動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2014年09月26日

大きく変化したバンコクのペット事情

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私は根っからの犬好きで、25年程前に某社の駐在員としてバンコクに滞在したときは犬を飼いたいばかりに庭付きの一軒家に住んでいた。当時勤めていた会社は駐在員約50名、合弁会社への出向者約50名、都合約100名の邦人派遣社員を擁する大所帯だったが、治安上の理由から皆マンション暮らしで、一軒家に住んでいるのは社宅をあてがわれている現地法人の社長と我家だけだった。

 当時のことを思い出すと、タイでは犬はあらゆる生き物の中でなぜか最下等という、誠にありがたくない地位を貰っていた。そのため、犬をペットに飼う人などほとんどおらず、飼うとすれば番犬としてだった。そんな訳で、街で見かける犬といえばほとんどが野良犬だった。

 理解に苦しみ、悲しかったのは、普段は穏やかなタイ人が犬を見ると何もしていないのにいきなり蹴飛ばしたり叩いたりすることだった。犬に対する扱いは25年経った今でこそ多少は良くなったが、可哀そうな野良犬たちが相変わらずおどおど、びくびくして暮らしているのは残念なことである。

 さて、ところがである。この国の人々の国王に対する尊敬の念の強さは世界でも知られている通りであるが、10年ほど前から、国王陛下も実は犬好きで、積極的に野良犬を保護し、保護した犬を宮殿でご自分の傍において飼っておられることが世間でも知られるようになった。その影響で次第に近所の野良犬に餌をやったり、首輪を付けてあげたりして地域ぐるみで野良犬の面倒を見る人が少しずつ増え、今では珍しいことではなくなってきた。

そしてここ数年。社会全体が豊かになってきたことを受け、今バンコクは「ペットブーム」を迎えている。昔は犬猫病院を見付けるのも大変だったが、今では大きな動物専門病院、ドッグラン、ペット保育園、ペットホテル、ペット用品店といった具合にペットビジネス大盛況だ。

 安心して犬の散歩が出来るような環境インフラの整備にはまだまだ時間がかかるだろうが、ワンちゃんたちのタイ社会での地位が少しずつ上がってきたことは喜ばしいかぎりだ。

 現在、我家では日本からつれてきた柴犬2匹を飼い、毎朝近所のお決まりコースを30分程散歩しているが、顔馴染みとなった近所の人と簡単な会話を交わすことが楽しみになっている。

 先日は、日本では当たり前のビニール袋にペットボトルを持って「犬の糞片付け」をしていたら、おばさんから「日本人は偉いよね、ありがとう!」と声を掛けられた。ワールドカップでも同じことが世界の彼方此方で話題になったようだが、我家ではワンちゃんのお陰で少し嬉しい気持ちになった。(バンコク在住ビジネスマン)



タグ:海外
posted by しっぽ@にゅうす at 09:08 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする