動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2014年09月14日

広島土砂災害:直前「キーン、キーン」愛犬が救ってくれた

毎日新聞


鳴きやんだ愛犬の様子を見ようと外に出ると、泥水が押し寄せてきた−−。広島市北部の土砂災害で、飼い犬の異変に気付いた同市安佐南区八木4の塗装会社役員、佐藤正英さん(65)一家は、土石流が自宅を襲う直前に乗用車で避難した。家族を救った愛犬2匹のうち1匹は無事に戻ったが、もう1匹は不明のまま。「何とか逃げていてほしい」。家族は今も捜し続けている。

 佐藤さん宅は4人暮らしで、愛犬はやんちゃだが臆病な「メイ」と、メイの後をついて回るおっとりした「パト」。雑種の兄弟2匹を家族のようにかわいがっていた。

 災害発生前日の8月19日夜、激しい雷雨に、庭の犬小屋のメイが「キーン、キーン」とおびえた声を上げ続けた。20日午前2時ごろ、急に鳴くのをやめたため、おかしいと思った妻裕子さん(64)が寝室のある2階から1階に下りて玄関の扉を開けたところ、泥水が流れ込んできた。

 すぐに1階で寝ていた次女康子さん(38)と孫朔也(さくや)君(3)を起こし、避難の準備をした。その間にも庭に泥水が押し寄せてきた。2匹は犬小屋の柵の前で、「出してくれ」と訴えるように囲いに飛びかかっていた。裕子さんは手の震えを必死に抑えながら柵の扉を開けた。「逃げて」。一緒に連れて行く余裕はなかった。

 一家は乗用車で山裾の道路まで逃げたが押し寄せる泥水で動けなくなり、近くの長男宅に避難した。朝になって自宅に戻ると、自宅は土砂にのまれ、犬小屋も埋もれていた。20日夕、約500メートル離れたファミリーレストランに犬がいると聞き、駆けつけた。泥まみれのメイがぐったりとしていた。爪は擦り減り、汚れがひどく、何度も洗ったり拭いたりした。「泥水に流されたからでは」と裕子さんは考えた。

 パトの行方は分からないままだ。大阪市に住む長女史子(ふみこ)さん(40)がツイッターで呼びかけたり、家族で写真入りのチラシを配ったりして捜している。広島市動物管理センターによると、土砂災害の被災地で飼い犬に関する情報はこれまでに8件あった。このうち5件は飼い主の元に戻ったが、被害が大きかった八木地区の3件は行方不明のままという。「逃げた先で誰かに飼われていてくれれば」。家族はそう願い、パトの帰りを待っている。情報提供は史子さん(090・6834・3713)。【加藤小夜】


posted by しっぽ@にゅうす at 07:12 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする