飼い主のいない犬猫が各地の動物愛護センターで殺処分される現実と、センターから犬猫を引き取り、飼い主を探す活動を続けるボランティアらの姿を描いた映画「犬に名前をつける日」(山田あかね監督、一時間四十七分)の上映とトークイベントが十九日から、川越市元町一の川越スカラ座で開かれる。二十五日まで(火曜定休)。
二〇一〇年に愛犬を失い、気力も失ってしまった山田さんは、大先輩のドキュメンタリー作家渋谷昶(のぶ)子さんに「悲しむひまがあるなら、犬の映画を撮れ」と励まされ、動物愛護センターやボランティアたちを四年間にわたり取材。その中から、福島第一原発二十キロ圏内で保護された犬を追ったドキュメンタリー「むっちゃんの幸せ」が生まれ、テレビ放送が反響を呼んだ。
映画はドキュメンタリー映像と、山田さんをモデルにしたテレビディレクターを描くドラマを加えた構成。主人公を小林聡美さん、元夫役を上川隆也さんが演じる。
広島市を拠点にセンターの犬猫の引き取りを続けるNPO法人犬猫みなしご救援隊代表・中谷百里さんは映画の中で「命は売ったり買ったりするもんじゃない。命はバッグじゃないし、洋服じゃない」と語る。タイトルには「犬に名前をつけるとは、犬の命に責任を持つこと」とのメッセージが込められている。
上映開始は午後零時四十五分と同三時の二回。一般千五百円。二回目の上映後、日替わりで山田監督や中谷さんらが登場するトークイベントが開かれる。日程は川越スカラ座ホームページで。上映期間中は毛皮製品を持ち込めない。また、映画の半券で同市新富町一の保護猫カフェ「ねこかつ」の平日入場料が半額になる。
(中里宏)