動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2014年08月02日

千葉にオープンした犬の介護施設が話題に ペットにも幸せな老後を

琉球新報


年老いたペットにも、幸せな老後を―。流通大手のイオングループ傘下のイオンペットが、千葉市美浜区の大型商業施設「イオンモール幕張新都心」で犬のための介護施設をオープンした。清潔で広々とした居室にドッグランなどが併設され、24時間対応で医師が待機する万全の環境だ。
 このニュースが報じられると「犬のために? 大げさな!」という驚きの反応の一方で、「これからこういう施設、必要ですよね」という納得の意見も多く聞かれた。後者は主に、ペットを飼った経験がある人の感想だ。
 人間と同じく、ペットの医療も進歩し続けている。年齢や体型に応じて犬の健康を考え、さまざまな種類のドッグフードも販売されるようになった。かつて番犬として庭で飼育されていたものが、家族の一員として家の中で暮らす犬も増えた。飼い犬の寿命に関する統計は少ないが、獣医師らの感覚では1980〜90年代にぐんと伸びたという。すると野山を駆け回っていた時代とは違い、運動不足や成人病に悩む犬が現れる。
 実はわが家でもかつて飼っていた犬が長生きしたが、最後は足腰が立たなくなり、寝たきりに。こうなると床ずれを防ぐために寝返りをうたせてやり、排泄のたびに抱き上げてトイレに連れて行く必要が出てくる。刺激が少ないからか、次第に痴呆も出始める。動けないため疲れにくく、昼間も眠るようになると夜鳴きを始めることも。集合住宅では、近所からの苦情が来るほどだ。家族の誰かが夜通し付きっ切りで面倒を見なくてはならない状況を経験した人も、少なくないだろう。
 イオンペットの介護施設担当で開店以来、問い合わせなどにも対応する藤井美紗子さんも今、介護が必要な犬と暮らしている。「飼い主の方の苦労は、痛いほど分かります」。しかし、相談を受けるとまず「施設に預けないですむ方法」を共に考える。夜鳴きで悩んでいるという悩みには昼間眠らせないように注意することを提案するほか、家族が付きっ切りで面倒が見られない場合は親戚に預ける可能性を探る。
 「飼ったからには、最後まで責任を持つべきだ」という指摘もある。昨年9月に施行された改正動物愛護管理法にも「終生飼養の義務」として明記された。しかし飼えなくなる事情は犬が要介護になる場合以外にも、一筋縄ではいかない状況が多々ある。転勤で引っ越した先がペット飼育禁止だったり、飼い主が入院してしまったり、死亡したりするケースも少なくない。
 仲間に囲まれて暮らすうちに、元気を取り戻す犬もいるという。犬の介護施設の草分け的存在である熊本県菊池市の「老犬ホーム トップ」を訪れると、老犬たちが芝生の広がる敷地で思い思いに体を動かしていた。中には後ろ足が不自由にもかかわらず、仲間を追いかけて前脚だけで走り回る犬も。責任者の緒方心さんは「その子の性格にもよりますが、同じ犬たちと暮らすことで元気を取り戻す子も多いんですよ」と笑顔で話す。
 「どのような環境が犬にとって幸せか」。それは人と同じで、犬によって千差万別だ。ただ、犬がその一生を幸せに暮らすための選択肢が増えた意味は大きいと思う。太古の昔から僕らの暮らしを助け、元気を分けてくれてきた犬たち。後から生まれたはずなのに、いつの間にか僕らを追い越して先に死んでしまうペットたちは、子どもたちに命の尊さを教えてもくれる。これからも一緒に、これまで以上に仲良く暮らしていけたらと思う。(加藤朗・共同通信記者)


タグ:介護 老後
posted by しっぽ@にゅうす at 04:00 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする