動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2016年12月30日

【年の瀬記者ノート】置き去り猫 ペットの命に責任持つ社会に 埼玉

Yahoo! JAPAN


「この男の家には、猫が30匹か40匹いるようなんだよ」。11月16日夜、深谷市長を脅迫した疑いで55歳の男性が逮捕された事件を取材していたら、警察官がこんなことを教えてくれた。「残された猫はどうなるのか。この男性は何者なのか」と興味をひかれ、デスクに話すと、すぐに取材のゴーサインが出た。

 翌17日に男性宅を訪ねた。無人の家の中には多くの猫たちが置き去りにされていた。その命をつないでいたのは、県動物指導センターの職員だった。深谷署員立ち会いの下、毎日約30分の世話を男性の勾留中に続けており、担当者は記者に「100匹近くいる」と教えてくれた。

 何度か通い、不起訴処分で釈放された男性と会うことができた。男性は「この街は動物を平気で見殺しにする人ばかりで、行政も何もしてくれない」と口癖のように語った。数年前まで受給していた生活保護を停止された恨みも重なり、フェイスブックで市長に「はっきりと殺意を感じている」などと書き込み、逮捕されたのだった。

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 男性にとって、猫を飢餓や行政の殺処分などから守る保護活動は、絶対の正義だった。ただ、庭にゴミが散乱し、室内で数え切れない猫が身を寄せ合っている様子は、正義の味方と呼ぶには苦しかった。男性はフェイスブックで猫の餌代などの支援金を求めていたが、生活保護を打ち切られたのは、その支援金が収入と判断されたためだ。

 支援者にも取材すると、「猫たちを救うすばらしい人。応援したい」という人がいる一方で、「送ったお金を猫ではなく彼自身のために使っている」などと批判する元支援者もいた。また、はっきりと素性が分からないフェイスブックの「友達」に、数十万円もの支援をする人がいることにも疑問を感じた。

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 同じ保護活動でも、引き取った野良猫で猫カフェを営み、その収入を猫たちのケアに充てる「ねこかつ」(川越市新富町)の取り組みには感心した。店主の梅田達也さん(44)は、「猫はできる範囲で飼育すべきだ。保護猫カフェや、地域猫活動についても知ってほしい」と呼びかける。

 地域猫活動とは、野良猫を地域住民やボランティアで不妊・去勢手術を施した上で育てることだ。県のモデル地域に指定されると、年間上限40万円の補助金を受けられる。

 犬や猫の「殺処分ゼロ」は、東京都の小池百合子知事が公約の一つに掲げるなど、社会的機運が高まっている。野良猫の保護活動も社会的に意義のある行為だが、適切な方法で行われることが大前提だ。ペット飼育も動物愛護活動も、命を伴う行為。責任のある計画的な行動に期待したい。(川上響)


posted by しっぽ@にゅうす at 07:36 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする