまり、1日1300円×365日×年数。また、入居時には最低でも72万円がかかります。その内訳は、入居金24万円+飼養費1年分約48万円、医療費・介護費は別途必要になります。

 ペットホテルの相場の半額以下の金額ではあるけれど、これが365日、毎年……ともなればやはりそれなりの金額に。

「ねこちゃんを幸せにするには、絶対に1日1300円必要というわけではありません。とてもフレンドリーで人間よりもねこちゃんがとにかく好き! ってタイプのねこちゃんだったら、大部屋で共同生活する方があっているかもしれません。そういうホームならもっと費用は抑えられます」

 老猫ホームと一口に言っても、さまざまなスタイルがあるそう。しかし、「どのねこにも当てはまる万能ホームなんてないと思います」と帝さん。そのため、飼い主がじっくり見学し、責任をもって決めてほしいといいます。


まずは「飼い主に寄り添う」 そして面会を気軽に
 帝さんは、「老犬老猫ホームに預けるのに、無責任な理由なんてほぼない」と話します。誰もがみんな最後まで看取れると思って飼い始めますが、やむを得ず飼えなくなる事態に突然陥ることもあります。

 飼えなくなってしまった時、まず思いつくのは、身内に引き取ってもらうこと。自分の親や息子・娘さん達に預けられたら、またいつでも会えるし口出しだってできます。けれど、実際頼まれる側にとっては急に言われてもなかなか難しいもの……。

 身内がダメなら里親に……そう思っても、いぬやねこが10歳過ぎている場合、マッチングするのはこれまたかなり厳しいといいます。そして、そこでようやく「あ、もしかしてこの子は生きていけないかもしれない……」と気づく人が多いのだそう。

「じゃあどうしよう……」と、身内総動員で、何か救済措置はないのかと必死に調べて、やっと出てくるのが老犬老猫ホームなのだそう。どうしてもやむを得ない事情とはいえ、飼い主はだいたい自分のことをまず責めてしまうといいます。「我が子なのに飼えなくなるなんて、無責任」と。

「そんな飼い主さんに精一杯の共感を示し、想いを受け止めて、ワンちゃんねこちゃん達のお世話に反映させるということが、老犬老猫ホームには絶対に必要だと考えています」

 老犬老猫ホームは、飼えなくなったときに仕方がなく選ぶ手段ではなく、「今よりもっと幸せになるための手段」になるべきだと思うという帝さん。

「スタッフにはいつも、いぬやねこと仲良くなる以上に、まずは面会などを通じ『飼い主さんと仲良くなってください』と言っています。そうすると、飼い主さんご自身の不満ややるせなさなどの気持ちがだんだんと消化されていくんですね」

 スタッフはもちろんいぬやねこが大好きな人ばかり。だから、スタッフにとって動物達の入居は嬉しいことかもしれませんが、飼い主にとっては断腸の想いであることをしっかり理解し、サービス業の精神も絶対忘れないように指導を行っているのだとか。

「飼い主さんそれぞれにこれまで育ててきた思い入れやプライドがります。それをしっかり受け止めて飼い主さんに成り代わることができるか。そこにマイペースさや自己流は許されないと思っています。これがボランティアとの大きな違いですね」

 東京ペットホームは、入居後も愛犬、愛猫との面会ができます。帝さんの妻まいこさんは、積極的に利用者さんとも会話をするようにしており、面会だけでなく、ホームに来てコミュニケーションをとること自体が楽しいと感じてもらえる施設を目指しているという。

「ホームでわんちゃんやねこちゃんが亡くなったときに、これからはうちの妻に会えなくなることもかなり寂しいとか、そういうふうに言っていただけるだけで嬉しいですね」

 帝さんが考える老犬老猫ホームのあるべき姿とは、「預かっているいぬやねこと同じくらい、飼い主さんとも家族のような存在になること」なのだそうです。

取材協力:東京ペットホーム

猫ねこ部
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猫を初めて飼うときに知っておきたいポイント

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猫グッズは何が必要になるの?
「猫を飼いたい!」と決心したとき、初めての場合には「何を準備したらよいのか」「どんな心づもりをしたらよいのか」といろいろ不安になることもあるでしょう。
今回は、猫を迎え入れる際に知っておきたいポイントをご紹介します。猫との楽しい生活の第一歩として、参考にしてくださいね!

●トイレ
猫は生後1ヶ月ほどになると、自力でトイレができるようになります。そのため、産まれたばかりの子猫から飼う場合でも、トイレは準備はしておいたほうがいいでしょう。

●爪とぎできるもの
生後3ヶ月を過ぎたあたりから、猫は爪とぎをはじめます。猫の性格によっては、初めて見る爪とぎ器を怖がることもあるので、好みのものを見つけてあげられるといいですね。

●猫ハウス
猫がくつろげる、お気に入りのスペースを確保してあげることも大事です。「自分の名前がわかる」「人見知りがはじまる」のは生後5ヶ月頃。この頃から、自分の好きなスペースでゆったりくつろぐ猫も多いようです。猫の好みに合った、猫ハウスやベッドを準備し、居心地が良いリラックススペースを作ってあげたいですね。

●お手入れグッズ
ブラッシングや歯磨きは、慣れておくことが大切です。特に子猫の場合には、恐怖心や警戒心が強いため、早めに実施しておくと良いでしょう。シャンプーや爪切りは生後7ヶ月頃から自宅で行う飼い主さんも多いようです。

猫を初めて飼うときに知っておきたいポイント
ももちゃん MIX 茶×白
どんな猫を選べばよいの?
猫の種類や性別を迷っている場合には、自分の「住環境」「家族構成」「好み」などをまずは整理しましょう。その上で猫の特徴を把握し、自分のライフスタイルと照らし合わせることが大切です。

●性別の特徴
個体差はありますが、一般的にはオスは「甘えん坊」、メスは「自立」しているといわれています。また、体格は同じ種類でもオスのほうが大きくなる傾向があります。
飼い主さんの好みももちろんですが、住環境やライフスタイルも考慮して選ぶことは必要です。例えば、現在の住居において隣室への音などが気になるようでしたら、鳴き声が小さい&おとなしい猫のほうが合ってるといえます。

●毛の種類は? 
長毛種、短毛種は、それぞれ好みが分かれますよね。ただし、長毛種のほうが毎日のブラッシングやシャンプーなど、お手入れに手間がかかりやすいといえます。ライフスタイルを一度振り返り、どこまでお世話ができるのか考えてみることも大切です。

●猫の種類
上記の特徴などから、一般的に飼いやすいといわれているのは、アメリカンショートヘア、スコティッシュフォールド、マンチカン、ラグドール、雑種猫などです。ただし、飼い主さんの「ライフスタイル」や「好み」はそれぞれ異なり、また猫にも個体差があるため、一概にどの猫が飼いやすいとは言い切れません。

自分にとって重要視するポイントを確認しよう
自分の「住環境」「家族構成」「好み」などが把握できたら、優先順位をつけて自分が譲れないポイントを確認しましょう!
くれぐれも、「初心者にも飼いやすい猫種だから選んだ」ではなく、自分のライフスタイルと好みにマッチした猫選びができるとよいですね。
猫の選び方に迷っている方は、下記リンク記事もぜひ参考にしてみてください!

参考/「ねこのきもち」2017年5月号『愛猫の成長を思い出してみて♡子猫のはじめて記念日』(監修:モノカどうぶつ病院院長 小林清佳先生)
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『「飼いやすい猫」っているの?  初心者が猫を迎え入れるときのポイント』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
文/nishiyuka
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

ねこのきもちWeb編集室
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猫が「飼い主に嫌われた」と感じてしまう行為3つ

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その行為はNG

猫ちゃんも、日頃飼い主さんのことをしっかりと観察しております。その中で猫ちゃんに「嫌われた」と思われる行動をしていると、関係も悪化してしまいます。

いらぬ誤解をさせないようにするためにも、どのような行動が猫ちゃんにとってNG行為にあたるのかを知っておく必要があります。今回はこの点についてまとめてみましたので、分からない人はぜひチェックしてみて下さい。

1. しつこくしてしまう

猫ちゃんが可愛いあまりにしつこく追いかけたり、構ってしまった経験はないでしょうか。猫ちゃんにとっては残念ながら「嫌われているからしつこくされている」と感じてしまい、逆効果です。

基本的に自由奔放な生き物ですので、猫ちゃんを飼い始めたばかりの人は、猫中心の生活を送る必要があります。それを無視して自分が撫でたいから、抱っこしたいからと優先して構ってしまうと、誤解されてしまう可能性があります。

猫ちゃんの気持ちに合わせてあげると、良い関係を築けるようになるでしょう。

2. 上から手を出す

自分よりも何倍も大きい生き物(飼い主さん)に上から手を出されると、猫ちゃんにとっては恐怖の対象そのものになってしまいます。一度、猫ちゃんから見たビジョンを想像してみて下さい。

上から出される巨大な手はまるで、自分の頭をたたくために降ってきたように見えてしまいます。猫ちゃんを触るときは下からゆっくりと、優しく触ることを意識してあげて下さい。

このちょっとした工夫で、嫌われるリスクを大きく減らすことができます。

3. 2匹目に飼った猫ちゃんを可愛がる

自分よりもあとに自分のテリトリーにやってきた猫ちゃんを、飼い主さんが無意識に可愛がってばかりいると先住猫は嫉妬します。その嫉妬のあまり「自分は飼い主さんに嫌われたのでは」とさびしく感じる可能性もあります。

繊細な猫ちゃんにとっては、大きなストレスにもなりかねません。多頭飼いの場合は基本的には先住猫を何でも優先してあげると、上手くいくことが多いです。先住猫に我慢を強いてしまわないように、飼い主さんが気遣ってあげましょう。

まとめ

今日のねこちゃんより:なつめ / ♀ / 2歳 / 雑種(ミックス) / 0kg

飼い主さんが普段何気なくやってしまう行為はなかったでしょうか。癖になって何度もやってしまうと、猫ちゃんにどんどん嫌われてしまいますので意識して控えるようにしましょう。

猫ちゃんは自分の居心地の良さを知ることで、飼い主さんとの関係を深めてくれます。そのためにも何がNG行為にあたるのかについての勉強は、日々深めていくと良いと思います。
posted by しっぽ@にゅうす at 07:45 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人とペット「共生社会」のために子供の教育強化を


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【人とペットの赤い糸】

 日本で学校飼育動物が年々減少していると同時に、動物のことを教える教師が激減していることは、人とペットの共生社会の実現に向けての最大の懸念材料だ。

 また、日本では悪徳ブリーダーのペットの不適切な取り扱いや、殺処分ゼロ運動の重要性が頻繁に報道される傾向がある。もちろん改善すべきではあるのだが、悪徳ブリーダーや殺処分をゼロにすることが最終目標だろうか?

 今年は東京五輪・パラリンピックが開催される。スポーツの素晴らしさや魅力が大々的に報道されている。子供たちもそれらの報道や実際の競技に刺激を受け、将来は五輪の選手になることを夢見ることだろう。

 現在のペット関連産業の場合はどうだろうか? 人とペットの素晴らしい関係性や、QOL(生活の質)を高められるといったペットとの暮らしの重要性などが欧米に比べてまだまだ発信されていない。子供を育てる場合に、褒める方がやる気を引き出して良い結果が出ると報告されているが、同様に人とペットの共生によるメリットや正しい知識を普及することが大切ではないだろうか。

 海外での飼育環境を実際観察せずに、他人の発言や誤った広報(例えば欧米には殺処分はない、ペットショップでは生体を販売していないなど)を信じているケースも少なくない。

 日本の獣医師の中には、海外の学会に参加し、シェルターやティアハイム、高齢者がペットと暮らしている施設を視察されている先生方も多く、筆者もご一緒させていただく機会があった。そのような先生方や視察されたボランティアの方々は動物介在教育、動物介在療法、動物介在活動を積極的に行っている。

 小学校の先生方が直接そのような施設を視察することが望まれるが、その実現には時間がかかると思われる。飼育頭数や飼育率が減少している日本では、視察された獣医師の先生方による「人の健康、動物の健康、環境の保全のワンヘルスという考え方」に関する講演活動を提唱したい。それには、ペット関連、獣医療関連の企業などが講演を支援するシステムを確立することが大切だ。「教育」が素晴らしい産業を確固たるものとすることにつながるだろう。

 欧米では、教室にペットを連れてきて、生態の説明やペットの果たす役割、人との共生による効用などを教える授業がある。ストレスのかかる試験期間中には、校内で動物と触れ合う時間を設定し、生徒や学生の気分転換を図ったり、ストレスを軽減したり、動物との触れ合いの大切さを教えている学校もある。

 ワンヘルスを積極的に提唱している獣医師の先生方を中心に、学校や各地で子供たちに教える取り組みをされることを提案したい。産業界が大々的に獣医師の先生や専門家を支援して、子供たちへの教育や動物との触れ合い活動を行えば、人とペットの共生社会の実現に結びつくことだろう。

 子供たちの情操教育に動物の果たす役割が大きいことを知らしめるとともに、人とペットの共生社会を担う人材を令和の時代に多く輩出する教育システムを確立したいものである。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。
posted by しっぽ@にゅうす at 07:39 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

リウマチ闘病中に父の介護の絶望…「犬を飼う」ことで救われた理由

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小西恵美子さんは、24歳のときにリウマチを発症し、長年闘病を続けてきた。薬漬けの日々を脱却したいと、鍼灸やツボナージュなどの東洋医学も学んで体質改善の決意をしたのは、発症してから20年近く経ってからのことだった。

【写真】天皇家も犬と猫を…雅子さま、愛子さまも癒されている

 そして今、発症より30年経って、一番体調がよく、薬のない生活を送っている。治療法については小西さん個人の体験ではあり、治療の効果は個人差があるが、身体の仕組みや栄養の意味を知り、身体本来の力を強めるのは、健康な体の人にとっても大切なことではないだろうか。

 食事の摂り方や歯の磨き方なども学び、徐々に自身の身体の力を強くしていった小西さん。しかしそのときに二人暮らしをしていた父親が病に倒れた。リウマチの身体で疲労困憊だった小西さんを救ったものは――。

リウマチ闘病中に父の介護の絶望…「犬を飼う」ことで救われた理由
小西さんの母親は若い時にリウマチで亡くなった。父は90歳を超えても元気で自分のことはすべてできていたのだが(写真はイメージです)Photo by iStock
急に訪れた父の衰え
 父の部屋に入ると暑い。気分が悪くなりそうな温度だった。父はエアコンとオイルヒーターをつけ、どちらも28度に設定し、厚着している。今までは、冬でも私が暑すぎると感じる室温ではなかった。むしろ私が「寒くないの?」と聞くくらいだった。父は骨髄腫を患っている。悪化したのかと思い、体調を聞くと、寒いだけと言うが、父の身体のどこかで不具合が起きているのは確かだった。

 私の関節リウマチは発病から30年を経て、手や足の関節の変形はひどくて細かい作業をするには不便だが、薬を飲まずに日常生活を送れるようになった。ここまでくれば、自分のペースで仕事をしていけると思った矢先、91歳の父が、背中が痛くて動けないと言い出した。一昨年、お正月を迎えた後である。圧迫骨折だった。支えがないと移動がむずかしい。ベッドに横たわる時間が増えた。イスに座る時は背中を丸くしてじっとしている。

 父は身の回りのことは自分でやるし、掃除機もかけ、部屋の掃除もしていた。食べたいものの材料を自分で買いに行き、自分で料理して、私にも用意してくれた。それが室内を歩くのもすり足のようになり、着替えなど何をするにも時間がかかる。91歳だからある程度は仕方ないが、衰え方があまりにも急激だった。私は父の食事の用意を全部担うことにした。

介護が加わり、私の身体が限界に
 父は朝、10時ぐらいに起きてくる。午前中に私が出かける場合は、父の朝食の準備をして食べるばかりにする。1日2食なので、小腹がすいた時のために果物や和菓子を置いて行く。夕食の時間までに帰宅するように予定を組む。鶏肉や豚肉、魚を焼く。野菜をざっくり切って蒸す。刺身や惣菜を買ってきて、皿に並べる。鯖缶や鰯缶も助かった。

 夜に出かけなければならない時は、夕食の準備をして、冷蔵庫に入れ、何をどのようにして食べるのかをメモしてテーブルに置く。同時に私の予定と帰宅時間を書く。

 リウマチを抱えた私は自分のことだけで精一杯だったが、父の世話も加わると疲れが倍増した。全身の関節の痛みが増し、朝、痛くて起き上がれない日も多くなった。しかし父の食事の用意をしなければならない。痛みを我慢して、気力だけで起きて準備をした。しだいに私は食欲がなくなった。

 この先、父はどのような状態になっていくのだろうか。寝たきりになるのだろうか。老人ホームに入ったほうがいいのか。すぐに入れるのか。費用はどのくらいかかるのだろうか。私は介護の不安を募らせた。

 私は顔色が蒼ざめ、痩せ始めた。急に貧血のような、立ちくらみの状態になる。口が渇き、咳も出る。飴をなめてその場をしのぐ。眠れなくなった。私が倒れてしまうと思った。

 私だけでは父を支えられないと思い、介護認定の手続きをすることにした。区に書類を提出するため、近くの地域包括センターに行くと、担当者が私を見て、「あなたのほうが心配です」と言った。訪問調査を受け、ホームドクターに診断書を書いてもらい、1次、2次の審査を受けた。認定の結果が出るまでに約1ヵ月かかった。

リウマチ闘病中に父の介護の絶望…「犬を飼う」ことで救われた理由
小西さんの子どもの頃から、家にはずっと犬がいた。写真は二代目のネネ 写真提供/小西恵美子
犬とオキシトシンの関係
 父の具合が悪くなる1ヵ月前、10歳目前だったゴールデンレトリバーが死んだ。急にけいれんを起こして倒れた。脳障害の症状だ。かかりつけの獣医さんにつれて行き、診てもらい、入院。翌日、息が絶えた。

 家では子どもの頃から犬を飼っていた。玄関を開けると、舌を出して笑い、私の目をしっかり見て、しっぽを振って迎えてくれる。その顔を見るのが嬉しかった。散歩に行くと、私の脚や手が痛いのをわかっていて、ゆっくりと歩調を合わせてくれる。疲れがたまり、関節の痛みが強い日にぐったりしてソファに座っていると、そっと横にきて寄り添う。私の足に手をのせ、足元に横たわる時もある。リウマチの痛みを忘れる心地いい時間だった。

 快方に向かっていたリウマチが悪くなっている。なんとかしたいが、何ともならないと茫然とし、不安ばかりが大きくなる。

 その状態を分子整合栄養医学のIさんに話すと、「キラーストレスです。オキシトシンが出ていません。犬がいなくなったのが大きく影響しています。犬を飼うといいのですが……」と言われ、調べると、麻布大学の菊水健史先生の研究チームによる論文が、アメリカの『サイエンス』誌に掲載されて話題になったという記事を見つけた。飼い犬と触れ合うことで、人も犬も互いにオキシトシンが分泌されるという(※オキシトシンと同じ働きをするホルモンにセロトニンがある)。

 視床下部の室傍核と視索上核の神経分泌細胞で合成され、下垂体後葉から分泌されるホルモンがオキシトシン。脳の中でも分泌され、出ないと、脳の誤作動が起きてしまう。

 オキシトシンには心を癒やしたり、体の痛みをやわらげたりする働きがある。犬と見つめあった時に人間の体内のオキシトシンは3倍以上に増加するという。

 また関節の痛みや腰痛、ストレスを緩和する。犬だけではなく、趣味や旅行、音楽鑑賞、食事など、五感を刺激して心地いいと感じている時はオキシトシンが増えているという。感謝や思いやりの気持ちをもつ、身近な人と触れ合うことでも分泌されると実験で判明している。

 母親と子どもの間にもオキシトシンが出る。子育てがどんなに大変でも、オキシトシンのおかげで母親は愛情をもって世話ができる。幸せホルモンと言われるゆえんである。

オキシトシンは最大の治癒力!?
 犬には癒され、やすらぎを感じてはいたが、こんなにも大きな存在だったとは想像もしていなかった。

 Iさんにオキシトシンの話を聞いた3日後、今までずっと世話になっていた犬のトレーナーから電話がかかってきた。

 「今、1歳半の男の子のゴールデンレトリバーがいます。ある方のためにセラピードッグとしてのトレーニングをしましたが、入院なさって飼うことができなくなったのです。とても人の気持ちがわかるいい子です。散歩をしないとストレスになることはなく、人と一緒にいることが満足の犬で、手がかかりません。あなたにぴったりだと思い電話しました」

 絶妙のタイミングの電話だった。それでも父を抱えて、犬を飼えるのか迷った。「飼ったほうがいい。何を迷っているの」。翌日、一番で電話をして犬を迎えに行った。

 父は猛反対だった。賛同してほしかったが、私の身体は限界だった。

 朝、起きると犬が舌を出して笑って迎えてくれる。私は幸せな気持ちになって笑顔になる。2週間ぐらい経つと、犬と散歩していて痛みが軽くなっているのが実感できた。苦痛になっていた家事をやれる感じがした。オキシトシンが出た証だ。

 犬がこんなにも影響するとは信じがたかったが、明らかに痛みも気分も楽になっていた。オキシトシンの効果のすごさに驚くばかりだった。

 私は犬を飼うことでキラーストレスを乗り越えられた。今では犬のいない暮らしが想像できない。このタイミングでのこの廻り合わせに感謝している。

 【次回は2月7日公開予定です】

小西 恵美子(フリー編集者)
posted by しっぽ@にゅうす at 07:26 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする