動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2017年03月07日

野良子猫、譲渡につなぐ

毎日新聞


猫ブームが続いている。その陰で国内で殺処分された猫は約6万7000匹(2015年度)で、うち7割近くは子猫だ。飼い主不明の猫の繁殖による子猫は課題のまま。春は猫の出産ラッシュ。もし野良の子猫を見つけたら、その命を救うために何ができるだろうか。

 ●春は出産ラッシュ

広告

inRead invented by Teads

 「母猫が子猫の面倒を見なくなった」。昨夏、東京都練馬区で地域猫活動に取り組むNPO法人「ねりまねこ」副理事長の亀山嘉代さんのもとに、ある福祉施設の職員から相談が寄せられた。職員らは、施設敷地内にすみ着き餌をやっていた野良猫が子猫を3匹産んだので、寝床として用意した段ボールに子猫を移すといった世話を焼いていた。良かれと思った行動だったのだが、人間を警戒した母猫が寄りつかない状況を招き、結果的に子猫2匹が衰弱死してしまった。


猫は2月前後から発情期を迎え、交尾をすると高い確率で妊娠をするといわれている。妊娠期間は約2カ月。5月には「子猫を見つけた」というSOSが、動物保護団体に次々に舞い込むようになるという。亀山さんは「母猫がそばにいる乳飲み子なら、手出しせずに、まずは見守ってほしい」と強調する。

 ●殺処分の可能性も

 同様の言葉を、動物愛護センターの職員も切実な願いとして語っていた。生まれたばかりの子猫には、数時間おきの授乳や、自力でできない排せつの補助が欠かせない。自治体の保健所や動物愛護センターなどに離乳前に持ち込まれた子猫は、その手厚いケアまで手が回らないため、多くの場合、殺処分の対象となってしまう。最近は自治体でも、乳飲み子も譲渡につなげられるよう、離乳できるまで一時的に預け、育ててもらう「ミルクボランティア」の活動が広がりつつはある。

 先月上旬、猫の保護活動をするNPO法人「東京キャットガーディアン(TCG)」で乳飲み子の世話の様子を見せてもらった。生後2週間ほどの子猫に、お湯に溶かした猫用粉ミルクを飲みやすいようシリンジ(針のない注射器)で与える。その後、子猫のぼうこうや肛門を刺激して排せつを促す。「下痢を起こす原因になるので、牛乳を与えてはいけない」と話すのは、山本葉子代表だ。TCGは、猫と新しい飼い主の出合いの場となる保護猫カフェなどを手がけ、年間約700匹を譲渡している。その3分の2ほどを子猫が占める。

 活動の一翼を担うのが、ミルクボランティアの存在だ。体力や免疫力の弱い乳飲み子を、感染症から守るためにワクチン接種が可能な生後2カ月ぐらいまで預けている。その間の物資や医療費はTCGが提供する。「適切な保温や消毒の徹底といった健康管理で、体調が急変しやすい子猫の命をつないでもらっている」と山本代表。

 ●助けた人は責任を

 母猫が見当たらない乳飲み子や、チョロチョロ動き回る子猫は、街中で不幸な結末を迎える可能性が高い。亀山さんは「助けたい気持ちがあるのなら、子猫に必要なケアは動物病院でも教えてもらえる」と助言する。保護団体の保護数にも限度があるため、頼ることを前提にしてはいけない。「助けた本人が、新しい飼い主を探すために『ペットのおうち』といった募集サイトを使うなど努力が求められる」と言う。

 子猫を救って終わりではない。「母猫に避妊手術をしなければ、同じことが繰り返される」と指摘する。猫は年2〜3回のペースで3〜6匹ずつ出産するからだ。福祉施設のケースも、ねりまねこ協力のもと、職員らがお金を出し合って母猫の手術に至った。「飼い主のいない猫は避妊・去勢をし一代限りの命として、共生できる地域作りが重要」と亀山さんは話す。

 TCGでは、猫に関する電話相談(電話0570・032・110)を24時間受け付けている。【池乗有衣】=毎月第1火曜に掲載します

posted by しっぽ@にゅうす at 07:46 | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする