動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2017年03月24日

狂犬病が発生したら 岡山県動物愛護センター木尾所長に聞く

山陽新聞


4月から、狂犬病予防注射月間(6月まで)だ。日本では1957年以降、狂犬病の発生はないが、世界では今でも年間5万5千人以上が死亡している。もし岡山県内で発生した場合、どうしたらいいのか。岡山県動物愛護センター(岡山市北区御津伊田)の木尾勝昭所長に聞いた。

犬係留し移動制限

 ―狂犬病が発生した場合、行政をはじめとする関係機関の対応策は決まっているのか。

 岡山県では、厚生労働省が定めた「狂犬病対応ガイドライン」に沿って、岡山県は2011年に対策要領を定めている。県の対応をはじめ、各市町村や県獣医師会、県医師会との連携やまん延防止策などを示している。

 ―感染が疑われる犬が見つかった場合の具体的な対応は。

 まず、疑いのある犬をセンターに一定期間隔離し、狂犬病かどうかを調べる。岡山、倉敷市は保健所が担う。1年以内に狂犬病予防接種をしているか、興奮状態やまひなど特徴的な症状がないかを確かめ、死亡したら脳を調べて狂犬病かどうか診断する。国立感染症研究所へ検体を送り、確定診断も行う。狂犬病は感染した動物にかまれて感染が広がるので、その犬にかまれた動物がいないかも調査する。

 ―狂犬病が発生したエリアではどんな措置がとられるのか。

 県は速やかに、区域内の全ての犬を係留する命令を出す。野犬だった場合、活動範囲や接触した動物が確定しにくいため、かなり広い範囲に命令が出されるだろう。当然、指定区域内の犬は移動も制限される。飼い犬の一斉検診や臨時の予防接種を行うこともある。

 感染が広がるのを防ぐため、センターは区域内で野放しされている犬を捕獲しなければならない。室内飼いでもうっかり期間中に逃げ出せば、捕獲の対象となる。迷子の犬は予防接種しているかどうか確認できないことが多く、感染していないか経過観察の対象となる可能性が高い。

室内飼いも必ず予防接種を

 ―狂犬病に備え、飼い主がすべきことは。

 飼い主に義務付けられている予防注射の接種率が7割を超えていれば、感染症のまん延を防げるとされている。だが、岡山県は58.7%(2015年度)で全国平均の71.8%を大きく下回る。実際の飼育数は登録数を上回ると考えられるので、接種率はもっと低いかもしれない。

 「室内飼いだから必要ない」と考える人もいるようだが、予防注射は自分の犬を守るためだけのものではない。飼い主や地域の人の命を守るためにも、4〜6月の狂犬病予防注射月間中には必ず接種してほしい。

 さらに犬を飼った時の市町村への登録、登録証である鑑札と注射済票を常に身に着けさせておくことも大切。そうすれば、たとえ狂犬病が発生しても、行政が地域の犬の状況を正確に把握できるので、パニックを最小限に防ぐことができるだろう。

 狂犬病 ヒトを含む全ての哺乳類が感染する人獣共通の感染症。感染した動物にかまれると、傷口からウイルスが侵入し、全身の神経組織に広がって脳の中枢神経を破壊する。発症すれば、ほぼ100%死亡する。狂犬病が疑われる動物にかまれたら、ヒトの場合は速やかにワクチン接種をすることで、発症を防げる。2006年には、フィリピンで犬にかまれて感染した2人が帰国後に発症し、死亡する事例があった。
(2017年03月21日 12時19分 更新)


posted by しっぽ@にゅうす at 09:03 | 行政 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする