動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2015年12月31日

動物に“芸”かわいそう? 五郎丸ポーズから考える

中日新聞


ラグビー・ワールドカップ(W杯)で有名になった「五郎丸ポーズ」。日本代表が活躍した十月、静岡県の水族館にいるゴマフアザラシが五郎丸歩選手の独特のポーズをして人気という記事が本紙に載った。後日、「人と動物の共生を考えたとき、未来に続く姿勢だろうか」との疑問が本紙に寄せられた。ほのぼのとした記事に見えるが、何か問題があるのだろうか。(福岡範行)

ファミリーパーク園長

共生の姿提起

 意見は動物園「富山市ファミリーパーク」の園長で、日本動物園水族館協会前会長山本茂行さん(65)から届いた。

北陸中日新聞の10月16日付朝刊に載った、五郎丸ポーズをするゴマフアザラシの記事
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 記事によれば、水族館の職員が促したことで一頭が前肢のツメを合わせるようになり、別の一頭は「ラグビー日本代表 お疲れ様です」と書かれたボードを持つ。アザラシはラグビーブームを知らない。人間が楽しむために動物を使っているようにも映り、山本さんは違和感を抱いた。

 ◇ 

 近年、世界では野生動物を人に使われる存在ではなく「共存するパートナー」としてとらえる考え方が広がっている。人間生活の影響で多様な動植物の営みを壊せば、人類がしっぺ返しを受けるという危機感が背景にある。

 こうした動きの中、動物園や水族館に生き物本来の姿を伝える役割を求める声も強まっている。昔、動物園で人気だったゾウの玉乗りは目にしなくなった。動物に無理やり「芸」をさせることはやめるべきだとの声が大きくなったからだ。

 ではペンギンにお巡りさんの姿をさせ、交通ルールを守ろうと呼び掛けたらどうなのか。街で聞いてみた。

ラグビーW杯で有名になった五郎丸歩選手の独特なポーズ
写真
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 「難しいですね。動物目線で考えると…」。金沢市の会社員松能洋さん(32)はくり返した。五郎丸ポーズの記事には「水族館の宣伝になるかなとも思うけれど、できれば避けた方がいいのかな」と悩んだ。市内の中学三年木下ひかるさん(14)は「ラグビーを知らないのにポーズをやらされるのはかわいそう」。

 市内の主婦(70)は「無理に教え込ませるのでなければいいのでは。小さい子も見たがるしねえ」と言う。ほかには「気にしすぎでは」「専門家と一般の人の視点は違う」「それを言うなら、動物園や水族館は何であるの」という声もあった。

 身近に動物がいた方が、人々が生き物との共生を考えやすい。山本さんは「動物園は必要悪だ」とも話す。ファミリーパークでは里山生態園や日本の在来馬の乗馬体験など、地元の生き物に触れる内容を充実させている。山本さんは「身近なところから自然との向き合い方を考えてほしい」と訴える。

 富山市ファミリーパーク 1984年、市の呉羽丘陵に開園。年間入園者数は2005年度に18万人まで落ち込んだが、地元の生き物を紹介する里山生態園の開設や、地元の企業、団体と連携した事業の充実で14年度は過去最多の33万人に回復した。




posted by しっぽ@にゅうす at 08:26 | 動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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