動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2016年04月09日

保護犬を災害救助犬に育成…取り組み広がる

読売新聞


候補犬選抜、飼い主募集…徳島県

 路上で拾われるなどして自治体に引き取られた「保護犬」を、災害救助犬に育てる取り組みが広がりつつある。南海トラフ巨大地震などへの備えが急務となっていることに加え、「殺処分ゼロ」を目指す動物愛護意識の高まりも背景にある。動物の命を救い、人命救助につなぐ試みだ。(行田航、佐藤祐理)

◆救われた命

 「行け!」。合図の掛け声とともに、2匹の犬が高さ約1メートルの細長い板の上を順にスイスイと歩いた。いずれも雄で雑種のモナカ(1歳)とゲン(同)。昨年拾われ、施設に収容されていた保護犬だ。

 3月上旬、徳島県神山町の収容施設で行われたのは、捜索活動に必要な適性を見る1次審査。難なくクリアした2匹は、今年度から県が独自にスタートさせる災害救助犬の認定試験に挑むことが決まった。

 県の計画では、若い保護犬から運動能力や人への慣れ具合などを見極めて選抜し、飼い主を公募。訓練所で1年以上の講習を受けてもらい、県独自の認定試験にパスすれば、救助犬として登録される。自治体としては初の取り組みで、今後拡大を目指すという。

 昨年、公募に応じたモナカとゲンの飼い主は、犬の訓練士を目指す団体職員の女性(19)(徳島県上板町)と、地域の防災に貢献したいという警備業の男性(73)(同県三好市)。2人は「試験を突破し、早く犬と現場に出られるようになりたい」と意気込む。

◆殺処分減少

 南海トラフ巨大地震による被災が想定される県内だが、登録犬は6匹。大災害に備えるとともに、殺処分減につなげる狙いもある。

 各自治体は伝染病予防などを目的に、飼い主が見つからない犬や猫の殺処分を行ってきたが、近年は動物愛護のムードが高まり、2014年度に全国で殺処分された保護犬は2万1593匹と、最近10年で7分の1に減少。各地で引き取り先捜しなどの対策が進んでおり、昨年度約600匹の犬が処分された県内でも課題となっていた。

◆ネパール、台湾へ

 先駆けは、災害の被災地支援を行うNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(PWJ、広島県神石高原町)の取り組みだ。

 10年、殺処分目前に引き取った雑種「夢之丞ゆめのすけ」(推定5歳)は14年8月の広島土砂災害で初めて捜索活動に出動し、昨年4月のネパール地震、同8月に台風被害に見舞われた台湾でも被災地を駆け回った。当初は人間を恐れてばかりだったが、おやつを与えるなどして慣らし、専用の施設で訓練を続けたという。

 PWJの救助犬は現在、養成中を含めて計5匹。保護犬出身は夢之丞を含めて2匹いる。プロジェクトリーダーの大西純子さん(44)は、「当初は自分の殻に閉じこもっていた夢之丞も訓練と経験を積み、めきめきと自信を付けた。殺処分寸前だった保護犬の活躍は、人々の希望にもつながるはず」と語る。

2016年04月08日 Copyright c The Yomiuri Shimbun


posted by しっぽ@にゅうす at 08:16 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする