動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2020年03月24日

大型犬にかまれ乳児死亡 悲劇を生まないために飼い主が排除すべき3つの危険因子とは?


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つい先日、飼い犬にかまれて、幼児が死亡するという痛ましい事件が起こりました。尊い命を奪われることになった仁ちゃんのお悔やみを申し上げます。

 20日午後5時35分ごろ、富山市上大久保の住宅敷地内で、生後11カ月の中村仁ちゃんが飼い犬2頭にかまれた。

 仁ちゃんは病院に搬送されたが、約2時間後に頭部骨折による出血性ショックで死亡した。富山県警富山南署が詳しい状況を調べている。

出典:飼い犬にかまれ乳児死亡 富山
2017年3月にも似たような事件が、八王子で起こっています。

9日午後4時35分ごろ、東京都八王子市北野台5丁目の民家から、「女の子が犬にかまれた」と119番通報があった。救急隊が駆けつけたところ、生後10カ月の安田翠(みどり)ちゃんが頭から血を流しており、約2時間後に死亡した。現場は翠ちゃんの母親の実家で、飼い犬のゴールデンレトリバー(4歳オス、体重約37キロ)にかまれたという。

出典:10カ月の女児、飼い犬にかまれ死亡 東京・八王子
富山市と八王子で起こった乳幼児が死亡した事件から、3つの危険因子を読み解いてみましょう。

1、大型犬
2.オス犬
3、放し飼い
以上が、危険因子です。

1、大型犬
優しい、賢いといわれている犬でも大型になると、乳幼児がいる場合は、注意が必要です。

富山の場合は、グレート・デンで、オスだと体重が90キロ近くなり、体高も100センチぐらいの超大型犬です。みかけは、怖そうに見えますが、「優しい巨人」と呼ばれて温和な性格の家庭犬として知られています。

八王子の場合は、ゴールデン・レトリバーで、オスだと体重は40キロ弱。体高は50センチぐらいの大型犬です。「従順で利口」の代名詞とされる人気犬です。

ゴールデン・レトリバーのような犬でも、乳幼児に牙をむくことがあります。体重が20キロ以上の犬は、子どもとの接触の仕方に、より注意が必要ですね(小型犬でも、もちろん注意してくださいね。

2.オス犬
どちらの事件も、オス犬です(メス犬が絶対に安全というわけではないですが、オスに多いですね)。

やはり、オス犬の方が、テリトリーの意識が強いので、自分の縄張りにヨチヨチと侵入してくると、目障りなのでしょう。それで、乳幼児を襲うことになるのでしょう。メスに比べて、筋肉も発達しているので、殺傷能力はどうしても強くなりますね。オス犬と子どもの接触は、より注意しましょう。

3、放し飼い
どちらも犬が放し飼いの環境で起こっています。

家犬の場合は、室内で放し飼いというのは、決して珍しいケースではありません。でも、乳幼児がいる場合は、放し飼いはよくないですね。大型犬を繋ぐのが、難しい場合なら、赤ちゃんをしっかりした(犬が入れないような)サークルに入れておくのもひとつの手かもしれません。

子どもに危険因子の高い犬・闘犬
ゴールデン・レトリバーや「優しい巨人」と呼ばれているグレート・デンでもこのような事故が起こるのですから、以下の犬は、より凶暴なので注意してくださいね。

・土佐闘犬

闘犬用として作られた犬なので、闘争本能が強い。オスは、体重60~90キロ、体高70センチ前後にもなります。

アメリカン・ピット・ブル・テリア

日本には、あまりいませんが、一般的には、ピットブルと呼ばれています。筋トレをしているかと思うような筋肉質です。必要運動量は膨大で、しっかり毎日2時間以上の運動を1〜2回必要。オスは体重30キロ弱、体高50センチ前後になります。

・ブル・テリア

日本では『平成イヌ物語バウ』の主人公犬バウのモデルとして知られてます。ユニークな顔で人気になりました。上記の犬に比べて小型ですが、筆者は診察中に何度もかまれた経験があります。最初は闘犬として作られていたものだからです。オスは体重25キロ前後、体高50センチ前後になります。

危険な年齢 ハイハイを始めた乳幼児
富山も八王子の事件も1歳に満たない、ハイハイの時期の赤ちゃんです。体高にして40センチもない子が、立たないで這いまわっているのは、オス犬にとっては攻撃の対象になるのでしょうね。

ハイハイをしない時期だと、ベビーベッドなどで寝ていることが多いし、歩き始めるとぐーんと体高が高くなりますから。この時期、特に気をつけてくださいね。

飼い主ができること
・子ども(特に乳幼児)と犬だけにしない。

・避妊・去勢手術はする。凶暴になるのを防ぐことができる。メスの場合は、発情中に興奮しやすいので、それを予防できます。

・ストレスがたまらないように十分な散歩をする。

・犬の行動学を勉強する。

犬のことをよく勉強して、事故のないように暮らしましょう。

まとめ
ニュースで犬が子どもなどを襲う事故を目にする度に、心が痛みます。ご家族の方は、いくら悔やんでも悔やみきれないとお察しします。

しかし、犬を正しく飼えば、人を襲ったりしないです。犬の特性、特に大型犬の行動を科学的に理解して、一緒に暮らしていただきたい。2度とこのような悲劇が起こりませんように。
posted by しっぽ@にゅうす at 05:18 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛犬と一緒に思い出を作る方法3つ!最初から最期まで、最高の犬生を。

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愛犬との思い出作り@旅行やお出かけ

定番中の定番ですが、思い出作りと言えばやはり「旅行」ではないでしょうか。

近年では犬と一緒に行くことができる場所が非常に増えてきています。公園や山の中のドッグラン、犬OKの海水浴場、牧場など自然とたっぷり触れ合うことのできる施設から、遊園地や水族館、アウトレットモールなど人気の観光施設まで犬を受け入れてくれるところが続々と増えてきているのです。

また、犬と一緒に泊まることができる施設もコテージやペンションなどだけでなく、大手グループホテルや老舗ホテルなども一部犬OKとしているなど泊まる場所の選択肢も増えてきています。旅行では犬と一緒に非日常を味わうことができ、愛犬の新たな一面を見つける機会にもなります。

また、旅行や遠出のお出かけはむずかしいという場合には毎日のお散歩コースを変えるだけでもいいと思います。行ったことのない公園を目指したり、歩いたことのない道を進むというだけでも犬にとっては十分な刺激となり、いつも以上に楽しいお散歩になるはずです。

愛犬との思い出作りAしつけやスポーツに取り組む

犬と充実した思い出を作りながら絆を強めることもできるという点から、しつけトレーニングやドッグスポーツに取り組むということもおすすめです。しつけは「おすわり」「待て」などを教えるだけでなく、グループレッスンに参加したり家庭犬とその飼い主を対象としたしつけの認定試験である「グッドシチズンテスト」にチャレンジしたりするのもいいでしょう。

漠然としつけをしているだけだと楽しみを見つけづらく、マンネリ化してある程度のところで成長が止まってしまうこともめずらしくありません。そこでグループレッスンでハイレベルな犬と飼い主のペアを見たりテストに挑戦したりすると、大きな刺激となってより充実したトレーニングができることでしょう。

また、ドッグスポーツも同様で楽しみつつも目標を持ち愛犬と一緒に努力するために最適なことだと思います。目標に向けて努力を重ね、それを達成した時の充実感はとても大きなものだと思います。そして共に取り組むことがあることでパートナーとしての結束がより強まるに違いありません。

愛犬との思い出作りB誕生日パーティーをする

愛犬との思い出作りとして、年に一度の誕生日を愛犬を主役にして思い切り楽しむ日と決めるのもいいでしょう。犬の場合、人間の子どものように七五三や入学式・卒業式など年齢で区切られるような行事がないため、生後1年を過ぎるとその成長をはっきりと感じ取りにくいとされています。

実際、愛犬の誕生日も2〜3歳頃までははりきってパーティーをしたりケーキを用意していてもだんだんと流してしまいがちになる傾向があります。

そのため、愛犬の誕生日をきちんと祝うことでその成長をしっかりと振り返ったり、これからの1年で愛犬と何にチャレンジするかを決めたりする日にしてみるのもいいのではないかと思います。誕生日には犬OKの写真スタジオで撮影をしてもらったり、お気に入りの場所に出かけるなど恒例行事を作るのも思い出作りとしておすすめです。

まとめ

愛犬と過ごすことができる時間はそれほど長くありません。しかし、日々忙しくしているとついそのことを忘れて愛犬との散歩の時間を十分作ってあげることができなかったり、コミュニケーションがおろそかになってしまったりすることも…。愛犬との時間を共に充実したものにするために、ここで紹介したことを参考に思い出作りをしてみてはいかがでしょうか。
posted by しっぽ@にゅうす at 04:24 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

老犬ならではの可愛さに気づかされたきっかけは

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こんにちは。2匹の犬、2匹の猫と暮らし、二児の母でもあるtamtamです。
我が家はお婆ちゃん犬、シロさんを新しい家族として迎え一緒に暮らしています。
もともと老犬好きな私ですが、シロさんと暮らし始めて、
私の老犬好きに拍車がかかってきているような気がします。大変です。

老犬ならではの可愛さに気づかされたきっかけは
例えば子犬と出会ったら
例えば子犬と出会ったら
小学生くらいの女の子がそれはそれは大事そうに
最近飼い始めたであろう子犬を抱っこしていました。
そんな光景に癒される私。

老犬ならではの可愛さに気づかされたきっかけは
子犬、可愛いなぁ
子犬、可愛いなぁ
これからきっと20年近くを共に生きるであろう若者、そんな君達にあれ、と。
どこか先輩面したくなっちゃった。面倒なおかーさん。
長年、犬猫に携わり続けてきて、もう可愛い犬や猫に対していちいち
キャピキャピきゃっきゃなんてしちゃいらせねーぜ。
なんてことを思っていた矢先。

老犬ならではの可愛さに気づかされたきっかけは
1匹の老犬を連れた女の人が!!
1匹の老犬を連れた女の人が!!
オムツを履いて、お目目は真っ白、綺麗にされているが決して艶やかではない被毛、
抱っこされた手足は固まったようにピーンと伸びて、顔はうつろ。
そんな明らかな老犬を抱えた人が同じ動物病院の待合室に現れました。

老犬ならではの可愛さに気づかされたきっかけは
我慢できない
我慢できない
キャピキャピ致しました。はい。

老犬ならではの可愛さに気づかされたきっかけは
よそのわんこにときめくなんて
よそのわんこにときめくなんて
一番は、この、ワタシ。

tamtam プロフィール
犬や猫の保護や介護についての楽しさや幸せをインスタグラムで発信し話題に。それぞれのかわいさをほっこり描いたイラストにファンも多い。

いぬのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 03:36 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【専門家が解説】中型犬の年齢は人でいうと何才?早見表や計算式も


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大型犬の年齢は、人に換算すると何才になるのでしょうか?  ここでは、大型犬の人換算年齢早見表やその計算式、平均寿命や短命といわれる理由など、大型犬の年齢について解説します。長寿につながるお世話のコツもご紹介するので、参考にしてみてくださいね。

【専門家が解説】中型犬の年齢は人でいうと何才?早見表や計算式も
ジャーマン・シェパード・ドッグのルディくん
大型犬の定義は?大型犬ってどんな犬?
そもそも大型犬とは、どのような犬のことを指すのでしょうか。
一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)では、「大型犬」「小型犬」というように、犬の大きさによる分類はおこなっていません。
しかし一般的に「大型犬」とは、成犬時の体重が20kg以上の犬種のことを指す場合が多いようです。

【専門家が解説】中型犬の年齢は人でいうと何才?早見表や計算式も
ゴールデン・レトリーバーのちょび太くん
大型犬の代表的な犬種
秋田犬、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパード・ドッグ、シベリアン・ハスキー、セント・バーナード、ドーベルマン、ダルメシアン、スタンダード・プードル など

【専門家が解説】中型犬の年齢は人でいうと何才?早見表や計算式も
大型犬の年齢早見表
大型犬の年齢早見表、計算式
犬は人よりも年をとるのが早い生き物です。さらに大型犬は4才以降になると、小型犬や中型犬よりも早いスピードで成長します。
まずは、大型犬の年齢を人の年齢に換算できる早見表を見ていきましょう。

大型犬の年齢計算式
1才以降の大型犬の年齢は、以下の計算式で簡単に算出することができます。

計算式:12+(犬の年齢−1)×7=人年齢
例:5才の大型犬の場合……12+(5−1)×7=40歳

※犬の年齢と人の年齢との換算方法についてはさまざまな説があります。

【専門家が解説】中型犬の年齢は人でいうと何才?早見表や計算式も
ダルメシアンのディアナちゃん
大型犬の平均寿命はどれくらい?
一般社団法人ペットフード協会が2017年に行った調査によると、中・大型犬の平均寿命は13.29才だそうです。
ちなみに、平均寿命は犬種によっても違いがあると考えられています。ではここで、大型犬の犬種別平均寿命について見ていきましょう。

犬種別の平均寿命
ゴールデン・レトリーバー …… 12〜13才
ラブラドール・レトリーバー …… 12〜13才
ジャーマン・シェパード・ドッグ …… 10〜12才
シベリアン・ハスキー …… 11〜13才
ドーベルマン …… 10〜11才
セント・バーナード …… 8〜10才
グレート・ピレニーズ …… 10〜12才


大型犬の寿命が小・中型犬より短いのはなぜ?
一般的に、大型犬の寿命は小型犬や中型犬よりも短いといわれています。その理由を見ていきましょう。

大型犬は成長スピードが早い
先ほどの年齢早見表では、4才以降の大型犬の年齢を人に換算すると、小・中型犬の人年齢よりも上になるということがわかります。たとえば4才の大型犬は人でいうと33歳でしたが、小・中型犬は32歳です。さらに年を重ねると、10才の大型犬は人でいう75歳にあたりますが、小・中型犬はまだ56歳です。

このように、大型犬は小・中型犬よりも成長スピードが早いのです。その理由はまだはっきりとは解明されていませんが、大型犬は大きな体を維持するために、小・中型犬よりも多く細胞分裂するためではないかといわれています。
細胞分裂の回数が多くなると、同時にガンの発生率も高まるという点も関係しているかもしれません。

体に対する臓器の比率が小さい
大型犬は体が大きいため、体に対する心臓などの臓器の比率が小・中型犬よりも小さいことが判明しています。そのため、日常的に体に負担をかけ、細胞の老化を早めてしまうおそれが。
このことも、大型犬の寿命を短くしている一因ではないかと指摘されています。

遺伝子によるもの
大型犬は遺伝子によって成長ホルモンの一種である「IGF-1因子」が多く分泌されているため、短命になりやすいという説もあります。どうやら体の大きな犬ほど、この「IGF-1因子」の分泌が多くなる傾向があるのだとか。
「超大型犬」と呼ばれる体重30〜35kg以上の犬種(グレート・デンやバーニーズ・マウンテン・ドッグなど)は、ほかの犬種よりも短命といわれることが多いですが、もしかするとこの成長ホルモンが関係しているためかもしれません。

【専門家が解説】中型犬の年齢は人でいうと何才?早見表や計算式も
シベリアン・ハスキーのチョビくん
大型犬の長寿に役立つお世話のコツは?
家族の一員である愛犬には、できるだけ健康で長生きしてほしいですよね。ここからは、大型犬の長寿に役立つお世話のコツをご紹介していきます。

室内が滑りにくいよう工夫する
フローリングなどの床は足が滑りやすく、関節を痛める原因になります。大型犬は体重が重いこともあり、前足に負担がかかりやすいため、関節炎のリスクも高いのだとか。
犬が過ごす部屋にはカーペットを敷くなどして、できるだけ足が滑りにくいよう工夫するといいですよ。


肥満に注意する
太りすぎは骨に負担をかけてしまうほか、さまざまな病気につながるおそれもあります。フードやおやつの与えすぎに注意し、適正体重を維持するよう心がけてください。
特にシニア犬になると基礎代謝が落ち、これまでのフードが合わなくなることもあるので、シニア犬用のフードに切り替えるようにしましょう。

十分な運動量を確保する
大型犬は体力があるので、散歩や遊びなどでたっぷり運動させることが必要です。十分な運動量が確保できないと、肥満の原因になったり、ストレスがたまって問題行動につながったりする可能性もあります。
散歩は1日2回、1回の散歩時間は30分以上を目安に行いましょう。

ボディチェック&スキンシップする
ボディチェックを兼ねて、少なくとも1日1回は愛犬の体を触りましょう。飼い主さんとのスキンシップは、愛犬が幸せに暮らすためには欠かせないものです。犬の背中や首回りなどを軽くもんであげると、マッサージにもなるのでおすすめですよ。

定期的な健康診断を受ける
動物病院で定期的な健康診断を受けるようにしましょう。目安は1年に1回ですが、シニア犬になったら年2回に増やすことで、病気の早期発見や治療につながることもあります。

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ラフ・コリーのラルクくん
大型犬と幸せに暮らそう!
大型犬の人換算年齢や寿命、お世話のポイントについてさまざまなことがわかりました。なお、犬の年齢や平均寿命には個体差があるので、あくまで目安として考えてください。

みなさんもご紹介したお世話のコツを押さえて、大型犬の愛犬と少しでも長く、そして幸せに過ごしてください!

参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『大型犬が小型犬より短命な理由とは? 寿命や人換算年齢について解説!』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
   「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『犬の年齢は人間でいうと何才? 〜計算式や寿命、老化のサインなど〜』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
   「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が解説】ゴールデン・レトリーバーの寿命と長生きのポイント』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/松本マユ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

いぬのきもちWeb編集室
posted by しっぽ@にゅうす at 02:49 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

獣医大でいまも残酷な動物実験 約30年前のホルスタイン牛の解剖実習を臨床獣医師が告白

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ネットもSNSもない時代、30年以上前に私は、獣医大学を卒業しました。当時、ラット、ヒヨコ、犬、牛や馬などを使った動物実験を行っていました。動物が好きという単純な理由で、獣医師を目指したのに、こんなに多くの動物の命を犠牲にするのか、とショックの日々でした。しかし、私たちの時代は、生命の尊厳、畏怖の念を徹底的に教え込まれました。

 憧れの獣医師になるために大学に入ったら、犬、牛、鶏、ラットなど多くの実験動物を傷つける実習にショックを受ける学生がいる。

 最近は、動物が本来の行動ができて幸福な状態であるべき「アニマルウェルフェア」(動物福祉)を重視し、健康な動物を傷付ける実習を減らして練習用の模型など代替手段を取り入れ、治療を要する動物の臨床実習に力を入れる大学が出てきた。

 しかし一方で、狭くて汚いケージに実験動物を閉じ込め、麻酔の失敗で動物が苦しんだり、術後のケアも不適切だったりする事例があることが取材で分かった。

(略)

中には「このような授業を受け続けると、学生全員が良心の欠如した人間になってしまうのではないか」と訴える学生もいる。

出典:「明日殺されるのに…」獣医大の驚くべき実態、学生たちの苦悩
とあったので、実際、そのような授業を受けた私の個人的な意見を告白させてもらいます。

大学の解剖学教室で、牛の放血殺
筆者は大阪生まれの大阪育ちで大学に行くまで牛や馬を見たことがほとんどなかった。いまは獣医学部の女子学生比率が半分以上だが、私のときは2割程度しかいなかった。それに身長も153センチと小柄なので、牛の解剖実習のときに倒れるのではないか、とみんなから心配されていた。600キロある牛が、解剖室にドサリと倒れるのであるから。そんな解剖実験の夜は、真っ赤な血潮の中で白と黒のホルスタインが浮かんでは沈む夢を見てよく眠れなかった。

ある日、解剖実習室に早めに到着した筆者は、いつもと違う光景を目にした。乱雑に置いてある椅子がきれいに片付けられて、だだっ広いコンクリートの床に水が流れていた。学生たちは、集まってきてお喋りをしていた。急に静かになったときに、解剖される牛が到着した。牛のために通路があけられ、先生方が教室の真ん中に牛を誘導した。

「女子学生と背の低い学生は外に出なさい。牛が興奮して怪我をすると困るので」

当時の解剖学の教授は、重々しくそう告げた。筆者はのろのろと教室から出ていき、窓によじ登って教室の様子を眺めた。

教室の中には大柄の男子学生が残り教授の指導のもとで解剖の準備が進められた。前肢と後肢に牛の保定用のロープがかけられて男子学生が引っ張り、巨大なホルスタインは、コンクリートの床に地響きをたてて倒れた。それから皮膚を切開して頚静脈、頚動脈を切開して、放血殺が始まった。

私は外の窓からその様子を一部始終見守った。生まれて初めてみた放血殺。筆者は、頭の中がオーバーヒートして酔った気分だった。

牛の四肢の動き、眼球の動きが全て止まり、コンクリートの床に水が流れる音だけが響いていた。

「外にいる学生さんは、教室に」という教授の声で、学生たちは、無言で教室に戻った。

「学生諸君!尊い命を投げ出してくれた牛に感謝しないといけません。この死を無駄にしないために、君たちはしっかり勉強しないとダメです。それが牛に対して報いることになるのです。君たちは、いまショックで虚無感、喪失感を味わっているかもしれません。いまのその気持ちを大切にして、しっかり味わってください。君たちが卒業するまでに、何十頭もの動物の命を犠牲にするわけですから。いまの気持ちを忘れないでください・・・。それではみなさん、この命を差し出してくれた牛に黙祷!」

と教授は、一言一言を噛みしめるように話した。

このようにして、私の解剖学実習は始まりました。

(いまの大学では、麻酔をかけてから放血殺をしています。)

私たちの大学時代
教授たちは、このようにしっかり命の大切さ、尊厳を叩き込む授業をしたので、私たち学生も、社会に出て良心が欠如するような臨床をしないよう心がけています。命は、一度リセットしてしまうと元に戻ることはないことを知っています。ただ、やはり命をもらわずに、動物実習しないで大学の授業が受けられるようになることを願っています。時代は流れて「アニマルウェルフェア」という言葉もあり、動物の福祉や幸福を考える時代になってきているのは事実なので、獣医大学も変わらないといけないですね。

「アニマルウェルフェア」を大切にして、獣医師を育てる
臨床現場に出ると、採血を嫌がる子、貧血で血が取れない子、むくんで血管が見えない子などが多くいます。臨床経験の未熟な獣医師はこれらの子たちを診るのは、難しいです。生きた動物にあまり触れないで大学を卒業すると、社会に出たときに、大変なのです。

私は愛犬で何度も採血していました。獣医学生を育てるためにも、ボランティアで採血させてくれる犬や猫がいる社会にならないといけないのでしょうね。動物も幸せで、そして臨床もちゃんとできる獣医師を育てるシステムになるように、みんなで知恵を絞っていく社会が必要になるのでしょう。

まとめ
私の大学時代は、いまのように情報社会ではなかったので、よく知らず動物が好きで、そんな犬や猫の命を救える獣医師になりたいと思って大学に進みました。大学に入るまで動物実習のことも知らなかったのです。

ただ、大学時代に命をもらった動物に報いるためにも、獣医師をやめることもなく目の前に来た動物の命をつなぎ、ペットの命を大切にしている飼い主に寄り添いながら今日も仕事をしています。
posted by しっぽ@にゅうす at 01:22 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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