動物 しっぽニュース
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2017年08月10日

獣医師 家畜分野は敬遠されがち ペットブームの一方…

上毛新聞


学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を受け、獣医師の需給が注目されている。ペットブームを背景に、犬や猫などの小動物を診る獣医師を目指す学生が増える一方で、牛や豚といった家畜に対応する産業動物分野は敬遠されがちだ。全国有数の畜産県である群馬県では産業動物獣医師の高齢化が進み、県の職員採用にも影響が出るなどしている。

◎全体の3割 活動の場少なく負担増…の悪循環
 県獣医師会によると、県内で開業する本年度の会員234人のうち、産業動物に関わる獣医師は3割程度の81人にとどまる。1997年度の開業会員数は211人で、20年間で増加したものの、産業動物獣医師は減少傾向という。

■「重要な役割」
 県獣医師会家畜衛生管理事業委員長を務める高橋信雄さん(60)は産業動物獣医師について、「きつい、汚い、危険の『3K』のイメージからなり手が減少している」と危機感を募らせる。「食の安全安心を生産者に指導する重要な役割も担っている」と訴え、獣医師を志す若者に目を向けてもらいたいと切望する。

 畜産農家の減少も、なり手不足の一因になっている。国の統計では、群馬は豚飼養頭数(2016年)、生乳生産量(15年)とも、都道府県別で全国4位。16年の乳用牛と肉用牛、豚は計72万3900頭で、全体数に近年大きな変化はないが、飼養戸数は1996年の計3790戸から計1439戸へとおよそ6割減った。農家が減少すると産業動物を診る獣医師の活動の場が少なくなり、なり手もいなくなって1人当たりの負担が増える、という悪循環に陥っている。

■人材確保が課題
 高齢化も進む。東毛酪農業協同組合(太田市)は産業動物獣医師を正規職員として雇ってきたが、現在は定年退職した2人の雇用延長で対応する。酪農家が減り、組合関係者は「費用がかかり、新たな雇用は難しい」と嘆く。

 家畜伝染病の防疫などに必要な獣医師を定期採用する県にとっても、人材確保は課題だ。15年度は採用予定8人に対し入庁者4人、16年度も10人に対して7人と、採用枠を満たせなかった。内定後に辞退者が出たためで、退職者の再任用や非常勤職員で補った。

 地方公務員の採用を巡っては、県外の自治体でも定員割れが問題化。県は17年度採用では予定した6人を満たせたが、「各大学にアピールするなど今後も努力を続ける」(人事課)とする。学生を対象に月10万〜12万円を給付して卒業後に県内で産業動物獣医師として働けば返済を免除する制度や、求人・求職情報を提供する「ぐんま獣医師バンク」の周知を図っていく。

 厚生労働省のまとめによると、県内の犬登録数は15年度が12万2036頭で、10年度に比べ約1万6000頭減り、全国的には約25万頭減少した。猫はほぼ横ばいとされる。加計学園の学部新設計画は定員160人とこれまでにない規模だ。獣医師が増えても、ペット診療分野での偏在に拍車がかかるのではないかと懸念されている。


posted by しっぽ@にゅうす at 07:39 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする