動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2014年12月22日

ペット業界、進む意識改革

読売新聞


ネット取引、広がる説明代行


ブリーダーから送られてきた犬について購入希望者に説明をする作左部さん(右)(11月16日、東京都内で)

 インターネットを使った犬や猫の売買を巡るトラブルが相次いだことを受けて動物愛護管理法が改正され、ネットによるペット販売が規制されて1年余。

 売買仲介サイトでは改正法の趣旨に沿った取り組みが広がっており、遠方にいる繁殖業者(ブリーダー)に代わって購入希望者と対面して説明や手続きを行う新たなビジネスも出てきた。ただ、一部には法令順守の意識が低い業者も見られ、業界の意識改革はまだ道半ばだ。

「対面」促す

 昨年9月の改正法施行で、業者にはペットを売る際には実際にその動物を購入希望者に見せ、飼い方の注意など環境省令で定めた計18項目の「重要事項」を説明する義務が課せられた。ネットによるペット購入者が、「思っていたのと違った」と行政に引き取りを求めるトラブルが続出したためだ。

 法改正を受け、ブリーダー約1000人が登録する仲介サイト「みんなのブリーダー」では、掲載された犬の写真を見てブリーダーへの問い合わせを希望する利用者に対し、犬舎を見学できるか確認し、見学できない場合にはブリーダーに出張を求めるよう促している。購入者へのアンケートでブリーダーと面会したかを尋ね、違反が確認されたブリーダーはサイトに登録しないことをルール化した。

 今年8月に開設された仲介サイト「PUPPIES」では、ブリーダーに「対面販売証明書」を発行し、犬舎を訪れるなどした購入希望者が署名したものを送り返してもらうようにした。同サイトの鈴木北斗代表(37)は「ペット業界は、これまで法令順守意識が低いと見られてきた。法律に沿った仕組みを整え、業界を底上げしたい」と話す。

ブリーダーが委託

 東京都江東区でペットショップを経営する作左部和雄さん(65)は、昨年夏、ネットを活用してペットの取引を行っているブリーダーの委託を受け、事前説明と現物確認などを代行する新たな有料サービスを始めた。

 ブリーダーから取り寄せた犬を自分の店などで購入希望者に見せ、ブリーダーに代わって遺伝性の病気やエサの与え方などを説明。購入希望者が納得すれば売買が成立し、代金を受け取ってブリーダーに振り込むという仕組みだ。

 他のペットショップ経営者らとネットワークを作り、現在、全国で25店主が約300人のブリーダーと契約している。代行料は1万6000円。これまで約50件を請け負ったという作左部さんは「ブリーダーの多くは地方に住んでいるが、購入希望者の大多数は大都市圏におり、直接会うのが難しいケースも多い」と語る。

 ネットで沖縄県のブリーダーの存在を知り、作左部さんの代行サービスを使ってこのブリーダーから子犬を購入した都内の男性(48)は、「沖縄には行けなかったが、作左部さんから対面で説明を受け、その場で湧いた疑問も解消できて安心感があった」と話す。

遺棄を減らす

 環境省によると、法改正後、ネットを使ったペット取引に関する苦情は寄せられていない。ネット上のやり取りだけで購入できるような「違法サイト」も確認されていないという。

 ただ、法の抜け道を探るような業者の存在も指摘されている。ある代行業者はホームページで、ブリーダーに対して子犬の販売代金を「預かり金」として購入希望者から事前に受け取るよう勧め、説明もメールや電話で済ませるよう求めている。これでは、本来購入の是非を判断するために行われる対面での説明が形骸化してしまう恐れがある。

 また、PUPPIESでも、対面証明書を送り返してこないブリーダーもいるといい、鈴木代表は「将来的には、証明書を必ず送ってもらうような仕組みも考えないといけない」と話す。

 同省は各自治体を通じ、法改正後のペットの取引について実態調査を進めており、担当者は「法改正の目的は、遺棄される犬や猫を少しでも減らすこと。人と動物が共生できる社会を目指し、意識の低い業者には自覚を促したい」としている。(大野潤三)

改正動物愛護管理法の主なポイント
▽犬や猫を販売する際、業者側に現物確認と対面説明を義務化。
▽販売が困難となった犬や猫の飼養責任を明確化。
▽行政は、業者による犬や猫の引き取り要請を拒否できる。
▽生後56日以内の犬や猫の販売などを禁止。(経過措置として、2016年8月までは「45日以内」、それ以降一定期間内は「49日以内」)
▽業者に対し、犬や猫の所有状況について年1回、自治体への報告を義務づけ。
2014年12月21日 Copyright コピーライトマーク The Yomiuri Shimbun


タグ:業者
posted by しっぽ@にゅうす at 06:32 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする