動物 しっぽニュース
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2017年03月12日

ペット避難、日頃から準備を 福山の動物病院長、被災経験伝える

山陽新聞


福山市西町、りっか動物病院の大山拓院長(37)=同市=は仙台市で生活していた時、東日本大震災に遭い、被災地で増え続ける野良猫の去勢手術や犬へのワクチン注射などに奔走した。2015年3月の福山市への移住後も被災経験を来院者に伝えたり、ペットとの避難方法をセミナーで呼び掛けたりするなど“あの日”の経験を広めようと地道に取り組んでいる。

 大山院長は、東京都小平市出身。大学卒業後に就職や大学院進学を経て、北里大獣医学部(青森県十和田市)で学んだ。獣医師として赴任したのが、後に震度6弱の強烈な揺れに見舞われた仙台市青葉区の動物病院だった。

 新米医師として1年が終わろうとした矢先に被災。パニックとなった院内の動物はケージの中で激しく鳴いて駆け回り、倒れそうになる機材を押さえるのに必死だったという。

 自宅アパートに急いで帰ると棚は倒れ、本が床に散乱。足の踏み場もないほどだった。妻とペットの犬、猫を車に乗せたが、道は大渋滞。「避難所の近くの小学校までたどり着いたがどうやって着いたのか、動転していて記憶にない」という。

 2泊3日を避難所で過ごしながら、ペットの常備薬を動物病院に買い求めに来る人のためにひたすら調合し続けた。「あのころは毎日『知り合いが亡くなった』という会話ばかりだった。生活の不安もあったが、とにかく必死で獣医師として自分ができることをした」と振り返る。

 被災地で増えた野良猫の去勢手術や被災犬を引き取る福島県のシェルターでのワクチン注射などにもボランティアで取り組んだ。妻の実家のある尾道市に近い福山市で動物病院を開業するため仙台を離れたが、新幹線の窓から見える仮設住宅に「復興途中で、後ろ髪を引かれる思いだった」。

 りっか動物病院を開院以降は、訪れる飼い主に被災経験を伝えている。いざという時に避難しやすいよう犬や猫を日頃からケージに慣れさせておくことなどをアドバイス。

 2月19日に福山市内で開かれた避難所でのペットとの過ごし方などについて考えるセミナーでは講師を務め「避難所では鳴き声などが疎ましく思う人もおり、ペットの存在が負担になることもある」と被災地で経験した出来事を説明。一方で「心身ともに疲労がたまる中、ペットとのふれあいで“安らぎ”を感じる人もいる」と訴えた。

 福山市に移住後「この地域は災害が少ないのが良い」と声を掛けられたこともあったという。しかし、大山院長は「100パーセント安全な場所はない。まさか自分は、と思わず、避難について日頃から準備しておくことが重要」と力を込める。
(2017年03月11日 21時15分 更新)
カテゴリ:
広島県 主要 地域の話題


posted by しっぽ@にゅうす at 08:01 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする