ペットブームのなか、テレビでも動物番組の人気は高い。
その陰で、飼い続けられずに捨てられ、殺処分される犬や猫も多い。
BSスカパー!はこの問題と向き合うドキュメンタリー「犬と命の物語〜どうぶつと生きる社会〜」を
19日午後8時から無料放送する。
徳島県動物愛護管理センターの職員が、町中で野良犬を追いかけ回す。
捕獲した犬は施設内に7日間収容される。
信じがたいことに、つい昨日まで飼われて首輪をつけたままの犬もいる。
ペットや飼い主が高齢化したり、子供が生まれたりして都合が悪くなり、直接連れてこられるケースだ。
この間、飼い主や引き取り手が現れなければ殺処分される。
スカパーがこうした社会派ドキュメンタリーを自主制作するのは初めて。
企画した赤松勇介プロデューサー(31)は「やるからには地上波のゴールデンタイムでは
放送できないところまで踏み込んでメッセージを打ち出したかった。殺処分を批判するのではなく、
飼う人に問題意識を持ってもらえる内容にしたかった」と制作意図を語る。
全国で取材に応じた自治体は、殺処分の大幅削減を目指す徳島県だけだったという。
これを切り口に、ペットブームに乗って人気種を劣悪な環境で大量に繁殖させる犬ビジネスや、
誰でも参加できる犬のオークションの悲惨な実態、原発事故の影響で置き去りにされた
福島県内の犬を助けるボランティアの人たちの姿などを追う。
犬が苦しむ様子などショッキングな映像も含まれているが、これが現実だ。
結局、飼い主が最後まで責任を持って面倒を見る覚悟が必要だということを思い知らされる90分。
動物好きの人こそ、ぜひ目を背けずに見てほしい。【土屋渓】