動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2017年02月14日

人と猫 共生できる街に

長崎新聞


ネット上に愛くるしい画像や動画があふれるなど、空前の猫ブームとなっている昨今。そのずっと前から、温暖な気候で路地などが多い長崎市の街中では、至る所で飼い主のいない猫に出会える。そんな「地域猫」を管理しながら、人と猫との共生を目指しているある街の人々を訪ねた。

■「さくらねこ」

 「でーん助」。店先にあるトマト箱の真ん中に座るオス猫に、常連客や通行人が次々と声を掛ける。左の耳先にはV字に切り込んだ印。「一目で去勢手術済みだと分かる『さくらねこ』って言うんですよ」。でん助が日中を過ごす青果店の女性が教えてくれた。

 市動物管理センターによると、メス猫は生後約半年で繁殖能力を持つため、不妊化手術をしなかった場合、一つがいの親猫から1年間に生まれる子・孫猫の数は約70匹になるという。この付近では、4年前から捕獲(Trap(トラップ))したノラ猫に不妊化手術(Neuter(ニューター))をしてから元の場所に返す(Return(リターン))「TNR活動」を進め、商店主とボランティアが協力して地域猫の面倒を見ている。

 毎日のエサやりや排せつ物などの清掃をサポートするボランティアの朝は早い。エサやり場に行くと、ぽつぽつと猫が集まって来た。「ペロちゃん、元気やったね」。数カ月ぶりの出没に胸をなで下ろし、同時にぶかぶかになった首輪を見て今の健康状態を憂う。

 「いろんな力をもらっているから、小さな命を守りたい」。ボランティアの50代の女性は約2年前から、個人でも活動していた。だが、猫の存在を好まない人たちは当然いる。猫が多ければ、庭がふん尿被害に遭う住宅も増える。無秩序にエサをやって、片づけない人と同じに見られ、怒りの矛先を向けられたこともある。「だから、猫を嫌う人にこそ話をするようにしている」。少しずつでも理解を広めようと、根気強く活動を続ける。

■助成の継続を

 また、活動のネックになるのが高額な不妊化手術費用。1匹あたり、オスは2万円、メスは2万5千円ほど必要で、行政やボランティア団体の助成事業はありがたい存在だ。

 2014年度以降「まちねこ不妊化推進事業」に取り組んでいる長崎市の場合、継続的に世話をするなど一定の条件を満たせば、1匹2千円の自己負担で済む。だが、各年度250匹の助成枠に対して、応募は千匹前後。希望者すべてに行き渡らないのが現状だ。今のところ、同事業は18年度までの予定で、地域猫を見守る人々からは存続を求める声が上がっている。

 どんなことでも「嫌い」を「好き」に変えるのは難しい。でも、住民の努力によって、嫌われる要素は徐々に取り除かれている。ひょっとしたら、地域猫が町おこしの原動力にもなるかもしれない。そして、今まで以上に人と猫が心地よく共存できる"猫に似合う街"になってくれれば−。人懐っこいでん助の喉元をなでながら、そんなことを思った。


posted by しっぽ@にゅうす at 07:45 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする