動物 しっぽニュース
認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会

2017年11月15日

東海初“動物の精神科医” 岐阜の奥田獣医師、認定

中日新聞


ぎふ動物行動クリニック(岐阜市岩地)の奥田順之獣医師(31)が、“動物の精神科医”と呼ばれる「獣医行動診療科認定医」に認定された。認定は東海四県では初で、全国でも八人目。奥田さんは「認定医として、悩む飼い主の助けになり、人と動物が共生できる社会に向けて貢献したい」と意気込む。

 「落ち着いてきましたね」。十二日、奥田さんは十歳の雑種の雄犬、エレ君を診ていた。興奮しやすく、かみ癖がある。物音のする玄関で飼育していたが、奥田さんの指摘を受け、静かな車庫で飼うようになって、性格が穏やかになった。

 飼い主は散歩中にエサをあげながらトレーニングをしていたが、奥田さんは「興奮している散歩中にエサをあげると、もっと興奮してしまう」と指摘。「最初は車庫で、慣れてきたら範囲を広げてください」と助言し、過敏性や衝動性を和らげる薬を処方した。

 獣医行動診療科認定医は、動物のほえる、かむ、自傷行為などの問題行動の治療を、専門的に行う。日本獣医動物行動研究会が二〇一三年から認定しており、毎年行われる認定試験の合格者は全国で一、二人。受験には、問題行動の診療を五年間で五十例以上診た経験があるなどの条件が要る。今年は九月に試験があり、四人の受験者中、合格者は奥田さん一人だった。診療では、動物と飼い主の双方をカウンセリングし、飼育環境の改善や飼い方への助言を行う。

 奥田さんは、ペットなどの動物が殺処分されるのを防ごうと、岐阜大の学生時代に動物愛護団体を立ち上げるなどして活動してきた。殺処分の原因は、飼い主の高齢化や経済的状況などが絡み合うが、動物の問題行動によって殺処分される事例も少なくない。

 奥田さんは岐阜大応用生物科学部獣医学課程を卒業後、一〇年に獣医師になった。飼い主と動物の関係性の問題を解決して殺処分を減らそうと考え、一二年に犬のしつけ教室「ONELife(ワンライフ)」を、一四年に同クリニックを岐阜市に開設。行動診療科の知識を広めるため、認定医を志した。

 奥田さんは「動物の問題行動は、しつけ不足だと捉えがちだが、実はしつけだけでは解決できない場合がある」と警鐘を鳴らす。体罰を使ったしつけは、動物の恐怖や不安を増幅させ、問題を悪化させることが多いという。脳の異常が原因の問題行動もあり、その場合は、脳機能を改善する薬物治療や、身体疾患の治療を行う必要がある。そこで活躍するのが、行動診療科だ。

 奥田さんは「行動診療科のことをもっと知ってもらい、人と動物の関係性をよくして、殺処分や飼育放棄の問題解決につなげたい」と意欲を語った。

 (下條大樹)


posted by しっぽ@にゅうす at 07:42 | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする