マイナビニュース
生活習慣病にかかるのは人間だけではありません。食べ物や運動不足などによって、ペットである犬や猫も生活習慣病にかかります。とくにインスタント食品や添加物の多い食べ物ばかりをあげていると、人間と同じように栄養素が不足したり偏ったりして、ペットの病気を引き起こす原因にもなります。
ペット達は自分で食べるものを選ぶことができないので、私たち飼い主がしっかりとした食生活を意識してあげなければなりません。フードやおやつが原因で病気になってしまったら医療費もかさんでしまい飼い主としても悪循環ですし、そもそも愛するペットの苦しむ姿を見たいと思う飼い主なんていないでしょう。
最近では中国産のジャーキーを食べた犬や猫が死んでしまったという事件もありましたが、ペットフードやおやつの安全性について皆さんはどのくらい意識していますか? 今回の記事では、愛玩動物飼養管理士の筆者が、注意したい現在のペットフード事情についてお伝えします。
■1:“遺伝子組み換え”など成分をしっかりチェック!
骨や細胞、血液などをしっかりと作るにはタンパク質やビタミン類、ミネラルや脂質、炭水化物などをバランスよくペットに食べさせる必要があります。
与えるフードに何が含まれているのか、しっかりと成分をチェックして食べさせるように心がけてください。化学的な香料や防腐剤、着色料などが多く含まれているフードやおやつはペットの健康のためには控えてあげたほうが賢明です。
また、“遺伝子組み換え”の穀物が使われている場合もありますので、気になる方はよく注意してからフードを選んでください。
■2:人間が食べる食品の安全基準よりもゆるい
現在日本では、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(通称:ペットフード安全法)によって原材料や添加物に一定の規制がかけられています。ですが、実はその基準は私たち人間の食品の規制よりも安全基準がゆるく設定されているのです。
例えば、殺菌剤にも用いられる農薬及び飼料添加物の“エトキシキン”について、ペットフードでは酸化防止剤として使用されている可能性があります。
また、“BHA酸化防止剤”と呼ばれる添加物は人間に対してはその発がん性が認められたことから、現在は人間の食品では使用が規制されていますが、ペットフードにはこのような規制はかかっていません。
ペットフード安全法は平成21年に施行された比較的新しい法律ですが、この法律によってペットフードの原材料や添加物などの表示義務が課せられていますので、現在では購入しようとするフードやおやつの成分を消費者が確認することができます。
また、原産国名も表示義務が課せられていますので、消費者としてチェックを怠らないようにしたいポイントです。市販のものは全て安全と思い込まずに、自分のペットに食べさせていいものかどうか、飼い主がきちんとチェックしてから与える心がけが必要です。
■3:手作りフードも選択肢のひとつ
市販のフード類だけでなく、手作りのフードを与えるのも選択肢のひとつです。実際に筆者も週に何日かはササミや野菜を煮込んで作った“手作りフード”を愛犬に与えています。手作りフードを与える際には、栄養のバランスに注意して作ってあげるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。規制がかけられているとはいえ人間と比較するとその内容が異なっているのが、現在のペットフードの実情です。人間の食品ですら表示や内容について偽装や安全性に関する報道が相次ぐ現代において、ペットフードにどこまで注意するか、何を基準にしてフードを与えるかは個々の飼い主の判断となります。
筆者の場合には新しいフードやおやつを愛犬に与える際には、まずは筆者が味見をして化学的な味がしないか、変な臭いがしないか、なども実際に舌で確かめるようにしています。
長期保存やペットの食いつきばかりを重視したフードだと、香料を含む添加物も多く入っている傾向があるようです。気になった方は是非、この機会にペットフードやおやつについても一度、確認してあげてくださいね。